2020/07/01 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 雨見風菜隔離部屋前」に雨見風菜さんが現れました。
雨見風菜 > 「……おかしいですね?」

雨見風菜は迷っていた。
大浴場に行こうかと思い部屋を出たのが15分前。
自室前に戻ること二回。

「いくら窓の外から出入りしてると言ってもそんな迷うような地理じゃなかったはずですが」

そもそもそんな不便な構造の建物を寮に使うわけがない。

「……誰かの異能?」

雨見風菜 > 「こういうときは壁沿いに伝っていくのが定石ですね」

そうして再出発。

数分後、同じ場所に戻ってきた風菜が居た。

「うーん、これは間違いなくただ事じゃないですね」

言いつつ、慌てた様子はあまり感じられない。

「私はいいんですけど、他の人が迷い込んだら困る代物じゃないですか」

門限破りの常習犯、窓から出入りする素行不良の風菜であった。

雨見風菜 > 一度部屋に入り、出てきた風菜の手には筆記具。

「脱出は簡単ですが、もう少し調べてみましょうか」

古典的だが確実性のあるマッピング。
ついでにメモを持つ左手の甲から糸を垂らして歩き出す。

雨見風菜 > そうしてマッピングと糸の標を頼りに歩き自室前に戻ること三回。

「雨見風菜の不思議なダンジョンじゃないですかこれ」

一回前のマッピング情報と合わない。
気づけば自分が歩いていった方向から戻ってきている。

「方向感覚が狂わされているのか、途中の廊下が無限回廊化してるのか……うぅん」

標にしていた糸を引き戻す。
何度か角を曲がったはずだが、引き戻した感覚は直線。

「困りましたね。
 迷い込む人をいちいち窓からおろしていたら遊びに行けないじゃないですか」

そこかよ。

雨見風菜 > まごついてるところで、何かに気付く。

「魔力?」

自室からある程度進んだところから、微かな魔力を感じた。
風菜自身、普段から液体収納の魔術を便利使いしているが、そもそもそれが使えると言うだけの一般人だ。
故に普段ならまず気付かない程に薄い魔力を察知できたことに首を傾げる。

「何度か迷ったからでしょうかね……?」

雨見風菜 > しかし。
本来、魔力を感じたからと言って何が分かるわけでもない。
風菜は独学で魔術を使えるようになっただけの素人なのだ。
そう、本来は。

「……うーん。
 なんですかねこの誘ってるかのような綻びは」

何となくそれが理解できてしまう。
とてもわざとらしい魔力の綻び。

「意図的なものを感じますね」

そういいつつも、取っ掛かりはここしか無い。
無いのだが。

「うん、何すればいいかわかりませんね!」

匙を投げた。

雨見風菜 > 「物語ならここで私の空間魔法の経験値アップなんでしょうが。
 わからないものはどうしようもないじゃないですか」

誰に言ってるのかと自分でも思いつつ。

「魔術に長けてるとかそういった人がいれば教わることも出来るんでしょうが」

今この場には風菜一人。
隔離部屋なので風菜が招かねば誰かが来ることもなく。

「こんどは曲がり角で糸飛ばしてみましょうかね」

結局脳筋思考で突破を試みる。



「まあそうなりますよね」

もちろん戻ってくるのだった。

ご案内:「常世寮/女子寮 雨見風菜隔離部屋前」に天庭けてるさんが現れました。
天庭けてる > 魔力による空間の乱れを探知し、やってきた少女は、空間を彷徨いてやれやれと困った顔をして
「なんじゃこれは?ループしておるのか、面倒な術を」

無理矢理解除しても良いのだがどうしたものかと迷う着物のツノあり少女

雨見風菜 > 迷う中聞こえたその声に。

「ああ、早くも被害者が出てしまったんですね……」

こんなことならさっさと窓から出て寮母に報告しておけばよかったかもしれない。
そう後悔しつつ、声のした方向を見ると。

「……おや?寮生の方ではなさそうですが」

天庭けてる > 「ワシは教師じゃい、今のところはワシだけじゃが、なんじゃこれは、トラップでも踏んだか?」

取り敢えず原因っぽい少女を眺めて腕組み

雨見風菜 > 「そうでしたか、失礼しました」

やはりまだ知らない人が多いなーと思いつつ。

「それがよくわからないんですよね。
 お風呂に行こうかなと思ったらすぐに私の部屋の前に戻されてしまって」

まあ風呂道具は今は部屋に置いているのだが。

天庭けてる > 「んむ、天庭けてる、付与魔術学教諭じゃ、ふむ、御主の部屋には入れるのか?」

ぺたぺた床や壁に触れながら

雨見風菜 > 「はい、大丈夫です。
 何なら窓から出ていけばいいかなとは思ってましたし」

平然と普段から窓から出入りしてますと言うかのように。
実際やっているんだけども。

天庭けてる > 「不法侵入用の隔離魔術でも、働いたんではないのかおんし」

やれやれと呆れながら

雨見風菜 > 「でしたら私のような不心得者でも分かる魔力の綻びなんてすぐ直すと思います。
 普段から出入りしてましたが問題なかったですし」

更に呆れさせるような言葉を放つ。

「私がもうちょっと魔力そのものの扱いもできれば綻びから解いていけたかもしれないのですが」

天庭けてる > 「おんしなあ」

やれやれと呆れながら

「まあ、おんしにやって貰うかの」

手を振れば、カードが現れ

「現実化(リアライズ)、魔紡ぎの針」

カードから装飾のついたまち針のようなものが現れて

雨見風菜 > 「させてくれるんですね、さすが先生」

ちょっと期待していたのだ。
何らかの手法を教えてあとは実践させてくれるのではないかと。

「針、ですか」

カードから現れた物体に、これで解いていけということなのかなと思いつつ。

天庭けてる > 「まあおんしのせいっぽいからの、可視化してやるから頑張って解くのじゃな」

魔力の流れが、目に見えるようになって

「課外授業じゃ、頑張るがよい」

雨見風菜 > 「まあ多分そうでしょうね。
 ただ心当たりはあるんですが誰がこんなあからさまな真似をするのかの心当たりはないんですよ」

魔術の素人である風菜が綻びに気付く以上、あまりにもあからさまである。
そうして、天庭先生によって魔力の流れが目に見えるようになり。

「はい、頑張ります」

そうして、綻びに取り掛かろうとして。

「……先生、とてもわざとらしすぎてなんか罠に見えてきました」

それはまるで、初心者向けのパズルのようなヒントだらけで。
取っ掛かり自体の見極めが難解極まっていたこととのアンバランスさに警戒する。

天庭けてる > 「まあおんしのせいじゃろ、窓から出たり入ったりしとるんだし」

やれやれと呆れながら、スマホを取り出してゲームの周回を始めた

「くくく、頑張れ若人」

雨見風菜 > 罠だったとしてもそれは自分の責任か。
天庭先生の態度をそう受け取り、魔力の綻びに取り掛かる。

「ここがこう……こうして……」

わざとらしいヒントの多さにサクサクと解除作業を進めていく風菜。
ところどころでわざと仕込まれたかのような空間魔法のコツも掴んでいく。

「これで……終わり、かな?」

一通り解除が終わる。
……廊下に満ちる空気が、なにか変わったような気がした。

天庭けてる > 「ん、よかろ、赤点ぎりぎりじゃな、うむ」

やれやれとカード・空間隔離を手札に戻し

雨見風菜 > 「これで解除できてなかったら確実に赤点ですもんね」

廊下の先に、見慣れた風景が見える。
無限回廊化は解けたようだ。

「手助け、ありがとうございました」

天庭けてる > 「よいよい、気にするな」

うんうんと頷いて去ろうとする

雨見風菜 > 去ろうとする天庭先生を見送りながら。

(それにしても、本当誰がこんなことを……
 先生が来てくれたから分かったことだけど、まるで私に何かを教えるためのような……)

そういうことをしてくれる存在に心当たりがない。

(とにかく、アイテムボックスくらいまでは出来そうですね。
 後で試してみましょう)

液体収納もきちんと使えることも確認しつつ、空間魔術への理解が深まった風菜であった。

天庭けてる > 因みに針は消えずに残ったが、どうやらくれるらしい、まる
ご案内:「常世寮/女子寮 雨見風菜隔離部屋前」から天庭けてるさんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 雨見風菜隔離部屋前」から雨見風菜さんが去りました。