2022/11/04 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」にセレネさんが現れました。
セレネ > 『これ、貰ったは良いけどどうしようかしらねぇ…。』

ローテーブルの上に置くは、小さな小さな紅い剣。
僅かな神格を残す、それを。さて、どうしようかと悩んでいた。
部屋には相変わらず、優しいローズの香りと紅茶の香りが漂っている。

湯気立つ紅茶のカップをソーサーに置き、温めた手で小さな剣を取る。
仲良くしている子が信仰している神族から親交の証として譲られたもの。
これを持っていれば、彼女を介す事無く存在を識る事が出来るらしい。

『器を持たないのって色々大変なのね…。』

己も、もしかしたらそうなっていたかもしれないが。

セレネ > 己の言う器とは、形作る肉体の事。
視えないものを、視えるものとして確立させる事。
様々な物、事柄に干渉出来、簡単に人の子や他種族と意思疎通が交わせる事。

その器が無ければ、己が存在はきっと広く認知される事は無かっただろう。
或いは、陽に焼かれて消え失せていたかもしれない。
…それ程までに脆弱で、儚い神格だ。

――太陽と月は共に居られない。
陽に弱く、朝に弱い月女神の性質だ。
少なくとも己は、だが。

セレネ > チラ、と蒼を別の所へ向ける。
視界に映るのは黄緑髪。
今はもう、眠っている愛しいヒト。
静かに彼の傍へと近付けば、その寝顔を覗き込む。

寝息を立て、眠っている。
片手を伸ばし、その髪をそっと撫でては愛おし気に蒼を細める。

『よく眠れている、のかしら…。』

眠りを妨げないように、優しく優しく。
下手をすればずっと眺めていたいくらいだ。

彼は最近…記憶を一部取り戻した後、
己の部屋に来てくれる頻度が増えた。
それはとても、とても嬉しい。

セレネ > 微笑む口元は、穏やかに。

『…愛しているわ、My Dear』

呟くように。囁くように。
彼には聞こえていない…かもしれない、言葉を。

さて、と。
小さな剣の事はとりあえずまた今度にするとして、
今日はそろそろ寝よう。

今日の出来事を日記に認め、紅茶を飲み終えれば、茶器を洗う。
その後は、彼の隣で眠るとしよう。
大きな彼の身体を抱き枕にして、ゆっくりと――。

ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」からセレネさんが去りました。