2019/03/04 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 天気のいまいちパッとしない午後。
すらりとした姿勢の少女が、店を訪れる。
「こんにちはー…」
窓際のテーブル席を選んで座ると、少女はコートを脱いで背もたれにかけた。
珍しく、勉強道具は持ってきていないようである。
「………。」
メニューを開くより先に、重い溜息を1つ吐いた。
■美澄 蘭 > もうすぐ、本命の大学の合格発表がある。
一応滑り止めは確保しているので大学に入れないということはよほどのことがない限りはなく、何かとんでもないことが起こるとかがなければ、間もなく卒業になる。
…しかし、「どこで」「何を」学べるかということを考えると本命の大学で学べるかどうかは結構重要だ。
一方で、大学入試そのものもまだ走りきってはおらず、合格発表のあたりでもう一度本土の方に出向いて受けてくることになるだろう。
本命に落ちてこちらで受かった場合、滑り止めとこちらとどちらを選ぶかはまた悩みどころなのだが…。
………というようなことを考えていて集中が出来なくなってしまい、少女は気分転換も兼ねてカフェテラスに来ていたのだった。勉強道具を持ってきていないのはそのためである。
「………っと」
いつまでもただ座っているわけにもいかない。少女はやっとメニューを見始めた。
■美澄 蘭 > 店員を呼び、ミルクティーとチョコレートケーキを頼む。
しっかりしたケーキは、普段はあまり頼まないが…こういう時は、思いっきり濃厚なものでも食べた方が気分が上がりそうだと思ったのだ。
「………。」
店員が歩き去っていった後、最初ほどの重さはないもののまた一つ息をつく。
■美澄 蘭 > (最後の入試が終わった後、すぐホワイトデーね。
帰りの便、間に合うといいんだけど)
そんなことを考えながら、窓の向こうに視線を投げる。
大学入試は当然本土を中心にやっているわけで、ここまできた以上、本土の実家に生活拠点を移し、何かあるときだけこの学園に戻ってくる生活をする方がもはや理に適ってはいるのだが…蘭は、この学園都市に留まり続けていた。
この学園の生徒として過ごせる残りの時間に、この街の空気を、少しでも吸っておきたかったのだ。
少しでも「恋人」と共に過ごす時間を作りたかったというのは、大前提の上で。
■美澄 蘭 > そうしているうちに、チョコレートケーキとお茶が運ばれてくる。
「あ、ありがとうございます」
店員の方を向いて会釈し、テーブルに置いてもらう。
まずは紅茶の香りとそのままの風味を一口楽しんでから、ミルクを注ぎ…ゆっくりと、まろやかな口当たりを舌で楽しむ。
それから、チョコレートケーキにフォークを通し、一口。
(…あ、おいし)
普通に、甘味にときめいて口元を手で隠した。
■美澄 蘭 > (お金を気にしてたのもあるけど、ここでお茶飲む時は基本小さい焼き菓子中心だったの、勿体無かったかも…)
香りの良いチョコレートケーキを、もくもくと…チョコレートクリームの香りを口の中で楽しみながら食べていく。
(…卒業してからも、機会を見て来たいわね。「彼」とも会いたいし)
もくもくとケーキを口にしながら瞳に宿す決意の内実は、こんな微笑ましいものだったとか。
■美澄 蘭 > そんなこんなでちょっと気分を上げた少女は、はつらつと席を立って会計を済ませ、カフェテラスを後にしたのだった。
…帰った後は受験勉強もそうだが、部屋の掃除やら荷物の整理やらにも結構時間を使ってしまったとか何とか。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から美澄 蘭さんが去りました。