2022/08/25 のログ
ご案内:「堅磐寮 ロビー」に鞘師華奈さんが現れました。
■鞘師華奈 > 「―――…ん…。」
意識がゆっくりと浮上する…倦怠感にも似た感覚は馴染みが有り過ぎるものだ。
唐突に、ハッ!?と、目を見開くように紅蓮の双眸を開いて周囲を見渡す。
(…幸か不幸か誰にも見られていない…と。全く、無防備が過ぎたね。)
寝顔を他人に見られるのは嫌だ。何せ生気が無くまるで”死人のようだから”。
実際、何度か死体と間違われそうになった事がある。ちゃんと呼吸はしているにも関わらず、だ。
緩く頭を振って纏わり付く眠気を無理矢理に振り払うようにしながら、軽く両腕を突き上げるように伸びをして。
「んん~~…最近、本当に唐突な眠気が頻発してるな…そろそろ本格的に対処しないと支障が――もう出てるか…。」
ロビーから外を窓越しに眺めれば、もう夜だ…時間の感覚が少々おかしくなってきている。
溜息を小さく零しながら、誰も居ないし寮監も姿が見えないのを良い事に懐から煙草の箱とジッポライターを取り出して。
「……もうちょっと”下調べ”はしておきたかったけど、思い切って黄泉の穴に乗り込んでみるかなぁ…。」
――自分が一度【死んだ】場所。まだあそこに自分の亡骸が残っているのでは、なんて錯覚をしてしまいそう。
■鞘師華奈 > 慣れた手付きで、煙草に火を点けてからゆっくりと紫煙を燻らせる。
魔術や薬物も幾つか”試した”が、どうもこの突発的な眠りはそれらが効果が無いらしい。
「……私の【怠惰】の異能か、あるいは”黄泉帰り”の副作用が今になって出てきたか…なんて。」
一房だけ赤い前髪の一部を指先で軽く弄りつつ、幾つか推測を並べて見るがどれもしっくり来ない。
学業や仕事に致命的な支障が出ていないだけマシだが、それも何時まで保つやら、だ。
「……本当に、3年間自分を蔑ろにしてきたツケがじわじわ回ってきた感じがする。」
―――の皆の亡骸も結局弔いすらしてやれなかった…落第街ではさして珍しくもない、取るに足らない日常ではあるけれど。
煙草を蒸かしながら考えに耽る癖は前々からのもので、周りを見ているようで見ていない。
(…結局、記憶が飛んでいるとはいえ私は一度死んだ時点で、以前の【鞘師華奈】とは別人みたいなもの、か)
■鞘師華奈 > 「――そういえば、夏らしい事は全然してなかったな……。」
ふと、そんな事を思い立つ。こんなクソ暑い時は泳ぐのもいいかもしれないが、水着を人前で着るのは抵抗がある。
そもそも、女性的な衣装は全般的に苦手なのだ。これはもう理由云々というより性格だ。
煙草を吸い終えれば、きちんと手持ちの携帯灰皿に吸殻を放り込んで一息。
ゆっくりとまだ倦怠感の残る体を引きずる様にして寝こけていたソファーから立ち上がり。
「…部屋に戻って…課題と…報告書と…あぁ、ティガの相手もしないと…。」
呟きながら、ゆらりとした足取りで自室へと戻っていく女であった。
ご案内:「堅磐寮 ロビー」から鞘師華奈さんが去りました。