2020/10/24 のログ
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」にジェレミア・メアリーさんが現れました。
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」に修世 光奈さんが現れました。
■ジェレミア・メアリー >
シンプルな部屋の男子寮。
それがジェレミアの部屋だった。
ベランダの前の窓を少し開け、訳も無く床に座り込み煙草を吹かす。
これといった意味があるわけじゃなく、唯々疲れただけだ。
風紀委員刑事課、島の秩序維持機関と言うのは、多忙なものだ。
既にシャワーで済まし、脱力しきっていると言っていい。
「……ふぅー……。」
こんな些細な休息が悪くないと思えていた。
ベランダの向こうの月明りを一瞥し
ホロモニターを開けば、並ぶ文字に目を滑らせる。
何時ものように、電子小説の続きでも読もう。そう思った矢先……。
■修世 光奈 > ぴんぽーん、と来客を告げる呼び鈴が鳴る。
けれど今日は彼には予定はなかったはずだ。
「じぇーくーん。いるー?」
突然の訪問
いつもは色々とやり取りをして場所を決めたりするのだが。
今日は随分と唐突に、緩やかな声がかけられる
普通の男子なら、付き合っている相手が来たとなれば片付けができていない!などと慌てるかもしれない。
けれど、光奈は彼の生活スタイルを知っている。きっちり片付けているはずだ
そして…ずるいとは思いつつも、彼が自分のお願いを早々断らないことも。
だから、仕事終わりの時間を見計らって女子寮からやってきた。
インターホンのディスプレイで見てみるならば、お泊りセットが入ったカバンを持って、ドアの前に居ることがわかる。
突然訪問してしまうという大胆な行動に少しどきどきしつつ、彼の返答を待っていて
■ジェレミア・メアリー >
インターホンが部屋に響く。
こんな時間に一体誰だ。セールス系の部活なら、居留守でも使おうかな。
そう思った矢先、聞こえて来たのは聞き間違えるはずの無い声。
彼女の来訪なら、そう言う訳にもいかないな。
我ながら、現金だと口元を緩めてモニターを閉じた。
そのまま立ち上がり、玄関の電子ロックを外して扉を開くだろう。
「やぁ、光奈。とりあえず、中に入りなよ。」
目についた鞄で、大よそ何しに来たかはわかる。
煙草を携帯灰皿へと押し込め、彼女を部屋へと上がらせるだろう。
シンプルなリビングではなく、今回はそのまま自分の自室へとご案内。
適当に座って、と促せば彼女へと差し出すマグカップ。
ホットココア、甘くて暖かい湯気が立ち上る。
「最近寒くなって来たね、光奈の方は調子どう?」
■修世 光奈 > 「や、ジェー君。はぁーい」
気さくに…というより、今のところ彼にしか見せないおどけた仕草で応えた後、部屋の中へ
煙草を消してくれる彼の信頼がいつも通りに嬉しい。
もう何度も訪問しているため…言ってしまえば、慣れた彼の部屋。
緊張しすぎることもなく、かといってだらけることもなく
丁度良い塩梅の心持ちでゆったりと座る。
「ほんとにねー!でも、ハロウィンもあるし色々遊びたいなーとは思ってるよ」
見てみれば、今日の光奈はどこかもこもこだ。
薄くはあるものの首元にファーがついた暖かそうな上着を脱ぐところだった。
その下から、これも薄めではあるがニットのセーター。下は一見そうとは見えない楽なスウェットを履いている
ココアを受け取るとそれを両手で包み込んで、ほわあ、と顔を緩ませ、お礼を言って。
「あとはまー、いつも通りかな!依頼したり、しいちゃんの事調べたり…
あ、そうそう。例のレオ君、会ってきたよー。なんかこう、やっぱり…わんちゃんみたいな感じだった」
ふー、ふー、と息を吹きかけてからココアを一口。
しみわたる甘さと熱さが心地よい。
…続けて、一応男と会っていたのだから、心配させてはいけないと先に口火を切ろう
■ジェレミア・メアリー >
とりあえず窓は閉めておこう。
元々、これは煙草の煙を逃がすために開けてただけだし
彼女を寒がらせるのも本意ではない。
ココアを飲む光奈を一瞥し、その微笑ましさに少しだけ安堵する。
彼女の隣に座り込めば、寄り添うような形となって、ホロモニターを開いた。
「ハロウィーン、そう言えばもうそう言う季節か。
僕の方は仕事だとは思うけど……うーん、こういう思い出作りもしておきたいよなぁ。」
折角彼女と言う大切な存在がいるんだ。
一緒に卒業する前に、思い出の一つや二つ作っておきたいとは思う。
余りこう言ったイベントには、積極的に顔を出した覚えは無い。
こっちじゃ、仮装とかするらしいが、さて。
うーん、と唸り声を上げながらモニターに表示されている文字に目を滑らす。
「相変わらずだね、光奈。元気そうで安心したよ。
それで、レオって……こう、例の風紀委員の?わんちゃん、ね……。」
よもや、風紀の犬という意味じゃないだろう、多分。
特に気にする様子も無く相槌を打てば、何気なく光奈の頭を撫でた。
わんちゃんに対抗する、猫可愛がりとでも言っておこう。
「その、椎苗さんの……まぁ、"そう言う人"、でよかったよね?確か。」
■修世 光奈 > 甘えっぱなしも良くないが、気遣ってくれる彼にはついつい甘えてしまう
これが他の人なら自分から動いて窓などは自分で閉めていたかもしれない。
「仕事、かあ…大変だねー。あ、お願い使う?
…ジェー君が仕事終わった時に、好きな格好で待っててあげても…いいけど?」
あれから、お願いを保留されているのがなんだかもやもやするのか。
こうして光奈は彼にお願いを促すことが多くなった
まあ、彼が無茶すぎるお願いはしないことを知っているからこそなのだが…
「もー、何よー…。あー…でもちょっと勘違いっていうか早とちりだったみたいで。
一応、色々…レオ君がアプローチかけてる状態…なのかな?…しいちゃんもまんざらじゃなさそうだったけどねー」
口では恥ずかしがりながらも口元はふふふ、と笑ってしまう
彼の大きな手が心地よくて、安心するから。
撫でられたまま、一度カップを置いて顔を彼に向けて。
まだ…一応はそう言う括りではなかったようだ、と訂正しよう。
ただしかし、光奈から見れば秒読みと言えなくもなかった雰囲気だったが…
「それでさー……、ジェー君、怒るかもだけど…
…こーなる前のジェー君に、ちょっと似てたかな、って思った。
しいちゃんを助けるためなら、自分が死んでもいい、とか言うんだよ?あり得ないよね!
そんなの、どっちも生きた方がいいに決まってる……」
その場では強く否定できなかったものの
やはり、そうはなって欲しくないという思いは強く
方向性は異なるものの…全ての悪人を殺して死のうとしていた彼と、どこか重なってしまったからかもしれない
そのもやもやを擦り付けるように、彼に向けてそ、と身体を寄せて
■ジェレミア・メアリー >
「あー……。」
そう言えばあったな、お願い。
別に忘れていた訳じゃないけど、ジェレミアは思ったより遠慮する。
それに、どうせ使うなら"とっておき"の場面で使いたい所はある。
彼女に意地悪する口実にもなるし、そう思うとふふ、と口元が緩んだ。
「"お願い"はまだ、かな。……にしても、アプローチ。アプローチ、ね。」
成る程。ほんの少しだけ、頬が引きつる。
寧ろ、まだそう言う関係でも無くアプローチをしていたのか。
好きになった人がたまたま"そう言う人"というのはまぁ、この世界じゃ珍しくも無い。
今時、異邦人による年齢差結婚とかはあるだろうし。
ただ、"アプローチ"と来るとまぁ、事情を知らないと勘繰りたくなるのも無理はないと思う。
「健全なお付き合いなら、いいんじゃない、かな。
いや、あんまり知らない人の事をとやかく言うのもしょうがないけどね。
ニッポンじゃ、あんまり口を出すと"ウマに蹴られる"……んだったかな?」
そんな話を聞いた事がある。
馬に蹴られるのだけは勘弁だ。
やれやれ、と肩を竦めて、寄せてきた光奈の肩を抱く。
「…………」
強くは否定できないのは、ジェレミアも同じだった。
大切なものの為に命を賭ける、その気持ちは理解出来る、出来てしまう。
ベッドする命の数、現場職であればそう言った時もやってくる。
彼女の言ってる事も、今は理解出来る以上、何とも言えない。
被っていたキャップを外せば、ぽい、とベッドへと放り投げた。
「その人なりの覚悟なら、僕は何とも言えないよ。
けど、そうだね。大切な人がいるなら、どんなに辛くても生きないと……。
じゃないと、余計にその人を悲しませちゃうし、ね?」
■修世 光奈 > 「うー、手ごわい……」
いつ何をお願いされるのか。
それは彼の心次第だ。
大抵は聞くだろうけれど、何もわからないというのはやはりどきどきする
「うん。なんかこー…話してみた感じは、大人しいっていうか
ほんとに、待て、って言ったらずっと待ってそうな…とてもじゃないけど、悪い事なんてできそうになかった…かなあ
少なくとも、健全だとは、思う」
未成年者略取だとか。
そんな大それたことは出来無さそうだった。
むしろ、その相手の…友人の方が主導権を握っている可能性も非常に高そうだった
けど、と。気がかりなのは…レオの言っていた言葉だった
「……………うん。そのー…それでさ、そんなこと色々考えてたら…
ジェー君の顔、見たくなって。来ちゃった」
突然の訪問は、そういうことだったらしい。
彼もまた、仕事で命を落とす可能性もある
犯罪はもちろん、その他にも危険なことは山ほどあるのだろう
だから、直接彼の顔を見て、安心したかった
「ごめんね?寝るところとか…だった?何かいいにおいするし…ちょっと、甘えたくって」
すんすん、と少し身を捩って彼の肩の辺りを嗅いで。
汗の匂いではない匂いを捉えていく。
依頼をこなしてはいるものの、やはり色々な不安は尽きない
■ジェレミア・メアリー >
「光奈が僕の前だけで困るの、いっぱい見たいからね。」
それこその意地の悪い事言っている自覚はある。
こう言う事で困る彼女の姿が可愛くてしょうがない。
随分と彼女の扱い方も変わってきた気がしたけど、此の愛情は変わらない。
手ごわい、という彼女にその優位性を失わない様に軽くほっぺを撫でてやった。
「ふぅん……光奈が言うならそうなんだろうけど、どういう所が好きになったのかなぁ。」
そう言うなら問題ないだろうけど
少しだけ気になる、他人の恋愛事情。
自分も人の事言えるような出会い方かと言われると少し首を傾げるけど、今は幸せだ。
「……そっか。」
似ているから、不安を覚えてしまった。
そう言う仕事であることは彼女もきっと理解しているし
自分もそうなるべきではない、と最大限の努力はしている。
これは、如何しても付きまとう不安だ。
今更風紀を止めれない。不安に思う彼女の気持ちを理解出来るし
そうさせているのは他ならぬ自分だから、何か言うつもりもない。だから……。
「いいよ、僕も光奈に甘えたかったし。」
だから、此の今の時間を大切したい。
互いに感じる温もりに、甘えるように、寄り添う彼女に視線を落とし
不安にさせない様に笑みを崩さずに、頭を撫でまわす。
■修世 光奈 > お願いについてはもうどうしようもない
ほっぺを撫でられて、気難し気な猫の様に唸ることしかできず
「……。しいちゃんの方は、放っておけないーって感じらしいよ。
何か、全然自分のことに興味ないみたいで。レオ君は―なんでだろ……」
甘えながら、ぽつりぽつりと話しつつ
「……頭撫でるの、好きだよねー。ジェー君
もっと髪の長い方が好き、とかある?」
今光奈は少し髪が伸びており、大体首筋くらいまでだが
もしかすると、ロングの方がいいのかな、とも思う
「…うん。辛いときは逆にいっぱい甘えてよ?
ほら、えっとー膝枕とかさ。ぎゅーしてあげたり…それくらいはできるし」
すりすりと甘えながら…彼は要らないと言うだろうけれど、光奈からも何かしてあげたいと。
「料理も、ちょっとならできるようになったし…。えへへ。
……これで、後は……卒業するだけだね」
くすくす笑いながら、未来を語る
「ねね、ちょっとやってみたいことあるんだけど…いい?
膝枕で思い出して…ジェー君と私ならやれると思うんだー」
その途中、ふと何かを思い出したのか彼を見上げて。
どうやら今日は、いつもより甘えん坊もーどのようだ
■ジェレミア・メアリー >
「それこそ犬みたいな?…って言うのは、悪く言いすぎかな?
まぁ、わかるよ。そう言うは放っておけないって言うのはさ。」
本当に自分の事に興味が無いというか
だからこそ、誰かが興味を持ってしまう。
当人にそんな気は無くても、周りが放っておいてくれない。
彼女が、自分にしたように、そんなお節介は案外多い。
「レオ、さん…だっけ?気持ちはなんとなくわかるかな……。
僕一人が潰れて済むならそれでいいってのは、わかるからさ。」
自己犠牲の精神と言えば聞こえはいい。
要するに、"おっかぶり"だ。
自分一人で事が済むなら、それに越した事はない。
彼女に言わずとも、今でもそう思う時がある。
それを繋ぎとめる光は、他でもない彼女だから。
何となく、一瞥した夜空に陰りが見えた。
曇り空だ。星がすっかり、見えなくなってしまった。
「その時は、そうさせてもらうよ。ありがとう、光奈。」
互いに支え合って生きていく、将来を誓った仲。
少し、気恥ずかしい気もする。頬を掻けば、恥ずかしそうにはにかんだ。
「卒業したら、島を出る?それとも、島に住居を構えて……うん?どうしたの?」
随分と甘えてくるが、これは悪くない。
寧ろ、存分に甘えて欲しい男心。
さて、一体何がしたいのだろうか。彼女の髪を撫でながら、首を少し傾ける。
「因みに僕は、長い方が好きだよ。」
■修世 光奈 > 「やーっぱり。…そーいうの、だめだからね。ほんと。
…ジェー君やレオ君はそれで満足かもだけどさ。私やしいちゃんは悲しいよ。すっごく」
もう口酸っぱく言っているから彼もわかっているだろうけれど。
何度でも、繰り返す。死んで何かがうまくいって終わり…そんな結末は嫌だと。
だから、つなぎとめる為に…体をより、彼に近づけて暖かさを感じてもらおう
光奈は、外には目をやらず、じ、と彼を見つめていて。
「まー、ジェー君が浮気とかしなきゃだけどね!…なーんて。
…そーだねー…その時によるだろーけど…私は、この島に居たいかな?色々面白いし。あ、ジェー君ちょっとこう手を広げて?
あとこう、座ったまま足も広げてー…」
冗談を交えながら、将来について考える
その時にこの島がどうなっているかなどわかるわけもないけれど。
光奈としては…出会えたこの島で、どこかに住むのがいいだろうと。
未来を語りながら、彼が承諾してくれれば…手と足を広げるようにお願いし、その間にするりと入り込む
「んしょ、と。…………おー…、これは、これで。……包まれてるって感じがしていいかも
ジェー君はどう?」
そうなれば、彼の身体の前に光奈が収まる形になり
とても暖かく…光奈としては安心する体勢に。
なんてことはない体勢ではあるが、より密着できる形だ。
「えへー。あったかい…。
……そっかあ、長いのって色々大変なんだけど…アレンジもできるし、ジェー君が好きならやってみようかなあ…ほら、ポニーテールとかできるじゃない?」
そして、うきうきとしたまま自分の髪のことを思う。
長くできるのはいつのことだろうか。けれど、伸びた髪を彼に触ってもらうのも悪くはない
■ジェレミア・メアリー >
「ハハ、わかってるよ。大丈夫、光奈がいる限り、僕は大丈夫だよ。」
わかっている、彼女を悲しませるわけにもいかないし
彼女が繋ぎとめてくれた僕(ジェレミア)を失くすわけにもいかない。
彼女だけじゃない、僕(ジェレミア)を認めてくれた多くの人々に報いるために
今はまだ、もう少しこの拳銃を、引き金を握る。
彼女を安心させるように、額に軽く口づけを。
「光奈の前から、いなくなりはしないよ。
僕と同じなら、って言う憶測だけど、きっとレオさんにも、"余裕が無い"というか……
きっと、ある種の脅迫概念があるんじゃない、かな。彼にも教えてあげないといけないんだ。」
「例え、僕らのような人種でも幸せに、人らしく生きる権利があるんだって事を。」
その罪を、背負うものの事を忘れずに
気負わずに、自分の事を認める人々の事を認めれば
自分のように幸せを享受する事は許される。
其れは重く、苦しい事だって理解している。
だけど、きっと彼にもいつか、そう言う時がくるだろう。
「そう言う光奈こそ、浮気してない?……ん、こう?」
言われるようにとりあえず手足を広げると、するりと収まる光奈の体。
体格差も考えると、確かにこれは密着感がある。
うん、悪くない。暖かい。
「うん、いい感じかな。長い髪の光奈も、見てみたいな。」
つまり、逆に言えば"逃がさない"事をも出来る。
腕を回して、彼女を抱きしめるような形にして、より密着した。
■修世 光奈 > 「………えへへ。…うん、それはさ、きっとしいちゃんと…好きな人と一緒に居れば…わかるんじゃないかなって」
自分が居るから、彼は大丈夫
自分が居るから、彼は幸せ…
そう取れる言葉に、思わず頬が緩んでいく。
彼は、帰ってきてくれる…そんな思いが光奈を満たし、口づけがその思いを肯定してくれる
彼と会う前でも、ずっと依頼をこなしたり…色々と楽しかったはずなのに
彼とこうなってからは、その楽しさに更に様々な色が加わった
正に、恋とは人を変える…そういった体験を、今光奈はしていて
「いーでしょー…浮気は―、どうかなー…連絡先に男の子はいるよ?…わっ」
からかうように、彼の腕の中に納まった後くすくす笑う
もちろん、友人だったり…件のレオの連絡先の事なのだが…
こういう冗談を言えるようになったのも…お互いに『わかっている』と光奈が思っているからだ
そうでなければ、わざわざこんなことは言わない
そんなからかいをしていたが、ぐ、と彼に抱きしめられると途端に縮こまってしまう
「そ、そっか。……いーよ。髪、伸ばす。頑張ってさらさらにして、撫でやすいようにするね
……じぇ、じぇーくん?」
また、光奈に、また目標ができた。
彼に喜んでもらうために、これからは徐々に髪を伸ばしていくだろう
それにしても…彼の腕の中は暖かいし、安心する。
けれど、後ろから抱きしめられると背中を通して心臓の音が聞こえないか不安になってくる
既にどきどきとまた高鳴り…
「…あ、あはは、すごいね。ジェー君とくっついてるだけで暖房要らずだねー
むしろ、暑くなってきたかも?」
などと、それを誤魔化すためにおどけて笑う。
■ジェレミア・メアリー >
「大丈夫だよ、彼も多分。その内わかるよ。」
そうするのはきっと自分ではない。
彼が寄り添うべき人がいるのであれば、後は大丈夫だろう。
密着した体に、見下ろすジェレミアの視線。
笑みを崩すことなく、首筋に顔を埋めるように密着して。
「楽しみにしてるよ、光奈。」
長髪の光奈。
元気な彼女に舞い靡く黒髪、悪くないかもしれない。
自分の為にお洒落をしてくれる彼女が可愛くて、嬉しくて、溜まらない。
些細な彼女なりの反撃なんだろう。
けど、妬かないと言えば嘘になる。だから……。
「光奈」
だから、"わからせる"。
彼女にとって、誰が一番なのか。
首筋を軽く指先で撫でて、逃がさない様に抱きしめたまま、耳元で彼女の名を囁く。
「そうだね、寒い。暫く"このまま"……ね?」
長い長い、夜の月だけが見守る中。
長い夜を、過ごす事に────……。
■修世 光奈 > 首筋に彼の顔が来ると、少しくすぐったい。
けれどそれだけ…彼が近くに居ることが嬉しくて
ロング、と言える長さまでどれだけかかるかわからないけれど。
楽しみにされているなら、頑張ろう。
探し物の際には少し邪魔になりそうだが…それこそ括ってしまえばいい。
けれど、光奈にとって喫緊の課題は…
「え、いや、あの…ジェー君?その、おこっちゃ…ひゃぅっ
………ばか。……寒くなんて、ないもん」
彼の声色が変わったことを察する。
自分から飛び込んだとはいえ…彼をからかいすぎた、その代償を払うこと。
けれど…いつもの、光奈にとっての弱点を優しく撫でられると
それだけで期待が全身を駆け巡ってしまう
…どちらにしても、お泊りする予定だったのだ。
長い夜を、今から始めても罰は当たらないだろうと、その身を任せて
月明かりが緩く覗く曇り空の夜闇が、その二人の姿を隠していった――
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」から修世 光奈さんが去りました。
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」からジェレミア・メアリーさんが去りました。