2020/11/15 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」にエルザさんが現れました。
エルザ >  
この時期になると式典委員会のメンバーは色々な方々への進捗状況の確認だとか、
学園祭を支援してくれる生徒会をはじめその後ろの財団からの資金援助の確認だとか外部に向けた催しの展開についての申請書なんかの返答を日々確認し、数字一つ、資材一つ、人材一人にまで気を使うことになる。
だから、式典委員会に所属する下っ端一般役員は委員会としての単位を大体この時期に取得することになる。

私、エルザ・エルザードリー・エルザスはそんな単位など要らぬ。

故に本来であれば島中を駆け巡り多くの書類に目を通し、情報を整理し実際にデータの数字通りの物資なんかが調達できているか確認する作業をせずにいる。
ある時は、真面目に。 だけど、今は不真面目に。

今の彼女を魅了するのは季節の甘味――モンブランである。

同学年(年下)の委員たちや先輩方が目立って楽しい仕事を必死にやってると思う中で食べる甘味からは犯罪的な旨さを感じる。
いつからこのような背徳的な味を覚えたかは定かではないが。

「この時期はやっぱこれよね~」

紅茶片手に軽くフォークで切り分けたモンブラン口へと運び、笑みをこぼしていた。

エルザ >  
甘味といえば、他にも部活動などで盛んな名店と言っても差し支えない場所がある。
しかし、安定という点ではここ『橘』には及ばないと個人的には思う。
長らく世話になっている名店だ。
もう、あの頃いた者たちも多くは島の外かなと別れなど一々するのは面倒だったし覚えてはいないが
こういう長く続く看板の店こそ、私には有り難い。
けれど、今栄えてるお店を体験するのもまた美食家としては大切ではあるのだろう。

「……ま、学園祭終わったら同じ委員会の子たちと打ち上げで行こうかな」

十一月、十二月そして年末年始とそれから四月まで。
学園祭が終われば式典委員会の仕事はそれほど大忙しと言うことはないけれど、
それでも、日々は楽しく続いていく。

モンブラン、最後のひとかけらを口へと放り込むと溶かすように紅茶も口へと含む。
甘さも苦味も、何方もあるからそれぞれに良さを感じるのだ。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からエルザさんが去りました。