2022/04/02 のログ
メロウ > 「いったけどぉ......」

あぁ、ちょっと危ないな。言った事を素直に実行されてるだけなのに
逃れたままでいる目線と、暖かい熱を抱く胸の奥を感じる。回ってる

香りを作って、もっと『あなたの為』に張り切ろうとしてしまう体を、落ち着けるための呼吸
湿り気は重く、ふわりと漂ってしまった事を。首を振って誤魔化した

「冷めちゃうよ!!」

一本ずつ、なんてもどかしい事はしてられない!
不意で未知の感情の行き先は、残された焼きそばとスープへと
もっもっ。その残りをかき込むように。今の彼女は力強そうに見えるかも

黛 薫 >  
「んふひひひ、そーだな。冷める前に食べよ」

重く漂う湿った香り。何を元に、何を思い浮かべて
作られ、留め置けなくなったのか。調香師でもない
黛薫には分からない。それでも『人のため』こそが
メロウを調香師足らしめることは知っていたから、
その香りが『人のため』であることだけは疑いなく。

だから、どう変わったまでは分からないけれど、
メロウは学び、変わりつつあるのかもしれない。
そんな予感を抱いてみたりもした。

未だ不自由な身体の黛薫、食事の進みは遅々として。
かきこむように食事を終えたメロウより随分時間を
かけて、ようやく手を合わせるのだった。

「ごちそうさま、でした」

悪戯っぽい笑み。『ごちそうさま』の挨拶さえ
含みが感じられるのは気のせいだろうか。

「この時間まで帰ってこなぃっつーコトは、
 フィールは泊まりかなぁ。学生証の発行が
 4月の入学式に間に合ったらイィよなって
 話してたから、風紀とお話してんのかな?」

「とりゃえず、食器洗ぃも手伝ってもらぇる?
 それが終わったらメロウの『体験』も一段落か。
 普段のリズムだと、食後から自由時間だからさ」

食べてすぐ寝ると牛になる、という諺もあるし。

メロウ > 「ごちそうさまでした」

安易に先走り過ぎた物も抑えて、抑えたつもりで
反動のように、彼女の挨拶は非常に大人しいものだった
お手伝いに対しても、簡単な頷き。行動ばかりが迅速

調香時に使う道具は当然、洗って然るべきなので
掃除の時と同じく、てきぱきと。何も考えずに進められる

(フィール様は入学。入学、かぁ)

見学時には考えてなかったか、敢えてスルーしていた事だけれども
一方の彼女は、その先を既に見据えていたのか。私も、私も?

「...むむむ」

お店の方も大事にしたい。お皿を拭いている最中、唸り声が遺される

黛 薫 >  
「どーした?何か悩み事でも出来た?」

あるかどうかではなく、今出来たのかと問う。
全てを見透かしているわけでは無いにしても、
貴女をよく見ているからこその観点。

「にしても、メロウって出来るコト得意なコトは
 とことん強ぃな……油付いたお皿とかあーしが
 洗ってもぜってーキレイになんねーのに」

油の滑りひとつすら残さず綺麗に洗われたお皿を
指先で擦りながら呟く。オイルは調香の作業でも
きっと馴染み深いのだろう。

香りという物は場合によっては汚れより落ちにくい。
そして僅かな残り香さえ繊細な調香では雑味になる。
常にそれと相対する彼女からすれば、お皿に残った
油汚れなどさして厄介でもないのかもしれない。

メロウ > 「.........ううん」

慣れた作業、片手間作業、思考を挟んで上の空

当然、言葉の通りに受け取る人もいないだろう
ましては貴女の事ならば。分かっていても、秘かなまま

片付けの位置だけは貴女に従って。そうして今日の『体験』は完遂した


彼女の思考が纏まらないまま、うつらと傾けた首
お仕事を終えて、普段はスリープに入ってる時間、いつの間にか

黛 薫 >  
「ん。それじゃ、気が向いたら話してよ」

言葉通りには受け取らず、さりとて濁したいと
思ったのであれば無理に聞き出すこともせず。

続けて口を開きかけるも、舟を漕ぐメロウを見て
やめた。人間の睡眠と近しくも異なるスリープ。
どうあれ、休息を必要としているのは確かだ。

「おやすみ、メロウ」

部屋も分からないのに訪ねてくれて、お手伝いも
色々任せてしまった。メロウのお陰で使わずに
済んだ魔力、今日の分は貴女をベッドへ運ぶ為に。

きっと、この部屋の何処よりも強く香る場所。
黛薫の匂いも、同じ部屋で暮らす怪異の匂いも。

黛薫はまだ眠らない。同居人が帰って来たら
出迎えて温かい食事を用意してあげたいから。
それでも、今日は特別退屈から縁遠い夜だ。
眺めるだけで時間を潰せる寝顔があるのだから。

ご案内:「堅磐寮 部屋」からメロウさんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」から黛 薫さんが去りました。