2020/07/30 のログ
ご案内:「堅磐寮 華奈の部屋」に鞘師華奈さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 華奈の部屋」に群千鳥 睡蓮さんが現れました。
群千鳥 睡蓮 > 午前。朝食時。
メールよりも手軽なSNSアプリがメッセージを受信し、
華奈の携帯電話が鳴動する。

『今日ヒマですか?』

こういう場だと敬語だ。癖らしい。
最初のホテルの時に連絡先を交換し合い、落第街をかけずり回った時に住所も聞いていた。
華奈をベッドに放り投げて自分は――どこで寝たんだっけ――覚えていないが。
その一日の始まりは、まずそのメッセージからだったのは確かだ。

鞘師華奈 > ――朝食時。低血圧なのかこの女は寝起きがあまりよろしくない。寝惚け眼でソファーから身を起こしつつ、もそもそと気だるい動作でテーブルの上のスマホを手に取る。

『おはよう 今おきた 今日は仕事も無いしひまだよ』

寝惚け眼で返信したせいか、所々がひらがなになってるのはご愛嬌だ。
そのまま、寝惚けつつもぽちぽちとメッセージを打ち込んで送信していく。

『何かかいもの?それとも別にわたしに用事があるとか?』

群千鳥 睡蓮 > 『おはようございます、起こしちゃった?』
『会いたいです』

まずシンプルに目的だけを伝えておく。朝は遅めな人か。覚えておこう。
自分は朝が速いし強い。強者だから。(?)

『このまえはゆっくり話せなかったし』
『一緒にご飯食べませんか?』

鞘師華奈 > 『だいじょうぶ、公安のしごとでちょっと徹夜しただけ』
『会うのはもちろん歓迎だけど』

「――ご飯?」

おや、と意外な提案に寝惚けていた意識がちょっと覚醒していく。
むっくりと完全に身を起こしつつ、欠伸を噛み殺しながら目を擦りつつメッセージを改めて確認。

『つまり何処かで一緒に食事って事?構わないけど、私はあまりお洒落な店とか知らないよ?』

多少目が覚めたので文面もまともになってきた。とはいえ、メッセージに書いたとおり、外食するにしてもあまり良いお店は知らないのだ。

群千鳥 睡蓮 > 少し返事に時間がかかる。
実の所学校でいろいろな処理を済ませて外を歩いている。
あとは友人に『色々』聞かれた疲れもあった。
外もいいが。そういえば。

『華奈さんち行っていいですか?』
『私、料理作れるんで、なんか買っていきます』

味付けは雑だが。作れると言い張る。

『あ、誰か来るならどっか出ましょう』

鞘師華奈 > 「――私の部屋?……これまた意外な」

思わず独り言を呟いて僅かに赤い瞳を丸くする。まぁ、彼女は確か自分の部屋の場所は知っている筈だ。
少し考えた末に、まぁ問題ないし部屋も別に散らかっている訳ではない。

『構わないよ、あまり物を置いてないから殺風景だとは思うけど』

『あと、料理ならむしろ私が作ろうか?こう見えてわりと自炊派なんだよ私』
『まぁ、睡蓮の手料理も興味あるからそっちに任せてもいいけど。あ、食材の買出しはありがたく頼みたいね』

と、ぽちぽちご返信。『あ、特に訪問の予定は無いから遠慮なく』と添えておこう。

「――まぁ、睡蓮は流石にちゃんと玄関から来るよね、うん」

彼女までダイナミック不法侵入勢だったら、この部屋に変なジンクスが生まれてしまいそうだ。

群千鳥 睡蓮 > 『覚えてます。確か床で寝た気がします』

結構しっかりしてるんだな、みたいな印象があった。
自暴自棄になってやいないかと思ったけど、大丈夫そう。そういうイメージ。

「えっ……意外」

炎天に炙られながら画面を見て一言。
料理出来るんだ、と少し考える。自分の濃い味よりもちゃんとした味にしてくれそうだ。
年上に甘えてしまうべきか。自室ではずっと料理したおしだ。同居人と一緒の時は食卓も寂しくなくなった。

『華奈さんの料理食べたいです』

是非にも。して何を食べようか……。唇に指を滑らせて太陽を見上げる。
熱い、熱い――あっ。

『カセットコンロありますか?』

若干話が危険な方向にずれ始めてはいたが、その有無を聞いて『それではお昼頃に、ご飯炊いておいてください』といったん、その会話は結ばれることとなった。

鞘師華奈 > 友人の中で自分はどんなイメージになっているんだろうか?と、たまーに思うがそこは深く考えない事にする。

『あの時は悪かったよ。せめてソファーで寝れば良かったのに』
『――あと、今”意外だ”と思ったね?よく言われるんだこれが』

と、睡蓮の心を読んだかのように追加のメッセージを添えて。
大体が外食とかコンビニで済ませるイメージだと思われ易い。が、きっちり自炊している。

『了解了解。カセットコンロ?あるけど。取り敢えず用意しておくよ』

はて?手料理はいいが彼女は何を食べたいのだろうか?いや私に何を作らせたいのか。
ともあれ、昼ごろという提案に了承の旨を返信し――炊飯器でご飯を炊いておく。

――そして現在、時刻は正午過ぎ辺り。

「さて、ご飯も炊けたしカセットコンロも用意したけど…」

テーブルの上にセット済みのそれを眺めつつ。そろそろ彼女も来る頃合だろうか?

群千鳥 睡蓮 > 『外食とかお弁当のイメージでした』

マニッシュな印象が非常に強く、料理……。
エプロンをつけておかえりなさい、ってしてくれるのだろうか。
ちょっと苦笑いを浮かべながら、午前中の講習を済ませて彼女の家に。


「華ぁー奈さーん。 わったしーでーす」

受付からの連絡、からの部屋前での待機。
前髪を降ろした姿を見せるのは初めて――いやシャワーの時に見せたが初めてということにしておく。
ラフではあるけど露出はせいぜい腕くらいのもので、その腕には葱が突き出た大荷物。
飲み物も買ってある。もう片方には。

「……すき焼きが食べたくて」

気まずそうに顔を反らす。すき焼き鍋を持参してきた。

鞘師華奈 > 『よく言われるよ』

と、その一言が全てを物語っていた。ちなみに、これでも自炊歴は8年くらいあったりする。
つまり10歳の頃から自炊経験があるという事になるが、それは過去の苦い経験にも触れるので割愛しておこう。


「ん、いらっしゃい――おや、前髪下ろしてる姿は初めて――うん、まぁ初めてだね」

あの一件はノーカウントという事にしておこう。少なくとも自分達の間では。
まぁ、色々ばっちり見たし覚えてもいるがそれはそれ。ともあれ彼女を部屋に招きいれつつ。
とはいえ、彼女も一度入った経験があるならその殺風景、というかあまり物を置いて無い部屋は覚えがあるだろう。

「――それで、何が食べた――あ、うん…成る程ねぇ」

彼女の荷物を改めて見遣る。…葱が突き出ているし、もう片方にはすき焼き鍋もスタンバイしてある。
…カセットコンロとご飯…成る程、そういう事かぁと苦笑いを浮かべるが。

「まぁ、取り敢えず分かったよ。すき焼きって事で用意させて貰うね」

既にご飯は炊いてあるし、カセットコンロはセットしてある。前準備は出来ているからそんな時間も手間も掛からないだろう。

群千鳥 睡蓮 > 「さすが公安委員の洞察力、話が早くて助かります」

両手を掲げてから、『お邪魔します』も忘れない。
器用にスニーカーを揃えて脱いで上がらせてもらう。
二回目だ。視線は写真立てに吸い寄せられ、特に何も言わない。二回目だから。

「あーっ、涼しい……。聞いてたけど本土より暑いわ、やっぱり」

快適快適。とりあえず材料袋はお願いします、と華奈さんに。
割り下作成と野菜切りはおまかせしちゃう所存。

「……同居人が猫舌で、なかなかこういうアツアツ料理にありつけず……
 最近は冷しゃぶとかそうめんとかよく食べてるよ。あと冷製パスタ。
 なにか手伝えることあるかな?」

すき焼き鍋をコンロにセット。お肉は奮発した。卵なんて一個で売ってるやつだ。
そこまで媚びを売っても食べたかったんだ――すき焼き。
飲みますか、と清涼飲料水の缶を見せる。お酒はまだ買えない。

鞘師華奈 > 「――それ、公安あんまり関係ないと思うなぁ、私は」

小さく苦笑を浮かべて右手を「いやいや」といった感じで左右にヒラヒラ振って。

写真立てについては女も聞かれない限りは特に何も語らない。それに睡蓮なら察しているだろうから。

「あーー睡蓮って元々は島の外の人だっけ?私はこの島で生まれ育ったからねぇ」

気候とか諸々が常世島基準であり、しかも生来この島の環境に触れてきたので完全に慣れてしまっている。
本土――外から来たのならば、まぁあちらより暑く感じるんだろうな、と思いつつ。

「じゃあ、割り下と野菜切りは私がやるから、睡蓮は食器の用意と――あ、そっちの棚ね――で、あとはご飯よそっておいてくれないかな?ついでに飲み物スタンバイもお願いするよ」

と、頼みつつキッチンスペースに移動して。シンプルなエプロンを装着してから調理開始。

最初に割り下。用意するのは酒100cc、みりん100cc、醤油100cc、ざらめ30g。
大体2,3人分の目安量だ。この比率が何かいいらしいとネットの記事で読んだ気がする。

まず、酒、みりんを用意した鍋に入れ、強火にかける。
そこからいったん火を止め、醤油、ざらめを入れてさらに中火で温める…と、割り下はこんなものだ。

次いで野菜。これも手際よく慣れた手付きで長ネギ、玉ねぎ、白滝、三つ葉、ついでに焼き豆腐も用意しておく。冷蔵庫にあった。

群千鳥 睡蓮 > 「へえー、ココ生まれなんだ、華奈さんって。
 じゃあ卒業した後もこっちに残ってなんかやる感じー?」

洗面台借りるねー、って手を洗い、ヘアバンドを巻いて前髪を上げる。
うん、すっきり。普段は隠している黄金の瞳。
隠しておいて良かったな、とあの『動画』の拡散にして思う。
部活の友達だから、と誤魔化すだけで済んだ――学校では、いまのところ、だ。

「わー、ほんっと手際いい……意外……つくってあげてたの?誰かに」

からかうでもなく、なんとなく答えが知れた問いかけを向けながら。
こちらも淀みなく準備はする。要領は良いほうだ。
温めたすき焼き鍋に……ちょっと確保しておいた葱を最初に乗せちゃう。
美味しいんだ。焼き葱。

「――なーんか、あっという間だね。 色々あったのに」

あの騒動。公安から『隊長』の捕縛の報が、華奈に入ったことで、ドサ周りは中断と相成った。
詳細は公安委員でもない自分が知るべきでもないが、終わった後もめまぐるしく時間は過ぎる。
徹夜してた案件は、さてどんな事なのかしら。

鞘師華奈 > 「ああ、ついでに言えば異邦人街育ちだよ…とはいえ、私はこっちの世界の生まれでフツーに日本人だけどね?
――卒業後はどうだろう?そもそも私はまだ”物語”を紡ぎ始めたばかりだからね」

3年の傍観者時代を終えて、やっと再燃し始めたばかりだ。卒業後なんて正直考えもしなかった。
洗面台を借りる友人に「ご自由にー」と、返しつつ間に野菜は一通り切って下準備は完了。割り下も既に作り終えた。
それらをテーブルへと持っていきつつ。

例の『動画』に関しては女から特にコメントや感想は無い。そもそも知名度は高いが直接の面識が無いからだ。正直実際の人となりをほぼ知らないのもある。

(あーーいや、あの”話し合い”の時にそういえば女装姿で居たのは見たっけ)

何で女装かはまぁ個人の趣味かもしれないのでそこは追及はしないとして。

「ん?いや…あー二級学生時代はちょくちょくあったかな。特定の誰かって訳じゃないけど」

肩を竦めて苦笑。落第街の二級学生暮らしでも基本は今と変わらず自炊をしていた。
それを継続していたら何だかんだで8年。それなりに料理は手馴れてきたとは思う。

友人の要領が良いお蔭で準備は滞りなく進み――こちらも適当に野菜から乗せていきたい。


「――まぁ、そういうものさ。生憎と私たちは渦中では無かったからね」

”彼女”の一件については風紀も公安も然るべき対処を既に取ったあとだろう。
まだ火種となってごたつく可能性もあるが――権謀術数などに興味は無い。

「―そういえば、睡蓮は同居人が居ると聞いたけど学生寮暮らしかい?」

群千鳥 睡蓮 > 「あ、そうなんだ」

視線は不意に赤いメッシュに注がれた。染めたものとはなんとなく思えなかった。
綺麗だな、とそれをじっと見つめていた。赤い髪。懐かしい。

「あたしは卒業しても1~2年くらい、残ることになりそう。
 うまくいけばだけど――あたしも見つかったかな、物語。
 ……いまもうスーツだしなあ、あんまり就職しても変わんなさそーだよね、華奈さん。
 ――あふっ、…あっつ……あ、美味しい。たかいネギってやっふぁりおいひぃ」

焼いただけのネギで濃い味嗜好の自分が唸るのだ。相当だろう。常世農学部の力なのか。

「まあ、そういう話を……しに来たの。 華奈さんの様子見に来るの含めてね。
 でもこれ美味しかったら今後通っちゃうな~……
 あ、好き勝手買ってきたけどなんか苦手なのある?
 ……ん?うん、あっちのほうの女子寮ー。 なんか先生とシェアすることになったんだよね、魔術学の」

あの時のことを分かち合いつつ、のんびり整理したい、くらいの。
お願いを聞くとも言ったし。野菜の並べ方にも性格が出る。
飲み物をカップに注ぎつつ、言われれば視線を上げた。
魔術は使えないが、知識はぼちぼち教えを乞うている。