2020/06/09 のログ
ご案内:「ロビー」に鞘師華奈さんが現れました。
鞘師華奈 > ロビーの一角にあるソファーにて。スーツにネクタイ姿でぐてーん、と。だらしなく背中をソファーに深く預けて宙を仰いでいる女子が一人。
赤い目は何処を見ているのか、焦点があってないかのようにボンヤリとしており、時々瞬きするくらいで動きは殆ど無い。

「…………。」

何か言葉を発するでもなく、ただボケーッとしている。時々、同じ寮の連中が通り掛り、声を掛けてくればチラリ、とそちらに視線を移して右手をゆらゆら動かす。
手を振っているつもりだったが、相手にそれがどう見えたのかは分からない。

『今日も良い感じに黄昏てるなーー鞘師』『偶には体を動かした方がいいよー?』

等と、笑い混じりに声を掛けられれば、

「……疲れるから遠慮しておくよ。」

と、やる気ゼロの返答を返しながら、ほらさっさと行った行った!とばかりに手をシッシッと振る。
連中が立ち去れば、やれやれ、と吐息を零して。入寮は適当に決めたが今更ながら選択を間違ったかもしれない。

鞘師華奈 > 正直、同級生や周りの女の子らしい女の子ばかりを見ていると、色々と眩しいものを感じてしまう。
…まぁ、そういうのもあって性別種族問わず、なノリのこちらの寮に決めたのだが。

(……むしろ、女子寮の方がマシだったんじゃないかな、これは…。)

と、自分の軽率な判断に呆れるしかない。まぁ、また寮の手続きをし直すのも面倒だからいいか、と結局はそう結論付けてしまうのだが。

「…世の中、もっと気楽に生きれないものかなぁ」

日和見ここに極まれり、でもないがそんな戯言をほざきながら再びソファーにぐてーん、と背中を預ける。
女子力?そういうのは他の女の子を当たって欲しい。私は女子だけどそういうのは苦手なんだ。

鞘師華奈 > こういう時は…そうだ、一服するに限る。ナチュラルにスーツの懐から煙草の箱を取り出し…かけて止めた。
流石に、ここで堂々と喫煙をする訳にはいかない。女子力?だから私にそんなモノは無い。

「……はぁ。そういえば課題やら小テストも控えてたんだっけ…参ったね」

成績については可も無く不可も無く…だ。別に天才でも秀才でも努力家でもない平凡。
それで困る事は特に無いのだからそれでいいではないか、というアバウトな考え。
煙草の箱をそっと懐に戻して欠伸を噛み殺す。はしたない、とかそんな羞恥心は無い。

(性別が女ってだけで女らしく生きるのも疲れるからね…私の勝手な考えだけど)

ご案内:「ロビー」に日ノ岡 あかねさんが現れました。
日ノ岡 あかね > 「今お暇かしら?」

スーツの女が煙草をしまったタイミングで、突如、そう声がかかった。
声を掛けたのは、黒いチョーカーをつけたブルネットの女生徒。
気安い笑みをうかべて、じぃっと女を見ている。

鞘師華奈 > 不意に声を掛けられれば、そちらへと緩慢な動作でゆっくりと顔と視線を向ける。
…常世学園の女子制服姿に黒いチョーカー、そしてブルネット。
見覚えは…多分無い。正直、人の顔を覚えるのはあまり得意じゃないから自分が忘れている可能性もあるけれど。

「…見ての通りさ。暇を持て余している、というよりも…ただ怠けているだけだがね?
…それで、私みたいな干物女に何か用かな?変な勧誘とかはご勘弁願いたい所なんだけど」

と、彼女に向けて語る口調は女らしさの欠片も無い平坦なもの。
残念な事に、この女の口調や態度は1年365日こんな感じだ…お蔭で見事にぼっちである。まぁ、それはさて置き。
わざわざ声を掛けてきたのだから、何かしら自分に用向きでもあるのだろう、と気だるそうに体をそちらへとしっかり向けながら先を促して。

日ノ岡 あかね > 「ふふ、部活動でもしてたらそれもいいかもしれないけれど、生憎私も今はフリーなの。アナタみたいに可愛い子をお誘いするタイミングを逃したのは惜しいわね」

口元に手をあてて可笑しそうに笑ってから、背後を指さす。
そこにあったのは、大きなトランクが三つほど。

「二階まで運びたいのだけれど、良かったらお手伝いしてくれないかしら?」

鞘師華奈 > 「……そりゃ、どうも。生憎と、私は可愛いと言われても正直ピンと来なくてね。そういうのはもっと可愛い女の子に言ってあげるべきじゃないかな?」

肩を竦めて僅かに口元を皮肉げに歪める。彼女には申し訳ないが、女らしいあれこれは苦手なのだ…自分自身に限っての話だが。
兎も角、彼女が背後を指差せばそちらへと赤い視線を緩やかに向ける…大きなトランクが3つ。

(…面倒臭いな…しかも、ああいうのって地味に重たい場合が多いんだよ)

心の呟きは顔にも若干出ていたのか、僅かに眉根を寄せるが…やがて、ハァ…と、溜息を零して渋々ソファーから立ち上がる。

「……二階でいいんだね?今回は手伝うけど、次からは期待しないで欲しいな」

おそらく、新たにここに入寮したのだろう。同じ寮のよしみ、とはいっても、あまり疲れる事はしたくない。
ともあれ、トランクの方へと歩み寄りつつその一つに手を添えて。

日ノ岡 あかね > 「ありがと。だけど、私も友達が少ないから次も期待するわね」

嬉しそうに笑ってから、女生徒も両手でトランクを一つ手に取る。
実際は大した重さではないのだが、この女生徒にとってはそうでもないらしい。
大儀そうに持ち上げて、最後の一つのトランクを見て。

「これから私、図々しいお願いしようと思ってるんだけど……いいかしら?」

猫のように目を細めて、笑った。

鞘師華奈 > 「…いや、期待するのは君の勝手だけどさ?」

僅かに目を細めて彼女を横目に見る。…あぁ、この手のタイプは多少の皮肉やらは受け流す感じか。
ともあれ、トランクの一つを持った辺りで更に彼女からのお願いが。益々目を細めつつ。

「……まさか、最後の一つも私に持ち運べと?疲れるのは嫌いなんだけどね…。」

隠そうともせずに嫌そうな顔を彼女から最後のトランクへと向けて。
正直、そこまで無駄に重たい訳ではないので、二つまでなら何とかなるにはなる。
が、地味に疲れるし面倒臭いのは確か。ややあって、溜息と共に最後のトランクを片手に持つ。

「…で、これで満足かい?」

日ノ岡 あかね > 「ええ、大満足よ。ありがと」

とても嬉しそうにニコニコと笑って、一緒に並んで二階まで運び始める。
一個しか持っていない筈なのにとても重そうに運ぶ。

「私は日ノ岡あかね。アナタは?」

嫌そうな顔をされてもまるで気にせず、マイペースに名を名乗る。
悪びれた様子は一つもない。

鞘師華奈 > 「はいはい、どういたしまして…。」

とてもニコニコな彼女とは対照的に、こちらは不機嫌というかゲンナリ顔。
疲れるし面倒臭いし、何でわざわざ自分が…と、思いはするが…。

「――鞘師華奈。まぁ適当によろしく頼むよ。」

かといって、頼りにされるのは御免だけれど。マイペースな彼女…あかねは先ほどからこの調子だ。
相手の態度はお構いなしに自分のペースを貫ける…まぁ、ある意味で正直感心はする。

(…と、いうか彼女のペースに乗せられてるんじゃないかな、これは)

それはよろしくないな、と思うが気を取り直して一息。トランクを両手に持ちながらあかねへと改めて視線を向けて。

「それじゃ、さっさと運ぼう。面倒なのは早く終わらせたいんだ。」

そんな訳で君の部屋までの先導よろしく、という感じのジェスチャーをしてみせて。

日ノ岡 あかね > 「これからもよろしくね、カナちゃん。部屋は角部屋よ。日当たり悪いらしいけど、仕方ないわね」

先導を言い渡され、先に歩きだすが、全く歩みが遅い。
わざとやっているんじゃないかというくらい。
だが、実際重そうに運んでいるため、真偽は定かではない。

「カナちゃん何年生? 私は二年生。ダブりだから本当は三年生なんだけどね」

鞘師華奈 > 「カナちゃん……まぁ、いいけど。角部屋とはご愁傷様…まぁ、そこは諦めるしかないね」

と、肩を竦めてみせながらトランクを両手に彼女に先導……遅い。流石に歩みが遅すぎる。
新手の嫌がらせ?こちらをからかっている?どちらにしろ面倒な事に変わりは無い。
見た感じ、非力なのかどうなのか重そうに運んでいるようには見えるが…。

「同じく二年生だよ…まぁ、私も留年してるから本来は三年生なのは同じだね」

そう答えつつ、何でこんな嫌な共通点が…と、心の中で溜息。ダブり仲間なんて別に嬉しくない。
まぁ、それはそれとして。角部屋ならば話が早い。そのまま、彼女を追い抜いてスタスタと先に角部屋へと向かってしまう。

――で、部屋の前にトランクを二つ置いたかと思えば、そのままスタスタとあかねの所まで戻り。

「ほら、トロトロしてないでさっさと歩く。私が持つから」

と、言いつつ彼女の両手から最後のトランクを奪い取るようにこちらが持とうと。

日ノ岡 あかね > 「そこまでしてくれるの? ありがとう、カナちゃんは優しいわね。ダブり仲間同士だし、私達いいお友達になれそうね」

目を細めて心底嬉しそうに笑って、そのまま遠慮なく荷物を任せてしまう。
背中に手を回して組みながら、華奈の後ろをついて歩く。

「カナちゃんのお部屋はどこなの? 今度遊びにいってもいいかしら?」

スタスタと歩く華奈の後ろをトコトコとついて歩きながら、楽しそうに尋ねる。
足音はない。

鞘師華奈 > 「……いや、事実だけどそんな仲間は私はいらないからね。あと、別に友達でもないんだけど」

え、友人とか面倒臭い…程ほどの当たり障り無い距離感が一番楽ではないか、と。
心底そう思うのだけど、どうせこの同級生はそんなこちらの意見なんて気にしないのだろうな、とも思う。

結果的に、3つ全てのトランクをこちらが運ぶ羽目になったが…あぁ、面倒臭い。
後ろからついてくるあかねをちらり、と赤い瞳で見遣りつつ。

「……断る。私は一人でのんびり過ごしたいんでね。そういうのは、他の誰かに頼みなよ。」

このまま彼女のペースのままなのは釈然としないので、敢えて淡々とそう切り返しつつ。
そういえば、ふと気付いたが足音が…自分のしか無い?まぁ、いいか、と気を取り直し。

「…はい、到着。流石に後はもう自分で出来ると思うけど。」

よっこらしょ、と最後のトランクを一度置きながらあかねを見る。面倒臭いのはこれっきりにしてほしい。

日ノ岡 あかね > 「なら、お知り合いから始めましょうか。どうせ同じ屋根の下にいるのだもの。これからもっと仲良くなれるわ」

じぃっと顔をみたまま嬉しそうにあかねは笑って、満足気に頷く。
トランクの一つに軽く腰掛けて、華奈の顔を見上げる。

「ありがとね、カナちゃん。あと、これは提案なのだけど」

クスクス笑って、口元に人差し指と中指を当てて。

「私、ルームメイトいないの。喫煙所が欲しかったらいつでもどうぞ。それじゃあ、またね」

そういって、トランクを一つずつ大儀そうに部屋の中に押し込んで、ゆっくりと扉を閉めた。
鍵は、かけていなようだ。

ご案内:「ロビー」から日ノ岡 あかねさんが去りました。
鞘師華奈 > 「…君の、そのマイペースさというかポジティブさは私には眩しいんだけどね。」

別に面倒臭い、というだけであかねに悪感情は全然無いのだけれど。
トランクの一つに腰掛けてこちらを見上げる彼女を自然と見下ろす形になりつつ。

「…どういたしまして。次はもう手伝わないけどね……提案?」

何の?と、いった顔で首を傾げるが…彼女の仕草と次の台詞に…僅かに天井を仰ぎ見た。

「……まぁ、気が向いたら利用させて貰うよ。それじゃ新天地でごゆっくり、あかね。」

どうやらバッチリ見られていたか気付かれていたらしい。
やれやれ、と自分の落ち度だから彼女にどうこう言う気にはなれないけれど。

そのまま立ち去る…前に、一度彼女の部屋の扉を見遣る。鍵を掛けた音はしなかった。
…ややあって、頭をくしゃり、と片手で掻きながら懐からメモを取り出して何かをサラサラと書けば。
ピッとメモを破って扉の隙間から中にインさせておく。

『私のケータイのアドレスだ。そっちに吸いに行く時は一応断りとして連絡くらいはする。 華奈』

と、そんな走り書きとアドレスが添えられており。
そうしてから、何を馬鹿な事をやってるのかね、私は…と、溜息を零してから今度こそ自室にでも戻ろうと歩き出し。

ご案内:「ロビー」から鞘師華奈さんが去りました。