2021/10/15 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 ロビー」にイェリンさんが現れました。
イェリン > 「女子寮……ここよね」

事前に渡されていた入寮手続きの表紙と目に見える景色を見比べて呟く。
散々迷った挙句伝えていた時刻を大幅に過ぎた事もあり、
バツの悪そうな表情で管理人を訪ねて鍵を受けとる姿が見えるだろう。

イェリン > 自身を納められそうな程のトランクケースを引きずりながら
渡された鍵を大事そうに握りしめては施設内案内の前を行ったり来たり。

自室らしき部屋を見つけはしたものの、一人暮らしどころか
山を降りる事自体が初めての田舎娘にとっては不安は尽きない。
落ち着き無く周囲を見渡しては怪訝そうな顔をしている。

意を決したように鍵を差し込んだ鍵が立てた開錠音を確認すると、
極めて静かに、まるで中に何者かが居たとしてもバレないようにとでも言いたげな仕草でドアを開け、その中に姿を消した。

━━その姿は遠巻きに見る限りは不審者のそれである事に本人が気づくはいつになるか。

ご案内:「常世寮/女子寮 ロビー」からイェリンさんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋 一人部屋 部屋」にイェリンさんが現れました。
ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋 一人部屋 部屋」からイェリンさんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」にイェリンさんが現れました。
イェリン > 「━━疲れた」

数日間を共にしたトランクケースを部屋の隅においやり、
備え付けのベッドに身を投げ出す。
不慣れな旅が蓄積させた疲労は物言わず身体を蝕んでいて
伸ばした腕は沈み込むように重かった。
パサついたダメージのある髪が頬に触れる。

外から帰ったままの恰好でベッドに寝ている等と言ったなら母は激怒するだろう。
地図アプリの見過ぎで電池を切らしたスマートフォンに給電してやると
頭が痛くなるほどの数の父からのメッセージが届いている。

「うまく、やれるかな」

既読履歴を付けたメッセージアプリにサムズアップした猫のスタンプを張り付けてやり過ごす。
しかし一度身体を起こすと熱いシャワーが恋しくなる。
そうなると行動は早かった。
一張羅を惜しげもなく脱ぎ捨てて備え付けのユニットバスに駆け込む。
赤い蛇口を捻り火傷しないようにと指の先に当てながらシャワーの先から暖かな湯が出るのを待ちわびる。

待って、待って、待ち続けて━━

「お湯、出ないじゃない……」

途方に暮れるのだった。

ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」からイェリンさんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 大浴場」にイェリンさんが現れました。
イェリン > 暖簾をくぐり、脱衣所を訪れる。

ガスがつかない、という事実に行き当たったとて
一度湧き出したシャワーを浴びたいという衝動が収まるわけもなく。
脱ぎ捨てた服をいそいそと着なおし、説明の際に紹介されていた大浴場を訪れたのだった。
地元の物と比べても脱衣所等のシステム自体に大きく異なる所は無いらしい。
服の下に着こんでいた水着だけを纏って脱衣所を出る。

「ここが常世の温泉……
 こんな時間だから誰もいないのかしら」