2020/10/27 のログ
ご案内:「堅磐寮 レオの部屋」にレオさんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 レオの部屋」に神樹椎苗さんが現れました。
神樹椎苗 >  
 夕食を用意していたところに連絡が届いた。
 帰りが遅くなると聞いたところで、一度自分の寮に戻って、着替えを持ってきた。

(迎えてやらないのも、なんか落ち着かねーですし)

 毎日のように帰りを迎えていたからか、すっかり習慣になってしまった。
 なので、この日は泊まるつもりで準備している。
 ――娘にはすごい顔をされた気がするが。

「どうせ、なにもねーですし。
 つまんねーですねー、マシュマロ」

 と、隣に転がる仔猫を構いながら、のんびりと部屋主の帰りを待つ。
 いつも自室でしているように、ネコマニャンTシャツ一枚でリラックスしながら。
 

レオ >  
「ただいま戻りました。すみません、遅くなっちゃって‥‥…って、今日、泊まるんですか?」

少し疲れ顔で帰ってきた扉を開くと、そこには部屋ぎ姿の彼女は。
家によく来る事はあるが、泊まるというのはあまりない。
理由は単純、彼女の年齢的に厳しいからだ。

「と…そうだ。これ。
 シャルモン・アルフォンゾの新作チョコの『凰蓮-クルミたっぷりホワイトテイスト』です。
 新作らしかったので、折角なのでと」

そういって出されたのは、帰り道に見かけたらしいチョコレート菓子だ。
中々評判のいい品で、コンビニお菓子にしては評価が高いとか

神樹椎苗 >  
 ようやく帰ってきた部屋主に、仔猫を膝の上に載せて出迎える。
 膝の上の仔猫も、みぃ、と甲高い声で帰りを喜んだ。

「ん、遅くなるって話でしたからね。
 帰るのも面倒ですしねー、マシュマロ」

 仔猫の首を指先で撫でながら、サイズがまるで合っていない大人用のTシャツ姿で帰った青年を見上げた。
 出されたお菓子を受け取れば、瞳が嬉しそうに輝く。

「んふ、よくわかってるじゃねーですか。
 センスも悪くねーです」

 そして受け取ったお菓子はテーブルに一度おいた。

「夕食は出来てますから、温めましょうか」

 そう言って、子猫を降ろして立ち上がろうとする。
 

レオ >  
「すみません、お願いできますか? 
 マシュマロ、椎苗さんの迷惑にならないように僕と遊んでいようね」

そういって今度はこっちがマシュマロの相手をし、じゃれつく。
子供の世話を交代交代でやっいるかのようだ。
まぁ、マシュマロは頭がいいのか、台所等の危険なスペースには基本的に立ち入らないが、

「椎苗さん、最近どうですか?
 今日もハロウィンに参加したんですよね?」

神樹椎苗 >  
「ん、特に変わらねーですよ。
 この前のデートの時みてーに、迷子を見つけて還してるだけですからね」

 聞き分けのいい子供を預けて、台所に立つ。
 子供のいる夫婦はこんなモノなんだろうか、なんて思い浮かべた。

「賑やかなもんですが、その分小悪党も多いみたいですね。
 風紀委員の手は足りてなさそーです」

 今日は風紀委員らしからぬ少女が、参加者を注意して回っているのを見た。
 人が集まる規模に対して、どうにも治安を支え切れていないようだ。

 そんな話をしながら、テーブルに夕食を運んでいく。
 トコヨしじみの味噌汁と、茄子とトコヨうなぎの煮物だ。
 

レオ >  
「……そうですね、特に今は…落第街の方が騒がしいので。
 わぁ…美味しそうです。
 でもうなぎって、高くないですか?大丈夫です?」

素朴な疑問を浮かべつつ箸を取り、いただきますとして

「実際僕もハロウィンの警護の方に駆り出されると思うので、もしかしたら会うかもしれませんね。

 ……それと、沙羅先輩について、なんですが」

神樹椎苗 >  
「値段ですか?
 あまり気にしたことないですが。
 言われてみれば少し、桁が違っていたような気がしますね」

 金額を思い出して、確かに桁が『いくつか』違っていたのに気づきつつ、首を傾げた。
 なお、トコヨしじみも、トコヨうなぎも超が付く高級食材である。
 この一食だけで、一般的な家庭の一ヶ月分の食費になるだろう。

「ふむ、その時はまあ、邪魔にならないようにしますよ。
 声くらいはかけてやりますけどね」

 自分がそんな高級食材を気軽に調理している事も無自覚。

「ん、娘がどうかしましたか?」

 土産にもらったお菓子を開けながら、聞き返した。
 

レオ >  
「け、た…?」

目をぽかんとして聞き返した。

「…椎苗さん、後でレシート見せてくださいね…?」

金銭感覚が若干緩いのは知っているが、もしかしたら大変な事になってるかもしれない。
彼女が基本的に食材は買ってきているのだから自分の懐にダメージはないとはいえ、真っ当な金銭感覚は持っていて欲しいのだ。

しかし、しっかりしているのにこんなところで抜けてるところを見るなんて……
そう思いながら、食事に箸をつけた。
ぱくり。
おいしい…
いつも食べてるのとはまた全然違う味がする……

「えっと……退院して、それから、といいますか。
 ……神代先輩と何かあった、っていうのは知ってるんですが、実際何があったのかも知らないし、知るべきじゃないかなって思ってるんですが…‥

 ……最近、神代先輩の活動内容が、その……タガが外れたように過激になってきていて」

沙羅先輩の方に、影響がないかという心配だ。

神樹椎苗 >  
「レシートですか?
 受け取ってねーですね、そういえば」

 これが金銭感覚異次元の金遣いである。

「――ふむ、まああのクズやろーはどうだか知らねーですが。
 娘の方は一応、落ち着いてるように見えますがね」

 特別、何か込み入った話をしたわけでもないが。
 少なくとも退院してから数日、思い詰めた様子はない。
 しいて言うなら――。

「まあ、お前との事は聞き出されてしまいましたが」

 と、申し訳なさそうに言った。
 

レオ >  
「受け取ってください……
 と、そうですか?ならひとあんし―――――――ん?」

ん?
今なんと?

「…聞き出され…た……?」

目を点にしながら、聞き返す

神樹椎苗 >  
「――ごまかし切れなかったので、お前と交際していると話しました」

 そう、真っ正直に答える。

「どうも、しいは話をはぐらかすのが苦手みてーです」

 それ以前の問題だったが、いずれにせよ嘘が吐けないのは間違いなかった。
 

レオ >  
頭を抱えた。
いや、いつかはバレるだろうなぁ…というのは分かっていたけども。
一応口裏合わせてくださいと言っておいたし、こうも早くバレるなんて……

「そ…う、ですか……
 ……それで、沙羅先輩は、なんと……?」

神樹椎苗 >  
「ちょっと拗ねてましたが、それくらいでしたね。
 そう、お前の事も気に掛けてましたよ。
 誠実でも、思い詰めそうで危うい、みたいに」

 お菓子を口に含み、その甘さに頬を緩めながら。
 

レオ >  
「あはは……それは、事実かも」

自覚はある。色々、吹っ切れてない事も多いから。
でも、自分の事はなんとか、自分でも変化する方向へと進めていると思っている分、ましだ。
問題は……

「…沙羅先輩の心、落ち着くといいですね」

沙羅先輩の事だった。
病院に入院するほど疲弊しきって、その理由であろう神代先輩は、今までより更に暴走している気がする。
沙羅先輩が割り切るか……神代先輩が変わらない限り、二人ともいい方向には転ばないだろう。

そう思いながら、食事を食べきる。
普段以上に豪華で、美味しかった。
何故かいつも以上に、こう…力が漲りそうな献立だったけど。

「―――ごちそうさまでした」

手を合わせ食事に感謝しつつ、食器を片付けながら。彼女の方を見る。
買ってきたお土産はお気に召したようだ。

「……後でちょっと、いいですか?
 その……えっと。
 甘えても」

少し恥ずかしい要望。
ただ今日は…そんな気分だった。

神樹椎苗 >  
「さて、どうですかね。
 後は娘が自分で乗り越えていく問題ですから。
 まあ見守っていくつもりですよ」

 結局は当人たちの問題で、本人の気持ちの問題なのだ。
 積極的に口出しをするような事ではないだろう。
 もちろん、本人から助けを求められれば別だが。

 食事を終えた青年に片付けは任せて、自分はお菓子を味わう。
 青年にすっかり好みを知られているのが、なんとなく気恥ずかしいが。

「――む」

 甘えたい、それはつまり。

「そういう事なら、もう少しお前が好みそうな部屋着にすればよかったですね」

 なんて、Tシャツ一枚、裾が膝までもない、やっと下着が隠れている程度の格好。
 肌着すら着ていないので、服の下の包帯も隠れていない。
 

レオ >  
「そんな気にしなくていいのに」

くすりと笑って、食器を洗いきり手を拭けば。
彼女のいるソファの方へとやってきて、隣に座る。
肩が当たるくらいの距離で、来てください、というように自分の足をぽんぽんとするだろう。
それに応じて自分の上に座ってくれるなら、そのまま後ろからぎゅっと、抱きしめるだろう。

「……確かに、あの人たちが乗り越えてくもの、なんですよね。
 僕が変えようなんて、おこがましい……
 
 分かってはいる、んですけどね」

神樹椎苗 >  
「いえ、甘えたいというから、そういう事かと」

 言いながら、青年の前に行き、膝の上に座る。
 横向きに座ってから、青年に向き合ってその頭を抱き寄せた。

「気になるのも、仕方ないんじゃねーですかね。
 お前は少し、優しすぎるんですよ。
 あまり一人で気負わなくていいんです」

 以前の事は知らないが。
 今は自分も一緒に居るのだからと、青年と頬を寄せ合って。
 

レオ >  
「…したいんですか?」

いつか彼女に言われた言葉で、それを返す。
自分は…したい気持ちもある。
それを押さえて今いるのは事実だ。

「……そう、なんですけどね。
 沙羅先輩も、神代先輩も……一人じゃどうにもならない事で。
 力になれる人間が助けないと、きっと…悪い方にばかりいってしまう気がして。

 ……もしも、沙羅先輩が…
 『死にたい』って口に出してしまったら……」

その言葉は、不死には重く。
そして自分は、それが出来る。
他に出来る人は少なくて…結果的にそれは―――――

神樹椎苗 >  
「ふむ」

 一人で思い悩み、気に病んでいく青年。
 その優しさは美徳だが、心を蝕む毒にもなりえる。
 青年の頬に、そっと唇を寄せた。

「――ん、案じているのは、お前だけじゃねえですよ。
 他にも娘を想う人間はいますし、それはあのクズやろーも同じでしょう。
 物事は案外、悪い方にばかりはいかねーもんです」

 良い方へばかり進まないのと同じで、悪い方にばかり転がるものでもない。
 悪い事を考え過ぎては、ただ、心を病んでしまうだけだ。

「それに、万が一そうなっても。
 お前にはやらせませんよ。
 それは、しいがやると約束していますから」

 そう言って、そっと青年の頬に口づけをする。
 優しく、少しでも気が休まる様に。

「――ああ、それとですね」

 顔を離して、青年の眼を上目に見上げ。

「しいは、いつでもいいですよ。
 お前なら」

 くす、と目の前で微笑んだ。
 

レオ >  
彼女からされる事も多くなった、口付け。
されると少しだけ誰も知らない彼女を知れる気がして、少しだけ心が落ち着く。

「――――その場合、椎苗さんは辛くなっちゃうでしょう」
 
小さくそう返しながら、抱き寄せる。
小さな体は青年の胸に収まる程で、その温かさを全身で感じる。

力の付く料理を食べたからか、少し……
心が、揺れる。

「……いいんですか?」

顔を見て、確認する。
もっと知りたいという欲が…大きくなる。
色々な事を知って、新しく知れる事も少なくなってきて。
それまでも持っていた知りたいという欲の矛先は……それになってきているのが、分かった。

…ダメだ、と分かってはいるけれど。

神樹椎苗 >  
「それが、娘との約束です。
 そこだけは、お前にも譲るつもりはありませんよ」

 きっぱりと、それだけははっきり伝える。
 娘との約束は誰であっても、違えさせるつもりはなかった。

 そして、微笑みながら青年を見つめ返して、少しだけ意地悪く。

「――我慢、出来ませんか?」

 そう、試すような言い方をする。
 

レオ >  
「………」

少し、言葉が止まる。
我慢、できないか……
実際このまま気持ちのままに動いたら、我慢は…出来ていない事になる。
まして、相手はこんなに小さな子で……」

「……貴方の事をもっと知りたいのは、事実なので。
 ……今も我慢してるのはホントですよ」

そう言いながら、抱きしめた手を滑らせる。
傷があったろう所は、痛むかもしれないから避けて。
感触を確かめるように触れて……

「――――キス、してもいいですか?」

確認を、とった

神樹椎苗 >  
「ふふ、知ってますよ」

 どこか楽し気に微笑む。
 青年を困らせたり悩ませたりするのが楽しいと思ってしまうのは、意地悪なのだろうか。

 身体に触れられれば、少しだけくすぐったそうに身じろぎをする。
 そして。

「――ダメ、と言ったらしないんですか?」

 目と鼻の先まで、顔を寄せる。
 

レオ >  
「…‥‥…我慢します」

少し残念そうな顔をしてから、その言葉に返す。
我慢する。
まるで躾けのなった犬のようだと、思うかもしれない。

神樹椎苗 >  
「まったく、可愛い奴ですね」

 その残念そうな顔をまじまじと見つめてから。
 ゆっくりと唇を重ねた。
 

レオ >  
「んっ―――――――」

彼女の方から重ねられた唇を受け入れ。
それと共に抱き寄せる。
離れそうになる唇を再び引き寄せて、二度目の口づけをし…

今までよりも、深く。
絡めるように何度も、口付けをする。
もっとお互いを探るように、交わるように。
何度も…

神樹椎苗 >  
「ん、ふ――」

 繰り返し、呼吸を忘れるように。
 青年に応えるように深く絡み合って。

 この日は眠りに就くまで、何度もキスを繰り返したのだった。
 お互い、ベッドで身を寄せ合いながら。
 

ご案内:「堅磐寮 レオの部屋」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 レオの部屋」からレオさんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に綿津見くらげさんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に火光雷鳥さんが現れました。
火光雷鳥 > 「あーー…食いたい物、かぁ。強いて言うなら和食方面かなぁ。うちは母さんが和食メインで作ってて馴染み深いのもあるけど。
そうだな…あ、丼物と味噌汁とかどうかね?親子丼とかそういうの。」

多少手間が掛かるかもしれないが、まぁそんなリクエストを一応は出してみたり。
和食が比較的多い食事の家庭だったので、洋食も勿論食べるし好きだが和食のほうが身近と言えば身近なのだ。

で!それはそれとして先に風呂を使うのに抵抗を感じていたら――すっくと立ち上がったくらげが先に風呂に行ってしまった。

「お、おぅ?ごゆっくり~~………ふぅ…。」

くらげが先にバスルームに向かうのを、ややぽかーんと眺めつつも見送れば、その後に溜息と共にテーブルに顔を突っ伏して。

「やっべぇわ…童貞には色々と刺激が強すぎるだろこのシチュエーション…妄想的な意味でも」

と、いうかくらげがマイペース過ぎるんだけど!最早あそこまでいくと男前に見えてくる不思議。
で、ふと聞こえた衣擦れらしき生活音にガバッ!と顔を挙げる。

(ちょっ、えっ、マジ!?余計に妄想力が自動発動しそうなんだけど!?)

思わず耳を塞ごうとするが、それどころかついつい聞き耳を立ててしまう俺は男の子!

綿津見くらげ > 「親子丼。
 悪くないだろう。」
作った事は無いが、
そこまで難しいものでもないしなんとかなりそうだ。
材料も手頃、食べ応えも充分。


そしてバスルームへと向かうくらげ。
若き青年が聞き耳を立てている事など露知らず、
シャワーを浴びる水音を響かせる。

しばらくすると水音が止み、ドアが開く音。
……そして……。

「着替え忘れた。」
バスタオル一丁身体に巻いて、部屋へと戻ってきた。
雷鳥が居る事など特に気にしない様子で堂々と部屋を横切る。
部屋の隅のタンスからもこもこした布地の寝間着を引っ張り出すと、
再び脱衣所へと戻ってくるのであった。

火光雷鳥 > 「そうそう。天丼でもカツ丼でもいいけど、とにかくこう、丼物が食いたいっつーか」

島にもチェーン店みたいなものを始めとして丼物の店はあるから手軽に食べに行けるけど。
料理スキルはどうやら高いらしいこの友人なら丼物もきっと美味い筈だ!という期待。

で、それはそれとして…なんで衣擦れの音がばっちり聞こえるんですかねぇ!?壁薄いの!?
そして今度はシャワー音……いいか、人により個人差はあるが童貞かつ青少年の妄想力は旺盛なんだ。
つまり何が言いたいかというと、ちょっと股間がヤバいことになってるんだけど、煩悩退散誰か教えて!!

「……って、あれ?」

水音が止まった。シャワーにしてはやけに早いな?と、疑問に思っていたのだが…。

「……………。」

いきなりバスタオルだけ体に巻いたくらげが戻ってきたかと思えば、もこもこの寝巻きだけ持ってまた脱衣所に戻って行った。
それを視線だけで追ってからしばし無言で佇んでいたが、やがてわなわなと体が震え出したかと思えば…。

火光雷鳥 > 「お前なんでそんな無防備なの!?俺、いちおう男なんだけど!?つーか、折角煩悩退散しようとしてたのに余計に悪化したじゃねーかあ!!!」
綿津見くらげ > 「のわっ!?」
着替え終わって脱衣所から出てきた所に、
雷鳥の怒りの声が。

「どうした雷鳥。
 裸体なら前見ただろう?」
確かに前回の演習時、
雷鳥の爆炎で服を吹き飛ばされ半裸を披露している。
それよりはタオルを巻いてる分マシだろう、
と首を傾げる少女……だがそういう問題では無いのだ。

「それはそうと。
 風呂、空いた。
 次どうぞ。」
さらには、女子の残り湯を無防備に勧めてくるのであった。

火光雷鳥 > 「見たとか人聞きの悪い事を言うんじゃねぇ!!不可抗力(?)だ!いや、何か覚えてないけど俺がやらかしたのは確かだけど!
それに、ちゃんと俺の制服の上着を貸したから俺としては紳士的な対応をしたと思う!!」

ちなみに、彼女が半裸になっていた原因はこの男が『爆破』したからなのだが、今の彼にその時の記憶は無い。
実際、自分の左腕の火傷についてもよく覚えていないのだ。彼女は勿論覚えているだろうが。

(いや、全裸で歩き回られても困るがバスタオル一丁でも、それはそれで体のラインとか窺えて妄想力がやっべーんだよ!!分かれ!!)

と、思わず心の中でそんな理不尽な言葉を漏らす。ほんと、この友人は異性の前で肌を晒すのに抵抗ゼロなんだろうか?

「へいへい、じゃあ有り難く頂きま――」

その時、俺に電撃が走る!!…女子の残り湯とか余計にこう、やばくない??

(よーーし、落ち着け雷鳥。あのクソ親父みたいなスケベとか変態になってはいかん!!)

と、何故か目を閉じて気合を入れながら両手で己の頬を叩く。くらげから見たら意味不明だろう。
ともあれ、持って来たリュックから寝巻き――ジャージとトランクスタイプの下着やらタオルやら取り出してから脱衣所へと向かおう。

「えーと、んじゃ有り難く風呂を借ります。」

何故か一部敬語になってしまったのは仕方ない。

綿津見くらげ > 「なんだ。
 覚えてないのか?
 美少女の裸体を。
 勿体無い……。」
にやりと笑いながら、しれっと自分を美少女呼ばわり。
……は、良いとして、
もはやこの少女の立ち位置が謎だ。
もしやこれは少女からのセクハラにあたるのではないだろうか?

「まぁ良い。
 ……行って来い。
 冷めぬうちに。」
少女はベッドの上に身を投げ出して再び漫画本を読み始めた。
女子の残り湯に動揺する雷鳥の気も知らずに。

火光雷鳥 > 「そっち『は』覚えてるよ!!あんましジロジロ見るのはアレだから直ぐに上着貸したけどな!!俺が覚えてないのは、くらげに爆発?をかました事だよ。
俺の発火能力にそこまでのパワーはねぇしな。そもそも制御もまだ不完全なんだぜ?」

と、前半は突っ込みを入れつつも、後半は釈然としない、とばかりに溜息を。
実際、意識がはっきりしたのは彼女に追撃を掛ける寸前に慌てて腕を逸らして辺りだ。
左腕の火傷はその余波であり、彼女に爆発をかました辺りの記憶だけが抜け落ちている。

正直、くらげに勝った実感が無いのはそういう一部記憶が抜け落ちている、というのも理由にある。

(こいつ、もしかして逆セクハラタイプなんじゃねーだろうな!?)

と、不満を漏らしつつも渋々と脱衣所に向かって。あ、野郎のサービスシーンなんて誰も望んでないのでカットでお願いします。


―――それから数十分後。


「わりぃ、ちょっと長風呂しちまった。風呂あんがとなくらげ!」

と、リラックスした様子で出てくる。決して賢者タイムとかそういうのではない。

綿津見くらげ > (……ふむ。)
雷鳥が風呂に入っている間、
くらげは独り思案に暮れる。
件の演習の時の事だ。
彼は記憶にないと言っているが、
あの時の雷鳥の様子は何か変であった。
能力も、彼の持つ発火とは少し異質な物であったと思う。
記憶を失ったと言うよりは、
まるで彼の内にいる誰かが表出してきた様な……。


「………んぁっ!?」
などと考え事をしている内にまどろんでいた様だ。
雷鳥の声にびくりと身体を跳ねさせ目を覚ました。

火光雷鳥 > 時間はちょっぴり遡って…女子の残り湯、とかそんな事はあまり考えないようにしつつ風呂に遣っていた時の事だ。

「……ほんっと、何で一部だけぽっかり記憶が抜け落ちてんだろーなぁ…確か、酷い頭痛がしたのは覚えてるんだが。」

その頭痛の前後から記憶がない。…もしかして俺って何か変な病気持ちだったり!?
だが、島に来た時に異能の検査のついでに身体検査も受けたが『特に異常は無い』と言われた。
と、なれば頭痛は偶然だろうか?うーん…分からん!!


――で、時間は再び風呂上り直後へと戻り。

「うわっ!?何だよそんな驚かせたつもりねーんだけど?」

と、くらげの意外なリアクションにむしろこちらが驚いたといった感じで。
さて、夕食と風呂は済ませた。あとはまぁ、適当にだらだらして寝るだけなのだが。

(そう、問題はその寝る時だ。…流石に予備の布団とかねぇよなぁ)

と、彼女の部屋を見渡す。どう見ても寝具は一人分しかねぇ。俺の煩悩と理性さん我慢できるのか?これ。

綿津見くらげ > 「すまぬ。
 寝てた。
 少々。」
軽く欠伸をして、再びベッドにごろりと転がる。

「んー………。」
さて、どうしようか。
時計を見れば、まだ夜もそれほどは更けておらず……。

「………。
 ……どうする。
 するか、ゲームでも?」
時間を潰す方法は、それくらいしか思いつかない。
それとも、いっそもう寝てしまうか、だ。

火光雷鳥 > 「お、おぅ?そりゃ起こしちまったみたいで何かすまん。」

と、むしろこちらが謝る辺りがこの少年らしいとも言える。よっこいせ、と適当なポジションに座り込む。
流石に、そろそろ女の子の部屋、というかくらげの部屋の空気にも慣れてきたようだ。

「ゲームか。良いけど何やんだ?二人でやるなら対戦型のゲームとか?」

と、首を傾げる。勿論、このまま寝てしまうのもそれはそれでいい。
直ぐには眠れ無いだろうが、二人で雑談でもしていれば自然と眠気も来るかもしれないし。

「そーいやさ。くらげってこの島に来てどんくらいよ?それとも地元民?」

ふと、気になった。自分は9月の始め頃に本土からこの島に来た転入組だが。
この友人の経緯とかそういうのは確かあまり聞いた事が無かった気がする。

綿津見くらげ > 「そうだな。
 色々ある。
 選ぶが良い。」
ゲーム機のスイッチを入れ、コントローラーをひとつ投げてよこす。
大乱闘なんとか兄弟やら、
なんとかカートやら、対戦するのに丁度いいゲームも持っている様だ。

「これやろ、これ。」
選べ、とか言ってたわりに自分で決めたのは、大乱闘なんちゃら。
友人と一緒にプレイするのは始めてであり、
なんだか目を輝かせて見るからにテンションが高まってきている。


「ん……?
 私は、春に島に来たばかり。
 実家は本土だ。」
緑色の爬虫類のキャラを選択しながら答える。
前も話した通り、春からは犬に噛まれて熱を出し、
ずっと入院していたので、本格的に修学し始めたのはこの秋からだ。

火光雷鳥 > 投げ渡されたコントローラーをキャッチしつつ、確かに色々とゲームは揃っているようだ。
どれにすっかなぁ、と選ぶように見ていたのだが…。

「いや、いいけど俺に選ばせようとした意味なくね!?」

と、突っ込みは入れておくけれど。だが、くらげが目を輝かせて楽しそうだし…まぁ、いいかと苦笑気味に。

「春ってこたぁ俺とそんなに変わらねーのか。せいぜい半年くらいかね。」

こちらは秋だから極端に差がある訳でもないらしい。ともあれ、こちらはオーソドックスにマ●オを選んでバトル開始。


――で、それから30分ちょい経過して。


「ちっくしょおおお!!また負けたっ!!!」

コントローラーを軽く放り出して悔しそうに。くらげが強いのかこいつが弱いのか。連敗中である。

綿津見くらげ > 「お前も本土からか。
 秋からだったな、お前は。」
少女も、雷鳥に質問を返す。
えげつない猛攻をヒゲの親父に叩きこみながら。

なるほど、ゲームをしながらならば、
口下手な自分でもそれとなく会話が弾むかも……



「ふはは。
 弱し。
 手応えの無いヤツめ。」
それから数十分。
散々に雷鳥を叩きのめして愉しむ悪しき少女がそこに。

なお、彼女はゲーマーではあるが対人はそれほど経験も無く……
つまるところ、雷鳥が弱いという事になるのであろう。

火光雷鳥 > 「おぅ、異能に目覚めたのは実は去年なんだけどさ?そっから何か知らないけど『1年間入院』したんだよ。
後遺症とかは無かったんだが、髪の毛と目の色がこんなになっちまってなぁ」

「俺、元々は普通に黒髪で黒目だったんだよ。」と、己の赤い髪と赤い瞳を指でちょいちょいと示しつつ。
能力に目覚めて入院、というのはあまり聞いた事が無かったが、まぁそういう場合もあるんだろう、と彼自身はあまり気にしていないが。

ちなみに、えげつない猛攻とかコンボ的なあれこれを叩き込まれてヒゲ親父がフルボッコにされていた、ちくしょう。

「くっそーー!!もう一回!もう一回だ!!」

と、自棄になりながらもコントローラーをまた手にとって挑むが…またも惨敗である。
それから、キャラを変えたりステージも変えたりして挑むのだが何度やっても勝てない。

(やだ、俺って弱すぎ…!?)

大乱闘なんちゃらは勿論プレイ済みなのだが、そういえば対人昔からあんまり強くなかったな、と思い出す。
他の対戦ゲームでも、勝負弱いのかどうにも勝てた試しが無かったりする。

「……ちくしょう。」

そして、また一つ黒星を重ねて…心が折れたのか仰向けにばたーんと寝転がった。

綿津見くらげ > 「ほう、入院。
 1年。」
異能に目覚め、入院して……
そう言えば、前もそんな話を聞いた様な。
髪の色まで変わって、何かと自分と似た境遇だ。

(……ん?)
一瞬の違和感。
いや、自分は昔からこの髪色だったな……。

「くくく。
 完敗し尚も立ち向かってくるか。
 よかろう。」
面白い様に吹き飛んでいくヒゲ男に、
悪しき少女はすっかり上機嫌だ。

そしてもう何戦か……

「ふぁ………。」
時計はすっかり12時を回り、
少女も流石に眠くなってきた。

「………。
 ……寝るか?」
と、雷鳥に声をかける。

火光雷鳥 > 「ああ、心身は健康みたいだったんだけど、異能の制御がさっぱりでさ。
勝手に発火して自分が火傷したりとか暫く続いたんだよ。俺が入院してた病院は少し特殊な病院だったらしくて、異能者とかの受け入れが多かったみたいでさ?」

正直、病院時代の事も『あまり覚えて居ない』のだけど、まぁそういう事もあるだろう。
一つ言えるのは、あの1年ですっかり病室の無機質な白い空間が苦手になった事くらいか。


――で、連戦連敗で一度も勝てずに終わる敗北者・雷鳥。
仰向けに寝転がったまま「ちくしょー」とぼやいていたが、彼女の言葉にハッ!?と視線をくらげに向けて。

「お、おぅそれはいいんだけどさ?…まさか一緒の布団で寝るって感じになんの?」

普通ならひゃっほぅ!!なのだろうが、ちょっと煩悩的な意味で理性との戦いになりそうなのだ。
流石に友人にそういう事をする訳にはいかない。いや、そもそも俺にそんな度胸は無いけどな!!

…おかしいな?自分で思ってて悲しくなってきたぞ?

綿津見くらげ > 「うむ。
 希望していただろう。
 添い寝。」
何を今更、見たいな顔をしながら、
シングルベッドの上の掛布団をかるく直す。

「狭いが、我慢しろ。」
……何に我慢しろと言うのだろうか。

「ふわ………。
 寝よう。
 そろそろ。」
そう言うと、自分は布団の中に潜り込む。
横に一人分のスペースを空けて。

火光雷鳥 > (そうだったぁ!?そもそも添い寝を希望してたんだったぁ!?墓穴掘ってんじゃねーーーかあああ!!!!)

と、口には出さないが思わず頭を抱えて悶絶していたけれど。
今更撤回するのも何かこう、うん。
なので、彼女がベッドを整えているのを横目に深呼吸したり何か頑張って覚悟を決めていたりと忙しい馬鹿だった。

「お、おぅどんと来い!!」

なにが来いなのかって?俺にも分からん!正直言うと心臓ばっくんばっくんなんです!
ともあれ、くらげは眠たそうだし待たせるのは悪い。なので、「お、お邪魔しまーす」と、思わず敬語で言いつつ空いたスペースにもそもそ。

(お ち つ か な い!!)

あれ?想定以上にドキドキするというか、隣のくらげさんの呼吸とか温もりとか感じてやっべぇんだけどこれ!?

綿津見くらげ > 「んじゃ。
 おやすみ。」
部屋の明かりを消して、常夜灯のみ。
そして、狭いベッドにくらげと雷鳥が二人。
すぐ隣にはくらげの姿、
多少身体も触れ合わざるを得ない。

「ふむ………。
 ……狭い……。」
眠たげな声で文句を言う少女。
我慢しろ、とか言っておいて自分が我慢できていないのであった。
だが、別に嫌がるとか動揺するとかは無さそうだった。

「寝相。
 悪かったら、すまん。」
今更ながら、懸念事項を伝えておく。
……朝起きるとあらぬ場所で浮かんでたりする事も。

火光雷鳥 > 「お、おやすみーー…。」

と、めっちゃ声が上擦って動揺しまくりなのがとても分かり易い少年だ。
一方、マイペースなお隣の友人は「狭い」と言いつつも動じた様子も無く何時も通り。

(くそ、どうしても体とか触れ合うからドキドキするし落ち着かないし、寝られんのこれ!?)

いざ、添い寝されると嬉しい反面こうなるのは分かっていただろうに自業自得である。
ともあれ、目が冴えてしまい、結果的に寝付くのはくらげが眠りに落ちてから1,2時間後になるのである。

「ね、寝相?おぅ、まぁそこは気にしないから大丈夫」

大丈夫じゃねーけどな!?抱き枕とかされたら俺は理性崩壊するかもしれない!!
…ちなみに、実際は目が冷めたら真上にくらげが浮かんでいて思わず驚いた声を上げた、かもしれない。

綿津見くらげ > ひとまず、その夜はエキサイティングな寝相を披露しただけで、
他は何もなく平和に明けた……とかなんとか。

ご案内:「堅磐寮 部屋」から綿津見くらげさんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」から火光雷鳥さんが去りました。