2022/04/10 のログ
ご案内:「常世公園」に八坂 良彦さんが現れました。
ご案内:「常世公園」にロベリアさんが現れました。
八坂 良彦 > 休日の昼前の常世公園、丁度昼食の為に子供たちが家に帰り、静かな時間が訪れる。
そんな中に、一人だけ小柄な少年が体を動かしている。
はたからみれば、その動きは良く判らないが、武術などの心得があれば、それが少年の収める武術の型だと判るだろう。

恐らく最初は着ていたジャージを脱いでTシャツ一枚で、酷くゆっくりと体を動かしていく。
Tシャツ越しに見えるその体は体格に対してみれば、鍛え上げられているのが判る。
あせが、頬からこぼれ、Tシャツも少し濡らして。

「ふっ、ふっ…ふっ!」

ゆっくりした動きで、拳を突き出し、その拳を開いて何かを掴む様な動きを、独特な呼吸をしながら繰り返す。

脱いだジャージが置かれたベンチの上には、開かれたリュックサックと水筒、携帯端末。
リュックサックのなかには、大きなタオルと、ラップに包まれたソースカツサンドと思わしきものと、紙袋。
少年は型修行に集中して、周りの事には気づきそうに無いくらいには、その動きに没頭している様子。

今なら、少年自身に何かしない限りは、気づかないかもしれない。
それほどの集中力で同じ動きを、ゆっくり繰り返す、ゆっくりと動かすというのは意外に難しく、体力を消耗するもので。
それにより、必要な筋肉を同時に鍛えてもいる様子。

ロベリア > そんな爽やかで平和な公園に忍び寄る魔の手があった。
背中の羽を揺らして歩くその少女───ロベリアは、この公園の常連。
今日も配下……もとい近所の子供達と遊んでやろうとやって来た。

「クックック、ワレが来てやったぞ!
 ……って、なんだ。だれもいないではないか」

誰かと待ち合わせていたわけでもなく、がらんとした様子に落胆の声を溢す。
が、きょろきょろと園内を見回せば人の姿があるではないか。

「む? あれは……
 確か、ヨシヒコとかいうニンゲンだったか。
 こんな場所でひとりで、なにをしてるんだ?」

ほぼ独り言に近いその言葉や入り口に立つロベリアのことにも気付いていない様子。
彼の近くに置かれているものを見て、口元をニィッと歪めた。

「どれどれ……おっ、うまそうなもの発見」

足音を殺して忍び寄ると、開いたままのリュックに手を突っ込んでガサゴソと容赦なく漁り始めた。
ロベリアは悪を糧とする悪魔。欠片も躊躇いがない。
やがてカツサンドを見つけて取り出すと、ベンチに腰掛けて勝手に開封。
むしゃむしゃと頬張りながら修行風景を眺めている。

八坂 良彦 > そうしていることしばし、12時になったと同時に、携帯端末がアラーム音を響かせ始めると。
拳を引き戻して、もう一度次の動きを始めようとしていた少年が、動きを止めて。

「っと、飯の時間か」

そう呟き、ベンチの方を振り向いて。
リュックの置いてあるベンチに座る少女に気が付き。

「ん…あぁ、ロベリアじゃないか、こないだぶりだな。
そういえば、公園に偶に来るみたいなこといってたよ、な?」

ふと、少女が手に持ち食べている物に、見覚えを感じて、急いでリュックサックへ駆け寄って。
ばっと、中身を確認し、あるはずの物がそこになく、少女の手元にある事に確信をもって。

「ちょ、ロベリア、おまそれ俺の昼飯っ!
て、すでにほぼないし!」

そういって、少女を見つめ、あ、ほとんど残って無い、と気づいて。
疲れたように…実際型稽古でつかれていて…ふらうらと、少女の隣へ腰かけ、タオルで汗を拭きながら。

「ちなみにロベリアさん、美味しいですか?」

ジト目で問いかける。

ロベリア > 「むぐむぐ……お、やっと気付いたか。
 うむ、ここはワレのシハイする悪魔領だからな」

既に半分以上なくなったカツサンド片手に、空いた手を上げた。
あなたが駆け寄ってリュックを確認し始めても動じることなく、
指についたソースを舐め取るなどしている。

「領地のものはワレのもの。
 このサンドイッチ、肉厚でなかなかうまいぞ。これも手作りか?」

とりわけ肉と甘い物が好きな悪魔は満面の笑みで答えた。
汗だくの男が隣に来ても特に気にしていないようだ。

八坂 良彦 > 「んー…いや、ちょっとした道具で、色々不可掛けてて気づかなかったな。
そうなのか、ロベリアの領地か、で、接収した食料を食べてる、と」

汗を拭き、タオルを首に引っ掛けて、首にかけていた小さな板鏡から漏れる光が完全に消えて。

「まぁ、両地ならそうなるわな。
あぁ、昼用に作って来たんだがな」

少女が言う領地という言葉が、実際にどうかは置いて置き。
少女がそう認識している場所で、荷物を放置したのが問題だろうか。
とはいえ、そう考えている事は、先日あったくらいでは判らなかったのだが。

「美味かったんなら、まぁいいか。
こっちが残ってだけましか、おやつ用だったんだけどなぁ」

手に取ったのか紙袋、中を開けると甘い匂いが漂って。
袋から出て来るのは、軽くラップに包まれ、真ん中にカスタードクリームを挟んだ、小さなパンケーキの様な菓子。
それが、3個ほど、その一個のラップをはずしながら、はぁとため息。

そして、その間に地味に気づくかもしれないのが、少年からは汗の匂いは漂ってきていない事。
というか、少年側からは少女方向には、なぜか風が不自然に吹かないという事、周りの植物の揺れなどで、みても少年のちかくだけ、風の流れがおかしい気がするかもしれない。

ロベリア > 「しばらく見てたが、へんてこな動きだったな。
 あれはなにかのギシキなのか?」

あなたの顔と首元の板鏡とを交互に見つつ。
武術というものに明るくないので、そういう反応になる。

「キサマ、なんでも作れるな。
 店でもひらいた方がいいんじゃないか?」

ワレの領地に開くなら歓迎するぞ、などと宣うが
領地だのは単なる自称でここは皆の常世公園である。
子供たちはむしろ彼女の遊びに付き合ってくれているのだ。

「……おお、そっちもうまそうだな!」

汗とか風とか、今は違和感より食欲。
こういうところは完全にお子様マインドだ。

八坂 良彦 > 「あぁ、あれは俺の家に伝わる武術の動作をしてたんだ。
動きを覚えさせるために、ゆっくりと正確にやってたし、相手もいないから儀式に見えてもおかしくはないかな」

儀式と言われれば、相手がいるわけでなし、動きだけだと確かにそう見えても叱らないかもと苦笑し。
光はいまは、完全に光をうしない、覗けば普通に鏡として使えるだろう。

「なんでもではないけどな。
さすがにこの年で店は無理じゃないか、異邦人だと成人年齢違うかもだけど。
普通に成人までまだかかるし」

領地って此処以外何処なんだ、と杭を傾げて。
少年も偶に公園の子供たちに誘われ、遊んだりするので、今までは偶然会っていなかったらしく。

「一個で、ゆるしてく、流石に腹減っててな」

目の前でだしたのだから、そう言われるであろう事を感づいてたのか。
美味そうだな、と言われパンケーキサンド(カスタード)を一つ差し出す。

「疲れた時様で甘めだからな、あとストレートの紅茶とかあるけど飲むか?
そっちは、あまくないけど」

水筒の中身は、今日は紅茶だったらしく、それも聞いてくる。

ロベリア > 「踊ってるのかと思ったぞ。
 それに、これは……カガミか? なんか光ってたような」

鏡に映る自身の瞳を覗き込みながら首を傾げている。
魔族の中には鏡や写真に映らない者もいるが、彼女は違うらしい。

「そうなのか?
 たまに表の街にもさんぽしに行くが、キサマと同じくらいの生徒がやってる店もあるぞ」

それらは部活動として学園から認可を得ているものだ。
入学時にそう説明を受けたのだが、すっかり忘却の彼方に行ってしまった。
(詳しくは世界観のページを参照)

「なんだ、腹が減ってるのか。もっと肉を食え肉を。
 仕方がないから、こっちも少し分けてやろう」

何故かこちらが施す側のような態度で、食べかけのカツサンドをずいと突き出した。
代わりに差し出されたパンケーキサンドを持っていく。
もちろん紅茶も当然のように飲む気まんまんだ。

八坂 良彦 > 「踊るならもうちょっとちゃんとおどれるって。
あぁ、これは、んー、偶然手に入れたんだけど、修行とかする時に負荷をかけてくれる。
凄く簡単にいうと、トレーニング器具の一種、だな」

ネックレスの様になっているそれを、くるくる回して見せる。
裏は鏡状にはなっておらず【百鍛千練・望勉鏡】、と掘られている。

「あぁ、それは部活として申請してるからだよな。
んー、流石に申請してもそっちもやるとなると時間がな、足らないと思う」

それに料理とかは、必要で覚えた事だかあなぁ、と頬をかきながら。
一応は委員会が結構忙しいしなぁと、とも呟き。

「いや、ロベリアが俺の飯くってたんだが。
ん、ま、いいか、んじゃ頂くよ」

食べかけのを食べていいのか、一瞬考え、目の前の少女が気にしてない様子なので良いか、と受け取って。
数口で食べきって、うん、ソースが馴染んで良い感じだ、と思いつつ。
水筒についているコップに、紅茶を注いで、少女へ差し出して。

「あー、少し腹も落ち着いた。
そういや、ロベリアは、えと、領地の巡回的な事してるのか?」

そういえば悪魔領といって居たが、何をしていたか聞いておらず。
その前に、食い物とかの話になっていたからなのだが。

ロベリア > 「ふふん、ワレもホンキを出せばダンスのひとつくらいおどれるぞ。
 ……ところで、それ、なんて書いてあるんだ?」

別に踊ることは主題ではないのだが、何故か得意げ。
視線はくるくると回る鏡の方を向いていて。
漢字が読めなかったため、眉間に皺を寄せた。

「メイアンだと思ったんだがな……まぁいい。
 キサマが店をひらかなくてもワレはこまらんしな」

パンケーキサンドにかぶりつく。
溢れたクリームで口の周りが汚れるのも構わず、その甘さにご満悦。
食べかけだとか間接……だとかは全く気にしていない。
コップに注がれた紅茶も遠慮なく一気飲みだ。

「まぁ、そんなものだな。
 ヒマだったから、あそび相手をさがしてたのだ」

ついでに何か悪い事ができないかと考えている。

八坂 良彦 > 「そうなのか?…ん?…、ロベリアの言ってるダンスってもしかして、パーティとかで踊るようなのか?
これか、ひゃくたんせんれん、もうべんきょう、って読みになるな。
がんばってどりょくするとか、そんな感じの意味、らしいぞ」

自分の言うダンスは、フリー的な意味だったのだが、以前見た解放した状態のロベリアを思うと、そんな気がして。
百鍛千練については、意味が分からず辞書で探して調べたのだが。
ちなみに、読みも良く判らなかったのは少年も同じだったりする。

「おやつとか持ってる事は多いし、もってたら上げるのは構わないけど。
もしくは、連絡くれれば…ロベリアって、連絡手段とかあるのか?
というか、店開いたら、黙って持ってきそうだよな、悪い事するっていって」

燃費が結構悪いので、菓子などは持っている事が多く。
連絡くれれば、何か作ろうかといおうとして、きちんと手続きはしている様子だが、連絡先とかあるのだろうかと疑問に。
そういえば、最初もたい焼きをどこかから盗ってきていたな、と思い出して。

「そうなのか、んー。遊び相手かぁ……小さい頃は親と模擬戦するのが遊びみたいになってたなぁ。
ロベリアって、悪魔なんだよな、戦いとかってどんな感じなんだ?」

ふと悪魔というのはどう戦うのか、と気になりはしたので、素直に聞いてみる事に。

ロベリア > 「ほかに何があるんだ?
 ワレはこう見えて、魔界ではコウキなミブンだからな!」

魔界を統べる大悪魔の末裔。
この世界風に言えば王族と言っても差し支えのない血統だ。
小さい姿の彼女からは全く高貴さを感じられないが……

「ひゃくたんせんりぇ……うぅ、舌をかんだぞ」

オウム返しのように発音しようとして失敗したらしい。
うぇー、と舌を出して涙目になっている。

「キサマが落第街に店をかまえたらそうするが、
 表はフーキがうるさいからワレもわきまえてるぞ。
 レンラクしゅだんなら、前にいろいろ教わったからもってる。
 うまい菓子ができたらレンラクするがいい」

生地の薄そうな服のどこにしまっていたのか、キッズケータイを取り出して掲げた。
黒と赤のカラーリングとデザインはいかにも子供受けが良さそうだ。

「なんだ、悪魔の戦いかたにキョーミがあるのか?
 ツメでひっかいたり、黒マジュツを使ったりするぞ。
 このすがたでも使えないことはないが、大したことはできん」

口端のクリームを拭った指を舐めると、そのまま指先をそちらへ向ける。
すると、そこに黒い小さな光が球状に浮かび上がった。
光はシャボン球のようにその場で弾け、霧散する。

八坂 良彦 > 「あ、やっぱりそうなのか。
あぁ、大悪魔の末裔っていってたし、かいほう?、変身した後の恰好はドレスだったしそうかなと思った」

そういった事に関して、知識もなく、逆に偏見も無いので。
少女の言う事を素直に信じて、やっぱりそうなのか、と苦笑する。

「まぁ、言いにくいよな…冷やせるものでもあると良いんだけど。
ほら、大丈夫か、ちょっと拭くぞ」

舌を出している少女を見て、すこし考えて。
とりあえず、涙目になっている少女の頭をぽんとなで、浮かぶ涙をタオルの端でぬぐおうとして。

「あぁ、まぁ普通の店だと監視カメラなんかもあるしな。
俺も落第街には店ださなうだろうし、仮に出すとなっても。
あぁ、そんじゃ何か困ったら連絡してくれ、手伝える事なら手伝うから」

置いてあった形態端末の連絡先を教えて。
ロベリアの連絡先を登録する。

「まぁ、色んな相手の戦い方に興味あるし、悪魔とかはロベリア初めてったからな。
肉弾戦と、魔術か、結構色々できるんだなぁ。
あぁ、前の解放状態とかだと、強いのか、確かにあの時はかなりやば感じの気配だったし」

すこし見た感じの子供状態の魔術、それでも珍しい事は確かで。
すこし考えて。

「なあ、ロベリア、解放状態、だっけあの変身した状態で、手合わせ的なのできないか?
悪の力使いすぎて、不味いなら、諦めるけど…うけてくれたら、何か好きな物つくるから、さ」

そういって、手を合わせてお願いしてみる。

ロベリア > 「んぐぅ……」

もはや威厳もへったくれもないが、大人しく拭われている。
涙と一緒に口まわりのクリームも取れたことだろう。
やや覚束ない手つきで連絡先を交換しつつ、あなたの提案を聞く。

「ワレの力、こないだのアレでは見たりなかったか?
 うまいものが食えるなら、受けてやってもいいぞ」

悪のエネルギーはまた溜めればいいし、消耗した分もあなたの手料理が食べられるなら悪くない話だ。
と、乗り気な様子を見せた。

八坂 良彦 > 「うん、見たりなかったというか、もう一度見て、軽く手合わせしてみたい感じかな。
金型とか使う様なのじゃなければ、大体は作れるから好きなものいってくれれば」

先日の限定解除と叫んでいた状態での、ロベリアは。
大悪魔というだけの気配と、力の大きさを感じたのは確かで。

「そういうかんじで、ロベリアの言葉に甘えて、たのんでいいか?
んー、俺ができる物なら作って御馳走する、っていう約束で」

少ない知識の中で、約束や、契約という物は悪魔とって大事だと、なんとなくで知っていたからか。
きちんと約束として、告げて、改めて頼み込む。

ロベリア > 「クク……キサマもまた、ワレの力にみいられたというわけか」

不敵に笑いながらベンチから立ち上がり、数歩進んだところであなたに向き直る。

「いいだろう、ケイヤク成立だ!
 なにを作らせるかは……戦いながら考えるとしよう」

そして、落第街で見せた時と同じように───
少女の足下から、砂を巻き上げて闇が噴き出した。

八坂 良彦 > 「…っ、やっぱやばい気配なんだよな」

悪魔に対する人としての本能的な物なのか、闇の中に感じる力に、体は反応し。
構えを取り始める、脚を軽くひらき、左手を軽く開いて前に構え、右手を腰に当てる。

何時でもどんな方向にも動けように、体に芯を意識して。
自分の目と、神経に強化を集中していき。

ゆっくりと、少年を中心に風が巻き始める。

「さて、どうくるの、やら」

すぅと、闇が張れるのを、ロベリアが現れるのをまい受ける。

ロベリア > 闇がロベリアの全身を包んで膨れ上がっていく。
そして、羽ばたき一つで霧散した闇の中から現れたのは、ドレス姿の女性。
大悪魔の力を解放した───落第街でも見せたロベリアの限定解除モードだ。

「待たせたな!
 それでは……共に円舞曲(ワルツ)でも踊るとしようかッ!」

言うが早いか、掛け声など不要とばかりに地面を蹴り出し、
格好からは想像もつかない身軽さで良彦へと肉薄する。
そのまま鋭く伸びた爪を薙ぐように振るった。

八坂 良彦 > 闇が膨れ、羽ばたきの音の直後。
ドレスにを包んだ女性の姿を確認し、いくつかの意味で息を飲む。

「おぉっ!
さそいながら、くるのかいっ!」

そして、そんな一瞬の隙間に動き始める女性の動き。
思った以上の速さに、目と神経を強化して正解だったと、内心思う。

薙ぐような放たれる伸びた爪の一撃を、前に出していた左手に渦巻状に風を纏わせて。
半歩踏み込んで、相手の手首のあたりを上に弾く、一撃目故、どの程度の力かを見るためとがいえ、思った以上に力が強い、そう感じながら。
手の長さの関係で、爪は頭近くまで届いており、それを避けるため、弾く動きと同時に、頭を傾けて、目の前を鋭そうな爪が通り過ぎる。
背筋が震え、乾いていた汗がも一度噴き出して。

ロベリア > 「見切ったか! そう来なくてはな!」

初撃を防がれることは想定内。
もっと物理的な手段で来ると思っていたが、弾かれる直前に風を感じた。
自然の流れとは異なるもの───彼の力と見て間違いないだろう。
この瞬間にそこまで思考を走らせながら、衝撃を流すように中空で身を翻す。

体に隠れた死角でもう片方の手に魔力を集め、向き直ると同時に放った。
ソフトボール大の光弾が狙うのは、良彦の足元。

八坂 良彦 > 空中で身をひるがえす相手の姿。
楽しそうな、声を聞いて、自分の中で持ってた少女状態のロベリアとの差を感じ、それを修正する。
今いるのは、甘い物が好きで、何処かほのぼのとする気配を持つ少女を内包しつつ。
戦いを楽しむ部分なども持つ、大悪魔の末裔なのだと。

「こっちは予想外だ、まったくっ!
とはいえ、空はロベリアだけの場所じゃ、無いぞ」

足元を狙い放たれる光弾をジャンプで避けて、その足元に風の足場を作り出すと。
そのまま、ロベリアに向かって、左右に体全体を動かしながら、近づくと。
腰辺りに構えていた、右拳を胸元へ向けて、まっすぐに突き出していく。

腕や爪で受けよとすれば、拳を解き、指先で受けた場所を掴むだろう。
ギリギリで避けよとすれば、掴める距離ならば、掴む、そんな動き。

ロベリア > 「ほう……我がテリトリーに踏み込んでくるか」

牽制として放った光弾はベンチの前に着弾して砂を巻き散らした。
その間に高度を上げるが、砂塵を抜けて迫る姿に口角が吊り上がる。

「だが、我ほど自由には動けまい! 撃ち墜とされてくれるなよッ!」

背中は向けず、引き撃ちの要領で足場に向けて光弾を連続して放つ。
しかし大ぶりな動きに合わせるのは難しく、接近を許してしまうだろう。
突き出された拳に対し、ロベリアが取った行動は───

防ごうとも、避けようともせず。
むしろ豊満な胸を見せつけるかのように待ち受けてみせた。

八坂 良彦 > 「空から撃たれ続けるのは、こっちが不利すぎるからな。
それでも、細かい動きは結構できるもんだぞ」

笑い顔を見せる相手に、此方もにやりと微笑んで。
実際問題として、風の異能での射撃はそれほど制度がよくないので。
風の足場で細かく近づく方がマシという状況。

言葉通りに、風の足場を踏み、時には同じものを手で押して、体を動かす。
突き出した拳を、避けない動きをいぶかしみながら。

直前で高速移動するのか、と予想し。
胸の直前で、拳を解くと、がしっと、そのまま手を閉じる。
動いていなければ、その豊満な胸を、しっかりと。

ロベリア > 反応速度が早く、機敏に動く相手の動きが最も鈍る状況。
それは相手が予測の付かない行動を取ってきた時だ。
実戦であれば無防備に心臓を晒すなど自殺行為であろうが、今は違う。
開かれた手は、そのまま柔らかな部分に食い込んだ。

「んッ……スキンシップにしては乱暴だな?」

痛みか、はたまた別の感覚か……僅かに顔を顰めながらも、
決して余裕は絶やさずに笑みすら浮かべて言い放った。

───しかし、次の瞬間。胸元に沈む手首を掴み、
その細腕からは想像もつかないほどの力で引き剥がすと、地面に向かって投げ飛ばそうとする。

八坂 良彦 > 「は、ぁ…ちょ、まっ」

女性の思惑通りか、胸をしっかりと掴んだ感触に。
視覚と触覚の情報が、柔らかで大きな胸を掴んでいると伝えるが、それが理解しきれずに。
一瞬理解が追い付かず、動きが止まる。

其処を思った以上の力で地面に向かって投げられる直前に。
左腕を伸ばして、自分の腕を掴む相手の腕を掴み。
自分が投げられるのと同じ方向へ、風で作った足場を思い切り蹴って、自分もろともに。
相手の投げの勢いに相手を巻き込もうという判断を、無意識なのか、下した様子。

結果、そのままであれば、お互いが勢いを持って、地面に向かう事に。
その間も、受身を取ろうと、幾度か足などで風の足場を蹴るなどし、少しでも勢いを抑えようと動くのは、当然で。

そして…。

ロベリア > 「ぬぉ……ッ!?」

イタズラ大成功、と油断したのが良くなかった。
掴み返されることまで想定できておらず、もつれ合う形で落ちていく。
翼が自由であれば大人しく地面に叩きつけられる道理もない。
受け身を取ろうとするあなたに胸を押し付けるようにして抱き寄せ、羽ばたきで勢いを最大限殺して肩から着地した。

「いてて……やるなヨシヒコ。怪我は無いか?」

砂を払いながら、未だ腕の中にいる少年に呼びかける。

八坂 良彦 > 腕を持ったまま勢いを殺していると。
引き寄せられて、何か柔らかい感触を感じて。
そのまま、想ったより弱い衝撃、そして声に。

「っ、あぁ…大丈夫、なんかやわら、か…ぅぉっ」

そして、ようやく状況に気が付いて、声をあげ、顔を赤くして。

「大丈夫だけど、なんで、こんななってるんだ?」

慌てて、離れようと身をよじる。

ロベリア > 「なんだ、もう良いのか?
 さっきはあんなに力強く揉みしだいてくれただろうに」

呆気無く解放し、二人の身体が離れる。
ロベリアはというと、悪戯っぽい笑みを浮かべてあなたを見ていた。

「クク……以前この姿を見せた時の反応を思い出してな。
 意表を突くならこの方法がもって来いだと考えたのだ。
 そしたら手を掴んできたから、足りないのかと思ったぞ」

八坂 良彦 > 「はぁ、良いのかって…いや一寸…。
いや、確かに思い切り掴んだけどな」

一寸の後小さな声で、もったいないきも、とか聞こえるかどうか。
解放されて、顔を首元まで赤くして。
悪戯ぽい顔を見て、少し悔しそうにして、けれど少し視線を胸と顔で彷徨わせて。

「そんな事覚えてたのか。
思い切り意表つけれたのはたしかだ、な、ぁ。
相手の力利用する投げと同じ要領で、投げようと思ったら、空で姿勢制御しきれなかったんだって」

はぁ、とため息のように、息を吐いて。

「あ、ロベリアは怪我とかしなかったのか、いててって聞こえたけど」

先ほどの声をおもいだし、相手の事をしっかりと見つめる。

ロベリア > 「つくづく面白いな、人間の男というのは。
 魔族が相手では貴様のような反応は見られないからな」

くつくつと喉を鳴らして笑う時は、心の底から愉快な時だ。
異姓に触れられることにはあまり抵抗がないらしい。

「我を誰だと思っている。
 あの程度では、この身体には傷一つ付けられんさ。
 衝撃までは消せんから、少しびっくりしたがな」

言葉通り、傷どころかドレスに砂埃すら付いていない。
薄い魔力の被膜のようなもので覆われており、多少の傷や汚れは無効化してしまうのだ。

八坂 良彦 > 「はぁ、いやある意味で役得とか思ったりはするけど、何気にやっぱ恥ずかしいというか。
魔族の感覚派判らないけど、おれは、なんだ色々思う事もあるよ、それなりの年だし」

愉快そうな雰囲気の笑いに、まだ照れている様子で。
いまは視線は顔や胸、そのほか先日よりもしっかりと色々な場所を見ている。
ある程度かkしてる様子だが、女性にしてみれば判りやすいのだろう。
恐らく平静状態であれば、武術家の技術としての、全体を見るという見方をするのであろう。
けれど今は、どちらかといえば男性としての視線が強く出てしまっている。

「そうなのか…いや、それならよかった。
女の子に、ケガさせたら大変だしな…実戦ではそんな事きにしてられないけど。
いまは、違ったし」

ふぅと安堵の息を吐くと、もう一度怪我がなさそうかきちんと見て。
本当にない事に安心する。

ロベリア > 「そうは言いながら……クク、目は正直だぞ。
 さっきまでの油断の無さはどこへ行ったのやら」

今なら簡単に不意が打てそうだ、なんて笑いながら肩を竦める。
形の良い胸が小さく揺れ、そこに視線が寄るのが手に取るように分かった。

「なに、心配は要らん。
 どうする? まだ続けるか?
 それとも……最早それどころではない、か?」

対抗するように、こちらも視線を一ヶ所に向ける。
どこへ向いたかは推して量るべしだ。

八坂 良彦 > 「そりゃ年頃だしな…はぁ、うん、悪い。
いや、それどころじゃないって」

言われるとおり、精神的に乱れ捲りで、何かあってもとっさに動けるかどうか。
すこしの動きに翻弄されるように視線が動いて。
本来であれば、一か所を見るのはぐさくとわかっていても、もう集中が切れていて。

「あー……、
うん、続けても、これ以上はなんか、違う事しそうだし。
そう、だな…あぁ、それどころではない、よ。
すなおにいえば、色々やばい」

抱きしめられ、直接感じた柔らかさや、今も見せられている体に対して。
しっかり男性として反応してしまって、それどころではないと言われる通りで。
もろ手を挙げて、降参を示す。

ロベリア > 「なに、貴様が謝る必要はない。
 そうなるよう仕向けたのは我だからな」

自覚があるぶん余計にタチが悪い。

「我の本気はこんなものではないが……
 領地を穴だらけにするわけにもいかん。
 まぁ、それはまたおいおい見せてやるとしよう」

そう言って再び闇を纏い、元の姿へと戻っていく。
自ら集中を欠かせた責任を取るつもりはないようだ。

八坂 良彦 > 「なんか、その姿に落ち着く。
さて、とロベリア」

闇に包まれ、元の姿に戻ったのを見て、苦笑しつつ。

「約束通り、何か作るけど、なにくいたい?
あんま高級なのはきついから、勘弁してほしいが:

そう言いつつも、続けて。

「俺ができる習って、約束だからな、金銭的含めてできるのなら、作るから言ってくれ」

とりあえずまだ収まらない部分はあるのだが、元の女体のロベリアに言ってもそれは何か違うし。
約束していたことを果たさなけばならないだろうと、そう考えて尋ねる。
とりあえず、脚が出ない事を祈りながら。

ロベリア > 「ワレもずっとあのすがたをイジするのはつかれるからな。
 落ちつくといえば落ちつくぞ」

お互いの"落ち着く"の意味合いは少し異なるようだが。
ともあれ、約束は約束だ。

「肉だ、肉がくいたい! 限定解除は腹がへる。
 キサマの作れるものでいいから、高いやつじゃなくてもいいぞ」

わくわくしながら寄ってくる。
この姿はこの姿で、ドレスより露出が多かったりするのだが。