2022/11/27 のログ
ご案内:「常世公園」に追影切人さんが現れました。
■追影切人 > 少々強引にあの退屈な病院から”おさらば”して早一日。
病院側からも、風紀側からもお小言を貰ったが、「もう治った」の一点張りで押し通した。
そもそも、劇毒を除けばせいぜい軽い骨折が数箇所と骨に罅が数箇所程度、怪我にも入らない。
「…つぅか、何日もあんな場所に居るのは真っ平御免だっつぅの…。」
自分の体を気遣う、という当たり前の発想がそもそもこの男には殆ど無い。
それよりも、あの破壊者を”斬り損ねた”という事実の方が問題だ。
「…”上”の奴らは、どうせこうなる事も見越してたんだろうが…くだらねぇ。」
ベンチにだらしなく座りながら、飽き飽きとしたばかりに大仰に溜息を漏らす。
既に秋も深まり冬に差し掛かる頃合。昼間の気温もある程度下がっては来たが夜に比べればまだまだ温かい。
「…やっぱ、強引に申請してでも『武器庫』からA級相当の得物を1~2本は持ち出さねぇと話になんねぇわな…。」
どうせ、今回の”失敗”である程度のペナルティーを喰らうのは目に見えている。
今更、そのペナルティーが加算された所で痛くも痒くも無いのだから。
■追影切人 > ”何かを斬る”事を人生の指針にして至上命題とする者にとって、矢張り斬れない事は屈辱だ。
別に、今回だけでなく今まで何度も何度も斬れなかった事はあったし苦汁も舐めてきた。
それをバネに変えて、次こそは、次こそは…と。その度に”取り零してきた”訳だが。
それは十分承知の上――分かり切っている事だ。どんなに斬ると強く思えど願えど――
(結局、”半分”しか手元にねぇ異能とナマクラじゃここが今の限界点…か。)
無論、それで燻るほどお利口さんでもナイーブでもない。斬れないモノがあるのは”我慢なら無い”から。
「だったら、次はどう斬るか。前向きに考えるしかねぇよなぁ。」
まず、頑丈な得物を改めて仕入れる。後は――強いて言うならば。
「…どうにも、まぁだ”周りを気にして”る感が拭えねぇ。それじゃ、あの野郎を思い切り斬れる筈もねぇ…か。」
本来、周囲の被害など知った事かと根こそぎ斬りまくるのが男のやり方だ。
斬るという一念に余計な物は必要ない。邪魔になるのは――嗚呼、つまり”それ”だ。
(…【恩人】にゃ悪ぃが、やっぱ中途半端に『人の心』なんて学ぶもんじゃねーわ…。)
休日の昼下がり、公園のベンチの一つを陣取ったまま、そう心の中で独りごちる。
何度も自問自答はしてきたが。それが矢張り以前とは違う切れ味の”鈍さ”の大元だ。
■追影切人 > 後は、強いて言うならこの左腕…『共生の種子』とやらにより新しく生えた左腕だ。
実戦に用いてみた感じ、まだ”先”がある…と、いうより進化の兆しがある?
まぁ、馬鹿な男にはそこら辺りの理屈はよく分からないがいわゆる勘といういう奴だ。
(A級相当のブツを仕入れて、左腕をもうちょい戦闘に応用出来れば、斬れるチャンスは広がるか。)
取り敢えず大まかな方針はそんな感じにしておこう。元よりリベンジマッチは決めている。
”上”にしても、破壊者を始末出来ればそれで良し、仮にこの男が死んでもそれはそれだろう。
「…ハッ、まさに”使い捨ての物”扱い…なんざ今更だわな。」
皮肉げに口走りつつ、気だるいのか割と強引に病院をさっさと抜け出してきたからか肩や首を回して。
眠い、というより気だるいのはまだ肉体が本調子に戻っていないせいだろうか。
■追影切人 > 「取り敢えず…久々にドーナツでも食いに行くかぁ…。」
何か、もうすっかり好物と化してしまった気がする物。
人生で初めて食べたスイーツ?なのでインパクトが強かったのもあるが。
気だるげな仕草でベンチから緩く反動を付けて立ち上がれば、欠伸を噛み殺して。
「さて…どうやって『武器庫』のブツの使用許可を貰ったもんかね…。」
申請も面倒なんだよなぁ、と思いながらだらだらと歩き出して昼下がりの公園を後にする。
ご案内:「常世公園」から追影切人さんが去りました。