2021/11/20 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 大浴場」にオダ・エルネストさんが現れました。
■オダ・エルネスト > 時の流れと懐の冷え具合、世間の皆様はいかがご消費でしょうか?
私は、女性モノの衣服の価格に戦慄しながらも退かぬ媚びぬ値切らぬ精神で氷点下です。
―――故に、銭なき者は稼がねばならぬ。
オダ・エルネストは激務した。
この世の悪なる支払い方法リボ払いを必ず今月で完済しなければやべぇと。
米国よりここに、学園都市として成功しているこの島のあり方なんかや色々を学んだりするために来ている……はずだが。
学んだことは、””金は命よりも重いんだ””ということである。
まともにエージェンt……学生として国に報告していないので、彼への祖国からの支援金はゼロである。
常世学園が最低限のベーシックインカムは保証しているが、既に湯水の如く浪費している彼にはそれでは足りない。
このままでは地下労働施設行きに違いない(※勝手な被害妄想)。
そこで目をつけたのが、お風呂掃除のバイトであった。
「イメージしろ、ここは常世学園の女子寮の大浴場……つい数時間前には様々な女の子が心の疲れを癒やし、身体の汚れを落とした場所。
俺たちは、この場に降り立った清掃バイト員だ」
決して、まともなイメージではなかった。
■オダ・エルネスト >
清掃員、所謂『掃除屋』のことだと思うので、
任せてほしいと久しぶりに服の下に実戦装備を仕込んできたが、
どうやら風呂場を一度赤く染めるのは仕事ではないようだ。
確かに風呂場は水を流せるし鏖殺場としては適していると思ったし、
ちょい年下の男子のなんかは興奮した様子に呆れている女子バイト員の姿もあった。
「彼はサイコパスなのかと思ったが、そうでもないのか」
同級生やら先輩後輩が身を清める場所を、人を殺めて穢す事に興奮する異常性癖者が一時の仲間かと思って少し身構えていたがそうではなかった。
よかった。
「しかし、男子寮の風呂場に比べて綺麗だな……
あっちは喧嘩痕なんかで修繕した箇所が丸わかりだったりするが」
関節各部につけたパワードスーツの小型版な魔電導身体能力補助具をいじりつつデッキブラシを抱えてぼやく。
あと地味に設備に金がかかってる気がする。
ちょっとしたものだが壁の中やら天井に透視防止やらの術式か呪いの気配……のような知らない技術の匂いがある。気がする。
防犯意識高ぇな。
■オダ・エルネスト > 働きますとも賃金の分は。
排水溝に魔術で作り出したスライムを打ち込んでヌッポヌッポ、グチュグチュとかき回して時に奥のゴミを撮るために上下にピストン運動。
背後でサイコパス疑惑の男子生徒に檄を飛ばす女子生徒の声が響く中、疑惑の彼の荒い吐息だけやけに聞こえて、
やっぱやべぇ奴なんじゃね―かって考える。
前屈みになってるし(※ブラシがけで腰をいれてやってるだけ)
「黒髪率もさることながら、様々な髪色があるもんだな」
突っ込んでたスライムを抜き出すとドロっと弱めのやや白めなスライムの酸が排水溝から漏れる。
スライムが獲ったゴミのほとんどが髪の毛である。
「こういう髪の毛にも魔術的な価値はあるし、悪用されると可愛そうだし、こいつはこのままここに流していくか」
今日だけ、さきっちょだけみたいな感じで作り出したスライムをこの排水溝に残していくかとキメた。
活動範囲と成長限界、念の為の制限時間を設けておけば害のないお掃除魔法生物である。
■オダ・エルネスト >
異性だけが使う風呂場で興奮するなというのは思春期に入ったばかりの発情サイコパス少年には酷だが、
「―――紳士たるもの、スケベは弁えることを覚えねばならない」
そう小さくぼやく。
きっと本場の紳士だって分かってくれる。
「礼節が、人を作る……とは昔の紳士はよく言ったもんだな」
異能に頼っても、魔術に頼っても、科学に頼ってもこの聖域にはこういう仕事でなければ入れないというのに。
もっと紳士らしく。
「イメージしろ」
妄想こそ、紳士が辿り着いた最後の回答(こたえ)だ。
この戯言に巻き込まれて、多感な時期の少年たちはTHE・前屈みな姿で清掃を続けた。
なお、この仕事は本来機械やら異能・魔術なんかがあまり扱えない新入生向けのバイトだ。
オダは、生活委員会の受付で5才児もドン引きの地面で寝転がって手足をバタバタさせる……本気で駄々をこねてここに来た生粋の紳士である。
賃金はそんなによくない。
欲望は―――プライスレス。
ご案内:「常世寮/女子寮 大浴場」からオダ・エルネストさんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 大浴場」にオダ・エルネストさんが現れました。
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