2020/11/22 のログ
神樹椎苗 >  
「――ええ」

 それだけで、言葉は尽くさなかった。
 今の青年は、いくら言葉を重ねても受け入れられないだろうから。
 だから青年に応えてしっかり抱き返して、触れ合う事で答える。

 

レオ >  
「―――」

互いにお互いを感じ合って。
自分の不甲斐なさに、泣いた。

幸せになれる気がしない。
でも彼女には、幸せになってほしい。
どうしようもない、願い。

でも、やらなくちゃ。
でも、できる気がしない。
どうすればこれは、変わるんだろう。
ただただ……出口のない迷宮を彷徨うようで。

「――――……疲れ、ました」

泣いたせいもあるのか、体が鉛のように重くなって。
瞼が少し、落ちかける。

「―――いなくならないで、くださいね」

願うように、乞うように。
彼女へと何度も同じ言葉を、繰り返した。

神樹椎苗 >  
 迷子の子供のように、弱弱しい青年。
 その手を引いてやる事はきっと簡単で、そうしてやりたいと思ってしまう。
 けれど、青年が生きるための答えは、自身で見つけなければならない事だ。

「一緒に居ますよ。
 ――言葉だけじゃ不安なら、印を刻んでくれたってかまいません」

 離れられないようにする方法は、いくらでもある。
 肉体的にも、精神的にも。
 それだって、青年にされるなら構わない、そう思っていた。

「だから、今は休みましょう。
 ちゃんと目が覚めるまで一緒にいますから、目が覚めても、一緒に居ますから。
 ゆっくり休んで――今日を歩き、明日を想えるようになるまで、ゆっくりと――」

 静かにささやきかけるように、寝かしつけるように、その背中を撫でて。
 少しの間でも、青年が安らげることを祈った。
 

レオ >  
「しる、し……」

その言葉の意味は、直ぐに分かる。
彼女ともっと深く結びつく、印。

そうしたい、と思った事はいくらでもある。
でも自制してきた。
彼女自体はまだ、それを求めてはいないから…
自分が求めるだけのそれを、押し付けたくはなかったから……

「…、……」

甘えたい。
今の自分を…受け入れてもらいたい。
そんな我儘が、溢れそうになる。

「……しい、なさ……」

彼女の方を、見る。
もっと求めるように。
消えぬ苦しみからの、助けを乞うように。

神樹椎苗 >  
 助けを乞うような視線に、手を差し伸べる事は出来ない。
 椎苗に出来るのは、ただ、寄り添うだけ。
 寄り添って、受け入れるだけ。

 そっと顔を寄せて、青年に唇を落とす。
 それがとても深い愛情表現だと知ったから。
 安心させるように。
 

レオ >  
「っ…、……」

唇が重なり、気持ちが抑えられなくなる。
貪るように彼女の事を求め、舌を絡めてゆく。
許されないと分かっていても、それを止める事は出来なくて。

欠けた穴を埋めるかのように、彼女に触れる。

「…っ……んぁ…っ……しいな、さん……」

息を荒くしながら口を離し、彼女を見つめる。
彼女の体に、震える手で触れる。
首筋に、唇をつける。

揺らいだ心は、歯止めは利かず………
彼女の衣服に手をかける。

神樹椎苗 >  
「ん、ふ――ぁ――はぁっ」

 息継ぎすら忘れたような深いキスの連続に、苦しくなって、涙が浮かぶ。
 ようやく唇が離れると、藻掻くように荒い呼吸を繰り返す。
 涙で潤んだ瞳で、青年を見つめた。

 手が身体に触れ、唇が首筋に触れ、くすぐったさに身じろぐ。
 未成熟な身体、未発達な性感で青年を満たせるのかはわからないが。

「――いい、ですよ」

 青年の頬に手を添えながら、自分に救いを求める青年を受け入れる。
 いつ、どこでこうされても良いように、準備はできていた。
 身体を重ねる事で、青年が僅かでも癒されるなら、構わない。

 薄く微笑んで、椎苗は青年のあらゆる行為を受け入れるだろう。
 それがどれだけ衝動的なモノであっても。
 

レオ >  
「…痛かったら、言ってください…ね」

止めれるかわからないから。
一線を超えるにしては、余りにも相手の少女は幼くて、傷だらけで。
気もちよくさせれるかも分からない。
でも、感情は、止まらない。
理性が決壊し、これからする行為がどういう事なのか、曖昧になる。

彼女に、安らぎを求める。
彼女とつよく、結びつきたい。
誰にも知らない彼女だけの秘密を、知りたい。

倫理、道徳。
そんなものをかなぐり捨てて、ただ服を脱がしてく。

「…できるだけ、椎苗さんが気持ちよくなれるように…がんばりますので」

脱いだ衣類の先にある、傷だらけの体をやさしくなぞった。

「…止め、られ…ないと、思います、から…

 だから、その…‥苦しかったら…言ってくださいね」

レオ > ~その夜の出来事は、また次の機会に~
ご案内:「堅磐寮 レオの部屋」からレオさんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 レオの部屋」から神樹椎苗さんが去りました。