2020/10/03 のログ
修世 光奈 > 「わ、ありがとー!、うーん。いきなり連絡するのもあれだし、探してみるよ」

信頼の証である連絡先をしっかりと受け取って。
ほうほう、と頭の中に軽く情報を入れてから

「おいしー…♪、お店で売ってたら、結構高くても買っちゃうかも…」

緩い場であるという心のリラックス状態と。
友人と気兼ねなく語らっている状況に、よりおいしく感じられるプリンを堪能し。

「あ、今日はどうするー?せっかく着ぐるみ…、だし、予定無かったら泊っていく?夜通しおしゃべりとかどう?」

そういえば、友人の格好は着ぐるみパジャマだ。
お泊りも視野に入れているなら、一応予備の簡単な寝具くらいはある。

それに、何気ない事を夜通し喋るというのは、楽しいものだ。

神樹椎苗 >  
「ふむ、泊まりもわるくねーですね。
 しいは少し、早めに出る事になっちまいますが。
 一応、娘の朝食くらいは用意してやりたいですからね」

 とは言え、ゆっくりと話をするのも楽しい。

「それじゃあ、言葉に甘えましょうか。
 お前の恋人の話ももっと聞きて―ですし、お前がしてきた探し物の事とか、興味ありますしね」

 相手の事をもっと知りたい。
 椎苗は少女の事を『友達』と呼ぶことはないが。
 それは間違いなく友情の形であったことだろう。

修世 光奈 > 「あ、そっか。
じゃあ、タイマーセットしよ。時間を忘れて話をしちゃったら大変だもんねー」

と言って端末を操作し。
程よい時間に鳴るようにしておく
何とも甲斐甲斐しい友人の邪魔をしすぎるのはよくない、という判断だ。

「えー…それじゃあ何から話そうかなあ…
じゃあ、私の探し物歴から始めて、ジェー君の話もしよっか。えっとね、初めて探したのは――」

ふにゃ、と体勢を崩しながら
ゆったりと…昔話を始めていく。
小さいころに、両親の探し物から始まったこと。
そこで褒められて、もっと褒められたくて色々探している内に…少し特殊な能力と、探し物に便利な異能が目覚めた事。

そして、異能があるから、とこの島に来て…
彼と出会い、ライフワークを手伝ってもらい、惹かれていって。

…流石に苦い記憶の話はぼかしたけれど。
告白を返して、付き合い始めて…自分が彼にどんなことを思っているのか。
これに関しては…大体は、さっき話したこととほとんど同じだが、のろけとはそういうものだろう。


そんなことを幸せそうに話続け、一人部屋のはずの光奈の部屋は…今日は、とても楽しげな声で溢れていたことだろう。

ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」から修世 光奈さんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」に修世 光奈さんが現れました。
ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」にジェレミア・メアリーさんが現れました。
修世 光奈 > 彼のお仕事が何事も無ければ終わる頃。
緩い部屋着を着た光奈が、何やらお鍋の前で腕組みしつつ、彼を待っていて。
鍋の中身は、とある人からおすすめされたカボチャの煮つけだ。
自分ではなかなか美味しいと思えるのだけど…彼の口に合うかはわからない。

ただ、仕事終わりの彼を癒したいと思って頑張って作った煮つけ。
だから、敢えて…お休みの日ではない日を指定してみた。
勿論、それ故に不意に彼が来るのが遅くなる可能性も出てきてしまうが…

(喜んでくれるといいなー…)

…今後、お祭りの時に彼の言ってくれた言葉通りになるのなら。
これは予行演習と言えなくもない。

だから、そわそわしながら…お鍋の前でうろうろしつつ、呼び鈴が鳴るのを待っていて。

ジェレミア・メアリー >  
ここ最近の風紀の仕事としては何事もなく平常運航。
なので、何時ものように仕事を終えて迷うことなく向かう女子寮の一室。
彼女との逢瀬も随分と長く続いているような気もする。
まだ何年と経っているわけでもないのに、流石にこれが大袈裟な考えだろうか。

「……ふふ」

思わず零れた笑みは幸せの笑み。
享受するにはもったいないと思う反面、彼女だからこそ自分で良いと言える自信がある。
前回のデートの時のやきもちを思い出せば、中々可愛らしく思えるもの。
さて、やってきた当の彼女の部屋。今日は玄関を開けはしない。
前回、出迎えたいという要望を忘れた訳じゃない。
咥えていた煙草を携帯灰皿にねじ込み、呼び鈴を押した。

修世 光奈 > 「!」

呼び鈴が鳴ると、すぐに来客者確認用のディスプレイを覗いて。
彼だとわかれば、こほんと息を整えてから玄関へ。
彼は前の様に入ることもできるのに、自分の言葉を覚えてくれていた。

そのことに、既に嬉しさを感じながら、扉を開けて…

「いらっしゃい、ジェー君。……その。お仕事、お疲れ様」

いつか、このいらっしゃい、がおかえり、になる時が来るのだろうか、などと思ってしまったから
明るいながらも、少しはにかみながら彼を迎え入れよう。
彼専用のスリッパも用意している。

「ごめんね、我儘言って。
色々相談したかったのとー…ちょっと見てもらいたいものがあってさー」

今日デートの場所と時間をしていた詳しい理由は、彼には言っていない。
だから、リビングまで彼を通せば…座って座って、と言いつつ。

ぱたぱたとキッチンへ歩いていく。
ふわりと香るのは、少し甘い煮物の香りだ。

ジェレミア・メアリー >  
扉を開けば、そこには何時もの彼女の姿が出てきた。
まずは一安心。そんなはにかみ笑顔も可愛くて……。

「ただ……う、うん。大丈夫、気にしてないよ。光奈」

"ただいま"。
うっかり言いかけてしまった。既に自分の中では
それ位の仲だって思ってしまって、彼女と過ごす時間
そんな長さを考えるとつい、言いかけた。
軽く咳払いして誤魔化せば、小さく首を振って誤魔化した。
気にしてない、何時もありがとうのお疲れ様。

「光奈の部屋も好きだし、大丈夫。光奈の話なら、どんなことでも気にしないよ」

用意されていたスリッパに履き替えて玄関を上がっていく。
さて、見てもらいたいものとは何だろうか。
促されるままに座れば、ふわりと香る甘い香り。

「ん……なんの匂い?」

生憎その辺りの料理には縁がない。
キッチンの光奈の方を向いて、興味深そうに見ていた。

修世 光奈 > 慣れからか、服装は緩い…そのまま寝れそうなものだが。
しっかりと髪は整え、彼の好きな香水も付けていて。

「ぅ…」

そして…我慢というか、彼はこの部屋に住んでいるわけではないのだから。
飲み込んだ、お帰り、という言葉。
けれど、彼から…それの対となる言葉の端を聞けば。
か、と少し顔が赤くなる

「えー、でも汚部屋とかは嫌でしょ?……まあ、それは私の方が嫌だけど」

それを誤魔化しつつ、くすりと笑って。
彼に座ってもらえば、さて本番だ。

匂いに関する質問には微笑みで応えて。
しっかり洗って水気も無くなった小さめの深皿に…作っておいた煮つけを盛り付け。
一応、ご飯も炊いてあるけれど…彼が今日どんな食生活をしたのかはわからないため、一先ずは煮つけだけだ。
よくよく嗅いでみれば白米の匂いも捉えられるかも。

「……そ、その。…ぅー…っ、………おかえり、なさい。ジェー君。ごはん、どーぞ?」

自分で言っておいて非常に恥ずかしくなってくるが。
彼からの言葉を引き継いで、おかえり、と。
言葉と共に、お箸と煮つけを彼の目の前に置こう。

「…あ、あれだよ。こういうの、覚えて置いた方がいいかな、って思って…
せっかくだから、…予行練習っていうか。そういうの、してた方がいいかなーって!そ、それだけだから!
えと…多分、…美味しいと思う、けど……」

置いた後、わたわたと慌てる光奈。
これは先走りすぎただろうかと今更ながら思いつつ。

煮つけは、レシピ通りであり特別な味付けなどがされているわけではない。
けれど、だからこそ普通な…日常の味付けだ。

そっぽを向きつつも、ちらちらと…彼の反応を待とう。

ジェレミア・メアリー >  
漂う香りは自分の好きな匂いだった。
何時もと違った緩い格好、多分部屋の中に普段いる格好。
つまり、何時も通りだ。何気なく視線が首元にもいったり
ちょっと"無防備"な恰好は、彼女の事を強く意識してしまう。
それを誤魔化すように、帽子を目深に被った。

「それはまぁ、嫌だけど。僕が掃除するからいいよ?
 疲れて掃除とか面倒になる時とか、僕もわかるし」

整理整頓はきちっとしている方だ。
自分の部屋に来た彼女ならわかる事だろうし
ジェレミアは女性男性でそう言う区分訳はしない。
家事も仕事も、必要だから自分もやる男だ。

「あ……」

"おかえりなさい"。
自分が言いかけた言葉に対する返し。
ちゃんと聞き逃してはくれなかった。返って、照れくさい。
ほんのりと染まる赤い頬。気を取り直すように小さく頷く。

「う、うん……ただいま。光奈……えっと、いただき、ます?」

これじゃぁ、まるで夫婦だ。
いや、勿論何時か"こうなる"予定はあるけど、学生身分だと早すぎるだろうか。
前に置かれたのは……余り見慣れない食事だ。
独特の甘い香りにいつも使わない箸。所謂、和食だろうか。

「アー……そ、そう。光奈の手料理は確かに食べたいと、思ってたけど……。
 光奈の所の料理、でいいのかな?僕は何時も、食べやすいものしか食べないから、見慣れなくて……
 勿論、嫌とかじゃなくて、物珍しいんだ。光奈の所では、こう言うのをいつも食べるの?」

偏食家と言う訳では無いが、ジェレミアは普段食べなれたものを食べていた。
家があったころの食事ほど豪華なものでは無いが、ハンバーガーにステーキ。
肉&肉。THE・アメリカと言った感じだ。味付けも濃い目、男の子。
だからこそ、素朴な和食と言うのは物珍しく、まじまじと眺めながら香りを楽しむ。

「……良い匂い」

優しい甘さだ。
慣れない箸を手に取った。

「いただきます」

ちゃんと礼儀は弁えている。
箸を使い、煮つけへと伸ばす。
箸一つでも、簡単に切れる。
見た目よりは、柔らかいみたいだ。
一切れ口に運んだ。……甘い、砂糖の甘さとは違う。
野菜の甘味、っていうんだろうか。口いっぱいに広がる甘さ。優しい甘さだ。
噛めば噛むほど甘さが広がっていく。自然と頬が綻んだ。

「……美味しい」

修世 光奈 > 帽子を目深に被る姿に…あ、照れてる…可愛い、と思う
ただ、その後の夫婦のようなやり取りは…二人きりでなければ、恥ずかしくて逃げだしていたかもしれない。
けれど、ただいま、と返してくれるととても嬉しかった。

孤独な彼の帰る場所になれている、という嬉しさ。
掃除については、そうならないようにするね、と笑い。

「……うん。いつもじゃないけどこういうの好きだよ、私。
…作るのは初めてだけど、似たようなのよく食べてた」

家族と居た時は…食事は和食が主だった光奈にとっては、この味付けはよく知っている味付けだ。
だから、作ったのは初めてでもある程度の味にはなっており。

「スプーンの方がよかったかもだけど、そのー…これも、練習かなって。
どうしても食べられなかったら…あっ」

おずおずと。
彼にとっても練習になると思って、わざと箸を出したようだ。
今まで聞いたことはなかったけれど、使えないということは無さそうで。
つい、じぃ、と彼の動きを眼で追ってしまう。
そして、美味しい、と言われれば…

「…………えへへ。よかった。
お腹すいてる?えっとー…ご飯もあるけど…一緒に食べよっか
後は、ちょっと探してみて?小さめに切ってあるけど、お肉も入ってるから」

いつもの溌剌な笑みとは少し違う、安心した深い笑みを浮かべて。
ほわ、と…彼が喜んでくれたことに胸が暖かくなって。
カボチャだけでは…と思ったのか、確かにアクセント程度ではあるが牛肉も入っている。
これもまた、ハンバーガーなどとは違い、濃い肉の味というよりは優しい味になっていて

「そのー…うまく行ったし、今度はジェー君の好きなのも作るね」

くす、と笑いながら。
一応、ご飯のお茶碗を二人分用意していこう

ジェレミア・メアリー >  
「じゃぁ、これは光奈の味かな。なんてね……」

彼女の食べなれた味とは、そう言う事だ。
なんて、茶化すように言えばからかうように笑みを浮かべた。
まろやかで、口溶けする野菜の甘さ。
成る程、こういう味なんだ。うん、嫌いじゃない。
家庭的、とも言うんだろうか。こう言うのが毎日食べれるなら、頑張れる気もする。

「確かにフォークやナイフのが嬉しいけど、僕も使えない訳じゃないからさ」

ある程度、知りえる範囲の文化圏は学んでいる。
特に此処は旧日本領土であり、何処となくちらほらそう言う文化は見えている。
此方をじっとみる光奈が、嬉しそうに笑えば思わず頬も綻ぶというもの。

「うん、一緒に食べようか。僕の好きなもの、か……光奈はどうなの?何が好きとかある?」

こういう暖かさ、家庭的暖かさ。
まさしく自分が求めていたものに違いない。
おかれた茶碗を一瞥しながら、隣同士。
食事中とはいえ、彼女が隣居る"安心感"が欲しいから、彼女がいれば、今の自分でいられる。
何気なく振った世間話。アクセントに入った牛肉に舌鼓しながら横目で見やる。

「そう、光奈は最近はどう?何かあったりした?」

修世 光奈 > 「ま、まだそんなレベルじゃないけど。………いつかは、そーなったらいいな、とか」

勿論、遠すぎる未来というわけではない。
順調に関係が進んでいけば…それこそ、光奈の味と呼べるものになっていくのだろう

「よかった。怒られたらどーしよーとかさ、思っててー。うん、食べよー。実は待ってたんだ。
せっかくだから、一緒に食べたくて」

そう言いながら、食器を運び、自然に彼と隣同士。
対面よりも近くに居ながら、ご飯を食べていこう。

「わたしはー…料理だと、こういう和食が好きかな?濃いのも好きだけどね
料理だとー…、こういう煮物とか、煮魚とか。昔から食べてたから、そういうのかなあ」

むぐむぐ。
彼が居るから、いつもより少し丁寧に食べ進め。
彼には足りないかもしれないから、煮物もご飯も多めに作ってある
お代わりあるからね、なんて言いながら。

「最近、かあ…。しいちゃんの事を調べたり、料理の事調べたり、依頼したり…かな
特に、しいちゃんのことは、全然進んでなくてさー…、他にも、協力してくれそーな人のことは教えてもらったんだけど、中々接点がなくって
ジェー君、風紀委員なんだけど、この人知ってるー?」

うーーん、と悩んでから。
行儀は悪いものの、協力してくれそうな人の情報…明るい茶色の髪と金色の眼の青年の顔写真を送ってみよう

ジェレミア・メアリー >  
「……期待していい?"光奈の味"」

彼女の手料理、彼氏としてはちょっと憧れ。
それに、自分に出してくれる彼女の手料理は
何だかそれだけで温かいものがあるからついつい期待してしまう。
気は早いかもしれないけど、自分にとって夫婦と言う関係は、そう遠くないものに思えていた。

「ハハ、こんなんじゃ怒らないよ。僕の事なんだと思ってるのさ。
 ……うん、待っててくれてありがとう。光奈」

そう言うさりげない気遣いが、とてもうれしい。
思えば、白米もほとんど食べた覚えがない。ジェレミアはパン派だ。
自然と隣に座ってくれた彼女にちょっとだけ、身を寄せた。
食べづらいかな?とは思ったけど、気ッと許してくれると思った甘え。

「そうなんだ。僕もこのニモノ?嫌いじゃないよ。僕は……そうだな。
 味が濃いものなら割となんでも?個人的に好きなのはローストビーフ、かな」

「父さん、料理を作るのが趣味でさ。なんだかよく覚えてるんだ」

父親の作った手料理の中で、ひときわあの味を覚えていた。
特別な事と言うわけじゃない。ただ、覚えているから好き。
彼にとっての、家族の思い出。素朴なにものを口に運んで、白米も一緒に口の中へ。
……あ、美味しい。成る程、和食って、米と一緒に食べるものなんだな。

「ハハ、相変わらず忙しそうだね。……うん?誰?」

写真を一瞥するが、見覚えは無い。

修世 光奈 > 「え、鋭意努力、します……。もっとこー、経験積んだら、そういうのになっていく…かも?」

今はまだレシピ通りだけれど、その内、細かい部分の調味料の量などで。
光奈の味になっていくのだろう。いつか、そう遠くない未来に…彼にそんな味を食べさせてあげたい、とも思っていて

「料理でちょっと不安だったのー!何となく秘密にしたかったし…怒らなくても不機嫌になったりとかさー」

ただ、そんな心配はやはり杞憂だった。
むぐむぐと食べながら…なーに?とでも言いたげに、ちょっと押し返すように体を寄せ返して。
確かに少し食べにくいけれど、彼の身体が暖かい分、プラスだ。

「おー…じゃあ、作ってみようかな。お父さんとは、また違った味になるかもだけど
やっぱり、好きなモノって特別だし…」

ふむふむ、と彼のリクエストを、頭のメモ帳に記しておく。
ゆったりと食事を食べ進めていき…

「えっとね。うーん…風紀委員みたいなんだけど…、ほら、前に言った、しいちゃんの『目的』に協力しよーとしてるみたいで。
まず名前から、捜さないとなんだけどねー」

一口に風紀と言っても、人数はかなりいる。
彼が知らなくても無理はない。
ただ、協力者は一人でも多い方がいい

「しょーじき、アイディアもぜんっぜん浮かばなくって。
目的を達成するために、ジェー君の意見もあったら聞きたいなーって感じなんだ」

その友人からは日常で考えすぎないように、とは言われているものの。
やはりどうしても、気にはなってしまっていて
あ、お茶忘れてた!と麦茶を取って戻ってくる

ジェレミア・メアリー >  
「ハハ、期待してるよ」

ちょっとくらいプレッシャーをかけても平気だろう。
困る彼女の顔が見たいって意地悪も在ったりする。

「僕がそれ位で怒ったりしないよ。光奈が無茶とかしなければ、僕は別に……
 不機嫌になった方が良かった?アー、ちょっと困ってる光奈はみてみたかったかな?」

不機嫌そうに見せて慌てる彼女の姿が目に浮かぶ。
あれ以来、如何にもそう言う姿の彼女を嗜虐心が擽られるというか
好きな子に意地悪したくなる気持ちが、わかるようになってしまった。
それでも彼女を不安にさせないように、寄せた身のまま冗談だよ、と頭を軽く撫でておく。

「大丈夫だよ、それも"光奈の味"、でしょ?」

彼女の手料理なら、何も問題は無い。
新しい思い出になる。

「風紀委員?この人?風紀も結構人がいるからなぁ……にしても……」

『目的』に辿り着ける人物。
それはつまり、そう言う事なんだろうか。
確かに風紀委員の数、と言うより学園の絶対数を考えると
意外とみないものだ。今時金髪とかは珍しくも無い。
見つけても、伝えるべきか悩み所だ。
神妙な顔つき。嫌な思考をかき消すように、カボチャを口にねじ込んだ。

「この人と、その…しいちゃん?はどういう関係なのかな。
 あれなら、風紀本庁の受付とかで聞いちゃったりすれば呼び出せると思うけど……」

会うだけなら其れで解決する気もする。
慌ただしくお茶を取りに行った彼女に思わずはにかみ笑顔を浮かべた。
相変わらず、元気で慌ただしくて安心する。

「落ち着いて、光奈。この人の名前とかはちゃんと聞いた?」

修世 光奈 > 「もー…あれからジェー君、何かいじわるー。別にいいけどさ」

それもまた、光奈の知らなかった彼だ。
それに…嫌だったら嫌だとハッキリ言えば彼は聞いてくれるだろう。
だから、それを言わないのは…そんな意地悪な面を見せてくれるのも嬉しいから。
もちろん、性根が優しい事も知っているから。
撫でられると、照れながらもやはり逃げはせず

「まあ、うん。料理はゆっくり頑張るよ。
で、ええとね……この人の名前は聞いてないんだけど…あ、しいちゃんはこの前教えた神樹椎苗ちゃんのことね」

お茶を持ってきて一つ息を吐いて補足を入れる

「…細かいところは聞いてないんだけどー……こう、キス、とか…してるらしい…
その、しいちゃんが嫌じゃなさそうだったから、強くは言ってないんだけどさ…」

顔立ちを見ると、その協力者の年齢は自分たちとそう変わらない。

そして、この間彼に送った神樹椎苗の情報には…年齢も記されていて。
凄く歳の差がある組み合わせだ。本来なら通報モノである。
しかし、せっかくあの友人が親しそうに話していた相手を通報…というのはちょっと…と考えていて

「呼び出すにしても、共通の知り合いは多い方が警戒されないかなーって思って。
あ、全然大丈夫だからね!私の依頼なんだから、この人の名前を調べるくらいはするよー」

こくこく、と頷く。
一応、仕事…というほどでもないが。
ライフワークには一定のプライドを持っている。

ジェレミア・メアリー >  
「ごめんごめん。機嫌直してよ?」

本当に他愛のない会話。
こういう日常が、今のジェレミアには嬉しいものだ。

「期待してるよ。それで……ああ、うん。大丈夫、わかるよ。
 にしても、こう……、その……成る程……」

成る程。成る程。年齢差。
少なくともキスはするという事は、"そう言う仲"なんだろう。
別に人の恋路にとやかく言うつもりは無い。
恋愛の形と言うより、人の関係性は自由だ。
当の昔に、恋愛形態も人の有り様も、自由度の高い時代だ。
排他的こそマイノリティだとは思うが……"思う所がない訳じゃない"。
何とも言えない表情のまま、何度も脳内情報と照らし合わせる。

「……犯罪、とかじゃないよね?」

一応の確認。確認は大事。
もしかしたら、そう言うあれこれもあるかもしれない。
そう、これは確認だ。
決してその写真の人物が年齢差に興奮する特殊性癖の持ち主かもしれないが
それを承知で手を出しているならきっとこう、風紀案件な気もする。
寧ろ風紀委員だった。もしかして、大層よろしくない事なのでは……?

「そうかな?風紀委員なら、別に呼び出す位には大丈夫だとは思うけど……。
 それよりこの人、本当に大丈夫なの?その、こう、性癖が特殊な……」

修世 光奈 > じゃれ合うような、意地悪され、拗ねて、謝られて、許す。
そんな一連の流れも、絆を確かめている部分もある。
相手に心を許していなければ、意地悪なことなどそうそう言えないし、それを許すとも言えないことがある

「…………うん。ジェー君の言いたいことはすごーくわかる…私も、だいたい同じ…」

この話を聞いて、平常であった方が少し彼の事が心配になる。
恋愛が自由であることはわかってはいるのだが、彼も同じような想像に至ったようで

「犯罪はー……その、年齢的にはアウトーなんだけど。
しいちゃん、かなりしっかりしてるし。嫌だったら去勢してやる、とか言ってたからそこは大丈夫だと思う
それに、協力するーって言ってくれてる人を逮捕するのも…って感じで」

そんな相手がいるのに勿体ない、と自分本位に思ってしまう
それを、彼がどう思うかはわからないけれど

「風紀のジェー君が言うなら、大丈夫なのかな?慣れてきたけど、やっぱりちょっと気おくれしちゃって。
それなら今度、本部に行ってみるよー。…その、特殊な人かどうかも、確かめてくる!友達が万が一変な人に引っ掛かってたら大変だしね」

ぐぐ、と握りこぶしを作る光奈。
依頼人というだけではなく、友達として大事にしていることが伝わる意気込みを見せる。

「大体そんな感じかなあ…。ジェー君の方は、何かあったー?」

自分から相談するのはこれくらいだ。
後は彼に何か変わったことや、困った事がないか、小首を傾げながら聞いてみよう。

ジェレミア・メアリー >  
「ああ、光奈も同じ考えなんだ……ちょっとだけ安心した」

まぁその、その写真の人物には悪いけど安心してしまった。
見る限り多分、自分と年齢差はそこまでない。
多分同年代。同年代だけども、流石にちょっとこう、その手の女子を恋愛対象に見るのは難しい。
いや、もしかしたら精神的には大人の女性なのか?
でもなぁ……への字に曲がった口元は、何とも言えない。

「アウトだよね、まぁ……そ、そっか……」

公認ならいいのか、いいのだろうか。
人の恋路にとやかく言えるような立場じゃないので
此れ以上はきっとナンセンスだ。
……光奈に変な虫がつかないようにしよう。そう決意を強くした。

「普通はそんなものだよ。用があっても、警察の所行くのは緊張するだろうし……
 うん、時間が合えば僕も手伝うから、遠慮せずにどうぞ」

敢えて、自分の事をダシにしていいとは言わない。
同じ風紀の紹介と言えばスムーズだろうけど
彼女は彼女なりにプライドを以て取り組んでいる。
そこに水を差すような真似はしたくなかった。
気を取り直して、可愛い光奈の頬を撫でておいた。

「コッチは何時も通り、かな。しいて言えば、最近渋谷の方に怪異が出てて、その辺は忙しいかな」

何時も通りと言えばそうだ。
しかし、こんなご時世だ。
犯罪者のみならず、そんな化け物とも戦わされる事になる時代。
これも仕事のうちだから何とも思いはしないけど……。

「大丈夫だよ、見ての通り無事だから」

先んじて、その不安をぬぐうような言葉は必要だと思った。

修世 光奈 > ここで二人で唸っていても、恋愛については二人の問題と言われればそれまでだ。
これ以上は陰口になってしまいそうだし、んん、と咳払いしてから

「ありがとー。そう言ってもらえると勇気が出るよ」

彼は、自分のライフワークのことも大事にしてくれる。
なら、彼のそんな思いもしっかり大事にして…話を聞くのは、自分一人で行おう。

「って、わ、なによー…もー…」

そして唐突に頬を撫でられると、驚きはすれど甘えるように少し擦りついて。
彼の…相変わらず大きな手を感じてにへ、と笑い

「そっか。怪異、怪異………その、無事なのは見たらわかるけどさ
本当に、気を付けてね?人間じゃないなら、銃も効かない!とかあるかもしれないし…」

彼の主武器は…あまり見たくないが、銃だ。
それが通じなければ危険に晒されることもあるのではないかと。
何を言われても不安はあるが、心配しすぎてもそれは…彼の仕事を邪魔することになってしまう

「……それと!疲れたりしたら真っ先に私に連絡してよね!
そーいうのをしっかり回復させて、応援するのが…多分、私がしたいことだからさ」

ぺし、と軽く彼を叩いて、ごちそうさま、とゆったり食べて空にした食器に軽く頭を下げよう。

ジェレミア・メアリー >  
「大丈夫、無理はしないよ。ちゃんと"ここ"に帰ってくるから」

わかっている、彼女心配は尤もだ。
だからこそ、弁えている。
自分には帰る場所がある、護るべきものもある。
風紀の本分を弁えてるけど、自分もそこに入ってる。
だから、必要以上に無茶はしない。
この光がある限り、何時でも帰ってこれると信じてる。
穏やかな笑みだった。決して彼女を不安にさせないような、穏やかな笑顔。

「いつも元気もらってるよ、ごちそうさま」

彼女がいてくれるから、頑張れる。
同じように軽く頭を下げ、会釈を終えれば空の食器を運んでいく。
流しに食器を置けば、徐に光奈の肩を抱き寄せた。

「……光奈、今日泊っても大丈夫だよね?せっかく、きたんだし、ね?」

既に日も沈んだ。明日も休みだし、予定も無い。
光奈の首筋を軽くなぞれば、横目で見やった。

修世 光奈 > 「……ん!、どーいたしまして!」

それならよし、と明るく笑う
彼が傷ついて、悲しむ人がいる、と意識してくれているならもう何も言うまい。
自分の食器は自分で運び…それこそ夫婦の様に一緒に食器を流しにいれて。

「………。その、いつでも、泊っていっていいように、色々用意してる」

後は彼が帰る時間までゆっくりしよう、なんて考えていたところに
ある意味油断していた光奈の首筋をなぞる、彼の手。
それだけで、その言葉に含まれた意味を察してしまうほど、何度もこのやり取りは繰り返されている

「……だから、泊っていって。汗も流したいでしょ?」

ユニットバスも綺麗にしてあるから、仕事疲れの汗を流すこともできる。
…その後のことは、もう語るまでもないだろう。

――近くの部屋から、苦情などが来ないといいのだけれど

ジェレミア・メアリー >  
「……そっか、ありがとう」

つまり彼女も承知の上と言う事だ。
それならもう、言葉はいらない。
自分と彼女だけが知ってる合図、トントン、と数回首元を叩いた。

「うん、食器洗ったらいこうか……」

後は、互いの恋人としての長い夜が、待っている──────。

ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」から修世 光奈さんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」からジェレミア・メアリーさんが去りました。