2020/07/28 のログ
■神代理央 >
「…いや、これはだな。別に私が注文したものすら忘れていたとか、甘い物なら取り敢えず何でも食べるとかチーズケーキ美味しくて別にどうでも良くなったとかそういうものではなくてだな」
結構狼狽えている。
さっきまでは本当にチーズケーキを頼んでいたつもりだったのだ。
というか、そうなると私のフルーツタルトは何処へ消えたのだ?
謎が深い。
「……善処しよう。幾分、疲れているかもしれぬしな」
結局、色んな言い訳を諦めて深々と椅子に身を預けた。
まさか注文の品まで忘れてしまうとは。休暇願を出すべきだろうか。しかし休暇中でも仕事はしたい。
というか、本当にフルーツタルトは何処へいったのだ。
注文しなおそうかな。
「……どんなに冷たい偽善者も、結局は溶けて薄まってしまう。
であれば、最初から熱を持っていた方が、マシかも知れぬぞ?」
と、彼女を見送って溜息を吐き出して。
数分の後、皿とカップを空にした少年は伝票を持って会計に向かうのだろう。
フルーツタルトの行方は、最後迄分からなかった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に小桜 白さんが現れました。
■小桜 白 >
「ああ…やっぱりダメなんですね」
■小桜 白 > ホットでしか取り扱いがない。
ラムが入っているから?
「じゃあ…こっちで、ごめんなさい」
ホイップたっぷりのアイスメニューを頼んだ。
少し残念だけど、お酒好きを標榜できる年齢じゃない。
■小桜 白 > 背の高いタンブラー。
光に透かせばわかる濃いめのアイスコーヒー。
たっぷり盛られた生クリーム。
「♪」
ご機嫌なやつ。
スプーンでクリームをすくって一口。
「……………………」
クリームだけだと、ちょっとキツい。
■小桜 白 > 今日は窓際の席。
とても平和な光景がそこにある。
窓には自分の鏡像も映っている。
「…………………」
対面の席にはだれも座っていない。
「これ…………溶けるかな………」
タンブラーを持ち上げる。
アイスコーヒーだとかなり気の長い話になりそうだ。
■小桜 白 > スプーンで少し混ぜてみる。
かしゃかしゃ。
「うーん………ビミョー」
溶けない。
溶けなかったのをスプーンですくって口に含む。
「あっ………」
もう一口。
コーヒーに沈ませたクリーム。
「コレだあ」
■小桜 白 > 世界は、とても優しい。
「やっぱりわたしには無理だったと思うよ、神妻さん」
真理を追うほどの飢えはなかった。
世界を憎むほどの力は自分にはない。
自分の判断はおそらく正しかった。
「だって…ほら」
これくらいの美味しさで笑顔になれる。
今だってなんでもなく、委員会や部活動のパンフレットを眺めて過ごせている。
ひとり、対面に誰も置かず、静かに。
■小桜 白 > 「どうしよっかな…………」
いま読んでいた風紀委員会のパンフレットは、
一番下に滑り込ませて、二枚目を手にとった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から小桜 白さんが去りました。