2020/08/26 のログ
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」に妃淵さんが現れました。
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」にNullsectorさんが現れました。
妃淵 > ゴー……静かな空間にエアコンの音だけが響く

部屋の中は無人……ではなく
バスルームの扉が開く音、そしてしばらくすれば一人の少女が部屋へと現れる

バスタオルだけをその身に、どうせ誰もいないし気にしない
長い黒髪をわしゃわしゃと拭き取りながら

「──…まだこんな時間か」

斬鬼丸がバイトから帰ってくるには、まだ時間がありそうだ
今日は珍しく昼前に目が覚めた
故にちょっと時間が空いていて、なんのきなしにリモコンをとって、テレビの電源を入れる

ひと夏の間、とはいえこの部屋での生活にも慣れたものだった

Nullsector >  
ガチャッ。不意に玄関の扉が開いた。
部屋主の声は聞こえず、静かな足取りでそれは上がってきた。
空調の効いた涼しい部屋に一人、妃淵の前に
白衣姿の女性が目に映るだろう。
女の気だるげな常盤色の瞳が妃淵の姿を視認するとふぅん、と興味深そうな声を上げる。

「……随分と、馴染んでるじゃないか。アンタ」

女はあたかも、妃淵の暮らしがどんなものだった知っているかのような口ぶりだった。
じっと常盤色が妃淵を見下ろしている。

妃淵 >  
「…あン?」

突然現れた気配
無遠慮に入り口を開けて入ってきた人影に怪訝な顔を向ける

常磐色と、赤い視線が交差して──

──なんだコイツ?
男子寮の人間じゃなさそうだ、女だし
斬鬼丸の知り合い、にしては年食ってる

「誰だよオマエ」

不躾な問いかけ
すっかりバスタオルで身体を拭き終われば、ベッドへぼすんっと腰かけ、見上げる

Nullsector >  
誰だよオマエ。
その質問に女は薄い笑みを浮かべた。

「斬鬼丸の"女"」

女。実に分かりやすく、どんな立場なのかストレートにわかる一言。
現に女は何の不便も無く部屋へと上がり込んだ。
その言葉に対する説得力を添えれるのかもしれない。
ベッドに座る 妃淵をしり目に
寮の部屋に備え付けられたすぐそこのキッチンへと足を運んでいく。

「どうだい?お腹でも空いてるなら、何か作ってやるけど?」

妃淵 >  
「女ぁ?」

はあ?と言った顔
あいつにそんな甲斐性…と思わなくもないが
この女がすんなりこの部屋に入ってきたというのも事実だ

「へェー…。アイツに俺以外にも女がねえ~。
 ──飯?どーせ斬鬼丸が何か持って帰ってくるからイイヨ」

言いつつ、小さく腹が鳴る

「…まァ、小腹になんかいれる程度なら喰わんでもネーな」

朝食べてないし、多少はね

ベッドの上に脱ぎ捨ててあった斬鬼丸のTシャツを手繰り寄せ、頭から被る

Nullsector >  
「驚くのもわかるけどねぇ。ビビりの甲斐性なしで、不器用。
 ただ、人並みに優しくて人並みに人の事を思える。イイ子じゃないか」

「女が男に惚れる理由なんて、そんな所がついつい気になる位さ。
 そんで、気づいたら放っておけなくなる。そんなもんだよ。」

「アンタはどうなんだい?アイツの事、どう思ってる?」

人間関係全般に言える事でもあるが、案外きっかけはそんなものだ。
何かその人が気になるから、気にかけてくれるから。
本当に些細なことから、縁は太くなる。
女は彼女の事を"知っている"。だが、敢えて聞いた。
穏やかな表情と声音、何処となく子どもを諭し、見守る様にも見える。

「はいはい、そこで待ってな」

女が宙で人差し指を動かす。
すると、部屋のどこからともなく小型ドローンが数機現れた。
何とも奇怪な調理光景だ。ドローンたちがキッチンをせわしなく動き
当の女は腕を組んだまま何もしていない様に見える。
視界に映る妃淵に、思わず肩を竦めた。

「なんだ、結構可愛らしい事するもんだね?」

妃淵 >  
「ハハ。まーそれは否定しねーけどサ」

単なる二級学生
しかも最初は金で買っただけの素性も知らない女
そんな女のために必死になろうとしてるわけだ
言い換えれば、お人好しレベル。下手したら食い物にされる

「まァ、それなりに気に入ってるヨ。今の所一緒にいて飽きねーシ。
 そーゆーアンタはどうなんだよ?」

キッチンで、どこからともなくドローンを発生させる女へと声を投げかける
妙な光景だ。この島では不思議はよくあることだけど
あれも異能か何かなんだろう。そう納得して

「あ?可愛らしい? 何が」

何言ってんだ?という顔
斬鬼丸のシャツを着たのは完全に無意識だったらしい

Nullsector >  
せわしなくキッチンを動いていくドローン。
冷蔵庫を小さなアームで開けたり
勝手にフライパンを使って何か焼いていたり
ちょっとだけそれっぽい匂いが漂っていく。

「ふ……」

気に入ってる。そう言われると思わず口元が緩んだ。
成る程、思ったより馴染んでいる。
それは彼女自身がそう望んだのか、或いは斬鬼丸自身がそうしたのか。
いずれにせよ、人として悪くない方向へと進んでいるのは違いない。

やるじゃないか、斬。なんて、本人のいない所で内心独り言ち。

「それ」

細い人差し指が、妃淵を指す。
無意識に馴染んだ、斬鬼丸のTシャツ。

「アンタのじゃないだろ?そんなにあの子が気に入ってるのかい?」

妃淵 >  
「ナニがおかしーんだよ。変な女……」

まだまったく正体不明の、自称『斬鬼丸の女』
実際本当にそうなのかも疑わしいが、まぁ関係者なのは違いないんだろう

漂ってくる香り、思わず食欲が刺激される
仕方ない、身体は正直だ

それからシャツを指さされれば…ああ、と納得して

「俺はいくつも服とかもってネーからな。
 ちょいちょい借りてる。ブカブカだけどナ」

小柄な少女のこと、肩が半分ズリ落ちそうな感じのサイズ感だが、
なんかそれはそれでビジュアルとしてはアリよりのアリなのは、
少女の外見がそれなりに整えっているからだろう

「や、でも斬鬼丸は俺のモンだからアイツの物も俺のモンなんじゃねーかな…?」

フェイエニズム

Nullsector >  
「そんなわけあるかい、此処はスラムじゃないよ。
 まぁ、自分のものだって意思表示は大事だけどね?
 そうしなきゃ、変な所でとられちまうからねぇ」

ぴしゃり、とその考えには釘を刺しておいた。
勿論共有資産なら話は別だが、そうでないなら"こちら側"では些細な問題の種だ。
些細だろうと、斬鬼丸の事を考えれば意を傷めない様に釘位は差しておく。
だが、一介の女性ならそれくらい強気に男性に迫っておいた方が丁度いい。
キッチンから出てくると、手に持つ更に乗っているのはサンドウィッチ。
タマゴと新鮮なレタス、ちょっとのベーコンが挟まれたまさに軽食だ。
因みに味は薄味。濃い目の食事が好きな人には大分味気なく感じるかもしれない、優しい口触り。

「そうさね、おかしい事は色々?……ああ、気づいてるかもしれないけど
 別にあたいはアイツの女じゃないよ。世話を焼いてるのは確かだけどね」

コトン、と妃淵の前に皿を置けばくつくつと喉を鳴らして笑った。

「ただの通りすがりの世話焼き、さ。服、持ってないのかい?
 ダメだよ、妃淵。少しくらい買っとかないとねぇ…何時までも借りるのは拙いだろう?
 今度、あたいと一緒に買いにいこうか?斬鬼丸の趣味が気になるなら、アイツも連れてっていいけどねェ」

妃淵 >  
「ふーん?俺がスラム育ちってこと知ってンだな」

ベッドの上で胡座をかいてゆらゆらと身体を揺らしながら
そんな会話をしていると、女がキッチンから出てくる

軽いものといったわりには、フェイエン的にはしっかりしたものが出てきた
量としてもちょうど良さそうで、ちょっとした空腹にありがたい

「ま、そんなコトだろーと思ったケド。
 そんな守備範囲広いヤツが俺にあんな必死こいた告白とかしてこねーよナ」

皿が置かれればベッドから足をおろして、腰掛ける形に

「ン…。まァローテで着れる数あればいいかナくらいに思ってたしナ」

スラム生活だと、2~3日は同じの着てるし…

「ってもまだ今後どうなるかわかんねーしなー。
 なんか二人で住むトコ探すらしーケドさ」

言いつつ、サンドイッチへ手を伸ばす

Nullsector >  
「情報屋、だからね…知らない事のが少ないさ」

彼女にはとりあえずそれ位言っておけばいいだろう。
情報屋、情報を生業としているのであれば、それこそ個人、組織
可能な限りの情報位頭にしっかりと入れている。
当然彼女の事も、斬鬼丸の事も。
人に褒められた商売で無い事は確かだ。
この言葉は、場合によっては彼等の事を"売っている"と言ってるに過ぎないのだから。

「あんまり言ってやるなよ。一世一代の…って、言うだろう?
 本気でアイツなりに考えてやってるんだから、いいっこなしだよ」

思えば、斬鬼丸が告白と言うのが未だ信じられない。
結果は上々とはいえ、しかも二級学生相手によくもまぁ頑張ったものだ。
尤も、大変は此処からである以上、手放しに褒めたりはしない。

「暮らす分には間違いないけど、せっかくだしそれ位のバリエーションは増やさないとねぇ
 もとは良いんだし、ちょっと手間かければ服だけでも映えるかもね。あの子もまぁ、みたいんじゃないかい?」

「アンタがオシャレするところ。……理性持つか……?」

ふと過った疑問だが、些細な事なので置いておく。

「ふぅん。で、アンタはどうなの?
 あの子と一緒にいたい、と思ってるのかい?」

妃淵 >  
女が情報屋、と名乗ればなんとなく納得が強い
さっき扱っていたドローンなんかも、そういった使い方が出来るのだろう

「一世一代の、ねえ……」

はむ、とサンドイッチを頬張りながら、あのときのことを思い出す
精一杯の勇気を振り絞って、顔を真っ赤にしながら、言葉を絞り出していた少年の姿
正直は話、俺なんかに…と思わなくもなかった

「アイツはいつも本気だヨ。本気すぎて、身の丈にあわネーことまでやろうとしてるケド」

もぐもぐ
薄い塩気が、ガッツリといった感じではなく丁度よい
一つくらいなら、ぺろりと言ってしまうくらいだ

「あー…そういうの、あんま気にしたことなかったからナ。
 まァ、アイツが喜ぶんなら、別にやらんでもねーヨ」

「もう、アイツから色々貰ったからナ。これからも色々俺にしてくれるらしーシ。
 ──…アイツが俺に安心をくれようと全力出すなら、俺もアイツに安心をやらネーとな、とは思ってはいるヨ」

でなきゃ、割に合わない
アイツは今でも、少女のために金のあるバカになろうとしてるんだろうけど

Nullsector >  
「アンタだからよかった、んじゃないかい。あの時は」

心底を見透かすような一言だった。
女は穏やかな笑みを浮かべながら、妃淵の隣へとゆったり腰を下ろした。

「初恋のきっかけなんて、人それぞれ。案外しょっぱいものもあったり
 妥当なものもあったり……そういうの、"後からついてくる"事もあるしねぇ。
 あの時、あの状況では、斬鬼丸にとって『妃淵』という女が一番だった」

「それだけさ。今もそうだろうけどね、多分」

幾ら情報屋といえど、複雑な人間の心の中まで丸々覗けるなら苦労はしない。
とはいえ、同じ人間である以上察する事は出来る。
特に、女としては思う所もあるだろうし、彼女の今までの生き方を考えれば
それは余りにも、あそこにとっては不釣り合いな青春の一幕だっただろう。
少女の言葉を聞きながら、頬杖をついた。視線は壁…というより、何処かへと向いている。

「知ってるよ。馬鹿だからね。アンタとの慣れ初めの時、あたいに土下座までしたからね、アイツ」

今でもしっかり記憶に残るほどに不器用な有様だったと思う。
少しちょっかいかけた此方にも非は在るが、土下座するとまでは思わなかった。

「────本当に、馬鹿な子だよ」

憐れむような、呆れたような、困ったような
そんな複雑な感情が、口から漏れた。

「……ふぅん、そう言うの"惚れてる"って言うの、知ってるかい?」

なんて、からかうように一言付け加えて足を組んだ。

「今のが本気なら、別にどうこう茶化す気はないさ。
 ただ、それならそれで、アンタも女としてアイツの喜ぶようなことも考えないとね。
 オシャレだってそうだし、知ってるかい?男って、女の手料理に馬鹿みたいに喜ぶの」

「……育ち盛りだからね、あの子も濃いもののが好きかもねぇ」

妃淵 >  
この女がどこまで見て、どこまで知ってるのか
情報屋を謳うだけのことはあるのだろうけれど───

「俺は頭がイイとは自分で思ってねーし、細かいことはわかんないケドさ」

ぺろ、と食べ終わった指を舐める
ウマかった

「好きがどうとか正直わかんねえから、テキトーなことも言わない。
 ただ男には皆大なり小なりプライドがあって、そう簡単に頭を下げたりしねーことは知ってル。
 ──不公平は好きじゃねーからナ」

「ン…まァ。他のやつにも色々言われたカラな。
 俺がそれを知らなかっただけで、多分──」

「俺はアイツに惚れさせられンだと思うヨ」

なんかよくわかんねーけど、金づるになりそーなヤツ
金は好きだし、からかうのも楽しかった。告白された時は実は多少なり驚いたけど
その時点で別に悪い気してなかったのも、事実だ

「アーアー、わかってるヨ。女らしーコト、できるようになったほうがイイってんだろ?」

Nullsector >  
「ふぅん……」

短い返事だった。
顎に人差し指を添えて、思案するように、彼女の言葉を聞いて
噴き出す様に、笑みを浮かべた。

「いいんじゃないか、そういうので。
 悪かったね、余計なお節介焼いて」

そういうものだ、男と女。
年増の女がどうこう言うべき事じゃない。
子どもは見ないうちに成長をすると言うけど
あの子は、自分が知らない内に、イイ女をものにできる程にはなっていたらしい。
ただ、まだまだ心配な前途多難だけど、こんな所で妙な感動を感じるとは思わなかった。


────もし子どもが、なんて。今は考える事でもない。


「少しくらいはね。料理もオシャレも少しばかり教えてやるよ、妃淵」

何処となく面倒くさそうだが、彼の事に関してはまぁまぁやる気はあるようだ。
細い指先が、妃淵の頭上へと伸びる。
抵抗しなければ、細い指先が髪を引っ掛けない様に頭を撫でるだろう。
慣れた手つきで優しく、穏やかな女性の手だ。

「ただ、まだまだアイツ自身馬鹿だからさ。
 少しばかり、あの子にももう一度話す事があたいにもあるのさ。
 妃淵。ほんのちょっとだけ、またあの子を借りるよ?いいかい?」

「アンタ等のデートするところ見れなくなるのは、楽しみが一つ減っちまうからね」

妃淵 >  
「いいヨ。年喰ったらヨケーな世話焼きたがるモンなんだろ?
 あ、ウマかったヨ、ごっそさん」

葉に衣着せぬ物言い
別段そこに悪意はないが
そうしたいならすればいい、必要だったり、困らないものなら受け入れるだけだ

特に抵抗なく髪の触らせ、撫でられる
別にそれに嫌悪感は感じない

「いいヨ。ちゃんと返すなら貸してやる。
 …どーにも、俺らの周りにゃ世話焼きが多いナ。それだけ──」

あの斬鬼丸という少年が愛されている、ということかもしれないが

「イヤ、デートは覗き見すんなヨ、ババア」

Nullsector >  
「アンタみたいなヨチヨチ歩きが見てられなくてねぇ
 大人の足元にこけられても迷惑だからねぇ?あたい等が世話焼いてやるのさ」

売り言葉に買い言葉のような物言いだ。
だが、笑みを崩すことなく別段不快とも思っていない。
大概女も口が悪い、表裏が無いと言う事は、素直ともとれるからだ。

「ちゃんと返すさ。あの子にも、アンタにも、少し位良い道進んでもらわないとね」

徐に撫でていた手が、ゆったりと下へと移動する。
こめかみをなぞり、やがて頬へと添えられ、額が合わせられる事になる。
人同士の温もりが間近で、穏やかな常盤色を閉じた。

「だからね、アンタもしっかりしなきゃダメだよ?
 "不公平"が嫌なら、アンタ等次第じゃ何処までも二人三脚さ。
 ちゃんと、あの子が腐らない様に、アンタ自身も腐らない様に出来るかい?
 何、不安なら手伝ってやるさ。あたいじゃなくても、周りの連中もそうだ」

「日常<コッチ側>は、暖かいからねぇ」

「……ちゃんとあたいの言う事が理解出来そうかい?フェイ」

妃淵 >  
「それこそヨケーなお世話ってモンだヨ。
 心配しなくてもアイツは弱えーんだから、大コケする前に周りに助けは求めるんじゃネ?」

額同士を突き合わせて、常磐と赤が交わる

「大人は子供が心配でしょーがねーんだろーから、甘んじて受けてやるヨ」

「──まー、そーだナ。
 スラムで他人の世話焼くよーなバカはすぐ食い物にされる。
 コッチ側じゃ色々違うってーのは、わかってるヨ」

こうやって、世話を焼こうとする連中があちこち出てくるのが良い証左だ

ちらりと時計を眺めて、そろそろお昼を跨ごうとしている
もうじき部屋の主も、帰ってくるだろうか

Nullsector >  
「イイ子だね、フェイ。あの子の事は、頼んだよ」

それだけ言えるなら十分だ。
この子なら、あの子の隣でも大丈夫だろう。
当の斬鬼丸にも、此方から後"一押し"位はしてやらないと。
まったく、その通りだ。子どもが心配でしょうがない。
"昔と何も変わってない自分"に、思わず笑みに苦いものが混じった。

「さて、あたいはそろそろ行くよ
 あの子には、"紫苑"が宜しく言っといた、くらいは伝えておきな」

そろそろ頃合いだ。そっと妃淵から離れると、ベッドから立ち上がる。

「じゃあね、フェイ。今度は一緒に、買い物でも行こうか」

それだけ言えば、女はゆったりとした足取りで、引き留められもしなければ部屋を後にするだろう。

妃淵 >  
「名前があンなら最初から言えヨ。紫苑」

小さく細い肩を竦めると、ダボついたシャツが片方の肩を滑り落ちそうになる

「ン…、まぁどっか住処が決まったらだナ。
 なつやすみ?が終わったら、此処に居るわけにもいかねーんだシ」

背を向け立ち去ろうとする紫苑へ、もう一言だけ

「あんま覗き見はすンなヨ?」

もう一度クギを差して、見送る

──………

再び静かになった部屋の中、ごうごうとエアコンの音が耳につく
ころんとベッドに横になって、俯せに転がると、ゆうべの匂い。斬鬼丸をそこに感じる

「スキ、か───」

部屋の時計の秒針が、規則正しい音を刻む中で、安心する匂いに包まれたまま、浅い微睡みへと落ちていった──

ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」からNullsectorさんが去りました。
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」から妃淵さんが去りました。