2021/11/10 のログ
ご案内:「堅磐寮 黛薫の部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 黛薫の部屋」にフィールさんが現れました。
黛 薫 >  
大量の買い物を終えて帰宅した堅磐寮の一室。
とはいえ殆どが配送だから部屋はまだスカスカ。
追加料金を払って特急で届けてもらったベッドが
少し場違いに見えるくらいだ。

「おー……なるほど、コレは確かになかなか」

煙草の匂いが移るのを気にしてベッドの質感を
試せなかった部屋主、黛薫。お風呂の準備だけ
してからベッドのマットレスを手で押している。

「とりゃえずシーツと掛け布団をセットして……
 コレで寝れるように整った、かな?」

一緒に帰ってきた同居人をベッド上から手招き。

フィール > 「おー…改めて見るとでかいですねぇ」
ぼふん、と招かれるままに思い切りダイブ。ぎしっ、とスプリングが鳴り心地よい反発が帰ってくる。

「いやー、落第街で用意してたのとは段違いですね、これ。気持ちいい…」

黛 薫 >  
「強ぃて欠点を挙げるなら、コレ起きられるか
 不安になるよな……。こーやって寝転んでる
 だけでも満足しちまいそーな感じ」

貴女のようにベッドにダイブはしなかったが、
やんわりと身を横たえて寝心地を堪能している。

ひとしきりマットレスの感触を楽しんでから、
遠慮がちに貴女に身を寄せる。成果は大きく
楽しくもあった買い物だが、やはり人の多い
商店街での『視線』はキツかったのだろう。

「……ちょっとの間だけ、落ち着かせてくれな。
 少し休んだら、元気になると思ぅから」

フィール > 「わかります。心地よすぎて、このまま寝てしまいそうです…」
同意しながら。風呂が待っているので寝るわけにはいかない。

「ん……」
身を寄せられて、どうしても薫を意識してしまう。

恋を知って、好きを知って、愛を知って。

知ってしまえば、意識してしまう。

どく、どく、どく、と。鼓動が煩く感じてしまう。

振り向けば、そこに薫の顔があって。

感情が爆発してしまいそうで。

耐えられなくなって、真っ赤になりながら顔を逸してしまった。

黛 薫 >  
(……?)

彼女の心境の変化、視線に籠る感情の変化には
気付いている。以前から少しずつ変わってはいた。
しかし、ここ数日で特に大きな転機が立て続けに
起きている。

1度目はこの部屋で、2度目は映画館で。
強い熱を帯びた視線。度々街中ですれ違うことは
あれど、明確に自分に向けられたことはない視線。

(……何の、気持ち?)

心地良くて熱くて、しかしどこか落ち着かない
気持ちになる。好意的な感情ではあるのだろう。
それさえ分かれば十分ではないか、と思う反面
偶にふわふわした興味が顔を出すのも事実。

今はその視線が向けられていない。
目を逸らしている、それとも顔を隠している?

(……まあ、どっちでも……イィ、か)

無遠慮に撫でては離れていく無数の視覚。
ごちゃごちゃと無節操な感情に頭が割れそうで、
かといって部屋で1人きりになれば自罰感情が
暴れ始めて泣きそうになる。

今は、そのどちらも感じなくて良い。

ぎゅう、と腕の中にいる貴女を抱きしめる。
いつもより少し温かく感じたのは視線に籠った
熱の所為だろうか、それとも……。

フィール > 「…ぁ……」
抱きしめられ、逃げ場がなくなる。
どき、どき、と。鼓動がうるさい。
爆発してしまうんじゃないかという思いを抱きながら、薫の身体を感じる。

今まで何人もの欲を受けてきたであろう、そのやせ細った身体。
恐る恐る、抱き返して、更に触れて確かめようとする。

頼りない身体。それでも、しっかりと生きている身体。
それを、自分だけのものにしたくて。自分で染めてしまいたくて。

劣情の混じった眼差しが、薫の顔を捉える。

黛 薫 >  
「ん、ぅ」

馴染みのない視線の中に混じる、良く知った感触。
心地良い熱とは違う染み込むような感触は自分の
内側に残留して疼きを煽ってくる。

「っあ、ごめんっ……」

慌てて身を起こす。咄嗟に思いついた原因は
自分の体質。己を贄とし、怪異を誘惑する薫り。
当てられれば強い欲求を覚える……形を問わず。

「フィール、大丈夫?くっつき過ぎたかも。
 キツかったら、言ってくれて構わなぃから」

彼女は自分を失うのが怖いと言っていた。

それを思えば衝動の方向性が変わったのは別段
不自然でなく、失う恐怖は多少遠ざかったかも
しれない。それは、喜ぶべきなのだろうけれど。

怪異を狂わせる甘露の薫りが離れていく。
同時に黛薫の温もりも、緊張の中街を歩いて
汗ばんだ女の子の匂いも、肌のすぐ下に骨が
あるような痩せた感触も……離れていく。

フィール > 「ぁ…」
距離が離れて、名残惜しそうな視線を向ける。
そして、思い返す。薫は視線の感情を読み取る。

「っ、こ、こっちこそごめん!」
意識を変えようと、頭を振る。
でも、甘露の香りが離れても。
薫の顔が、頼りない身体が、薫自身の匂いが、頭から離れなくて。
それらを、自分で染めてしまいたいという欲求も消えなくて。

「大丈夫。大丈夫、なんだけど…あぅー…」

せめて、目線を向けないよう、布団の中に潜り込む。

黛 薫 >  
「大丈夫、あーし気にしてねーから」

全く気にしていないかと言われれば自信を持って
断言は出来ないが、どっちの意味で食われた方が
マシかと問われれば、当然命がある方が良い。

そういう意味ではフィールの心境の変化は寧ろ
プラスに働いている……と、思うのだが。

(フィール、そもそもそんな感情備わって……?)

半分ヒトで、かつ別の身体に変身出来ないくらい
ヒトの遺伝子が強く発現している現状、フィールが
今後もヒトらしい性質を発露させていくのではと
推察したのはついさっき、買い物中のこと。

(確かにフィールの変化は大きかったけぉ、でも
こんな急激に変わるのかな。性交渉についても
魔力補給としか捉えてなかったし。元々素養が
あって、キッカケと共に表出したとか……)

と、考えていたところで機械音声の通知があった。
お風呂が沸いた合図で思考が途切れる。

「フィール、お風呂沸いたけどどうする?
 先入る?それともあーしが先の方がイィ?」

或いは2人一緒に、という選択もあるのだが
黛薫はそれに思い至らなかったようだ。

フィール > 「えと、じゃあ先に入っても良い?ちょっと、落ち着きたい…」
布団の中から声がする。
一緒に入ろうものなら間違いなく理性が敗北するし、後に入ろうものなら薫の匂いで卒倒しかねない。

こんな事今まで初めてなのだ。
前は巣にいけば女性の裸なんて何時でも見れた。何時でも感じられた。

なのに、この差は一体何なのだろうか。未だに心臓が爆発しそうだ。

「よい、しょっと」
布団にくるまったまま、立ち上がる。止めなければそのまま風呂場まで行きそうだ。

黛 薫 >  
「おっけ、いってらっs いや何で???」

流石にツッコんだしお布団はひっぺがした。

「布団はバスタオルじゃねーんだから脱衣所に
 持っていかなくてもいーんですってば。
 あ、そか。バスタオル渡しとかなきゃなのか。
 ちょっと待っててな」

脱衣所の棚からバスタオルを出して置いておく。

「寒ぃのか眠ぃのか知らねーけぉ、浴槽の中で
 寝落ちるのだけは危ねーから気ぃつけろよな。
 あ、いぁ。スライムって呼吸必要なのか?」

フィール > 「ぁぅ」
布団の中からは顔を真っ赤にしたままのフィールが出てくる。視線にはまだ劣情が混じっている。

「あ、そっか拭くものいるのか。えーと、意識したことはないけど…多分皮膚呼吸してるし、なんなら今肺呼吸してるかな」
息を荒くしてた時もあったし、多分そう、きっと。
興奮してて上手く考えがまとまらない。

とにかくさっさと風呂に入って落ち着こうと思い、擬態を解いて風呂に入る。


「えーと…シャンプーに、リンス…ボディソープ…ボディソープが身体を洗うようなのかな?」

初めての風呂なのでおっかなびっくりになりながら風呂を楽しむ。

出てくる頃には初めての風呂体験で劣情は吹き飛んでいるだろう。

黛 薫 >  
「おかえり……って、なんかすごいご機嫌だな。
 もしかしてフィール風呂入ったコトなかった?」

だったら昨日一昨日とお風呂沸かさなかったコト
詫びなくても良かったじゃん、などと呟きつつ。
入れ替わりで黛薫が入浴する。

会話がなくなり、部屋は一時静寂に包まれた。
強いて聞こえる音を挙げるなら浴室から入浴の
音が多少聞こえるくらいだろうか。

服を脱ぐ衣擦れの音辺りは余程耳が良くなければ
聞こえないだろうけれど、風呂場の戸を開ける音、
シャワーの音、浴槽のお湯が立てる水音くらいは
よく聞こえるはずだ。

フィール > 「そうですね、よく考えたら入ったことなかったです」
ホクホク顔で出て来て。服を忘れたので服を擬態させて出てくる。
薫の教えを守って、肌は晒さないように、と。

そうして薫が入浴する間、買った下着と格闘していた。
特にブラが難しく…風呂場から聞こえる音にやっぱり悶々としながら、なんとか着用できた。
あとはキャミソールを着て…寝る時ってこんな感じでいいのだろうか、と疑問に思いながら、出てくるのを待つだろう。

黛 薫 >  
「おまたせ」

風呂場から出てきた黛薫の姿は普段と比べれば
多少印象が変わる。落第街では何があっても
平気なように寝るときも動きやすい普段着だが、
今はサイズ大きめのぶかぶかなスウェットを
ワンピース代わりに着用している。落第街では
ついぞ袖を通す機会のなかった寝巻き。

左耳のピアスは外しているし、湿気のお陰か
ボブカットの髪はすとんと落ちてストレートに。
巻き直した包帯は清潔で、血の染みた赤より
白さが目立っている。

「どーする?もぅ寝る?他にするコトある?」

フィール > 「…なんだか、すごく印象が違って見えるね。すごく…可愛く見える」

やせ細った弱った子の印象から、清潔な女の子の印象に。
そういえば、薫は落第街では風呂はあまり入ってなかったのだろうか。
そう考えると…こういう薫を見るのは、かなり稀なのではなかろうか。

思わず顔がにやけてしまう。

「んー……やらないといけない、ってことは、無いけど…」
風呂に入っている間の音を聞いて、妄想をしていたせいで、ぶかぶかで体型のわかりにくい服装でも、その奥にある体型を意識してしまう。
スウェットの裾から見える太ももが、どうしようもなく情欲を誘う。

「……ぅー」
自分の感情の中で劣情が大きくなっていくのを感じて、布団に潜り込む。
薫には、この劣情は、バレている。
どう、思っているのだろうか。

黛 薫 >  
「ま、ボロっボロの姿よか幾分マシに見えんだろ。
 落第街であんまキレィに整えてっと恵まれてる
 ヤツだと思われっから出来ねーけぉな」

フィールが顔を隠す原因は概ね理解した。
だからと言って対処が出来るかと言われれば
それはまた別の問題である。

自分が同じ立場だったらどうだろう。

少なくとも自分は落第街に流れ着くまで劣情という
感情を知らなかったし、まして処理の方法なんて
検討もつかなかった。視線の熱が粘り着いて消えず、
重く疼く下腹を抱えながら悶々と眠れずにいた。

──そして、それがバレて犯された。

解消の方法を教えたら変わるのだろうか。
しかし望まずして肌を重ねる恐怖、嫌悪はよく
知っている。だから申し出るなんて選択肢は
黛薫の中にはなかった。嫌われたくないから。

「……フィールは色々気にしてんのかもだけぉ。
 ヒトの抱く感情ってキレィなモノばっかじゃ
 ねーのよな。そのくらぃでキラィになんか
 ならねーって口で言ぅのは簡単だろーけぉ、
 それを受け入れられるかは別問題だし」

布団の中で丸くなる貴女の傍、ベッドの端に座る。
軽くマットレスが沈み込む感触。すぐ側にいる気配。

「……抱えてんのがキツかったら、まあ、うん。
 どーにかする……方法?は、あるってだけ」

直視するのも恥ずかしかったが、解消の方法が
書かれたサイトのURLに貴女のスマホに送る。
察しが良いのか悪いのか、肝心なところだけ……
劣情の対象がはっきり定まっていることだけに
気付かないまま。

「今日はよく動ぃたし、映画を見て情緒が一気に
 成長したのもあるからさ。キモチが……敏感?に
 なったのかもな。それだけでキラィにはなんない。
 そこは安心してイィよ」

するりと貴女の隣に身を横たえた。

フィール > 「…………」
劣情なんて知らなかった。
欲情なんて知らなかった。
でも、フィールはそれを解消する方法を知っている…否、知りすぎている。

人間の女性をどうすれば気持ちよくなれるかなんて、よく知っている。
巣の中で幾度も試したのだから。

でも、この劣情は、きっと。
自分を慰めても、収まらない。

自分の側に、薫が居る。

薫の匂いと、甘い香りが、鼻腔をくすぐる。

そして、思いつく。

自分から離れられないなら、離れてもらえばいい。

自分の想いを告げて、断られればいい。

そうすれば…薫は、傷つかなくて、済むから。

「………薫が、欲しい…。」

欲情の眼差しを向け、聞こえるか、聞こえないかの声で、告げる。

黛 薫 >  
ぱちり、と目を瞬かせる。戸惑いに満ちた情欲は
煮詰められるようにその濃さを増してフィールの
内面を塗り潰していく。

そして、その端に滲む恐怖。嫌われたくない?
間違ってはいない気がするけれど、それだけに
しては重くて、悲しみが混ざり過ぎていて。

そして、呟かれた言葉を聞いた。

「……なんだよ、それ」

返ってきた囁きに、嫌悪の色はなかった。

「んな泣きそうな声で何言ってんだよ、ホント。
 本を正せば、あーしはフィールに喰われて
 死ぬ予定だったんだ。いつから手放した気に
 なってたんだか、はぁ」

呆れが半分、もう半分は貴女の身を案じるような。

「……あーしにだって、一応しがらみはあるよ。
 あーしの全部余さずあげるなんて無責任なコト
 言ぇねーよ。魔術に捧げてる部分もあるし、
 フィールの知らなぃ何かに心奪われてる部分も
 あると思ぅ。全部捧げるって、やりたくても
 出来るモンじゃねーのよな」

「でも」

「願ぃと命は、もぅ預けてるつもりだったよ」

布団の中に手を入れて貴女を抱きしめ……否。
貴女の腕の中に収まった。甘い薫りがする。

フィール > 「…でも…。私、このままじゃ、薫のこと、滅茶苦茶にしてしまいそうで……」
なけなしの理性にすがりつきながら、泣きそうな声で。

侵し難くて、離し難くて。

腕の中に収まった薫を抱きしめて。

薫の匂いがする。甘い香りもする。

もう、自分は逃げられない。逃げたくもない。

だったら、もう、全部、言ってしまおう。

「好き」

そうしたら、きっと。

「私は薫のことが好き」

この胸のときめきも、劣情も、恐怖も。

「薫に、恋してる」

胸の内に、しまっておけると思うから。

「薫の、全部が。欲しいの」

黛 薫 >  
その告白は、まるで異世界の言葉を聞いたかのよう。
言葉の意味は分かるのに、心がそれを理解出来ない。

ただ、フィールの視線に込められた熱を帯びた
感情の正体は……知らされてしまった、と思う。

「……難しぃコト言ぅよなぁ」

まさか、全部が欲しいなんて。

行き場のない心はあちこちに置き去りにされて、
かき集めれば『全部』になってくれるかなんて
自分にだって分からないのに。

(……でも)

少なくとも、ひとつだけ。フィールの手の中に
収められない欠片があるのには気付いていた。

「難しぃよ、あーしには。恋も、愛も。
 映画を見てても、フィールほどには共感できて
 なかったと思ぅ。難しぃコトだらけだったよ。

 フィールは、主人公に自分を重ねたって言った。
 幸せに出来なぃからって、主人公は離れてった。
 ヒロインがそれを追いかけたから幸せになれた。

 あーしが止めなきゃ、フィールはどうなんのさ。
 映画の主人公みたぃに離れて行っちまうのかよ。
 ヤだよそんなの。でも軽々しく全部あげるとか、
 そんな無責任でズルぃコトも言えねーよ」

「あーしは、どうしたらイィんだよ。
 フィールはあーしにどうしてほしぃんだよ」

甘い薫りがする。甘い薫りがする。甘い薫りがする。

フィール > 「…好き。でも。私の感情は、薫を傷つけてしまいそうで。」

心の内を、吐露する。

「でも、私は薫の事を傷つけたくなくて。でも、離れがたくて。
だから……突き放してもらおう、って。そう、思ったの。

そうしたら、薫は傷つかなくて済むから。」

言葉にして、自分は卑怯だと、思った。

傷つけたくないからじゃない。傷つきたくないからだ。

「…違う。私、自分から薫と離れて、傷つきたくないんだ」

でも、それでも。

「出来るなら…突き放して、欲しい。そうしたら、諦めが、つくから。

そうしたら、今ある感情も…胸の内に、仕舞っておけると、おもうから。」

黛 薫 >  
「……そっか」

貴女の告白を、内心を、傷付くことへの恐怖を。
静かに聞いて、飲み込んで、黛薫は目を閉じた。

「だったら、ごめん。あーしは悪ぃ子なんだよ」

貴女の手の内に収まっていた姿勢から手を伸ばす。
今度こそ貴女の身体を抱きしめて、薄い胸の中に
その小さな体躯を収めてしまおう。

「フィールがいなくなったら、あーしは悲しぃ。
 それって、傷付けるのと何が違うんだろな」

「酷ぃコト言ってる自覚、あるよ。出来るなら
 フィールの希望通り、あーしの全部あげれば
 良かったのかも。でもそれすら出来なぃから、
 あーしに出来るコトなんて限られてんだ」

「あーしだって、傷つきたくなぃ臆病者なんだ」

酷いことを言っているのは分かっている。
そして、これからする行為もきっとそうだ。

「だから……ごめん」

貴女の首に、唇を落とす。キスは場所によって
様々な意味を持つが、首へのキスは──。

逃がさないように手に背中を回し、足を絡める。
貴女の豊満な胸が薄い胸に押し潰されている。
強い劣情の視線に当てられた黛薫の身体からは
過去に無いほど濃い女の子の匂いがしていた。
甘露の薫りと混ざり合って、くらくらするほどに。

フィール > 「……ぁ…」
抱きしめられ、薫の存在が近くなる。
匂いと、香りと、暖かさと。

理性が、崩れていく音がする。

そうして、首にキスされて。

胸を押しつぶされて。

濃厚な、薫の匂いがして。

「薫………っ!」

思い切り、薫を抱きしめ。

理性を繋いでいた、か細い糸が、切れた。

ご案内:「堅磐寮 黛薫の部屋」から黛 薫さんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 黛薫の部屋」からフィールさんが去りました。