2023/06/30 のログ
ご案内:「常世公園」に追影切人さんが現れました。
追影切人 > 「―――かったりぃ…。」

どうにかこうにか、奇跡的に進級したとはいえ何か己に変化があった訳ではない。
常世公園のベンチの一つを堂々と占拠しながら、背凭れに背中を預けてダラける隻眼の男。
面倒臭い”定期報告”やら”後始末”の仕事も相変わらずで面白みも無い。

「…左腕に関しちゃ慣れてはきたけどよぉ…。」

手袋と服の袖口で隠した左手を軽く気だるそうに振る。
『共生の種子』というものの作用で、植物が縒り合わさったように人の腕の形を擬態したそれ。
男の場合、それが『変異種』だったらしく、緑色だったものが今では真っ黒だ。
硬度もかなりのもので、まぁ楯代わりくらいにはなりそうな程度には便利。

「後は、常備できる良い刃物がありゃいいんだがなぁ。」

この男に一番持たせてはいけないものなので、当然許可なんぞ下りる訳も無く。

追影切人 > 「…ナマクラ1本すら持てねぇとか俺の存在価値がゼロみてーなもんだろ。」

――常に何かを斬って無いと腕が鈍る、勘が鈍る、自分が錆びていくようだ。
物心付いた時から『斬る』事そのものを人生としていたから。

「…獣がニンゲンに近付いた所でニンゲンそのものにはなれねーんだよなぁ。」

中途半端に常識やら平穏を覚えた結果がこの体たらくだ。
そんな自分に時々、無性に苛々する事もあるが…態度には出さない。
結局、首輪をがっちり嵌められた飼い犬な事に変わりは無い。
だったら、苛々しようが怒ろうがどうにもならん、馬鹿馬鹿しい。