2022/08/14 のログ
ご案内:「常世公園」に蘇芳那由他さんが現れました。
蘇芳那由他 > ――数時間前の、落第街に於ける突発的な『戦闘』。件の『風紀委員』の少年の体調は平気だろうか?
そんな、一抹の懸念を残しながらも、あれから何とか落第街を抜けて学生区にある病院へと直行。
矢張り骨折していたようで、適切な処置はして貰ったが、お陰で気が付けばこんな時間だ。

このまま真っ直ぐ帰るのも味気無いので、偶々目に留まった公園へと足を運ぶ。
骨折するのは(記憶が無いので昔は分からないが)初めての経験だが…

「…あぁ、成程。確かにこれは地味に不便というか…。」

一応は右利きなのもあり、利き手が使えないというのは結構不便なものだ。
今も、自販機に立ち寄って財布を取り出そうとしたが…右ポケットに入れていた為、左手で地味に苦労して抜き出す始末。
そんな地味な苦闘を終えて、取り敢えず缶コーヒーを購入すれば、茫洋とした視線を巡らせる。
近くにベンチが御誂え向きにあったので、そちらへと歩み寄れば腰を下ろし、缶を太腿の間で挟み込み。

「…よい、しょ。」

つい、掛け声と共に左手の指でプルタブを引き上げる。そのまま、缶を左手で持ちつつ中身を一口。

「……あれ、コーヒーってこんな味だっけ?普段あまり飲まないからピンと来ないな…。」

普段はお茶とか水くらいしか飲まないのもあって、偶には気分転換にと缶コーヒーをチョイスしてみた訳だが。
勿論、飲むのが初めてという訳では無い。ただ、飲む機会は本当に少ないので味に違和感を感じてしまう。

蘇芳那由他 > 「…うーん、けど落第街…かぁ。…それに、あの植物が巻きついたような男の人…。」

落第街の一件をぼんやりと思い返す。確か、共闘した彼は『闘争の種子』がどうのと言っていたような?
どのみち、『弱者』である自分が深入りする事はおそらく無いだろうが、気には留めておくべきか。
それよりも、ほぼ五体満足で生きて帰れただけ良しとしよう。彼には矢張りいずれ礼くらいはきちんとしたい。

「…風紀委員…か。照会して貰えば彼のデータも出るんだろうか…。
…って、僕みたいなのが深入りする事じゃあないなぁ…。」

今回はあの【破邪の戦槍】のお陰で助かった…まぁ、腕が折れたのはその槍の反動でもあるが。
まだまだ島の生活に慣れているとは言い難いし、行っていない場所も沢山在るだろう。

…地味に方向音痴那少年の場合、ちょっと近場のつもりがとんでもない場所に行く可能性もあるのだが。
茫洋とした表情で考えを巡らせながら、時々コーヒーを飲んで一息。

「……取り敢えず、違う事を考えよう…今は夏だから……海水浴とか…。」

ふと思った。僕は泳げるんだろうか?記憶を喪って保護されてから、そういえば泳いだ経験が無い。
まぁ、泳げなくても浮き輪とか借りてぷかぷか浮いているだけでも楽しい…かもしれない。

蘇芳那由他 > そもそも水着持ってないのだった。ポケットからスマホを取り出してネット検索。

「…トランクスタイプが一般的なのかな……うわ、何だこれ…ブーメランパンツって奴かな…角度がエグくないかな。」

メンズ水着を検索中。ポチポチと操作しながら、幾つか見てみるが…正直ピンと来る水着が無い。
カラーリングについても、そもそも好きな色とか嫌いな色が自分には無い。
そして、気が付いたら何故か女性用の水着を物色していた僕である…何故だ。

「……成程。女性の水着ってやっぱり凄いんだなぁ…。」

何時も茫洋として平静を崩さない表情な少年も、微妙に画面から目を逸らしつつぼそりと。
気を取り直して…いや、そもそもこれ以上調べるのは止めようかとスマホをポケットに戻す。

「……参ったな…地味にハードルが高い気がしてきた。…そもそも、この骨折を治さないと泳げないんだよなぁ…。」

うっかり忘れる所であった。この島の医療関連は無駄に凄いので、骨折も数日で治る様だが。