2019/02/13 のログ
神代理央 > 「成績については落第しなければ気にする事もなかろう。寧ろ、今の環境で中位を維持している事を誇るべきだと思うがね」

それは、彼に対する純粋な賞賛。
此方は極端な話、金に物を言わせて高額な参考書なり評判の良い通信教育成りで成績を上げる事も出来るし、風紀委員としてある程度免除されている単位もある。
そうしたモノに頼らず中位の成績を維持しているというのは、本人の努力の賜物だろう。

「ふむ。学生寮は中に入った事も無いので今一つ分からぬが中々大変なのだな。自学しやすい環境を整えられれば良いのだが」

そういえば、寮生はどのような生活をしているのだろうかと少し興味がわく。
思えば、そもそも訪れた事も無い場所であるし。

「此方としては何時でも歓迎だがね。大手を振って午後の講義を抜け出しても単位が取得出来るのは風紀委員の特権だぞ?それに、貴様が来てくれれば俺みたいな非力な生徒が前線に立つ事も無くなる」

クスクスと笑いながら彼の言葉に頷く。
正直、彼の戦力が正式に風紀委員に加入してくれれば助かるのは事実なのだ。
彼が来てくれれば自分も前線から離れてデスクワークになれるだろうか、とちょっと邪な事を考えて居たり。

白鈴秋 > 「そうでもねぇよ、同じような環境で上位の奴もいるんだろうからな」

 ここは人数が多い、だとしたらそういう奴だっているはずだ。
 まぁ、ある程度の努力はしているつもりではあるが。

「ん、まぁな。俺の場合は仕事だとかもあるし、電車とか使うわけでもねぇから読む時間もねぇんだよ」

 大変そうだといわれればそう言葉を返す、実際は一人暮らしで悠々と暮らしている人も大勢いることだろう。
 まぁ裏を返せば自分より忙しい奴もたくさんいるわけだが。
 そして相手の言葉を聞くと思わず笑みがこぼれる。

「お前が非力な生徒だったら非力じゃない奴を見てみたいものだな。大層な化け物が見れそうだ」

 相手の戦闘力はかなり評価している。だからこそそう言葉を返した。
 まぁ自分の目的として本当に入る事はないだろうが、もし普通だったなら入っていた可能性はある。

神代理央 > 「他者と自分の努力を比較しても仕方あるまい。貴様は自分のおかれた環境の中で最大限努力している。私は、その事に敬意を払うよ」

相手の事を貴様呼ばわりしたり、言葉も尊大なものではあるが基本的に努力する人間は己にとって尊敬の対象である。
それを告げて、残り少なくなったココアを口に含み――

「ああ、成程。そういう訳か。確かに、移動時間を有効活用出来ないのは辛いな」

自分はタクシーなり送迎車なりで帰宅している事が多いので、ちょっと気まずそうな様子だろう。

「む、自分で言うのも悲しいが、体格の貧弱さでは風紀委員で上位だと思うぞ。こんなひ弱な学生を前線に立たせるなんてとんだブラック組織だよ全く」

と、冗談めかした口調と笑みで彼に応える。
そして、空になったカップを置いて静かに立ち上がると――

「…それじゃ、そろそろそのブラックな組織の御勤めに行かねばならんでな。今日は話せて楽しかった。良ければまた、こうして茶を共にしたいものだな」

彼が訪れた時とは真逆。不機嫌さなど微塵も無い穏やかな笑みと口調で告げると、小さく手を振ってカフェテリアを後にするだろう。
せめてもの礼代わりか、ちゃっかり彼の伝票迄つかんで会計を済ませていたり――

白鈴秋 > 「……そうか、なら素直にその言葉を貰っておこう」

 少し笑い素直に賛辞を受け取る。
 こういう時に謙遜するのは逆に相手に失礼だろう。

「体の貧弱さなどそれこそ比べても仕方がねぇよ。異能や魔術でいくらでも誤魔化せるしそもそも相手は大抵が人以上なんだからな。そういう意味じゃお前こそ十分力があると思うぜ」

 風紀の仕事をした事は無いが風紀の相手にするような相手と戦った事は幾度もある。だがその中に素手のごろつきなどほとんどなく大抵は銃器で武装しているか異能者か人ならざる化け物だ。
 相手の冗談に少しだけ表情を緩め。

「ああ、そうだな。俺とお前はどうにも血なまぐさい場面で会う事が多い。たまにはそんなの関係ないこういう場で会いたいものだ」

 そう言って彼を見送る。コーヒーを飲み終わり出ようとして伝票に気がつく。
 少しだけ苦笑いを浮かべ。

「今度は俺がなにか奢らねぇとな」

 そう呟くと彼もまた店を後にした。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から白鈴秋さんが去りました。