2020/06/29 のログ
羽月 柊 >  
「なるほど、健啖家なようで何よりだ。
 隣席のモノの腹を壊したとあっては、後で"息子"に叱られてしまう。」

朗らかに笑みを浮かべる相手に釣られたのか、
柊もまたふと笑みを浮かべる。

「ああ、連れと……ヨキ…、あぁ、ヨキ先生。」

質問に答えようとしたが、相手の名前と所属を聞いて暫くの沈黙。
後、思いだしたよう顔をしながら、
もう一枚持ってきていたプレートにカップの方を置いて、小竜達の方へと。

「先日"息子"が世話になったようでありがとう。
 私は羽月 柊(はづき しゅう)。『カラス』というキメラの子の保護者だ。
 息子から良い先生と逢ったと聞いている。」

ヨキ > 「羽月――ああ、君が彼の“お父さん”なのか。
これはこれは偶然だ。では、先ほど見かけたのがカラス君だったのね。

いい先生とは、それは何より。
彼の聡明さに助けられて、こちらが話しやすかっただけのこと。
彼の方こそ、さぞいい父に恵まれたのだろうと思っていたよ」

間もなくして、ヨキの元へもアイスクリームのプレートが運ばれてくる。

「いつかぜひ、話をしてみたいと考えていた。
よもや、斯様に早く機会が巡ってくるとは思わなんだ。

もしも君さえよければ、相席させてもらっても?」

羽月 柊 >  
小竜たちは食べて良い? 良い? とばかりにキュイーと鳴いていたが、
溶けるから早く食べなさいと言われると、
テーブルの上に降り立ち小さな口を開けてアイスを頬張り始めた。

「どうぞ、この子たちは大人しいので安心して頂きたい。
 
 息子も挨拶をさせたい所だが、先ほど友人を見つけて引っ張られて行ってしまってね。
 まぁ、子供同士大人に聞かれたくない話も多いだろう。

 …そうか、あの子が少しでも他人と話せているようでなによりだ」

ヨキが座りやすいようにと少し椅子とプレートを詰めた。

「親御と話したいとは少々驚きだな。
 最近の教師だと、生徒の親を煩わしく思うモノも少なくないというのに。」

そう話ながら、照明を反射する銀色のスプーンがアイスに差し入れられる。
ひとつが果肉が使われているからか、瑞々しい夏の果実の香りがする。

ヨキ > 柊の向かいの椅子へ腰を下ろす。

「お気遣いを有難う。
この街中で見かける動物たちは、みな行儀がよいから安心している。

彼はたどたどしいながらも、自分の身の上を一所懸命話してくれたものだった。
自分自身に少し自信がないようにも見えるが……、これから先、少しずつ身に着けていって欲しいと思っている」

ヨキもまたスプーンを取り、アイスを掬って口へ運ぶ。
すっきりとした甘酸っぱさが口内に染み入って、思わず表情が緩む。

「カラス君は、君を“自分を作った人ではない”と言っていた。
複雑な身の上ならば、彼自身を理解するためには“お父さん”にもまた話を聞きたいと思ったのだよ」

羽月 柊 >  
「…そうか、先生とはいえ自分の出所を。
 余程貴方が話しやすかった相手と見える。
 
 …あの子は出来る事も本来は多いのだが、出自が出自でな……。
 過去に縛られて自分に自信を持てずにいる。」

美味そうに食事をする男だな、と思いながらこちらもアイスを食べ進める。
スプーンを繰る度、手についた様々な装飾品が目立つが、
服装とは相反して手だけ成金趣味か? と言わんばかりでもある。

「…制作者までとなると、本当に随分話したのだな。
 
 息子の言う通り、合成獣…キメラたる身体として産んだのは自分ではない。
 俺の研究はそもそも、この小竜たちのように小型化・ペット化が主なのでね。
 
 ――あの子は、元の制作者から捨てられたんだ。」

ヨキ > 「彼は、カラスと呼ばれ慣れている、と言っていた。
……ヨキが言ったのだ。竜として造られるはずだった君は、『リュウ』と呼ばれることはなかったのか、と」

紅茶とアイスとを交互に味わいながら、言葉を続ける。
そうして不意に、スプーンを止めて。

「君の説明で、少し納得がいった。
事情はどうあれ、彼を“捨てた”制作者が、彼をリュウではなくカラスと呼んだのだ、とね。

ヨキは彼の脚は元より、翼も髪も艶やかで美しいと思ったものだ。
だのに彼は、自信の取っ掛かりさえ見つけられずにいるように見えた」

手つかずのアイスが少し柔らかくなる。
溶けてしまう前に、掬って食べる。

「君のような父親に恵まれて、まだ良かった。
これからはこのヨキも、ぜひ彼のサポートをさせて欲しいと思う」

羽月 柊 >  
「…貴方はなかなかに察しが良いようだ。
 食事の不味くなる話で申し訳ないが、仰る通り、と言っておこう。」

隻手を伸ばすと小竜の一匹の背を撫でやった。
食事中のペットに手を伸ばすと噛まれたり唸られたりといったこともあるが、
そういう様子は一切ない。どうしたの? とばかりに柊を見上げたが。

「その察しの良さに心労も多くなければ良いが、と勘繰ってしまう程だがな。
 
 ……息子に今の姿を与えたのも俺だ。元の姿はほぼ鳥の鴉と相違無い。足以外は。
 大きくなったことで自分も、息子の翼も見目も良いと思うのだが…。
 生来ではないのはやはり引っかかるのだろうな。

 …いいや、私も不甲斐ない養父だとも。」

早々に食べ終わってしまった小竜達に、自分の溶けかけたアイスを一つカップへ移してやる。

「幼馴染を止められなかったのだから。」

ヨキ > 「いや。こうして話してくれるだけ有難い。
それだけヨキのことを信用してもらえた証なのだから」

微笑んで、首を振る。

「心労など。
ヨキはこの学園に、好き好んで身を捧げているのだ。
教え子たちを見守るのに、何の負担もありはしない。
彼らが育つことの喜びは、何よりヨキを癒してくれる」

柊を真っすぐに見つめる視線に、嘘はなさそうだった。
芝居でもおべっかでもなく、心からその言葉を口にしているのだ。

「……そうか。元は人間の姿ですらなかったのだな。
言葉と頭脳と五指の両手を手に入れた以上、獣は獣として生きることは出来ぬ。
考えなければならないことが増えて、心労を抱えているならカラス君の方だろうとも」

幼馴染。その言葉に、途方もないものを垣間見たように小さく首を振った。

「それでも、彼は君を慕っている。
取り零してしまったものがどれだけ大きいとしても――君は辛うじて掬い取ることが出来た」

羽月 柊 >  
「……これは同じ大人としてだが、
 自分にも見えない所で負担や心労が重なることもある。

 貴方のような良い先生だと特にな。
 
 日々忙しい充実して楽しいのは顔から分かるが、
 自分を休めることも忘れないようにしてくれると、息子を任せている身としても安心できる。」

嘘偽りの無い視線を受け、半面柊はその桃眼を僅かに伏せた。
表層のアイスを食べてしまうとコーンを齧る気になれず、小竜たちに食べて良いぞと譲ってしまった。

「…そうだと良いがな。

 ああ…息子は姿に不釣り合いな首輪と枷をしているだろう?
 あれは俺の作でな。息子をヒトの姿たらしめているモノでもある。
 不格好だが魔術学会のお上達に、"これは危険なモノではない"という証明でもあるんだが。

 『合成獣、しかも混ざりモノなど危険すぎる。"処分"してしまえ』
 と言われているのを押し切って人型にさせたが、
 悩むことが増えたのは事実だろうな。」

獣は獣として生きる事は出来ぬというヨキの脳裏には、己の歩みが過っているのだろうか?

ヨキ > 「ああ、それはご心配なく。
おかげでヨキ自身趣味は多く、休日は確保しておる。
ヨキが倒れてしまっては、教え子らの手本にはなれぬでのう。
“先生”を名乗るからには、まずは己が健康で居なくてはね」

柊に反して、こちらは手に取ったコーンまで噛り付いてしっかりと味わう。

「彼が人型であることを選び、それを生徒として受け入れたことは、君とヨキら教師に等しく課せられた責任だ。

君は彼の苦悩を取り除く。
ヨキは彼に障壁の乗り越え方を教える。

それが父親であり、教師だと思わんか。

重責の在りようを嘆くよりは――それを分かち合い、共に進んだ方が建設的だからな」

羽月 柊 >  
「いらぬ心配だったか。
 最近島の空気が焼けついているような感覚がしたのもあってな。」

表情の機微は少ないが、ふと笑う。
あまり見せないだろう笑みは柔らかい。
それは確かに誰かを見守るモノで、子供を育てる父親の笑みであった。

それが例え、偽りの親子であってもだ。

「そうだな。ヒトはつい過去に拘ってしまう。
 全て忘れる事は出来ずとも、誰にも明日はやってくるというのに。

 この島の子供たちは得てして力を持っているせいか、
 自分たちで物事を解決しようとしがちだが、
 我々大人もいるということを、覚えておいてほしいモノだ。」

ヨキ > 「島の空気が?」

それを聞いて、ふっと笑う。

「……それを杞憂とするのが、我々常世学園とその教師だ。もしも君の身に危険などあらば、そのときは教えてほしい。
教え子と同じく、その保護者もまたヨキにとっては守るべき存在であるのだから」

柊の微笑みに、どこか安心したように表情を和らげる。

「ああ。たとえ生徒らが運営の主体だとしても――
その背後には我々のような大人が在る。
子どもに負けぬように、踏ん張りどころだな」

話に花が咲くと、アイスクリームを食べる手もいつの間にか進んでいる。
一人分にしては量の多いプレートを綺麗に完食すると、ご馳走様でした、と手を合わせて。

「それでは、ヨキはそろそろ仕事へ戻らねばならぬ。
カラス君にもよろしく伝えておいてくれ。
君もカラス君も、実によい“親子”であるとな」

笑い掛け、席を立つ。別れの挨拶と会計を済ませ、店を後にする。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からヨキさんが去りました。
羽月 柊 >  
「……"良い親子"か。そうであると良いがな。」

ヨキが去っていく背を見送り、言葉を反芻する。

時たま、息子以外の島の子供も心配になることがある。
過去遭遇した、異能を暴走させた炎の巨人事件。

偶然居合わせたモノだが、ああいう火種は燻っている。

――しかし、いくら自分に戦闘能力があるとはいえ、
応戦は認められるとはいえ、自分は常世島の一般人だ。
率先してそういうことが出来る立場ではないし、
風紀委員だとしても子供にすら"護るべき対象"とされるのは、どこか納得のいかなさもあった。

そんな小さな悩みは、胸の中に秘めてさておき。

「ん、あぁ、おかえり。友達はもう良いのか?」

たったかと戻って来た息子と合流し、親子もまた日常へ戻っていく。
ヨキ先生と話したと息子が聞いて、
親子の間で何の会話があったかは、また別の話。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から羽月 柊さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 >  
タブレットを操作しながらお茶の時間。
落第街の状況を注視しているが、いやはや。
風紀やその他の組織・個人による圧迫は想像以上のようで、知り合いの組織がいくつも店仕舞いしている。

「肩身が狭いねぇ」

独り言ちながら抹茶ラテを一口。

まったく、悪人は肩身が狭い。
どいつもこいつも正義を振りかざして、日銭を稼ぐ悪党をしばく事ばかりしている。正義なんてものの為に飯の種を潰される身にもなって欲しい。

(まぁ人の命やら尊厳やらを種銭に変えて食ってるんだけどね、ボクら)

自嘲しながら季節のデザート「杏のタルト」を一口。悪党は甘い物が好き、というイメージは何処から来たのだろうか。

烏丸秀 >  
人身売買に人体実験、薬物に窃盗、贋金作りに能力を使用した傷害・殺人。
どれもこれも只今絶賛標的になっている「悪」だ。風紀から正義感にかられた個人、果ては悪を狩る違法部活まで。みんな「悪」を狩って己の正義を示そうとしている。

「まぁ、そりゃ狩るよね。悪だし」

悪で、力が無く、正義が狩るには絶好の相手。そりゃあ狩る。狩れば賞賛されるし、褒賞が出るし、何より気持ち良い。狩らない理由が無い。

「でもまぁ、狩られる方も生きてるからね」

生きてるから大事にしましょうとかどんな命も生きていますとか、そういう話ではない。生きている以上、生き延びようとする。狩られた奴は基本馬鹿だが、馬鹿は馬鹿なりに生き延びようとする。個人でも組織でも変わらない。そして、力の弱い者が生き延びようとする手段といえば、古今東西変わらない。

「群れて行動する。穴に潜み、武器を鍛え、それぞれが役割をこなし集団から集落、そして組織へと進化する」

烏丸秀 > ネズミだって群れを構成する。猿だって合戦の前に石を集める。
無力な、正義の餌としての「悪」達が、どのような化学反応を示すのか。
その如何によっては……

「また金が出て行くなぁ、やれやれ……」

ため息を吐きながらタブレットを操作し終える。
最近は追及が激しい。資金繰りもよっぽど警戒してやらねば、公安が出張ってくるだろう。風紀の活動が落第街で盛んな以上、公安の目が学園側により重点的に向く事も考えられる。

「触らぬ神に祟りなし、と」

ご案内:「カフェテラス「橘」」に持流 童男さんが現れました。
持流 童男 > 「うむむ・・・・」

と言いつつ、一昔前のオタクファッションをしたマントを羽織った男が

「すいませぬ、となりいいでござるか・・?」

と言いつつ、座ろうとしようとする。

烏丸秀 >  
「え?」

女の子ではなく男だった。
それだけでテンションが三段階くらい下がる。まぁ別にファッションとかどうでも良い。男と塵芥の違いは文字数くらいと思ってるからね。
出来れば断りたかったけど、他の席が空いてないみたい。ちくしょう、女の子来いよ

「勝手に座れば?」

適当に言いながらケーキを食べる。
オタクファッションと和装。凄い浮いてる。

持流 童男 > 「おお!ありがとうでござる!!」

素直にぱーっと顔を輝かせながら。隣に座る。

「すいませんぬー!この「ペガサスパ拳パフェ」一つー」

と定員さんに注文しつつ。

「いやーパトロールでなかなか疲れたでござるよ。」と小声で、ふぅと一息つく

烏丸秀 >  
ペガサス拳パフェってなんだそれ。なんか小宇宙を感じそうな名前だなおい。
そんなことを思いつつ、次の言葉にドキリとする。
パトロール。その言葉に思い当たるのは二つ。風紀と公安。まさかこいつ、公安の内偵……!?

「へぇ、パトロール。お兄さん、何か委員会やってるの?」

一応探る。万が一公安の密偵だったらボロを出すわけにはいかない。

持流 童男 > 「ん?そうでござる!、刑事課といったでござるか。」

とペガサス拳パフェを食いつつ。

「ただ、パトロールは「個人」の方でござるよ。」もっきもっきゅしながら

「スラムでの炊き出しと紙芝居、あとは、ゴミ拾い、あとは落第街でのゴミ拾い・・特に大したことしてないでござるな」
と一通り食べて。

烏丸秀 >  
刑事課、という事は風紀か。あちらは一応専門外だ。法に直接触れる事はしていないから。
少しだけ安心しながら、茶を片手に。
話をやめるわけにもいかず……あぁ、目の前のが可愛い女の子だったらなぁ。

「へー。お兄さんまた良い人だね、いわゆるボランティアってやつ?」

持流 童男 > 「うむ、そう・・・なるのでござるな。」

とパフェを9割食べつつ、ハムスターの頬袋みたいに膨れたような顔で。

「泣いてる誰かがいるならば、さっそうと駆けつけるようになれるように。」

「それには、もしもの話なのでござるが、貴殿も泣いてたら助けれるように、もちろん、貴殿も入ってるでござるよ。」

いい笑顔でいいつつ。

烏丸秀 >  
そういうのは男がやってもダメ、女の子がやるから可愛いんだ
という言葉が喉元まで出そうになって、堪える。

「はぁ、ボクも助けてくれるわけ」

苦笑しつつ聞く。正義の味方という連中はいつもこうだ、目の前の人間を吟味せず、とりあえず助けようとする。余計なお世話だが、まぁそれを利用している事も多々あるので適当に流す事にした。

「ありがたい事だね。お兄さん、多分長生きしないね」

持流 童男 > 「うむ!!!」

と力強くいいつつ、にかっと笑いながら

「そ、そうでござるか・・・!?うーむ、そうかもしれぬな。」

とうむむといって、それでもと言いつつ

「助けて守って生き延びるでござるよ。」

にっとと笑いながら

烏丸秀 >  
はぁ、とため息を吐きつつ。
この手の正義の味方様に講釈垂れるのも趣味じゃないし、男に話すのも面倒なだけだが。

「無理だよお兄さん。だってさぁ」

くすりと笑いつつ、皮肉げな視線で相手を見る

「お兄さん、他人の事どーだって良いんでしょ。じゃあ、他人からもどーだってよく扱われるよ」

面倒そうに言い放った。

持流 童男 > 「うむ?」

とどーだっていいという言葉に疑問を掲げる

「そんなことはないでござるよ。」

と普通に返す。

烏丸秀 > 「例えばボクが悪人だったとする」

本当に小悪党なのだが、まぁ例えにしておこう。

「ボクを助ければ多くの人が困る事になる。でもキミはボクを助けてしまう。ボクが困ってるから」

にっこりと笑いながら続ける

「例えばキミが助ける相手が誇り高く、助けられるのを潔しとしないとする。でもキミは助ける、彼が困っているから」

「例えばキミが助ける相手はどんなことをしても助からなくて、このまま続けても痛みが酷くなるだけだから殺して欲しい、せめて放っておいて欲しいと思っていたとする。でもキミは彼女を助けてしまう、彼女が困っているから」

相手の顔を見つめながら、悪意を垂れ流す

「ね。相手の事を考えずにとにかく助けたい、っていうのは。助ける相手なんてどーだって良い、って事でしょ?」

持流 童男 > 「お主・・・」

と言いつつ、すっと目を細める。そして

「お主・・・すごいやつでござるな。それに、頭も回るし、よくそんなことを思いつくでござるな。」

と感心しつつ。

「うむ、自分の意思で、助けるでござる。その結果、誇り高かったら、某は、「その責任」を、生かすという、責任を果たそう。、痛みがひどくなるだけだから殺してほしいなどと抜かすなら、某は、「助ける術」を探して助けよう。そして、お主を助けて困る人がいるならば、そのすべてを助ければいい。」

と真面目に答えながら。

「某は、もう、一人ではないでござるからな」
「特定の誰かなど関係ない。泣いてるならば、誰かを助けるし。
推しと個人と、推しに連なる者たちを助けハッピーエンドにする。

これこそが某のヒーロー道でござる。

それに、この質問は助け方を考えろということなのでござろう・・?あれ違うでござるか。」
少し自信なさげに
悪意に善意を向ける。

烏丸秀 >  
うん、まぁ悪意に善意で返されるのにもそろそろ慣れた。
はぁ、とため息を吐きつつ。

「別にまぁ良いけどね。男に褒められても嬉しくないし、男がいくら死のうともボクにとってはどうでも良い……」

結局の所、彼にとっては世界の中心は自分で、その他は全てモブなのだろう。だからモブを助ける事で自分の存在意義を確認する。まぁそんなとこだろうか。説明面倒だからしないけど。

「君が助けたいなら助けりゃ良いさ。力があるのに見捨てるのは心が辛いだろうし、助けた方が『楽』だからね。ボクも『楽』な生き方のが好きだし」

助けるという事を極めるつもりなら、どこまででも行けば良い。何処かで必ず破綻する。この世界が『全てを助ける』なんてことを許容するなら、もう少しマシな世の中が出現している筈だ。彼を悪意で潰すのは他の誰かに任せる事にする。男潰したって面白くもなんともないし、こういうのは存外しぶといので相手にしたくない。
それに……

「まぁ、早く死ねばそれ以後を見なくて済むから、案外全部助けられるかもね」

持流 童男 > 「死んでは推しの幸せになった姿が見れぬから、死ぬのはだめでござろう」
何いってんだこの人って顔しながら。

「助けなければ、悔いが残るならばこそ、ならばこそ某はその助けた者たちに向き合うでござるよ。誇り高きものも恨まれても、死にたいと嘆いてるものをいかして、悪者を助けて、緋弾されても迫害されても差別されても妨害されても恨まれても、それでも、助けるのが、ヒーローというものでござろう。」

と言いつつ、

「不可能などもう聞き飽きたでござるよ」

持流 童男 > 「向き合うのが、ヒーローでござろう」
烏丸秀 >  
「ボクもね、正義とか助けたいとか聞き飽きたよ」

苦笑しながら言う。お互いに理解しうる所も妥協しえる所もありはしない。ヒーローと小悪党、生き方が違いすぎるし目指す場所も遥か遠くだ。

「誰かを助け続けて、そんな『100点満点』がいつまでも続けられるなら誰も苦労はしない。世界全ての人間が助かるなら、そもそも悪人なんて存在が生まれるわけがない。この世界には許容量があって、みんなその中で助かろうと足掻いてる。一人のヒーローが都合よく勝ち続けられる世界じゃない。もしそんな世界だったら」

ふぅ、と一息つきながら、目の前のヒーローをゆっくり見つめ

烏丸秀 >  
 
「ボクら悪党は、キミ達ヒーローに倒される為だけの存在である世界だ。生まれて来ない方がマシだよ」
 
 

持流 童男 > 「・・・・」

と聞きながら

その目に真摯に応えながら

「だからこそ某は、お主と「悪党」(おぬしら)と向き合い、語りたいでござる。」

と真摯に応えつつ、拳をぐっと握りしめ。

「お主らのことを「よく知り」向き合いたいのでござる。だから、こそ、まずは名前から教えてくれるでござるか。お主のことを他言することはまったくないと思っていただこう!」

と目を見ながら。

「某にも許容量はあるでござる。全てを救うには不可能というのは聞き飽きたでござるが、不可能でござる。だからこそ、人には人の英雄がいるでござる。人のつながりが不可能を可能にしていくのでござるよ。」

持流 童男 > 「その中には某もいるでござる。もちろん、お主も」
烏丸秀 >  
「んん、まだ分かんないかぁ」

なるほど、と頷く。
結局彼らには分からないのだろう。好きで悪党をやっている人間が居て、助けてなど欲しくなくて、せめて憎んでくれれば助かると思っている存在が居るという事に。

「ボクはね、キミに助けて欲しくないんだ。ほっといて欲しいんだよね、誰かを救うのは他所でやって欲しい。間違ってるとか偽善だとか全てを救うのは無理だとか、まぁそういう事、キミも聞き飽きてるなら分かるでしょ。ボクらは分かり合えないし、その話し合いにかける時間、無駄なんだよね」

ふぅ、とため息を吐く。真摯に話かけられても困る、何せ自分の根っこは腐っているのだから。

「キミがボクを討伐に来る、悪を許せないから討ちに来る、とかなら楽なんだよね。ボク、逃げるし。そういう土俵からは何処までだって逃げるし。でもさぁ、喋りはボクの土俵だから相手しなくちゃいけないじゃん。それでまた千日手だよホント」

持流 童男 > 「むぅ!?そうでござったか。千日手だったでござるか。それは迷惑をかけたでござる。」

といいつつ、素直にあやまろうとする。

烏丸秀 >  
気の抜けたような表情になりながらふぅともうひとつため息。
ゆっくりと頷くと立ち上がる。随分と長居をしてしまった。

「まぁ、頑張んなよ。ボクは死んでも頑張らないけど」

ひらひらと手を振りながら、会計を済ませ出口へと向かう。
何やらどっと疲れた。慣れない会話、しかも男となんてするもんじゃない。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から烏丸秀さんが去りました。
持流 童男 > 「だがしかし、いつかお主とわかり会える日が来るといいでござるな」

と笑いながら言いつつ、


「某は死なぬでござるよ。また会おうでござる。イケメンの君」
と笑いながらパトロールに戻る。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から持流 童男さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にアージェント・ルーフさんが現れました。
アージェント・ルーフ > ―BGMにジャズが流されており、人々の談笑、厨房での食器のぶつかり合う音、音の種類を羅列していけば騒がしい場だと捉えられるが、事実『静寂』がこの場を形容するのに相応しい言葉だと思われる。

故に、その中にカードが弾く音があっても可笑しくはない。

「はぁ…」

何処か物憂げな溜息を吐きながら、カードを端に置き、砂糖によって飽和されたミルクティーを口に運ぶ。

(やっぱり大勢の人を相手にするとなぁ…)

人とのコミュニケーションが大切とされるマジック、複数人の一挙手一挙手を注意深く観察しなければならないカジノ、主としている行動の2つには多数の人との接触は不可避であり、実際少人数でのコミュニケーションの経験はあまりないというのが真である。

そう考えながらも、カップを皿に置く音を響かせ、再びカードを手元で弄ぶ。

アージェント・ルーフ > ふと、カードが手の隙間から漏れ出し、セピア色の床に朽ち葉の如く落ちる。
それ程までに一人の時間を謳歌していたのか、はたまた、考え事に気を取られていたのか。

「わっ…とと」

通路上に仕事道具を放置するのは愚行、
椅子を傾け、年齢にしては短いであろう腕を伸ばす。