2021/07/07 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」にセレネさんが現れました。
■セレネ > ――夏は嫌いだ。
暑いし、日差しは強いし、虫は出るし、イベントも多い。
イベントものは嫌いではない。むしろ好きな部類に入るけれど、
人の多い場所は霊も集まる。加えて己は神族。
人々の”願い事”や”祈り”は、嫌でも耳に入ってくるのだ。
『……。』
女子寮。一人部屋。
白猫一匹を放っておいて、部屋主の少女は机に突っ伏しヘッドホンを耳に当て大音量でクラシックを聴く。
傍らの愛猫が青目を心配そうに向け、何も言わず何もせず無言で佇む中、冷房を効かせた部屋で飼い主の行動を見守っている。
今日は七月七日。七夕。
人々には各々の願い事を短冊に書き、願いを込める日。
神にとっては、その願いを聞き届ける日。
尤も、聞く神も聞かぬ神も、それぞれあろうけれど。
■セレネ > 一柱の神としては。少なくとも、今の己としては。
願った人々の思いは出来る限り叶えてやりたいと思う。
けれど他の「仕事」もあり、やらねばならぬ事もあり。
結果的に、願った者の事まで手が回らぬ事も多々ある。
願いや祈りは神々にとって大事な事の一つ。
人々が信じる心がなければ消滅してしまうかもしれない存在。
だからこそ、その祈りや願いは極力叶えてやろうと奔走するけれど。
大した力もない神には、到底厳しい願いもあって。
ならば初めから、聞かなかった事にしようとする神もいる訳で。
それが、現在突っ伏している己なのだが。