2021/11/09 のログ
イェリン > そう? とひとしきり心配する声もそこそこに。

「落ち着かないのはあるけれど、今日限りと思うと楽しいじゃない」

平気、の意味をおおよそ上手く共有できていない様子で小首を傾げつつ。
普段着の方がよっぽどタイトな物を身に付けているのもあるが、恥ずかしさよりも新鮮さを楽しむ方が勝っているらしい。

「――約束するわ」

力強く頷き、言ってからふと思い返したように

「思い人さんに見せたくなったら、いつでも言って頂戴」

脇を閉めてブレないように、赤く紅潮した真っ白な肌をレンズに収めて、シャッターを切る。
パシャリ、パシャリと。
次々に弱弱しく恥じる先輩に視線やポーズを求める。

セレネ > 「…逆に貴女に私が普段着ている服でも着せてあげたら良いのでしょうか。」

びっくりするくらい己は肌を晒さない服を着ているのだぞ、と。
小さく首を傾げる様も可愛らしい。く、恐るべき後輩だ。
衣服等に関しては己は恥ずかしさが勝る方だ。
彼女のようにポジティブにはなれなさそう。

「――っ!?」

想い人、との言葉に真っ赤な顔のまま蒼を瞬かせた。
彼が写真を見たらどう思うだろう。気にならない訳ではないけれど
もしかしたら困らせてしまうかもしれない。
もう十分に、困らせてしまっているのに。

彼女から写真を撮られつつ、視線やポーズを求められれば
細かく首を横に振って拒否の意。

無理。己の心がもたない。

イェリン > 「それは楽しそ……う、ね……あれ?」

思考が止まる。
いつも通りの返答が口をついて出たが、
途中から自分の想像が追い付いておかしくなる。
クラシックな大人しい服を身に纏う自分が、想像できない。
なぜか、恥ずかしい。

「だ、ダメよ。貴方のは似合う人が着てこそじゃない」

自分の事を棚に上げて言う。

パチパチと、蒼が瞬く。
今日は先輩の珍しい姿が見られて楽しいというのもあり、
愛らしく人と同じように揺れ動く感情の見える友人に親しみを覚えつつ。

レンズの前で拒絶の意が見えたならそれ以上を、強要する事はしない。

「――やりすぎたわ、ごめんなさい。
なんだか夢中になっちゃってた」

ゴトリ、と音を立ててカメラを置く。
叱られた犬のようにシュンとしたかと思えば、顔を真っ赤にしたままの友人の隣にちょこんと腰かけ、スマートフォンのインカメラを起動。

「――これだけ、あと一枚お願いしても良いかしら」

ねだるように、言うのだった。

セレネ > 「貴女も似合わない訳はないと思いますよー?」

彼女の様子が少しおかしい。
少しばかり蒼をジトっと向け、首を傾げる。
服の色が問題ならば、相手が着やすい色で構わないし。
己が着て似合うのなら相手にもきっと似合う筈だと。

女神とはいえ人に育てられたので、価値観も感情も人とほぼ同じ。
喜怒哀楽もあるし、羞恥心もあるし、誰かを憎む心もある。
背中の翼さえ隠してしまえば、殆ど人と変わらない。

「――いいえ、大丈夫です…。」

しょげる彼女に何故か垂れた犬耳と尻尾の幻覚を見つつ、
宥める様に頭をよしよしするだろう。
そうして同じ服を着た彼女が隣に腰掛けてきた。

彼女の望みはあとそれだけだという。
…まぁ、それなら良いかと赤く染まる顔をなんとか元に戻そうとしつつ。

「……良いでしょう。」

おねだりには弱いのだ。

イェリン > 「……そうかしら」

ぬぅ、と唸りながら。
お淑やかな先輩のように着たとして、どうだろう。
大人しくしている内は絵になるのかもしれないが、歩き方一つをとっても違和感が出そうな物だ。

「服に着られちゃいそうね」

言って、笑う。
いつかは試してみようかしらと。

「ん……」

撫でる手が伸ばされると、その手にすり寄る。
それは飼い主の手の内に潜り込む猫や犬の仕草のよう。
親しい人に甘えたがる自覚はあったが、彼女にはなぜだかそれ以上に甘えてしまう。
これもきっと、未だ彼女の語らぬ事あっての事なのかもしれない。
友人の腕の中に抱かれるような形で、少し見上げるような角度で一枚。
ピッ、と小さな電子音を立てて取られた写真に、満足そうに微笑む。

「……ん、満足。後で先輩にも送るわ、これ」

赤みの引いた白い肌、そして穏やかな笑み。
ただただ一枚、二人の平和な仮装姿がそこにはあった。

セレネ > 「そうですよ。見目も良いのですしきっと似合います。」

蒼を普段通りに戻してから、一つ大きく頷く。
仕草に不安があるなら教えるのも良いかもしれない。
彼女にとっては少し居心地が悪くなるかもしれないが。

「着てみて駄目だったらその時はその時です。」

そうだった場合はそれはそれで彼女が普段着ている服が似合うという事だ。
色々挑戦してみるのは悪い事ではない。

「ふふ、本当に貴女は時々ワンちゃんみたいに見えますね。」

親しい人や行為を抱いている人に甘えたがる気持ちは分かる。
彼女の夜色の髪を優しく撫でる様は、母親のようで。
静かに撮られた写真を眺め、満足そうな彼女に緩く蒼を瞬かせ。

「…服装がこれじゃなかったら良い写真なのですけどね…。」

まぁ、彼女が満足ならそれで構わない。
後で送るとの言葉には小さく頷きを。

イェリン > 「先輩に言われると、なんだかできる気がしてくるじゃない…」

似合う人から押されると、少しは揺らぐ物があるのも事実。
彼女の普段着を綺麗と評する価値観はある。
憧れにも似たような感覚も、ある。
所作が粗いというようなことは決してないのだから、
些細な立ち振る舞いでガラリと変わるのかもしれない。

「ふふっ、試すだけなら損はないものね」

後悔の残らないように、試してみるのが自分の性分。
そこは彼女の薦めを信じて、一度は試してみようと決める。

「ワンちゃん?
……犬耳や尻尾の仮装の方が好みだったかしら」

本人はピンと来ていないようだったが、撫でられる感触はいたく気にいっている様子。

「今日の先輩は今しか撮れないんだもの、今日はこれで良いのよ」

可愛らしい先輩を堪能し、その手に撫でられる感触を楽しみ。
満腹と言わんばかりの表情。

「ん、そろそろ時間かしら。
そういえば前言ってた香水のお店、営業時間とか書いてなかったのだけれど――」

言いつつポイントカードを取り出す。

セレネ > 「似合わない人に似合うだなんて、そんな騙すような事は言いませんもの。」

相手は似合うだろうと思うからこそ言っているのだ。
仕草一つ、口調一つで人の印象というものは違って見える。
己だって今でこそ淑やかに振舞っているが、治安の悪い場所だと相応に口調や仕草も変えている。
尤も分かる人物には看破されるレベルだけれど。

「えぇ。挑戦してこそ魔術師ですし。」

学者や魔術師は失敗してこそ次に活かす。
色々な道を探してみるのは自身の可能性や新しい手札を増やす事にはうってつけ。
父も子ども達には色々やってみろと言っていたし、
その教えを受けているからこそ出来る限り色んな事に挑戦したいと思っている。

「…私の親友が作った、獣耳と尻尾が生える薬があるのですけれど。
来年のハロウィンはその薬を飲んでもらうのも良いかもしれませんね。」

犬耳尻尾、彼女にはきっと似合う筈。

彼女は非常に満足げだ。可愛い子が満足なら、己はそれ以上口を挟むような事はせず。

「夜でも開いてますかね。もし閉まってたらまた後日伺う事にします。
とりあえずは場所だけでも教えて頂ければ。」

彼女が取り出したのは一枚のカード。
不思議そうにそれを眺める。

イェリン > 「ふふっ、そこまで言わせちゃったら、引けないわ。
いつか驚かせてあげる」

探して、選んで、着こなして見せよう。
色は黒だろうか、それとも蒼か。
夜色の髪は白にも映えるだろうか。
場所に、衣装に合わせた立ち振る舞い、学ぶとしよう。
なにせ――

「――えぇ、魔術師だものね」

何もかもが上手くいくはずなど無い。
経験が突破口を教えてくれる、そんな分野だ。
それに、触れてみれば存外気に入るやも知れない。
いつか、出逢えたなら彼にも、そんな自分を見せてみたい。

「……それ、最後にはちゃんと消えるのよね」

少しだけ不安げに、しかしいずれ来るそんな日を待ち遠しそうに。
日の落ちた部屋に小さく笑う。

「どうかしら、歓楽街の奥の方だから案内だけさせてもらうわ」

そう言い、羽根のようなマークが一つだけ押されたポイントカードを器用に手の内でクルクルと回して見せながら言う。

「夜のお散歩ついでになるけど、道案内はお任せを……なんてね。
行きましょうか」

いつかのように恭しく手を伸ばす。

「――着替えてからだけど」

セレネ > 「あら、ならその日を楽しみにしておりますね。」

彼女に似合いそうな色と服を見繕っておかねば。
何が良いかなと、思考を色々と回しながら。

「――うん。彼もそうなのですけれど、やはりお話が合う人と話すのは楽しいです。
互いの持っている知識を用いて研鑽出来るのも非常に知識欲を刺激してくれますし。」

魔術師には知的好奇心が旺盛で、色々と知りたがりな人が多いから。
彼女と話していても、想い人と話していても、楽しいと思える話は多い。
ふとそんな事を思い、口に出した。

「あぁ、解除薬はあるので大丈夫ですよ。」

今日と同じように、少し楽しませてもらうだけだ。
尚、本当に生えるので神経もきちんと通っているという事になる。
…彼女に悪戯出来るのが楽しみだ。

「…歓楽街、実は行った事がないので…ちょっと不安ですけれど。」

治安の悪さ的な意味で。
元の世界では父から止められていたので全くもってそういう場所への知識がないのだ。

「……まぁ、子どもでもないのですし頑張ります。
エスコートお願いしますね?」

伸ばされた手にそっと手を重ねてから、

「…流石にこのままだと私が恥ずかしすぎて死にますので…。」

イェリン > 「ふふっ、次の約束ね。
クリスマスのぬいぐるみを選ぶまでにはマスターして見せるわ」

未だ無理やりニットを着せられてジタバタする犬のように落ち着きない自分を想起しながら言い切る。
その時期になればもう一層厚手の服が必要になるだろうか。
そんなことを考えながら。

「知らない事を教えてくれるのは、いつだって自分じゃない誰か。
魔術にからっきし興味の無い子に話しても奇術の類と見分けてもらえなくてショックだったわ」

彼女の口から聞える彼という言葉。
口にする彼女の表情は穏やかで、とても乙女らしい顔をしていた。

「それなら安心ね……安心?」

お預けされたら生えっぱなしなのかしらと言いつつ、ジョークグッズと割り切って笑う。
実際に服用するまで神経が通っている等微塵も勘づく事もないだろう。

「ん、一度も? なんだか、色々あって面白かったわよ?」

治安が良いとは言えないが。
いつか吸血鬼の少女を追って飛び込んだ路地裏よりはよっぽどマシだろう。
まだ、島から街としてみられている区域だ。

「えぇ、任せて頂戴」

言って、重ねた手の先にある蠱惑的な衣装に目が行きやり場無く手を降ろす。
やがて、どちらからともなく衣装を脱ぎ、元の服に着替えていく。

「それじゃ、改めて。
行きましょうか、先輩」

重ねられた手を引き、夜の街へ。
家族が見たら叱られそうだなどと笑いながら、少女たちは姿を消すだろう。

セレネ > 「頑張って下さいね。」

ニットを着せられて落ち着かない彼女の姿をもし見る事が出来たら
微笑ましすぎて仕方なくなるかもしれない。
冬場の時期ならより厚手のものの方が彼女も寒くないだろう。

「そうですね。」

無意識に、表情に滲んでいるとは露知らず。
彼女の言葉に頷く。

「ふふ、私が楽しむだけなので安心して下さいな。」

解除薬、お預けされたらそのままですねと答えながら。
犬耳尻尾の生えた彼女も実に可愛いのだろうなと考えただけでも微笑ましくなる。

「えぇ一度も。…父から行くのやめておいた方が良いって言われまして。」

基本は他者を止める事はしない父が、珍しく止めたから。
だからそういう場所には行った事がないのだと話す。

着替え始める彼女に倣い、己も元の衣服に着替えて一息。
…安堵。漸く落ち着けた気がする。

「少し緊張しますけど…行きましょうか。」

夜色の彼女に手を引かれ、導かれながら夜でも賑やかな街へと向かうのだった。

ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」からイェリンさんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」からセレネさんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 大浴場」に雪城 氷架さんが現れました。
雪城 氷架 >  
「~♪」

ふん、ふん。と
夜の大浴場、更衣室からは少女の鼻歌
別に上機嫌なんてわけでもなく、単純に静かだから物音が欲しい、それだけの理由

人の多い時間はなんとなく避けて、こうやって少し夜が遅くなってから
大体掃除が入る手前の、誰も居ない大浴場を使うのが、なんとなく少女の好み

まぁ、鼻歌も、時間も
どれもさしたる理由があるわけじゃない
なんとなく、日常の中でのちょっとした少女の癖や、拘り

雪城 氷架 >  

「ふー…」

二つ結びにまとめた髮を解いてするりと流す
更衣室の鏡に映る自分を眺めて、鼻歌は止まる

……………

まぁ、成長期は人それぞれ

鏡に映った自分は、今の自分ではなく光速という観点で見れば一瞬過去の自分である
過去よりも未来を見るべきである
という言い訳終了、誰もいないだろうけど手拭いで身体を隠しつつインザ大浴場

雪城 氷架 >  
長い長い髮を丁寧に梳かすように荒い、お湯に流して綺麗にアップに纏める
桶にお湯を掬って身体を流すと、いつもよりも熱く感じる
少しずつ、冬に近づいてきたかな、なんて思う

足先からゆっくりと大きな湯船に入り、肩までたっぷりと浸かれば自然と深い息が漏れる

「…もーすぐ冬、か」

お湯を手のひらに救い、ぱしゃ、と二の腕を滑らせてる

雪城 氷架 >  
冬が近づくということは、いろいろなものがやってくる
試験とか試験とか、試験とかである

「………」

ぶくぶくぶくぶくぶく

顔の半分をお湯に沈めてぶくぶく
こうやって多少なり童心に帰ると、現実問題から一瞬だけ逃避できる
オススメ

雪城 氷架 >  
──こうやってのんびり夜に湯浴みできるのも今のうち

試験が近くなればまた、徹夜で缶詰になる
…いやまぁ、普段からちゃんと勉強しとけ、って話なんだろうけど

それができれば苦労しないと大体の学生は思っている

「はー…また勉強会でも開いてもらうか……」

ちゃぷん
ルームメイトと一緒になら、多少は勉強にも身が入る

少しずつ寒くなってくる日々の中、暖かな湯浴みの時間に日常をゆったりと考える
そんな時間もまた、良いものだった

ご案内:「常世寮/女子寮 大浴場」から雪城 氷架さんが去りました。