2020/10/29 のログ
神代理央 >  
「そうかそうか。大活躍じゃないか。
もう幣も立派過ぎる程立派な風紀委員だ。
私も、うかうかしていられないな?」

私欲がある訳でもなく。ただ純粋に『注意』して回る少女の姿を思い浮かべれば、クスクスと笑みを零してしまうのを堪え切れなかっただろうか。
とはいえ、それで彼女の努力を無為にしてはいけない。
少しだけきりっとした真面目な表情を浮かべると、年上の委員として褒める所は褒めておこうと。
島の在住歴や風紀委員歴は彼女の方が長いので、余り先輩面出来る訳でも無いのだが。

「……ああ。まあ、幣ももう少し大人になれば分かるよ。
一人でも、意外とこういう店に入る事は簡単だからね」

ぐさ、とちょっぴり傷付く鉄火の支配者。
メンタルも鉄火であれば良かったのに、其処は年相応かと自分自身に内心愚痴っていたり。

「お邪魔します、なんて畏まらなくてもいいのに。
幣がお友達とこういう店に遊びに来た時は、注文の仕方とかもリードしてあげると良い。
…それと、椅子に座る時は履物は脱がなくても良いし、正座しなくても大丈夫だからな?」

興味と緊張が見て分かる様な少女をにこにこと見つめながら、メニューを渡そうとして――

「……勿論、構わないとも。今日は、幣が頑張った御褒美だからね。
ケーキなんかも頼んでも良いよ?パフェやタルトも、此の店は有名だし」

庇護欲というか、保護者が抱く感情とはこういうものなのだろうか。
上目遣いに此方を見上げる彼女に、大きく頷けば、パラパラとメニューをめくってスイーツのページを開いて見せるだろうか。
何ならページのスイーツ全部頼んでしまいそうな勢い。

幣美奈穂 >  
「もう、わたくしもオトナですから!」

立派と言われますと、ちょっとテレながらうふふ~ん♪です。
クスクスという笑みに、
えへへ~とちょっと照れた無邪気な笑顔が顔全体に浮かんでいるのです。

「そうなのですの・・?
 ――高校生相当ぐらいになったら大丈夫ですかしら!」

1人で入るなんてオトナです、と尊敬の色を隠しもしない目で、
神代様の目をまっすぐに見ながら尋ねてみるのです。

「・・今日はクッション持ってきてないのです・・」

正座しなくていいと言われますと、ちょっと肩を落としてしゅんっとします。
それに、楽に座ろうとしますと、ついつい椅子でも正座してしまう美奈穂です。
先日の様に、すぐに立ち上がってお飲み物やお菓子を配ります時は、
普通に座ったりするのですが。

「ぱ、ぱふぇ・・」

あまり食べた事がないけど、2回ぐらいあります。
なんか、見た目からもご褒美なやつです。
メニューをめくられますと、ついついじっくり・・。
ちょっと腰が浮きまして、メニューをガン見してしまいます。

「わっ、わっ、あっ、これも美味しそうです・・こっちも!
 あっ、早いです!
 前の頁に戻してくださいませ・・」

と、懇願するような目とお声も出して、じっくりと見てしまうのです。
・・パフェの頁、チョコパフェに一番目を向ける時間が長かったのです。

神代理央 >  
「…オトナを名乗るのは、少し早いかもしれないな?
立派ではあるが、まだまだ幣が学ばなくてはならない事も多い。
背伸びして物事を見ようとすることは大事ではあるが、背伸びし過ぎても良い事はない
幣は、幣の歩調で、大人になっていけばいい」

それは、己に対しても言える事ではあるのだが。
もう大人だ、と告げる少女に少しだけ影のある笑みと共に小さく首を振るだろう。
小言めいたことを言うのは、良くないかなと思いつつも。

「そうだな…本当は、別に年齢なんて関係ないんだけど。
幣が私くらいの年齢になれば、きっと素敵な女の子になって、堂々と一人でお茶出来る様になるさ」

純粋な尊敬の眼差しに、困った様な苦笑いを浮かべつつ。
真直ぐに此方を見る彼女に視線を合わせて、こくりと頷いてみせる。

「……あ、別に怒った訳じゃ無いから、その、気にしないで欲しい。
その姿勢が楽なのであれば、そうしていて構わないから。
だからその、なんだ。気にするな。好きに座っていて構わない」

肩を落とす少女に、ちょっと焦った様な仕草をしてしまう。
どうにも、自分は弟や妹といった年齢の年下には弱いらしい。
わたわた、と手を振って、慰めにもならない様な言葉を投げかけてしまったり。

というわけで。名誉挽回と言わんばかりにメニューを眺める少女を眺めて、その真意を伺おうとする鉄火の支配者。
落第街を闊歩する傲慢さは、其処には、無い。

その甲斐あってか、チョコパフェへ向けられた視線に目ざとく気付けば、手を上げて店員を呼ぶ。
やって来た店員に、チョコパフェとホットココアを注文すれば、此れで良かったかな?と言いたげな視線を、彼女に向けて首を傾げるだろうか。

幣美奈穂 >  
オトナには少し早い、と言われますと。
きょとんとしたお顔を見せた後に、
不満そうにぷくっと柔らかそうなほっぺがちょっと膨らみます。

「わたくし、もうオトナですもん!。
 もう、中等部相当の授業とかも受けてますもの・・!」

去年までは初等部相当でしたけど、今年からは違います。
授業も算数から数学に替わっているのですもの。

「そうなのですね!。わぁ~、楽しみです!」

高校生相当になるのが楽しみです。
こくこくっと頷き返すのです。
正座してもいいとのことなので、ほっとした様子を見せます。
きちんとした、背筋が伸びた正座姿なのです。
チョコパフェを頼む声に、はっと気づいてお顔を上げるのです。
店員さんと神代様を見比べてしまいます。
こくこくっと、同意するように店員さんに向けて頷きますと、

「なんで判りましたの?」

と神代様にまた尊敬の目を向けるのです。

神代理央 >  
頬を膨らませる少女をぱちくりと眺めた後。
クスクスと、静かに笑みを零す。
それは、彼女を馬鹿にしているのではなく――微笑ましいものを見る様な、そんな笑み。

「…本当の大人は、自分の事を大人とは言わないものだ。
私もそれなりに背伸びしているつもりだが、決して自分の事を大人だと思った事はないよ」

そう言って、思わず少女の頭をよしよしと撫でようと手を伸ばすだろうか。

「…何で分かったか、って?
…そうだな。それが大人の第一歩、かもしれないぞ?」

つい先程『大人は自分の事を大人と言わない』なんて言っておきながら。
店員と己を見比べた後、尊敬の眼差しを向ける少女にふふん、と笑ってみせる。
余裕綽々、と言いたげな態度で自分のココアを一口飲んで一息。

そうこうしているうちに、客の数も多くなかったからか手早く運ばれて来る注文の品。
やって来た店員は、少女の前に丁寧に商品を並べていく。
フルーツとアイスクリームが小綺麗に盛られたチョコパフェ。
ほかほかと温かそうな湯気に甘い香りを乗せたホットココア。
少女の前に並べられる、甘い糖分たち。

幣美奈穂 >  
クスクスと笑いが見えますと、更にほっぺが膨らんじゃいますけど。
そうなのですの?、と。
自分でオトナと言わない、と言われますと。
きょとんとしたお顔になって小首を傾げさせます。
そして頭を撫でられますと・・ふにゃり、と
膨れていたお顔が嬉しそうな笑顔になってしまうのです。
撫でられるの、嫌いじゃないのです。

お口を両手の人差し指でばってんして抑えてみせまして、

「わたくし、オトナだということ。
 出来るだけ言わないようにしますわ・・。
 オトナって凄いです!」

お目めぱちぱち、またまた尊敬の眼差しなのです。
たぶん、神代様のオトナ力は500を超えているのかもしれません。
どうやったらそんなオトナになれるのか、コツを聞いてみたいところです。
と、ちょっとそわそわしておりますと・・。
目の前に置かれたチョコパフェに、ココア!
わぁ~~♪、と全身で喜びのオーラが出てそうな雰囲気です。
どうしましょう、食べるのもったいない、と。
両手を胸の前で合わせて見比べましてから。

「——いただきます」

きちんと手を合わせて言う美奈穂です。
そして、まずはココアです。
コップを両手で持ち、ふーふーふーとしながら。
目を細めて少しまぶしそうにチョコパフェさんをじっくり鑑賞です。
そしてココアをちょっぴりくぴっ。

「あちゅっ」

ちょっとまだふーふーが足らなかったようです。

神代理央 >  
よしよし、と頭を撫でればふにゃふにゃと笑みを浮かべる少女。
やはり年下には弱い。そんな顔をされたら、店のデザート全部注文してしまいたくなる。
とはいえ、商品が来た以上は彼女の至福の時間を邪魔する訳にもいくまい、とちょっと名残惜しいがゆっくりと手を離すのだろうか。

「大丈夫。幣なら、自然と素敵な大人になっているさ。
自分でも気づかぬ内に、知らぬ内にな。
だから、焦る事はない。大人になる事を急ぐより、今経験出来る色んな事を、大事にして欲しいな。
……何て、偉そうな事を言える程、私も大人な訳じゃ無いけど」

まだ16歳だし、と笑いながら言葉を締め括る。
そうして、ふーふーと冷ましながらココアを飲み始めた少女を、穏やかな笑みと共に眺めていて。

「…ココアもパフェも逃げないから、そう慌てる事は無いさ。
何なら、冷ましてあげようか?」

と、冗談を口にする程にはリラックスしてしまった事に我ながら少し驚きつつ。
若干冷めてしまった自分のココアで喉を潤した。

幣美奈穂 >  
さらりとした手触りのよいストレートの黒髪です。
離れていく手を、名残惜しそうに上目でお見送りなのです・・。
両親などに甘えたい盛りで島に来た美奈穂は、スキンシップが大好きなままなのです。

「でも、もうわたくし。
 初等部相当な授業は卒業したもの・・」

オトナになる道はまだまだ先にあるのかもしれませんけど。
美奈穂は早くオトナになりたいのです。
でも、神代様はもうオトナですよね??、と。
ちょっと小首を傾げさせて不思議そうにしてしまうのです。

ちょっぴり飲んで、ほわほわ~と幸せそうになります。
でもまだ熱いのでふーふーふー、とするのです。

「!。いいのですか?
 やけどとかしてないですか?」

冷ましてくださると聞くと、ためらうことなく。
両手で持ったカップを神代様に差し出します。
ちょっとだけ舌を見せて、やけどしちゃったかしら?と尋ねたりもします。
やけどなんてしてない綺麗なピンクな舌です。
そして、自分はと、パフェのスプーンを持って、真剣な表情・・。

「ここからです!」

ちょっともったいないと思いながら、スプーンを差し入れまして。
クリームとアイスとチョコを取り、お口に入れます。
片手でほっぺを抑えながら、その幸せな味を身体全体で表現するのです。

神代理央 >  
絹の様な撫で触りの少女の髪を、丁寧に撫でた後。
離した手を見送る彼女の視線に、まだ甘えたがりな年頃だろうかと思考を煙らせる。
彼女くらいの年齢であれば、まだまだ色んな人に甘える事が許されるであろうに、と内心溜息。

「確かに、教育や教養を深める事は大人になる第一歩だ。
しかしそうであるならば、学を修めていない歴史上の人物達は大人ではない、という事も出来てしまうだろう?
大人と言うのは、先ずは自分の事を自分で決められる事。
そして、自分以外の誰かの事を、決める事が出来る様になること。

私は、大人になるという事はそういう事だと勝手に思っている。
だから私も…まだまだ子供だよ。幣と同じくらいにはな」

小首を傾げる彼女に、小さく苦笑い。
そしてゆっくりと首を振って、己も未だ子供であると告げるのだろうか。

さて、そんなちょっとシリアスな事を偉そうに言っておきながら。
幸せそうにココアをくぴくぴと口に含む少女から告げられた言葉に、己の方がぱちくりと目を瞬かせてしまう。
……彼女くらいの年齢では、まだそういう事は気にしないのかなと内心首を傾げながらも、差し出されたカップを素直に受け取ってしまう。

「大丈夫。やけどなんてしていないよ。それに、今から食べるパフェはこの時期にしては少し冷たいかもしれない。
ココアの熱を、程良く冷ましてくれるだろうさ」

取り敢えず、受け取ったカップにふー、ふー、と息を吹きかけて冷ます。
余り冷まし過ぎても、と。程良く湯気を飛ばしたところで彼女の手元にカップを置きながら、幸せそうにパフェを頬張る少女を、にこにこと眺めているだろうか。


そんな、兄と妹の様な交流は彼女がデザートを完食するまで続き、最後には彼女がきちんと帰路につける迄送っていく事になるのだろう。
こっそりと、彼女に気付かれない様に操作した端末には、ちょっとだけ、登庁が遅れる旨を記載したメール。

仕事以外に何かする事があるのだろうかと、メールを受け取った本庁の事務員は首を傾げていたそうな。

幣美奈穂 >  
自分の事・・と言われますと、やっぱりきょとり。
自分のやること、と言いますと。
やっぱり地守り。穢れを払い、土地を守る事なのですから。
産まれた時からある、お仕事なのです。
でも、他の誰かの事を決める・・というのは難しそうに眉を寄せてへにゃりです。

嬉しそうにパフェを頂いてましたら、カップが置かれました。
それに、パフェでひとすくいしますと。

「ありがとうございます♪。
 はい、あ~んです!」

美奈穂、スプーンを神代様のお口元へと伸ばすのでした。
ゆっくりした幸せな時間。
そして、送って頂きますと。
美奈穂は受付で、窓口で。
またお鼻高々で今日の押収物を提出するのでした・・。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から幣美奈穂さんが去りました。