2022/01/15 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 葵の部屋」に日下 葵さんが現れました。
ご案内:「常世寮/女子寮 葵の部屋」にジーン・L・Jさんが現れました。
■日下 葵 > 正月。
先週までクリスマスでにぎわっていたというのに、
今となってはどこに行っても正月ムーブだ。
この部屋にはテレビがないため正月の特番とかは見れない。
しかし委員会の仕事で外に出ればどこもかしこもにぎわっていた。
もっとも、年が明けて三が日になった今はシャッターを下ろしている店も多いが。
初売りなどで忙しい店はてんてこ舞いの様子だった。
「そろそろですかねえ?」
時計をみると、もうそろそろ約束の時間。
殺風景な部屋に、時計の秒針が進む音と空調の音だけが響く。
「せっかくもてなすなら、もう少し飾ってもよかったですかね?」
そんなことを一人つぶやきながら、チャイムが鳴るのを待っていた。>
■ジーン・L・J > ハロウィンからクリスマス、そして正月へ、節操なしともいえる季節行事の連続には、刑事課も忙殺されることとなり、この二人合わせての正月休みも半ば無理やりねじ込んだものである。
コツ、コツコツとハイヒールの足音が廊下を響く、楽しげにステップを踏むようなリズムで近づいてくるそれが葵の部屋の前で止まる。
秒針と長針が重なり、指定の時間になった瞬間チャイムが響く。
扉を開ければ、いつも通りの薄笑いを浮かべた白い顔。
「やあ、お待たせ。あけましておめでとう。」
ひらひらと手を振りながら年始の挨拶。
■日下 葵 > ピンポーン
どこにでもあるようなありふれた音が響いた。
「お、来ましたね」
トタトタと玄関へ向かい扉を開けると、そこには見慣れたジーンの姿。
仕事でもデートでもいつもスーツなジーンだが、やっぱりスーツだ。
といっても、こちらも着物を着てお出迎え、なんてことはないのだが。
「明けましておめでとうございます。さぁ、中へどうぞ」
そういって中に招き入れれば、ジーン用のスリッパを出す。
猫の刺繡が入ったもこもこしたスリッパ。
どうやら新しく買ったらしい。
以前の観葉植物もちゃんと世話が行き届いているようで、
真冬でも葉が青々としていた。
「今年もよろしくお願いしますね。
本当はお正月っぽい装飾でもしようかと思ったんですが、
なかなか時間がなくて」
そういって部屋に通すと、簡単なテーブルとクッション。
そして銃やナイフの手入れをするためのデスクだけという、
相も変わらず殺風景な部屋があった。>
■ジーン・L・J > 「お邪魔します。」
お互いに服装の変わらないカップルである。といっても葵は季節に合わせて着込んだり薄着になったりするが、ジーンは一年通してスーツなので、写真を見ても隣に葵が居なければ季節がわからないほどだ。
ハイヒールを脱いで、出された猫さんスリッパに足を通す。
「かわいいスリッパだね、猫好きなのかい?」
忙しくて一緒に買い物に行けていなかったが、自分で物を増やしているのは良い傾向だ。
ちらりと見える緑に茂った窓際の観葉植物にも、挨拶するように軽く手を上げてみせた。
「仕方ないさ。昼は警ら、夜は"お話"で目が回るような忙しさだったからね。」
バディを組んで刑事課の仕事にあたっていたため、シフトや仕事量については概ね把握している。
部屋の飾り付けに割くような時間をとれるような勤務体制ではなかった。
部屋に上がって、軽く中を見回す。ぱっと見たところ変化はスリッパぐらい。
「しかしちょっと、家具が増えてないのは寂しいね。気温が低く感じるよ。
良い子にしていた愛しい人のために、お年玉を弾んじゃおうかな。」
芝居がかった悲しみの仕草をしてから懐に手を入れる。
引き出した手には布団の端が握られており、どう見ても入るようなスペースはないのにまるで手品のようにずるずると布団が出てくる。
それをテーブルの上にかぶせて、パチン、と指を弾くと、コトンと天板が出現してこたつ布団を挟み込む。
「Ta-da!日本の冬にはこれがないとね、こたつの出来上がり。」
中に足を入れるなら、どうやってか熱源が設置されており、十分に温まっているのがわかるだろう。
■日下 葵 > 「んー、特別ネコが好きってわけではないんですけど、
こういうスリッパのほうが可愛げがあるかなって」
だってジーン、一年中同じ格好じゃないですか。
そういって、猫の刺繍が入ったスリッパを履くジーンを見やる。
うん、いつもよりも柔らかい印象だ。
「ですねえ。
お互い一緒にはいますけど、
お互いのためにいろいろ準備する時間は取れませんでしたから」
年末だろうと、年明けだろうと、町の警らに休みはない。
犯罪者が一斉に”今日は定休日”なんて示し合わせてくれればいいのだが。
「家具はハードルが高いですからね。
生活に大きく不自由していない以上、
うっかり不相応なものを増やすと悲惨ですから」
この部屋に新しいものが増えたとしても、小物ばかりの理由はこれだ。
現状、生活に過不足はない。
「お年玉って私、下手したらそろそろ上げる側の年齢――」
そういって振り向くと、
ジーンがポケットから何か布の端っこを引っ張りだしている。
マジックを見せられた客のように目を丸くすれば、
いったい何が出てくるのかと様子をうかがう。
「へぇ、こたつですか!
いや、こっちに来てからは初めてですねえ」
最後に天板が現れると感心したように声を上げた。
本当に魔術というのは不思議で、理解できなくて、わくわくする。
「おお、しかも暖かい……」
こたつ布団の中に手を突っ込んで、また驚いたように声を出した。>
■ジーン・L・J > 「なるほど、私に合わせてくれたわけだ。いいね、似合うかい?」
片足をすこし横に伸ばし、もう片足に体重をかけて腰に手を当てる、モデルのようなポージングをしてみる。
柔らかい印象は……台無しだろう。
「一緒に居られるのが日常だったのは嬉しいけどね。今年はその日常を少しずつ豊かにしていこうか。
不自由していない、と豊かの間には深くて大きな溝があるんだよ。」
この部屋は生活の最低限を満たしている、だがあくまで最低限で、それに小物で少し毛が生えた程度。
仕事の準備と休むための部屋ならこれでいいが、人間らしく暮らすならまだまだ足りない。
手始めに付け加えたのはこたつ。
「ふふふ、お喜びいただけたようで何より。」
驚きと喜びの表情、出会った当初の彼女からは想像し辛かったそれに、笑みを深める。
「さあ、あたろうか。温度調整は中の光る球体が熱源だから指を近づけて念じてやればいいよ。
動力は魔力、普通に使うだけなら空気中のものを勝手に吸い取るから特に補充は必要なし。」
かるく原理と操作法を説明しながら、葵がこたつに入るのを待って、自分も葵から見て左側の辺に腰を下ろす。
■日下 葵 > 「似合って”ました”よ」
似合うかどうか訊かれて似合っていると答えようとしたが、
なんだかジーンと私との間には埋めがたいギャップがあるようだ。
「まぁ、確かに最低限っていう自覚はありますけどね。
とはいっても、家具は難しくて」
どうしても実用性で考えてしまう。
武器に限らず、生活に関わるものまで。
無くて困らないならないほうがいいだろう、なんて考えてしまうのだ。
「でもこたつはいいですね。
一人で暮らす分にはなくてもいいかなって思いますけど、
二人で使うことを考えれば悪くない」
そういってこたつに足を入れれば、
温度調節の説明を受けて少し調節してみる。
二人で入るなら――そこまで温度は高く設定しなくてもいいか。
左側にジーンが腰を下ろすのを見れば、
中で足がぶつからないようによけて二人で暖を取ろう>
■ジーン・L・J > 「あれぇ、黒豹のようなしなやかさと力強さを表現したんだけど。」
ポーズをやめて肩をすくめる。かっこよさに惚れ直してくれるかと期待していたのに。
こたつにあたると、ふうと息を吐く。寮の自分の部屋からさほど長い距離ではなかったとはいえ、外気は冷える。
話を聞きながら思考する。一人で暮らすなら最低限に収まってしまう葵でも、こたつを二人なら悪くないと思える。
「ああ、なるほど。それなら、さ。」
顔を少し上に向けて一呼吸、テーブルの上に出した手の指を曲げ伸ばし。
「一緒に暮らさない?」
前に話題に上がったことで、忙しく過ごすうちにうやむやになっていた話。
それを改めて議題に挙げる。手を組んで、そわそわと指を動かす様は、珍しく緊張しているようで。
■日下 葵 > 「確かに黒豹も猫の仲間ですけど、猫は猫ですよ」
猫もしなやかで力強いが、このスリッパに刺繍されている猫はちがう。
「うん?どうしました?」
まるで人間のようにこたつに入って息を吐くジーン。
改まって話を切り出されると、何となくこちらも緊張してしまう。
「ああ、なるほど。
……それもいいかもしれませんねぇ」
一緒に暮らさない?
その言葉に一瞬考え事をして――うなずいた。
別に一緒に暮らすことを躊躇ったわけではない。
「じゃあ寮じゃなくて、居住区のほうに家を借りますか。
ええ、いいんじゃないですかね。
ゆくゆくはそのつもりでしたし」
なにより、そのほうが私にとってはよさそうです。
そういって部屋を見渡した。
殺風景な部屋。今はこたつと、ジーンのおかげで多少賑やかだ。
こればっかりは、一人ではどうにも解決できない気がした。>
■ジーン・L・J > 人間のふりはする必要はないが、人に紛れられるよう設計されているため、無意識に出ることがある。
緊張で発汗したり、呼吸が浅くなるのもその一環だ。返答を待つ一瞬の間に、色々と思考がよぎるのも。
しかし返ってきたのは期待していたように肯定するもので、
「よかった。言うのが唐突すぎたかと心配していたよ。まだ体も温まりきってないのに、汗をかきそうになってしまった。」
冗談めかして、組んでいた手を広げてみせる。その肌は相変わらず純白のままで、汗などかいていないのだが。
「そうだね。前に話には出たけれど、そのままだったから。
休みを合わせて一緒に買い物に行って家具を増やしていこうかと考えたけど、この一年でそんなタイミングあまりなかったじゃあないか。
同じ家なら話し合って何を買うか決めて、どちらかの休みで買いに行くことも出来るし、お互い何が必要なのか把握しやすいからさ。」
承諾された途端に、饒舌にメリットを語り始める。気が早いことだが、同棲生活をもう頭の中で思い描いているようで。
「コーヒー淹れてこようか、祝杯を上げたいんだ。」
興奮を隠しきれず、そんなことまで言い出す。
■日下 葵 > 「まぁ、唐突ではありましたけど、前々から話していたことですからね。
断る理由もありませんし」
あ、でも武器のコレクションについては少し考えないといけませんかね?
わざとらしく、思い出したように言って見せれば、にっこりと笑って見せる。
いつもの挑発するような笑みではなくて、純粋な笑顔だ。
「たしかに、一緒に住んでいたほうが家具とか、
そういうものの相談はしやすいでしょうね。
どうにも一人でいると家具みたいな大きなものは踏ん切りがつかなくて」
その結果のこの部屋である。
「ああ、そういえばお茶もコーヒーも出してませんでしたね。
ちょっと待っててください」
私からの承諾を得られたジーンはまるで子供のようにはしゃいでいる。
時々、こういう子供っぽいところを見せてくれるから愛おしさを感じたり。
一度こたつから出てキッチンに向かえば、
あらかじめ沸かしたお湯を入れていたポットからお湯を出してコーヒーを入れ始めた。>
■ジーン・L・J > 「いやあ、ごめんごめん。一度そこに考えが及ぶと逸ってしまってね。我慢出来なかった。
さてどんな家にしようかな、要望は……あー、そのために一部屋は必要だね、ははは。」
葵のものはともかく、ジーンの武器コレクションは量もサイズも結構なものだ。
この一年で更に増えたし、ディスプレイにも凝りだしたのでワンルームの大部分を占有してしまっている。
髪をかきながら、ばつが悪いのをごまかすような笑い。
「ああ、それじゃあ、お願い。
あとは服も揃えたいよね、実用品じゃなく、ファッションとしてさ。
こっちは私素人だから探り探りになると思うけど。」
飲み物は家主に任せて、浮かしかけた腰を下ろす。
コーヒーを淹れる葵を横目に見ながら、これが日常になるのだろうか、とにやけそうになるのを抑えて、襟を正す。
時計の音と空調の音、そしてお湯が注がれる音だけが部屋に響く。
時折閉じた窓の外から車やバイクのエンジン音が遠く聞こえる。ゆったりとした時間。
■日下 葵 > 「まぁ私たちの稼ぎならそこそこ広い場所に住めるでしょうし、
別に減らせというつもりもありませんから」
現にジーンのコレクションは今ジーンが住んでいる部屋に収まっている(はず)なのだ。
ならそこは大きな問題ではないだろう。
今後さらに増えるとなると―――ちょっと話が違ってくるが。
「服ですか。それはまぁ確かに。
今まで私の中で服って消耗品でしたからねえ」
そう、服は消耗品。
身体は爆発して散り散りになっても元通りになってくれるが、
服はそういうわけにはいかない。
破れてしまえばそれっきり、燃えてしまえばそれっきりだ。
もっとも、最近ではそんな身体がバラバラになってしまうような任務も戦い方も
めっきり減ったので服にこだわるのも悪くないのかもしれない。
「――はい、お待たせしました」
しばらくして、両手にマグカップを持った葵がキッチンから戻ってくる。
コト、っとマグカップをジーンの前に置けば、再びこたつに体を戻し暖を取る。
「……?どうかしました?」
なんだか緊張しているような、にやにやしているようなジーンを見れば首をかしげて見せて>
■ジーン・L・J > 「今後買う時は君に相談が必要になるね。君との新居を武器で埋め尽くすわけにはいかないし。」
いつか買うリストに放り込んである武器の数々は、しばらく塩漬けになるだろう。
休日に通う店の種類もこれまでと違ったものになる。
「贔屓目抜きにしても君は綺麗だからね、それを活かさない格好をするのは罪だよ、君。
ありがとう、マイ・プレシャス。」
こらえきれず、にこやかに、というよりにやけた顔でコーヒーを受け取る。
小っ恥ずかしい呼び名で葵を呼ぶと、ワインのように軽く掲げて。
「君との新生活に思いを馳せたら、自然に笑みが溢れてしまうんだよ。
新年早々たまらないね。良い年になりそうだ。乾杯。」
葵に向けてマグカップを近づけて、乾杯を催促する。
■日下 葵 > 「私は自分のスペースに収めてくれるなら別に咎めたりはしませんけどね」
お互いの部屋、一緒に使う部屋。
寝るときはどうだろう。
一緒のベッドで寝るんだろうな。
でも毎日”話し合い”をするようなことになったら別々に寝るのだろうか。
任務のシフトの都合で一緒に寝れないこともあるだろう。
そんな想像が膨らんでいく。
「えぇ~?そうですか?
私はこういうラフな格好のほうが動きやすいし楽で好きですけどね?」
身体の線が出ない。
これは戦闘を行う時にも有利だ。
――でも、ジーンの目の前でおしゃれをするくらいならいいかも。
なんて。
「あまりおしゃれをしすぎると変な輩が寄ってきちゃいますから、
おしゃれをするにしてもジーンの前だけになりますかねぇ?」
事実、風紀委員として警らをしていてナンパされる経験はないわけじゃない。
ジーンとの出会いだってそんな感じだった。
「ええ、いい年になると思いますよ。乾杯」>
■ジーン・L・J > 乾杯を終えて、熱々のコーヒーを一口、こたつや空調の柔らかなものとは違った熱が体の中へ取り込まれる。
「君の心が広くて嬉しいよ。でもまあ、新しく買うのは住まいが見つかってからにしよう。
優先すべきことは他にいくらでもある。例えば、どんなベッドで寝たいか、とかさ。」
考えることは同じのようで、まず一番の考慮するのは寝室について。
葵と違うのは同じ床につくことしか考えていないことだろうか。
「わかるよ、動きやすい格好は楽だからね。でもそれじゃあ服が消耗品のままだよ。
でもそれは考えてなかったな。君が魅力的になりすぎるのは困るね。
君の言う通りにしよう、私の前でだけその魅力を存分に発揮して欲しいな。
私だけの魅力的な葵で居てほしい。」
こんなに自分に独占欲があるとは思わなかった、といたずらっぽく笑う。
■日下 葵 > コツン、と軽い音を立ててマグカップを当てれば、ふぅーっと冷まして一口。
苦味と熱が口に広がるのを感じて一息つく。
「ふふ、いっしょに寝る前提なのは予想してましたけど、
そうなるとお互い節操を覚えないといけないかもしれませんねぇ?」
そんな冗談を言って笑えば、またコーヒーを一口。
節操を覚えるか、寝床を増やすか。
ある意味究極の選択かもしれない。
「でしょう?
それにほら、私って意外と着瘦せするんですよ。
こういう服なら体の線が出ないからいいですけど」
服によっては、ねぇ?
なんて言ってマグカップを置けば、両手を広げて見せる。
脇下がゆったりと作られたパーカーは確かに体の線がほとんどわからないし、
”実際の体”よりもだいぶ補足見える。
――特に胸元。
「そうなると、部屋着とかにこだわることになるんですかね?
それともファッションのベクトルが変わる?」
例えば――ストリートなファッションなら動きやすいしいいかもしれない、なんて。>