2019/02/09 のログ
北条 御影 > 「謎は謎のままだからこそ美しい…って誰かが言ってなかった?
 ほら、見えないからこその魅力とかそういうやつだよワトソン君」

けらけらと笑いながらぴらぴらとスカートの裾を揺らす。
女子の集まりなんてこんなものである。

「む、ね……?それは、いったい…?
 胸で肩が、凝る…??ごめん、ちょっと日本語で喋ってくれない?意味がわかんない」

少女の両手で持ち上げられる豊かな胸に訝しげな顔。
おかしい。物理法則が歪んでいる。多分これも異能だ。そうに違いない。

「世の中不公平だなぁ…。何食べたらそんな大きくなるのさぁ」

ぶー、と頬を膨らませて抗議。
そりゃ肩も凝るだろう。なんせ自分の倍近くのボリュームがあるのだ。

伊従のどか > 「くっそぉ……女の子は謎を残した方が魅力的だから仕方ない……!」

くっ、と何かに負けたような顔。
実にノリノリだ。

「んっふっふ、悩める少女よ。
欲しいか……貴様も、この胸がほしいか……」

異能がテレパシー系だったならば脳に直接語り掛けていただろうが。
残念ながらそんなんではないので。

北条 御影 > 「安西先生…胸が、欲しいです……っ!!」

ワザとらしく泣きマネをしながら起き上がる。
自分の慎ましい胸に手を当て、視線を落とす。
視線を上げればそこには圧倒的なまでの質量が。

「胸が、私にも胸があれば…世の男共を悩殺セクシーポーズで魅了、とか出来たのに…!!
 ってかさぁ、そんだけ大きいと下着のサイズ探すのも大変じゃない?
 よく言うじゃん、大きいと可愛いのが無いーとか」

贅沢な悩みだよねぇ、などと漏らして残ったコーヒー牛乳をあおる。

伊従のどか > 「ほっほっほ……諦めたらそこで試合終了だから楽だよ?」

楽な方へと導こうとするアンザイ先生。
それはともかく。

「うん、可愛いのはあんまりないねぇ。
わたしもいまつけてるの、こんなのだし」

そういってブラをぴらっとみせるが、縦じま模様がついた、そんなにセクシーなものではない感じの、一般的な下着だった。

「というより、貴方は悩殺セクシーポーズで悩殺したい男子がいるの?」

そこからだよね、という顔だ。

北条 御影 > 服の胸元から覗いた下着の柄は確かに極々普通。
特段デザインに気を配ったようなものではないことはよくわかった。
それよりも谷間の方に視線が行ったのは内緒だ。
だって何だあの空間は。異次元か?

「あ、あー……まぁ、いないんですけどね。
 だってーいるわけないじゃーん。そもそも男子の知り合いもほとんどいないっつーんですよ」

けらけらと笑ったあとがっくりと肩を落とし。

「というかですよ、友達もあんまり居ないんだよね。
 何というか影薄いらしくてさ、私。あんま覚えて貰えないんだよねー。
 ね、キミはー…私のこと覚えててくれる?」

伊従のどか > 「ありゃりゃ、そうなの?
こんな面白い子なのに」

がっかりした様子を魅せる彼女を見て、ふむ、と首をかしげる。
人見知りという訳でもなさそうだが、と考えていたが、影が薄いといわれて、さらに首をかしげるが。

「もちろんじゃん!
こんなに面白い子、忘れようもないよ。
もし仮に忘れたとしても、もう一度思い出すよ。
私の異能はね、時間軸に作用するものだから貴女の事なんてすぐに思い出せるんだから!」

ふふん、と大きな胸を張って自慢げにいう。

「だから大丈夫!安心安心。
私、ソ……伊従のどかっていうの。
貴女は?」

北条 御影 > 「―」

得意げに語る少女を前にして、何とも言えない表情をつくる。
寂しいような。悲しいような。それらをない交ぜにして押し隠し、その下から少しの嬉しさをのぞかせる。
そんな複雑な顔。

「そっかそっか、そんな能力持ってたのか!
 成程。それじゃ安心だね?よろしくね、のどか。
 私は北条御影。御影、って呼んでくれたらいいからさ!」

一瞬覗かせたその表情も、すぐに先ほどまでの人懐こい笑顔に切り替わる。
ぐし、と服の裾で手を拭いてから差し出した。

伊従のどか > 「ふむふむ、じゃあみかげっちねみかげっち!
みかげっちもこの寮に住んでるんでしょ?
また今度、一緒にお風呂入ろーね!」

ふふりふふりと、相手の顔とは対照的に。
あるいは、彼女のなんともいえない顔を見てそんなことを言って。

「それじゃ私、そろそろ部屋に戻るからさ。
また今度ね!」

北条 御影 > 「ふふ、『約束』だからね!」

楽しそうに笑う彼女にそう言って手を振って。
去っていくその背中を見送った後。

「さて、のっちとはあと何回「はじめまして」ってすれば思い出してもらえるかなぁ」

そんなことを呟いた。

のどかの異能が仮に本当に時間軸に干渉するものだったとしても、
「北条御影と出会い、会話した」という事実そのものが記憶から消去されてしまう以上、
何らかの切欠が無ければ、何の変哲も無いこの他愛ない会話の時間を、
異能を使ってまで確認しようとは普通は思わない。

きっとのどかは自分と会話したこの時間の存在自体を忘れてしまう。
だからきっと、自分のことを思い出すことは無い。

だけど

「…問題はどうやって今日のこの時間を確認してもらうか、かな」

それで諦めたりなんてしない。
自分から過去を確認しようと思わないのなら、
そういう風に仕向けるだけだ。

大丈夫、きっと上手くやれる。
会話の誘導なんて慣れたものだ。

だってそうだろう。
今日、この日、此処で話した内容は―

その殆どが以前交わしたものであるのだから。
此処まで同じ内容で会話が出来るのだ。
だからきっと、次に会った時に思い出してもらうように仕向けることぐらい、出来るハズだ。

だから、今日の「はじめまして」は悪いものじゃぁない。
それが確認出来ただけで上等だ。

ご案内:「ロビー」から伊従のどかさんが去りました。
ご案内:「ロビー」から北条 御影さんが去りました。