2022/10/15 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
「────私にどうしろと言うのだ。連中は…」

秋の涼しさよりも、冬の訪れを感じさせる様な放課後の一時。
二階の窓際に面したこの席は、自分のお気に入り。
湯気を立てるホットココアのカップから立ち上る甘い香りにも、珍しくささくれ立った心が癒される事は無い。

「端とはいえ、歓楽街で私の異形を展開出来るものか。そもそも、風紀委員会の強硬派としての汚名を引き受けているからこそ、こういった事件なら穏健派の連中がでしゃばるところだろうに」

開いた端末には、先日歓楽街で放送され、ビラが撒かれた件についての捜査、及び対応要請のメール。
それ自体は良い。自分も風紀委員の端くれ。別に事件、と判断された事に対して捜査を行う事自体に不満は無い。
不満があるとすれば、明らかに自分に向いていない内容であること、だろうか。

「……落第街の連中を締め上げて情報でも集めれば良いのかな。それでは、せっせと信頼関係とやらを築いている連中の反感を買うばかりだと思うが…」

自分も、自分の部下達も、荒事専門と言っても過言では無いのだ。
捜査協力くらいならまだしも…本格的に首を突っ込むとなると、はてさてどうしたものか、と悩まし気な溜息を一つ。
溜息を飲み込む為に手に取ったカップを傾ける。
温かなココアの糖分が、躰と脳に染み渡る。

神代理央 >  
「……当面出来る事と言えば、関連性のありそうな違反部活を叩いて回るくらいか…。私が顔を出せば、警戒されるだけかも知れぬが」

端末を閉じて、甘味に集中する。
まあ、若干自分に向いていないなと思うだけで別に大問題という訳では無い。
本命の捜査は落第街や歓楽街に顔の利く風紀や公安が動くだろうし…寧ろ自分の役割は、万が一の事態に備えた暴力装置、くらいに思っていた方が良いのかもしれない。

「そういう事態に成り得る、とは思えないがね」

優雅にココアを一口。残りはカップ半分くらい。
今回の事件は、大規模なテロに繋がるかどうか…と言えば、少なくとも今のところはそのような気配は無い。
今のところは、ではあるが。
だからと言って放置する訳にはいかないので…こういう時こそ、刑事課や公安には頑張って欲しいものだ。

「吹き飛ばすべき相手が見つかれば、何時でも出張ってやるだけの事だからな」

ココアの御代わりを頼むべきかどうか。
腕時計に視線を落として、少しだけ思案顔。