2019/10/10 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > 季節のデザート(洋梨のタルト)と紅茶を楽しみながら、モバイルで何かを操作している男。
少し真面目な顔をしながら、データを打ち込む。

「悠薇ちゃんの口座に当面の資金は送金完了……あとは、凛霞についての情報収集か」

うーんと唸りながらモバイルを操作する。
ここ最近の情報ではHIT無し。あまり表だって活動はしていないようだ。

烏丸秀 > 『私、伊都波の跡継ぎに、なりたいんです』

なかなかに難題だ。
金で解決するなら簡単だが、これは金銭では解決できない類の問題なのだから。

「とりあえず……」

悠薇の良い噂を流す。姉に隠れてあまり目立たなかった次女が、最近努力を始めている。元々素材としては姉に劣らぬ美人で、問題だったのは能力と性格だけ。噂として広まれば、あっという間だろう。

「あんま気は乗らないけどな~、悠薇ちゃんの魅力を知ってるの、ボクだけで良いんだけどな~!」

ぶつくさ言いながらも手は抜かない。悠薇の良い噂をこれでもかと流しまくる。

烏丸秀 > とはいえ、後継ぎは家の内部での事だ。
外側から出来る事は少ない。

「凛霞の誹謗中傷は気が進まないんだよな~……ってか、材料が無いよね」

相変わらずの完璧お姉ちゃんである。良いなぁ、諦めきれないなぁ。

などと考えながら、カタカタとモバイルを操作。
最近は学園も平穏で、特段目立った話題は無い。

「……悠薇ちゃんになんか事件でも解決させてみる?」

三秒で却下した。無理。似合わないし能力にも合わない。

烏丸秀 > 「はぁ……」

洋梨のタルトをパクつく。
美味しい。相変わらずここのデザートは逸品が多い。
今のところは手詰まりだ。状況の変化を待つしかない。

「……悠薇ちゃんの方で出来る事は少ない。やっぱり、凛霞の動向をもう少しよく探るかな」

はっきり言って、現状凛霞を後継ぎから降ろす理由が無い。
悠薇ちゃんがいくら頑張っても、理由が無ければ凛霞の地位を揺らがすのは難しいだろう。

「って事は、そういう汚い事はボクの役目だよね」

ご案内:「カフェテラス「橘」」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
「んー…っと、どれにしようかな…」

ふと、カウンターの方から聞き馴染みのある声が届くだろう

ケーキでも持ち帰り注文しようとしている制服姿の女子
長い長いポニーテールを揺らしてテイクアウトメニューとにらめっこしている

…最近家族と不仲である…と、いうよりは主に、妹と
妹の考えていることがわからなくて、解決に至らない

自分ながらわかりやすい機嫌取りに過ぎないけれど、
美味しいケーキでも買って帰って話をする起点になれば良いな…といったところだ

席でモバイルを叩く、互いによく知る男性には今は気づいていない様子で

烏丸秀 > ふと顔を上げれば
……今まで脳内を占めていた少女が、なにやらケーキを選んでいるのが見えた。
ちょっと心の中で笑ってから立ち上がる。

「あ、洋梨のタルト、オススメだよ。あと悠薇ちゃん、この前はアイス食べてたから、そこのアイスケーキも良いかも」

などと後ろから助言しつつ。カウンターの隣の席へ、ちゃっかり腰掛ける。

伊都波 凛霞 >  
「タルト?季節モノかな?ふんふん、アイスケーキ……」

少女はメニューに見入っているようでいて、"彼"が立ち上がる気配と、近づいてきたことには感づいていたのか
突然後ろからかけられた声にも驚いた様子は見せなかった

「久しぶりだね。元気にしてた?
 悠薇とデート?するぐらいだし元気一杯かな?」

隣の席に腰掛けた烏丸のほうへと焦茶の視線を移すと笑顔を作って、挨拶をする

烏丸秀 > 「そ、季節のデザート。やっぱここは季節もの美味しいんだよね~」

などと世間話をしながら。
こげ茶色の視線を受け思う。やっぱり美人だなぁ、惜しいなぁ、と。

「うん、久しぶり。
悠薇ちゃんとデートはしたんだけどねぇ。彼女の悩み相談とか乗ったり。なかなか進展はしないんだ」

やれやれと肩を竦める仕草なんかをしつつ。
実は彼女の事なのだが、それは勿論言わず。

伊都波 凛霞 >  
「それじゃえーと、このタルト4つと…」

オススメされた品を注文して、テイクアウトでーっと店員さんにお願いしつつ
アイスレモンティーを頼むと、烏丸のかける席の対面の椅子を引いて相席いいよねっと座り込む

「悠薇とデートしてるのに、私のこと惜しいなーとか思ってない?」

一瞬交わした視線でなんとなくその思想を看破し、口に出す
彼が自分の妹に執着しているのは知っているし、恋愛は自由だと思う
けれど我が妹のこと、不誠実を許すつもりはないのだろう

「そっか。悠薇は私に悩みの相談とか最近は全然してくれないからなー」

店員が静かにテーブルにおいたアイスティーを口に運びながら、年頃なのかな、なんて口零す

烏丸秀 > 彼女の発言にビクりと肩を揺らす。
図星である。

「あはは……まぁ、ちょっとはね~」

素直に肯定する。だって惜しいと思わない方が無理ってもんだ。
が、今は悠薇ちゃんの事を第一に考えてる。これは本当。

「ま、肉親にこそ言えない悩みとかもあるだろうしね~」

店員にこちらの席に移るのとタピオカミルクティーを頼みながら。
ふと気になり、たずねる。

「そういえば、凛霞は最近どうなの? あんまり目立った噂は聞かなくなったけど」

伊都波 凛霞 >  
「やっぱり」

アイスティーから口を離すと、テーブルに頬杖をついてじっとりした視線を向ける

「ダメだよそんなの。本気で好きって言うなら一途じゃないと。
 そんな人には悠薇がいくらうんって言ったとしても私が認めないんだからね?」

なかなかの過保護を感じさせる言葉ではあるものの、
それだけ妹のことを愛し、大事に思っている証拠でもあるのだろう

肉親に言えない悩み…と言われれば小さく溜息

「私が頼りない、とかじゃなければいいんだけど」

姉として妹の理解者でありたいし、よき相談役でもありたい…という気持ちが漏れ出している
そして…

「ん、最近…?まぁ、普通に学生やってるよ?
 風紀委員の活動も、以前見たいな大きな事件も起こってないし…
 ははは、目立った話がないのは、君のおかげかもねー」

相変わらず"そういう目"で見てくる生徒はいるけれど
それでも周囲の状況は大分変わったものだ

烏丸秀 > 「厳しいな~、じゃあちょっと心をあらためよっかな」

うん、覚悟は決まった。
悠薇ちゃんの為なら……凛霞を地に堕とすくらいは、やらねばならないのかもしれない。
あまり、そういう事にならない方が、悠薇ちゃんの為だろうけど。

「悠薇ちゃんに限って、そんな風には思ってないと思うよ」

後継ぎの件も、彼女の為というのは分かっている。
それでも、肉親に言えない事だってある。

「そっか。まぁ、平穏に過ごせてるのなら何よりだけど」

確かに主犯たちには魚の餌になってもらったが。それでも、彼女の為になったのなら、それに勝る事は無い。

「ふーん。それじゃあ、何か別に始めた事でもあるのかな?」

伊都波 凛霞 >  
「なら良し」

心を改める、と言う烏丸に向け、にっこりと笑顔を浮かべる
ほんとかなー?どっちかなー?と内心思ってはいるが、ここは彼の恋愛への本気度を信じてみよう

だが妹、悠薇はそんな風には思っていない、と言われても少しだけ腑に落ちない
それでも気休めにはなる慰めにも似た言葉である

「お気遣いありがと。でも最近本当に、あの子の考えてることがよくわかんなくて…
 …実の妹を相手に、ズルは使いたくないしね……」

少女には、サイコメトリーの異能がある
無意識に発動することもあるが、基本は能動的に作用する力だ
妹の隠していることを丸裸にしてしまおうとすれば、簡単に出来るのだ
はあっと再び溜息をついて、アイスティーへと逃げる

「ん…別に始めたこと…?
 特にないと思うけど、どうして?」

烏丸秀 > にっこり笑いながら言葉の意味を受け止める。
まぁ、多分彼女の思う意味と自分の思う意味は違うのだろうけど。

「――あぁ、そっか。まぁ、ズルは良くないね」

何かしらの異能を使った心を読む力。
この島では、そんなもの珍しくない。
が、彼女に限っては妹に対しそんな事をしないだろうという信頼があった。

「いや、悠薇ちゃんは、新しい事を始めたからね。凛霞がきっかけかな、って思って」

伊都波 凛霞 >  
「新しいこと?…って、烏丸君から聞くのもズルっこいかな…」

思わず聞き返してしまうもバツが悪そうに口をストローで塞ぐ

自分は何も新しいことなんてしていない
むしろ昔から引き摺っていたことが今も続いているだけである
悠薇…妹が、何かを始めたというならきっかけどころか、まるで正反対だろう
そこまで考えて、姉妹の間で傾く天秤が頭を過ぎるけれど、アレはもう機能しないない筈だと考えを押し殺した

「ところでデートってもう何度もしてるの…?」

基本的に他人と会話するのすら躊躇する妹がデートというだけでも胸躍る内容なのだけれど、
それ以上に妹がどこまで彼のことを許しているのかが気になってしまう
何度もデートしているとしたら、妹もまんざらではないのかもしれない
だとしたら、この手が早そうな烏丸という男子とどこまでいっているのか…

烏丸秀 > 「え、まだ一度だけど」

そこは素直に答えておく。正直、もっと頼って欲しい所だけど。
タピオカミルクティーをストローで吸い上げながら、にっこりと彼女の方を見つめる。

「まあ、悠薇ちゃんの本当にしたい事、であるのは間違いないね」

姉の為に。お姉ちゃんの為に。
彼女の、本当の気持ち。それを烏丸はある種確信、もしくは盲信している。

「で、悠薇ちゃんの為に、他の女の子には一切手を出してないよ。これは本当」

伊都波 凛霞 >  
「一度? …なーんだ」

拍子抜けのような、安堵したよな…そんな表情を浮かべる
酷い物言いなので口には出せないが、一度だけなら気の迷いかもしれない

「あの子の本当にしたいこと、ねー…」

なんなんだろう、といった表情である
普段はかなり鋭いほうなのに、こと自分に対することには妙に鈍い女である

ちゅーっとアイスティーを吸い上げるとその濃度が大分薄まり、冷たさを更に感じた
気がつけばなくなりかけている。追加注文は…まぁいいか、と

が、続く言葉を聞けばほんの僅かに眉を潜める

「当たり前です。誰かを射止めようとするのに他の女の子を利用しようだなんて、許されることじゃないよ」

当然のように厳しかった
結局自分は許したのだけれど

烏丸秀 > 「そ、一度。今度はボクから誘おっかな~」

などと言いながら。少しの安堵を見逃さない。
内心ちょっとだけムっとする。もう少しこう、危機感を持ったり、嫉妬……は高望みしすぎかな、などと考えつつ。

「ボク、卑怯だから……ってのはあるけど、悠薇ちゃんも凛霞も悲しませたり怒らせたりするのはヤだからね。そういう事は、今回は無し」

と、手を振ってから。ふっと少しだけ真面目な顔になって。

「……うん、安心して。悠薇ちゃんだけはああいう目には合わせないから。これは本当」

かつて凛霞が合ったような目には合わせない。
……姉があんな事になって、一番傷ついたのは本人と、そして悠薇ちゃんだ。なら、一度で十分だろう。
心を壊す事を何よりも楽しむ男だが。別の男が自分の好きな女を壊すのは、断じて許せない。

伊都波 凛霞 >  
「…? !? え、悠薇から誘ったの?! …ええー…あの子が…?」

だとしたら脈アリなんてものではないじゃないか
明らかに驚き、狼狽する姉であった

「まぁ、信用はしてるけど…。
 そこまで言うなら、ちゃんと好きな女の子のことなんだから守ってあげてよね。
 私の手だけじゃもう届かないんだもの」

自分からデートに誘うほどの相手が出来てしまったなら、それこそ姉が無駄な節介を焼くべきではないと思いながらも
とりあえずハードルというか責任を与えておこうという節が感じ取れる言葉である

「あはは、何事も経験とは言うけど私も一度だってああいうのはゴメンだなー」

眉を下げ、乾いたような笑いを零す
色々乗り越えたし、今は平穏に過ごしているとしても過去が消えるわけではなく、やはり忘れることもできないのだろう

烏丸秀 > 「そだよ。いや~、ボクってば頼れる男だから?」

自分で言って自分で笑ってしまう。
どう考えても、頼ってはいけない類の男である。

「はいはい、大丈夫。まぁ、守るというよりも……」

どちらかというと、暴走しないかの監視の方が重要そうだ。
一歩を踏み出した彼女は、むしろ悪女の才能があるのではないかと烏丸は睨んでいた。

「ま、そうそうある事じゃないし……うん、その様子なら、そういう事ももう無さそうで良かったよ」

と、なると、本当に彼女に何があったのか。
悠薇ちゃんの口ぶりでは、何かがあったと思われるのだが……引き続き、調査が必要だろう。

伊都波 凛霞 >  
「…まぁ、頼れるとは思うけどさー……」

うーん、妹はこういうタイプの男子が好みだったのかな
などとなんとも複雑な思いである

「あんなことそうそうあってもらっても困るよ。
 風紀委員としてもSNSなんかはしっかり見張っておかなきゃ」

発端は一般生徒が近寄らない落第街でも、いろんなものを通じて拡散し、学園の生徒に蔓延する
この島では話の絶えない、異能絡みの薬などもその類だ

そうこうしていると店員がテイクアウト用の箱を席へと運んでくる
先程注文した品である

「来た来た、それじゃ私はそろそろ行こうかなー」

言いながら、ゆっくりと立ち上がり椅子を戻して

烏丸秀 > 「あ、じゃあボクも」

ある意味目的は達成した。
これ以上、彼女自身から探るのは難しいだろう。

彼女と一緒に席を立ち、精算を済ませる。

「凛霞も何か困った事があったら、いつでも頼ってね♪」

アピールするかのようにウィンクする

伊都波 凛霞 >  
立ち上がった少女は男に奢らせまいと先に精算を手早く済ませていた

会話の中も、立ち振舞も、妹に対する反応も、
どれもこれまでの彼女と何一つ変わりはなかっただろう

「ん、烏丸くんももう帰る?」

ただし、以前烏丸と言葉を交わしたときの不安げな様子が微塵もなくなっていたこと
それだけが、変化といえたかも知れない

「送っていって、なんて言わないから安心してね」

笑顔で、誂うようにそう言葉を投げると小さく手を振って別れ、帰路へとついたのでした

烏丸秀 > 奢らせてはくれなかった。残念。
が、まぁ以前少しだけ会った、脆そうなところが今は微塵もなかった。
良くも悪くも、今の凛霞には隙が無い。

(……だからこそ、気になるんだよなぁ)

などと思いつつ。
彼女に手を振ると、こちらも帰路につき

ご案内:「カフェテラス「橘」」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から烏丸秀さんが去りました。