2022/04/02 のログ
■メロウ > 「いったけどぉ......」
あぁ、ちょっと危ないな。言った事を素直に実行されてるだけなのに
逃れたままでいる目線と、暖かい熱を抱く胸の奥を感じる。回ってる
香りを作って、もっと『あなたの為』に張り切ろうとしてしまう体を、落ち着けるための呼吸
湿り気は重く、ふわりと漂ってしまった事を。首を振って誤魔化した
「冷めちゃうよ!!」
一本ずつ、なんてもどかしい事はしてられない!
不意で未知の感情の行き先は、残された焼きそばとスープへと
もっもっ。その残りをかき込むように。今の彼女は力強そうに見えるかも
■黛 薫 >
「んふひひひ、そーだな。冷める前に食べよ」
重く漂う湿った香り。何を元に、何を思い浮かべて
作られ、留め置けなくなったのか。調香師でもない
黛薫には分からない。それでも『人のため』こそが
メロウを調香師足らしめることは知っていたから、
その香りが『人のため』であることだけは疑いなく。
だから、どう変わったまでは分からないけれど、
メロウは学び、変わりつつあるのかもしれない。
そんな予感を抱いてみたりもした。
未だ不自由な身体の黛薫、食事の進みは遅々として。
かきこむように食事を終えたメロウより随分時間を
かけて、ようやく手を合わせるのだった。
「ごちそうさま、でした」
悪戯っぽい笑み。『ごちそうさま』の挨拶さえ
含みが感じられるのは気のせいだろうか。
「この時間まで帰ってこなぃっつーコトは、
フィールは泊まりかなぁ。学生証の発行が
4月の入学式に間に合ったらイィよなって
話してたから、風紀とお話してんのかな?」
「とりゃえず、食器洗ぃも手伝ってもらぇる?
それが終わったらメロウの『体験』も一段落か。
普段のリズムだと、食後から自由時間だからさ」
食べてすぐ寝ると牛になる、という諺もあるし。
■メロウ > 「ごちそうさまでした」
安易に先走り過ぎた物も抑えて、抑えたつもりで
反動のように、彼女の挨拶は非常に大人しいものだった
お手伝いに対しても、簡単な頷き。行動ばかりが迅速
調香時に使う道具は当然、洗って然るべきなので
掃除の時と同じく、てきぱきと。何も考えずに進められる
(フィール様は入学。入学、かぁ)
見学時には考えてなかったか、敢えてスルーしていた事だけれども
一方の彼女は、その先を既に見据えていたのか。私も、私も?
「...むむむ」
お店の方も大事にしたい。お皿を拭いている最中、唸り声が遺される
■黛 薫 >
「どーした?何か悩み事でも出来た?」
あるかどうかではなく、今出来たのかと問う。
全てを見透かしているわけでは無いにしても、
貴女をよく見ているからこその観点。
「にしても、メロウって出来るコト得意なコトは
とことん強ぃな……油付いたお皿とかあーしが
洗ってもぜってーキレイになんねーのに」
油の滑りひとつすら残さず綺麗に洗われたお皿を
指先で擦りながら呟く。オイルは調香の作業でも
きっと馴染み深いのだろう。
香りという物は場合によっては汚れより落ちにくい。
そして僅かな残り香さえ繊細な調香では雑味になる。
常にそれと相対する彼女からすれば、お皿に残った
油汚れなどさして厄介でもないのかもしれない。
■メロウ > 「.........ううん」
慣れた作業、片手間作業、思考を挟んで上の空
当然、言葉の通りに受け取る人もいないだろう
ましては貴女の事ならば。分かっていても、秘かなまま
片付けの位置だけは貴女に従って。そうして今日の『体験』は完遂した
彼女の思考が纏まらないまま、うつらと傾けた首
お仕事を終えて、普段はスリープに入ってる時間、いつの間にか
■黛 薫 >
「ん。それじゃ、気が向いたら話してよ」
言葉通りには受け取らず、さりとて濁したいと
思ったのであれば無理に聞き出すこともせず。
続けて口を開きかけるも、舟を漕ぐメロウを見て
やめた。人間の睡眠と近しくも異なるスリープ。
どうあれ、休息を必要としているのは確かだ。
「おやすみ、メロウ」
部屋も分からないのに訪ねてくれて、お手伝いも
色々任せてしまった。メロウのお陰で使わずに
済んだ魔力、今日の分は貴女をベッドへ運ぶ為に。
きっと、この部屋の何処よりも強く香る場所。
黛薫の匂いも、同じ部屋で暮らす怪異の匂いも。
黛薫はまだ眠らない。同居人が帰って来たら
出迎えて温かい食事を用意してあげたいから。
それでも、今日は特別退屈から縁遠い夜だ。
眺めるだけで時間を潰せる寝顔があるのだから。
ご案内:「堅磐寮 部屋」からメロウさんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」から黛 薫さんが去りました。