2021/11/19 のログ
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」に霧島 孝介さんが現れました。
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」にフィーナさんが現れました。
霧島 孝介 > 休日の夕方頃。
テレビではニュースが流れており、島の今日の出来事や
場所・グルメ・人の流行先取り特集なんかもやっている。

そんな中、寮の部屋の台所で夕食を作る青年。
鼻歌を歌いながら、食材を刻み、調味料を足し、火を通して
献立として仕上げていく。

「ごはん出来ましたよー」

そう言いながら食べ物が盛りつけられた皿をトレイに乗せて持ってくる。
ラインナップは米、味噌汁、めかぶの酢のもの、焼き鮭、ブロッコリー。
これらを二人分。リビングにあるローテーブルに持っていき、箸やコップ
麦茶の入ったピッチャーも用意して

「いただきます」

彼女が許すなら、共に食事開始の合図をするだろうか。
箸を持って、米を食べながら彼女の方をチラッと向いて

「ここの生活には慣れましたか?」

と問いかける。

フィーナ > 「はーい」
力なく応える。
ふよふよとリビングへと浮きながら入ってくる。
そのまま、食事の席へ着く。

「……頂きます。」
小さく言って、箸を手を取る。

震える手で、ぎこちなく箸を持つ。
箸を持ったことが殆どなかった為、最初は食べることにも苦労していた。
今はある程度慣れて、箸で食べられているようだが…老人が食事しているかのように震え、一口一口がとても小さい。

「…うーん、どうだろう。色々、やってもらってるから、なんとも。」
問いかけに、応える。事実彼女はこの島での生活様式…つまりはまともな生活に慣れておらず、あらゆる事に魔術を頼っていた手前、新しいことに対する対応力は低かった。

霧島 孝介 > 震える手で箸を持つ彼女。
最初は助けようと考えていたが、自分が助けては意味がない。
それよりも、ちょっとずつでも慣れて、一口が小さくても食べれている様子に
(その調子)と、心の中でエールを送る。

「まぁ、流石にこの部屋は俺の部屋だし、大体の事は俺がやらなきゃね」

今日のような炊事や洗濯、掃除、買い物など大体は彼がやっている。
一応、気が向いたら彼女にも手伝ってもらったりはしているものの
中々慣れるまでには時間が掛かりそうだ

「少しずつ慣れればいいですよ。…なんだろう、兎も角、大変だったんでしょ?」

モグモグとご飯を食べ進めながら言って

フィーナ > 「…えぇ、まぁ。」
彼には、自分の身の上の話はしていない。
聞かれたとしても、前の世界…この世界に来る前の話しかしない。

この世界に来てからは、散々であったし…何より尊厳の問題もある。

スライムに囚われていた話等、口が裂けても言えないだろう。

「世話になってばかり…というのは、あまり気分は良くないから。手伝いたくは、あるんだけど…」
なお、手伝った家事はほぼ壊滅状態だった。
炊事を手伝えば食材を駄目にし、洗濯をすれば洗濯物を川へ持っていこうとする始末。
掃除しようとすれば風魔法で部屋の埃…どころか置いてあるものまで巻き上げてしまうという惨事。

買い物は、フィーナが学生証を所持していないので行けなかった。

霧島 孝介 > 自分には想像も出来ないような経験をして来たのだろう
彼女の苦労を何となく察することしか自分には出来ない。
しかし、あえてそれを追求するのも野暮というものだ。

今は不明のままで終わらせておく。

「料理の時はヤバかったですね~!
 俺も世話してばっかりって言うのは気が引けるので
 一緒に頑張って慣れていきましょう」

食材をダメにしたことを思い出し、笑いながら告げる。
洗濯の時も掃除の時も、彼女がミスした時は全く怒らず、寧ろ驚きや笑いが満ちていて
そして風魔法に至っては尊敬のまなざしでキラキラしていたとか。

「でも、このままだと自立して生活できるのは当分先ですかね…」

うーんと、考え込むように顎に手を添えて

フィーナ > 「…森があれば、良いのだけれど」
フィーナが家事全般が壊滅的なのは、それまで文化的生活を送っていなかったことが原因だ。
元の世界で両親と離別し、森の中で一人育ってきた野生児なのだ。

つまりは、道具を使うことに慣れていない。

「…術式考えた方が楽………」

用意されてる手前、道具を使おうとはするのだが。
今までずっと魔術でどうにかして来たことが、足枷となっているのかもしれない。

霧島 孝介 > 「もり…森!?」

まさかの発言に彼女の方を向いてポカーンとして
いや、確かに彼女はエルフだし、森での生活の方が向いている可能性もある。
一応、この島にも森林地帯はあるが…そこで彼女単独で暮らすのはなんというか
可哀想な気もする。

「あ、あはは…魔法ってそんなに便利なんですか?」

少し、何とも言えない空気が流れ、引き攣った笑顔を見せれば
彼女にそう問いかける。
まぁ、便利だから使ってるわけなんだろうけど

フィーナ > 「便利、というか。私は、それだけで、生きてきたから」
ずず、と味噌汁を啜りながら、あっけらかんと。

「魔法…私は、便宜上、魔術って呼んでるけど。移動する時に浮いてるのも。自分の体を動かすのも。自分の生命の維持にも。全部、魔術に頼ってるから」
フィーナは全身不随であり…指先一つどころか、内臓に至るまで魔術に頼らなければまともに動かない。
逆に言えば、それだけ魔術に精通しており…魔術の汎用性において彼女の右に出る者は少ないだろう。

「この世界の、道具と同じ。法則があって、それを利用する。それを介するのが道具か、術式かの、違いだけ」

霧島 孝介 > 「確かに、俺も今まで魔法…じゃなくて魔術か
 魔術を全然やってこなかったから、魔術だけで生活しろって言われたら困りますよね」

彼女の言葉に頷いて納得する。
魔術を使った方が苦じゃない。
それほどまでに彼女は魔術に秀でた才能と鍛錬をして来たのだろう。
今度何か魔術を教えて貰おう、なんて考えつつ

「ふむ…そういえば、まだ気は早いと思うけど 
 一人で済む場所とか、目星着いた?」

ご飯を食べながらそう聞く。
とりあえずは日常生活が自立してからだと思うが
既に目星を付けているかどうかだけは聞いておこうかと

フィーナ > 「…それが、全く。学生証が無いから、公の場は使えないし…以前使ってた住居は、爆砕してたし…」

落第街で使っていた住居は、風紀委員の作戦による砲撃によって破壊されていた。
それが残っていたら、迷惑は掛けれないと早々に独り立ちしていたのだろうが…路頭に迷う事になれば孝介さんが心配するだろう。

「それに…私は、表立って公的な機関に行ける身体じゃないから、ね」
鮭をつまみながら、言う。
彼女の身に、全身に渡り刻まれている、刻印。
魔術の行使の補助を受け持つ魔術刻印が主だが…その中に、禁忌とされるものが混じっている。

フィーナはそれによって生命の維持を行っているため…調べられ、その刻印の剥奪…ないしは無力化をされれば、それは死を意味するものだ。

「学生証持ってないのも、それが理由」

霧島 孝介 > 「爆砕!?…って落第街にあったのか、ビックリした。
 うーん…そうか。学生証が無いって不便だな…」

いつまでもここには居て貰ってもいいが
男と女だと、何かと気が回らないことが多いだろうし、相手も心配事が絶えないだろう
堅磐寮は学生証必要だったっけ?などと考えつつ、方策を考える

「ふむ…要するに、入学願書を出して、入学さえすれば学生証が手に入る。
 だけど、その身体を見られるのは不味い。そういう事ですかね?」

口の中のものを飲み込んで手をパンっと叩き話を整理する。

「一応、願書には魔術の記入欄は存在していないので、秘匿しているということにして
 見た目は…」

要するに入学をしつつも、刻印を見られないようにすればよい。
しかし、化粧などでは隠すには、彼女の場合、かなりの負担だろう。

そこで、自分の異能の出番だ。

手に蒼い光の粒子を集め、6角形のボルトのような指輪を形作り、作り出す。
指輪にはオンオフを切り替えるスイッチのようなものが存在していて

「これ、付けてみてください」

それを彼女に渡し、付けるように言ってみる。

フィーナ > 「…まぁ、そのとおり、かな」
ただ、落第街で生活していた、という経歴もある。
見世物として、不本意であるとは言え、闘技場で戦い…殺傷したことも、ある。
「秘匿は、難しいと思う。常に、魔術使ってるから…」

常に魔術を使わなければ命も危ういという身体だ。
もし感知する者がいれば、一瞬で見抜かれるだろう。

「…で、これは…?」
とりあえず、言われるがままに、指輪を右手の中指につけてみる。

霧島 孝介 > 「そのスイッチを切り替えて、起動してみてください」

彼女が中指に付けた指輪に触れ、スイッチを起動すれば
一瞬、光が彼女の身体を包み込み、次の瞬間には刻印は『見た目上』は
消えてなくなっているだろうか

「ホログラフィック技術、所謂ホログラムです。
 フィーナさん的に言えば幻術とか、虚像、ですかね?」

彼女がそれを認識出来ているか怪しいため、一応補足で説明。
要は彼女の身体の上に普通の肌の映像を被せて、刻印を消しているという理屈だ

渡した指輪はそれの発生装置。勿論、実際に刻印が消えている訳ではないので
装置が壊れれば、刻印は剥き出しになるし、魔術も感知されるだろう

「あぁ、はは、秘匿って言うのは書類上、です!

 …その《大変容》から何年も経って時代は変わっていてですね。
 学校という公的機関がフィーナさん個人のプライベートな問題を深く詮索・追及するのは御法度。
 世論が黙っちゃいない!って風潮なんですよね。
 
 そもそも学校の理念が異邦人を差別なく学び暮らせるように受け入れようってありますし」

だから浮遊魔術を使ってたりするのもOKなはずです、と付け加えて説明する。
伊達に勉強はしていない。これでもクラスの中では頭が良い方だ。
色々と考えて、彼女が住みやすいようにするための抜け穴を探そうとする。

「ただ、落第街で戦争があった後のこのご時世。
 落第街からやってきて…って正直に書くと不味いかもですし
 魔術に関しても、カモフラージュするのが一番でしょうね…」

そこに関しては教員に掛け合うしかないか、と考え込む。
一応、魔術に詳しい信頼できる先生は居る。その人に聞こうかと手段を考える

「…っていうか、最終的にフィーナさんはどうしたいんですか?」

っとここまで色々と説明したが
結局、彼女はどうしたいのか、と聞いてみて

フィーナ > 「…確かに便利、だけど……」
スイッチを入れて、ホログラムがフィーナの肌の刻印を見えなくする………が。
ノイズが、走っている。フィーナの姿がノイズが掛かって、刻印が見え隠れしてしまう。

「…そんな気はした。動力が何であれ…常に魔力を行使してる以上、干渉してしまう、みたい」

スイッチを切って、元の姿へ戻り、指輪を孝介さんに返す。
魔力による干渉を受けたためか、熱を持っている。

「…学校はそうでも。風紀や公安は、そうじゃない。問題を未然に防ぐ必要が、あるでしょう?
だから、危険がない、っていう証明があれば良いんだけれど…ね」
《大変容》というのが、どういうものかは知らないが。
少なくともフィーナの刻印は表に出てはならないものだ。

その刻印は、使い方によっては世界を滅ぼす事も可能であるからだ。

「…私は、この世界に於ける魔術について研究したいかな、とは。
元いた世界とは異なる術式…異能というものも気になりますから。」

どうしたいのか、と聞かれて、答える。
自分の世界には無くて、この世界にあるもの。
それの研究をしたいようだ。

霧島 孝介 > 「あちゃ、ダメか」

普通の刺青くらいなら隠せるのに、と呟く。
魔力というエネルギーと光エネルギーが干渉してしまって正常に作動しなかったのだろう。
それほどまでに彼女は特別、そう認識を改めて、指輪を受け取ると熱を持ってて、少しびっくり。

「確かに、例外は存在します。危ないっぽい異能は調査される傾向にあるし…
 俺もその対象で入学後の数か月間は監視されてましたし…」

うーんうーんと考え込む。
危険がない、という証明。ボランティアでもして実績を積むしかないのだろうか?
或いは他の方法?自分が経験したことのない悩みだから解決法が分からず、苦悩して。

「研究!また頭良さそうな…いや、フィーナさんは頭いいか
 となると、研究で一発当てて、認めてもらう、とか?」

立ち上がって、参考書用の棚を漁る。
中から『魔術学会』のパンフレットを見つけ、それを差し出す。
こういうのにも入ってみるといいんじゃない?と提案

フィーナ > 「うーん………」
魔術学会。見てみれば、アカデミック…つまりは学究的であり、その魔術の在り方についての研究が行われている。

しかし、自分の魔術刻印が公になれば。

非常に拙い。

「ここも良くはない…」
パンフレットを机の上に置いて。

「バレたら間違いなく研究対象」

ため息をついて。こう、反論はしているものの、自分でも良い案が思いつかない。

「魔術を扱う以上、危険性は拭えない…行動で、証明するしか……」

そこまで言って、ふと気付く。

そういえば、フィールは自分の姿をしていたはずだ。

あの子、私の姿で何をしていた?


「………社会復帰、無理かも……」

頭を抱える。
私の姿を模していたフィールがやっていたこと次第では風紀や公安に見つかった瞬間補導もあり得る。

霧島 孝介 > 「ガチ?」

確かに、研究区は人体実験などの噂が絶えない。
彼女を放り込むのは危険か、と再認識する。

「…今は飯を食べましょう。うん」

このままでは御飯が冷めてしまう。
八方ふさがりのどんよりムードでご飯をモグモグと食べ進める。
こういう時、ラノベの主人公ならもっと気の利いたセリフが言えるんだろうな、と
自分の力の無さに心で涙する。でも、そんなカッコいいセリフ思いつかんもん!



――――行動、行動か。

…彼女の過去の行動がそこまで重要なのか?
例え、彼女が過去に何をしていようと、善くなりたいと
社会と溶け込んで、魔術を研究しようという願いは、糾弾されるべきものではないのではないか?

「…くっ」

箸をぐっと握り、米を口の中に搔きこんでめかぶやブロッコリーを一息に食べる

フィーナ > 「うん……」
もそもそと、ご飯を食べる。
彼のようにかき込むことは出来ない。

ちびちびと、食を進める。

「違反部活に属した人が、すぐに信用されることはない」

例えその人が利用されただけだとしても。疑惑は払底できない。

「人は一面だけじゃない」

だから、その力をより良く使うことも、悪用することも考える。

「自衛は、必要」

それは、自分も、相手も。

霧島 孝介 > 彼女の言うことは最もだ。

人は疑う。
過去に罪を犯した者が信頼される可能性は薄い。

だが、それでいいのか?
それだけが正しいのか?
罪を犯した人は、信じてもらえるチャンスすら貰えないのか?

『人生に介入することを覚悟しろ』

ある言葉を思い出し、決意を固める

「…よし、決めた」

箸をおいて、真剣な眼差しで彼女を見る
先ほどとは雰囲気も語気も違い、腹をくくった様子で

「落第街の方でボランティアを募集してた
 内容は炊き出しだ。戦争で家が無くなった人たちへの支援だな」

スマートフォンを取り出し、募集内容を見る。
募集内容は

『学生、教師、その他関係なし!』
『優しく、一生懸命取り組んでくれる方募集です!』

とのこと。

「これに行こう」

ボランティアだから給料等は出ないが、信頼される第一歩としては適切だろうか。
彼女のホームでもあるし、やりやすいだろうと思って強制に似た提案をして。

フィーナ > 「………炊き出し……………」
料理の腕は先にあったとおり、壊滅的だ。
持ち運びは出来ないし、配膳も魔術を介して身体を動かしているので細かい作業は出来ない。

「出来るかなぁ」

ぱっと思いつく作業で、自分が出来るビジョンが思い浮かばない。

霧島 孝介 > 「まぁ、不安だろうけどやるしかない。
 俺もやった事ないし!」

胸に拳を置き、何故か自信満々に告げる。
不安そうになってる彼女を元気づけるにはこの方法しかない。

「いきなり入学するよりイージーですよ、多分
 大丈夫。いざとなったら俺に頼ってくださいよ」

ニカッと笑って、焼き鮭を食べる
我ながらいい焼き加減などと、言いつつ、彼女の様子を伺う
少し強引気味に行ったが、彼女にはこれぐらいが丁度いいなどと考えたようだ

フィーナ > 「…そうだね。やってみるだけ、やってみよう」
駄目だったら、別のことにチャレンジしてみれば良いのだ。

生きている限りは、挑戦の機会はある。

めかぶに手を伸ばして、口に含む。

「………変な味……」

海藻を殆ど食べたことがない彼女にとっては、不可思議なものに感じだようだ。

霧島 孝介 > 「うん、その意気だよ!」

どんよりするより、明るく、前向きに考えた方が良い。
しかし、思ったより先は長くなりそうだ。などと頭を抱える。
まぁ、覚悟を決めてしまったからにはやるしかない。

「変だけど身体に良いんだぞ」

範馬刃〇でも言ってた。

「そうだ。フィーナさん。
 いつまでもここに居てもいいんだけど、男と女の子じゃ色々不便じゃない?
 堅磐寮でフィーナさんと暮らしてもいいって女の子が居るんだけど…」

そっちに引っ越さない?と提案してみる。
流石に何日も男性と一緒では彼女の負担が重いだろう。
それにそもそもここは『男子寮』だ。女子が居たと知られれば大問題だろう。

隠し通すのに無理が出る前に、彼女の引っ越しの提案をしてみて

フィーナ > 「へぇ……」
もずくを箸でつまみ上げながら、眺める。

そして、口に含んだ。慣れない味にちょっとだけ顔をしかめる。

「移るのは、構わないけど…迷惑にならないかな?」

彼女は別段男性と過ごしていて負担に思ったことはない。

むしろその辺りは相手の方が苦労しているような気がする。

ドレスはボロボロの一着しか持っていなかったし、服を買ってもらったりなどをしてもらった時も孝介さんに頼り切りだった。

普段目が見えてない事もあって姿に頓着がなく、裸でいた事を咎められたこともあった。

「……逆か。私が此処に居たら、迷惑なのか」

霧島 孝介 > 「その子は平気だってさ!
 まぁ、何はともあれ一回その子と会ってみてもいいかもね」

顔を顰める様子に少しニヤつく
俺も食べた時は最初ああいう感じだったなぁと
何だか懐かしい気分になる

彼女の服を買った影響で女っ気の増えた部屋になってしまった。
裸で居た時は正直危なかった。
今でも割とその光景は覚えています。はい。

「ちがっ!迷惑だなんて思ってませんよ!」

彼女の放たれた言葉を速攻で否定する。
ネガティブ思考の彼女に、そろそろガツンと言ってやらねばと思い、口を開く

「フィーナさんはアレですね。自己評価が低すぎ。
 言っときますけど、年頃のエルフ女子と一緒に住んで裸のハプニングが起きたり
 一緒にご飯を食べるシチュエーションって思春期の男子高校生にとって滅茶苦茶羨ましい事なんですからね?
 
 っていうか、フィーナさんの事迷惑だと思ってるなら最初から部屋に招きませんし
 迷惑だと思った瞬間から追い出してます!

 ご飯を作って、洋服を買って、ボランティアについても全部俺がやりたいからやってるんです!
 貴女ぐらいの見た目のエルフなら『私の世話が出来て光栄でしょ?』ぐらいの傲慢さがあってもいいくらいですよ!」

それを貴女は…

っと説教じみた彼女の褒めのような何かわからない話を展開する。
それでもまだ彼女が曲解でもしようものなら、軽いチョップを食らわすだろうか

フィーナ > 「うーん……」
自己評価が低いと言われても。
事実私は彼に何もしてあげれていない。世話になりっぱなしなのだ。

彼の言う羨ましい事は別段自分にとっては羨ましくない。

「傲慢にはなれないけど…一緒にご飯食べたいなら一緒に食べるし、裸が見たいなら見せてもいいよ?
減るものじゃないし」

別段、ネガティブというわけではない。
事情を鑑みて思考がネガティブに寄っていっているだけで。

何か奉公出来ることがあれば、フィーナも此処まで謙らないだろう。

霧島 孝介 > 「ってか世話になることが悪いことなの?」

彼女の悩みに元も子もない発言を投下する。
事実、自分は負担に感じていない。それならば良いじゃないか
思考を読み取ったようにジト目で見て

「いや、ご飯は嬉しいけど、裸は…大丈夫っす
 本当に好きな人が出来た時用にしまっておいて」

前者はともかく、後者は不味い。
とても最高の提案だが、それを飲み込んでしまったら『彼女』が怖い。
多分両目を潰されて目が見えない隙に部屋に監禁されて『私だけを見て』される。

それは不味い。不味いのでちゃんと断っておいて

フィーナ > 「悪いこと、とは言わないけれど。私がスッキリしない、ってだけ」

貸しを作ったままの状態だと気分が悪い。そう、フィーナは感じているのだ。

世話になった分、お返しをしておきたい。でも、自分にできることは限られている。

「んー、そっかぁ」
すこし、しゅんとする。
本当に好きな人、と言われても。そもそも人と接する機会が少なかったので人付き合いすることに自信は持てないし…今の交友関係で好きな人が出来るかは甚だ疑問だ。

そも、フィーナは恋愛をしらないフシがある。

霧島 孝介 > 「じゃあ、フィーナさんが皆に認められて、研究で大儲けして
 偉くなったら焼肉奢って貰おうかな」

そんな約束をしてみる。
それで彼女がスッキリしないのであれば「じゃあ寿司も」と追加するだろう。
勿論、回らない奴だ。

「え、見せたかったの?」

しゅんとする彼女についつい聞いてしまう。
発言した後に(今の発言キモいな)と思って、少し顔を赤くして冷や汗をかく
彼女にとっては何のこともない発言だろうけども

フィーナ > 「あぁ、それは良いわね。出世払い、というやつかしら?」
一応、彼女の回りでもそういうやり取りをしている所は見たことがある。
この提案に関しては、快く承諾してくれるだろう。

「……見たい?」

特段、見せたいというわけではない。
どちらかと言うと裸を見られることを気をつける方が面倒、というぐらいだ。
森の中で裸で居ても咎める者はいなかったから。

見たい、と言われれば。脱ぎ始めかねない危うさがあった。