2021/08/09 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
燦燦とした夏晴れの今日、カフェテラスのテラス席。
パラソルの下で、3人が座っております。
そのテーブルをはさんで、左右のテーブルにも若者たちが。
少しぴりぴりとした雰囲気です。

「双方、よござんすねです」

椅子に正座をしてお座りする美奈穂。
同じテーブルに座るお二人にお声をかけます。
そう、色々な人が来たりもする夏休み中なのです。
そこでトラブルが起こるのは未然にふさがねばなりません。
美奈穂は風紀委員のベテランさんですから。

キノコなチョコの過激派活動グループと、タケノコなチョコの過激派活動グループ。
その二つの違法部活動の手打ち式。
夏の間の衝突休戦を成し遂げているところなのです。
決して人前で争ってはいけないと言われるこの争い。
海外では、スター〇レックVSスター〇ォーズとも言われるそうです。
相容れない、長寿と繁栄なエルフ耳と仮面なコーホーお父様です。

互いに、顔を合わせてもメンチを切らない。
知らない方に無理にお勧めしない。
スーパーの菓子棚で、互いの進めるお菓子を隠さない。
などなど、幾つも休戦内容を盛り込んでいます。
あっ、美奈穂は頂けるなら頂きます!

幣美奈穂 >  
剣呑な雰囲気の中、互いにサイン。
メンチきりあうのを、美奈穂チョップで空間を切ります。

「はいっ、和解です!、休戦です!
 お菓子用意しましたから、にこにこ頂きまして。
 それ食べたら解散です!」

お店の従業員さんに合図です。
夏季限定の食べ比べお菓子があるのです。
運ばれてきましたそれ、柔らかい生地に挟まれた甘い餡子とアイス。
はむりっ。
美味しいです~。
片手でほっぺを抑えて身悶えます。
片方がさらりとした漉し餡に牛乳風味が高いバニラアイス。
もう片方が粒餡に抹茶アイスが挟まれてます。
夏のどら焼きです!
お仕事を終えた後は美味しいです~。

『やっぱり漉し餡だろう』
『おまっ、何言ってんだ。どら焼きには粒餡。漉し餡は邪道だ』
『嘗めてんのかごらぁっ、漉し餡の溶ける感じが!』
『つぷっと豆をつぶれる歯ごたえが・・』
『俺、ずんだもいけると思う・・』

左右を見てきょろり。
何か、小声で話しているようですが。徐々に・・。
そう、クッキーかビスケットか、チョコにどちらがというので争っていた彼ら。
餡へのこだわり、それが起爆剤に・・。
一部、東北出身者がいるようですが。

幣美奈穂 >  
そう、チョコ論争よりも古い時代からある争い。
餡子論争・・!
羊羹まで話が飛ぶと、より厳しい派閥ができるアレです。

『嘗めてんのかごらぁっ!』
『粒餡なめんなよぉ!』

同じテーブル、同じ違法部活動にいた同士であるはずの彼ら。
その彼らが、胸倉掴みあって争っています。
チョコでは同志でしたが、餡子では敵同士に・・!

「わっ、わっ、なんですか?、なんですか?
 わたくし、どっちも美味しいと思いますけど!?」

お皿を確保しまして、椅子から降りますと隅っこテーブルに。
何が起こったのか判らないまま、新たな椅子に座ってドキドキしながら。
おやつの時間ですからおやつ優先な美奈穂です。
もぐもぐもぐ。美味しいですね~。

そのあと、和解の証書を持って、それぞれのリーダーさんたちの傍にそろり。
なんか、傍で殴り合いに発展!
あれ、いいのですか?、あっ、主張の違いでじゃれあっているだけだと。
この書類はOKですか?
はいっ、委員会に提出します・・。
どうやらずんだ派のリーダーさんたち。
お二人とも東北出身なようです。
帰っても大丈夫ですか?
あっ大丈夫なら失礼しますね・・。

ふぅ。
今日もきちんとお仕事しました。
レジで領収書もきってもらいます。お仕事ですから。

喧騒が大きくなっていくテラス席。
新たに餡子論争を表立たせてしまった犯人は、そうとも知らずにほのほの委員会にと歩き出すのでした。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から幣美奈穂さんが去りました。