2022/10/04 のログ
ご案内:「堅磐寮―鞘師華奈の部屋―」に鞘師華奈さんが現れました。
鞘師華奈 > 今日は魔術談義の日――とはいっても、そこまで堅苦しくなる事も無い訳で。
しかも自室で、なので常に何かしら気を張っている女にしては珍しくリラックス頻り。
飲み物とお茶菓子は既にスタンバイしつつ、ちらりと部屋の時計を一瞥する。

「…そろそろかな――掃除はしたし…とはいっても、まぁそんなに私物無いけどね…。」

女子の部屋、にしては簡素であろう。別にミニマリストという訳ではないが。
ベッド、テーブル、ソファー、クローゼット、デスク、ノートパソコン、小さな本棚。
…主だった家具などを挙げるとそのくらいか。我ながら本当に物が無い。
代わりに、キッチン周りは調味料含めて矢鱈と充実しているのだが…最早料理が趣味みたいなもの。

ご案内:「堅磐寮―鞘師華奈の部屋―」に黛 薫さんが現れました。
黛 薫 >  
約束の日、約束の時間。黛薫は誤差1分以内で
約束の部屋の前に立ち、インターホンを鳴らす。

普段通りの待ち合わせであれば予定時刻より早く
待機するのが癖になっているが、今回は友人宅の
訪問だから少し勝手が違う。

あまり早く来すぎると準備が出来ていなかったり、
プライベートに踏み込むことにもなろう。

服装は普段通り。黒タイツとショートパンツ、
Tシャツに加え、動物モチーフのパーカー。
本日の議題に合致しそうな資料を詰め込んだ
ショルダーバッグと、手土産入りのレジ袋。

準備過剰なくらいだが、友人の部屋にお邪魔する
経験がなかったため、このくらいしておかないと
安心できなかった。小心者。

鞘師華奈 > 「…おっと、来たかな…今出るからーー。」

普段とは若干違う砕けた口調…男口調だからあまり変化は無いかもしれないけれど。
それでも、声が部屋だからか完全にリラックスしていて休日の学生みたいで。
玄関へと移動すれば、ガチャリ、とロックを解除して扉を緩く開いて迎えよう。

「やぁ、いらっしゃい薫――取り敢えず入って入って。」

と、笑みで迎えながら一歩横にズレて彼女が入り易いように。
ショルダーバッグとレジ袋に一瞬おや?と、思うが…バッグの方は魔術談義の資料関係だろう。
…と、なるとレジ袋は…手土産だろうか?何か気を使わせてしまったかな?と、内心で反省。

「…あ、そこら辺にティガ――あー、うちの飼い猫が居ると思うけど気にしないで。」

と、部屋に案内しつつそんな言葉を薫に掛けておく。ちなみにその件のキジトラ猫は…
テーブルの下でスヤスヤしていた。それでも、誰か来たと分かったのか薄く目を開いて。

黛 薫 >  
「ありがと、これ手土産」

予想通り手土産が入っていた袋をまず手渡す。
中身はブリュレ風のクリームチーズタルト。
珈琲派と聞いていたから、それに合うものを
選んできた。

物の少ない部屋は華奈の印象に違わない。
しかしまじまじと眺めるのは不躾にあたるか。
判断が付かなかったので、部屋の確認は軽く
視線を巡らせるだけにしておく。

「……こんばんは?」

お眠の邪魔をしない程度に小声でティガに挨拶し、
頭を下げる。生真面目、不器用、不慣れ、きっと
どれもが当てはまっている。

鞘師華奈 > 「ありがとう…って。別に手ぶらでも良かったのに…じゃあ、後で美味しく頂こうか。珈琲に合いそうだ。」

レジ袋を受け取れば、中身を拝見――ブリュレ風のクリームチーズタルト。
あまり食べた事は無いが、友人からの手土産は素直に嬉しいものである。

部屋は本当に飾り気がなく、必要な物だけを置いている、という感じだ――キッチン周り以外は。
そして、薫の挨拶に猫はジーーっと、彼女を見つめる。
そういえば、彼女の異能は動物の視線も適用されるのだろうか?と、思いつつ。

「…あ、メールでも言った気がするけど、ティガは人見知り全くしないからさ。
まぁ、馴れ馴れしいかもしれないけどそこは大目に見てほしいかも。」

と、真面目に猫に挨拶する友人と飼い猫を交互に眺めて笑う。
取り敢えず、立ちっぱなしも何なので「そこのソファーに座ってくれ。」と、促しつつ。
暫く薫を見つめていたティガはといえば、欠伸を不意にしながらのっそりと起き上がる。
そのまま、テクテクと薫の足元までやってくれば、軽くふんふんと匂いを嗅ぐ仕草。

『にゃ~…。』

そして、その後は彼女の足元にすりすりと頭を擦り付ける。人懐っこい。
彼女の特異性やら何やらが全く影響無いのか、単なるマイペースか…。

黛 薫 >  
「う、うん。そーっぽぃ、な……?」

足を揃え、背筋を伸ばしてソファに座る。
人懐こい猫と対照的な借りてきた猫のような所作。
うっかり蹴らないように細心の注意を払っている。

友人の部屋だから気楽に、と来る前は考えていたが
よく考えてみれば華奈に限らず友人の部屋、或いは
家に訪れた経験など殆どない。

強いて言うなら友人が営むお店には通っているが、
それとはまた勝手が異なる。粗相のないようにと
気遣う無意識の緊張が抜けきらない。

「……どーしよ、こゆときっていきなり本題
 切り出してイィのかな?」

本題、つまり魔術に関する議題について。
会話のデッキどころかカードすら乏しい黛薫が
唯一切り出せるのがこの話題。

鞘師華奈 > (…あぁ、これが『借りてきた猫』みたいな状態なのかな…。)

と、緊張が姿勢や態度だけでなく、空気にも滲み出ている友人に小さく苦笑気味。
とはいえ、緊張なんて直ぐに解れる訳もなし…ふむ、と少し考える。
本題にいきなり入るのは全然構わないのだが、緊張が続くと人間は疲れる。

「ああ、それは全然構わないけど――…あ。」

緊張がっちがちの薫の隣にティガ参上。そして彼女の隣で座り込んでまったり…マイペースである。

(ティガがいい具合に緊張解してくれると助かるんだけど…裏目に出ないかなぁ…。)

ともあれ、自分もソファーに腰を下ろす…前に、「あ、何か飲み物淹れようか?」と尋ねておこう。
魔術談義が始まれば、自然と薫の緊張も薄れてくるかもしれないが…なるべく今の内に解しておきたい。

黛 薫 >  
「あっ待って危なっ、いぁ平気? でも落、あぁ……」

蹴飛ばす心配が無くなって安堵したのも束の間、
今度は隣でマイペースに丸くなるティガ。

ソファに飛び乗る動きに慌てて手を添えたり、
場所を空けようとしたのにすり寄られて動けなく
なったり。完全にペースに巻き込まれている。

「いぁ、あーしは……あー、んー、どーしよ」

一度断ろうとして思い直す。目的を思えば対等、
だがロケーション的には華奈がホストで自分は
ゲストにあたる。過度な気遣いが却って礼節を
損ない得るのはときどき感じている。

「じゃあ、珈琲。華奈、好きって言ってたよな?」

少し考えた末に、相手の好みを知ってみようと。

鞘師華奈 > この場で最強なのはうちの飼い猫ではなかろうか?と、そんな事を目の前の光景を見ながらふと思う。
猫も色々と性格があるが、ティガはマイペースにかなり振り切っているようだ。
そもそも、初対面の薫に警戒も物怖じもせず、ついでに隣に陣取って丸くなっている。

(…うん、薫には申し訳ないけど、案外このままの方が良い気がする。)

「喉が渇いて無いなら無理にとは言わないけど――ん、了解了解。」

少し考えるような間を置いて答える友人に、微笑みながら頷けばキッチンへ。
既にお湯を沸かしたりカップを温めたりと前準備は実はしていたので用意は早い。

「――と、お待たせ。こっちが薫の…無難でアレだけどカフェラテで。私はブラック。」

と、テキパキと無駄なく用意をしてから戻ってくれば、彼女の前にそっとカップを置いて。
ある程度冷ましてあるので、仮に彼女が猫舌でも火傷する様な事は無いだろう。
一方、女の珈琲は普通のブラックだが香りはそれなりに良いものであり。

「薫のカフェラテは『エチオピア豆』使った奴ね。ほんのりベリー系の香りがするからミルクと相性良いんだ。
私のは『ブルーマウンテン』。適度な酸味・甘味・コクがあって、確か日本人好みの味とか言われてたかな。」

と、語りつつ…珈琲のスペシャリストでも何でもないが、好きなのは事実らしい。
ともあれ、向い側のソファーに腰を下ろしてから、珈琲を一口飲んでほぅ、と息を吐く。

「――さて、じゃあ始めようか。…とはいっても、魔術談義なんて初めてだからなぁ。」

これに関しては、友人の方が主導権を握って貰った方がいいような気がする。

黛 薫 >  
「あ、ありがと。え、エチ……地名、産地よな?
 ブルーマウンテンは聞ぃたコトある、ってか
 缶コーヒーに書ぃてあんのたまに見るかも」

華奈がカップに口を付けるのを見て、自分も一口。

甘味と深みに加え酸味のあるエチオピアの珈琲は
ミルクと合わせることで人により好みが分かれる
酸味部分がマイルドになり万人向けになる……と
そんな評価が出来るほど黛薫の舌は肥えていない。

ベリー系の風味という説明による先入観も併せて
確かに甘味と酸味があるのかな、と思うくらい。
豆の個性まで感じ取れるようになるにはやっぱり
場数が必要なのだった。

落ち着いたブラウンの水面をじっと見ていたが、
華奈から開始の合意があると顔を上げた。

「ひとまず、お互ぃが取ってる魔術関連の講義が
 どれか確認するトコからかな? 双方理解してる
 分野から順に展開してくのが無難だと思ぅ」

鞘師華奈 > 「うん、けどあまり気にしないで気楽に飲んでいいと思うよ。
私が気になるといえば、薫の口に合うかどうかって事かな…やっぱり好みとかあるだろうし。
うん、缶コーヒーで定番かもしれないね…こっちはブラックだけど。」

珈琲談義もいいな…と、思い掛けて気を取り直す。今日の話題はそこじゃない。
取り合えず、女としては友人の口に合うならそれで良いのである。

「――そうだね。基礎魔術理論、応用魔術理論、魔術制御学、応用魔術制御学、錬金術――…。」

と、幾つか挙げていく。学園で教える基礎中の基礎から、錬金術など幾つか専門分野が混じる感じで。
「あとは、本から独学で精霊魔術を中級程度まで、かな。相性が良いのは『火』と『闇』と『雷』。」

と、補足情報も付け加えて。僅かに間を置いてから、また口を開く。

「――ただ、私の適性は『補助』系統の術式で、個人的には『汎用性』重視だからね。
適性や方針に合わせて、独学な部分もかなり多いかも。落第街時代に身に付けた技術もあるし。」

と、自分だけ喋り続けるのもアレなのでそこで言葉を切って。

黛 薫 >  
「基礎、応用、まーこの辺はやっぱ皆取ってるか。
 錬金術はあーしまだだな、来季かその後くらぃの
 候補に入ってっけぉ。先に魔法薬学序論と中世
 魔術史、元素属性論の単位取っときたくて」

宙空に表示されたホロスクリーンに黛薫の時間割が
表示される。広く浅く、特に基礎は逃さないように
履修している。

逆に応用や前提としての必修単位がある講義は
控えめ。復学したてでまだそこまで届いていない。

「汎用性の高さ、って言葉にすると簡単だけぉ、
 どーしても特化に劣るってのは宿命なのよな。

 だからあちこちに手ぇ出すより、得意分野を
 展開、発展、或いは拡大解釈する形でが良いと
 思ぅ。他を引っ張り上げる形っつーのかな?
 その上で足りなぃトコを埋めてく、と」 ▼

黛 薫 >  
「あーしを例にすると、基盤にあるのが魔力の
 電子変換を用いた電子、機械技術との融和。
 コレはそのまんま足りない部分の補填でもある。
 単純な魔術適正だけなら高くねーんだ、あーし」 

「んでも、そんだけじゃ実現性に欠けてたんだ。
 それを解決するため、道の幅を広げるために
 手ぇ出したのが属性魔術、水属性」

「その結果がコイツ、と」

ふよ、と浮かび上がる透明な水球。
使い魔『ジェリー』、汎用性の塊である。

「それに倣うなら、やっぱ華奈の中核は『補助』に
 なりそーよな。例えば『強化』が『補助』の中に
 含まれんなら、低出力で用途を分岐させられる
 術式に噛ませるだけで色々潰しが効くよな」

鞘師華奈 > 「――成程、適性の低さを別の要素で補う…って事か。
魔力を電子に変換、機械技術と融合…って事は電子機器を媒体にしたりも可能か。
…そうなると、魔術と科学のある意味で融合みたいなものかもしれないね。」

正直、魔術方面の知識量は薫と自分では圧倒的に差があるだろう。
だから、自分は『実践派』からの観点から思った事を述べるのがまずベスト。

「成程、属性魔術で更に足りない部分を補う…と。で、自身の適性である水の属性魔術。
…『ジェリー』は確かに、自我が無い分、薫の手足の延長で動くから操作性も高い。」

ジェリーの気配を感じたのか、薫の傍らで丸くなっていたティガが顔を上げてジェリーを見る。
ちょっかいを掛ける事は無いし、警戒は相変わらずしていないが興味深そうに見つめている。

「ああ、ただ『補助』系統の中でも厳密に私が得意なのは…これ、ちょっと偏ってるから汎用性から外れるんだけど。」

と、軽く右手を挙げる。その手首をスナップするような動きと同時、忽然と手にナイフ。
そして、もう一度同じように手首をスナップする動きでナイフを掻き消して。

「…今見せたような『収納』。あとは『偽装』と『透過』かな。特に『収納』は普段から使ってる。
あと、これは落第街時代に学んだんだけど、私は基本的に音声詠唱は省いてる。
代わりに、一定の決まったジェスチャーで即時発動するように『動作発動』式にしてる。
これなら、声が出ない状況でも問題無いし、最悪指1本動かせれば発動出来るしね。」

と、自分の魔術の主だった手札を敢えて隠さずに晒す。
これは友人の知識量に敬意を評するのと、女なりに彼女を信頼しての事だ。

黛 薫 >  
「……信頼してくれてんのは嬉しーし、議論する
 以上何もかも秘匿ってワケにゃいかねーけぉ、
 マジで全部明かされっとドキドキすんな……」

魔術に於いて『知』は力そのもの。

手の内を明かすのは自分の獲物を相手の手の上に
載せるようなものだ。勿論悪用する気はさらさら
無いし、そこまでしてもらえるのなら出来る限り
信頼に応えようとも思うのだが……。

「収納に偽装隠蔽、単純に出来るコトの幅を
 広げるだけで良きゃ、この上ねーのにな……」

『汎用性』とは単に出来る範囲が広ければ良いと
いうものではない。手段や道具を複数用意すれば
出来るのが当たり前であり、それをいかに少なく
機能的かつ効率的に収めるかが肝要。

例えば『収納』を用いてありとあらゆる魔導具を
いつでも取り出せるように出来れば多くの状況に
対応出来よう。しかしそれは『汎用性』ではなく
状況に応じて選び取る『多様性』でしかない。

「属性魔術も、たまたまあーしみたく噛み合ぇば
 使ぇっけぉ、単体だと汎用性には程遠ぃし……」

火の属性魔術では物を冷やせない。当たり前に
思えるが、たったそれだけで『出来ない』という
汎用性から遠ざかるファクターとなる。

「元が平たぃあーしと逆を行ってる感じだな、
 尖ってるトコをどーやって利用してくか……」

ご案内:「堅磐寮―鞘師華奈の部屋―」に鞘師華奈さんが現れました。
鞘師華奈 > 「いや、幾つかこれから覚えようとしているのもあるし、そっちはまぁ秘密だけどさ。
隠すのが当然だし、それを悪用される危険性も承知してるよ。
ただ、私程度の魔術師”もどき”みたいなのは魔術が看破されても別の”手”を用意しておくものだからね。」

魔術に限って言えば完全にオープンにしてしまっていても、他に秘匿している手があればそれで十分。
いわば魔術は『見せ札』であり、便利ではあるがそれが女の全てという訳でも無い。
なら、何でこうして魔術談義を友人としようと思ったのかと言えば――…

「まぁ、日常や戦闘で便利ではあるけど、汎用性とは違うよね…って。
私の理想が『汎用性』なのは変わらないけど、実際に習得しているのはそれとは”ズレてる”って感じで。」

そもそも、汎用性とは『一つの用途だけでなく、様々な事に広く利用、応用出来る性質』を言う。
女の魔術は確かに便利でやり方次第では十分に有用なれど。

(言ってみれば、道具や手段があれば”誰でも同じ事が再現出来る”のが汎用性でもあるし。)

その点で言えば、女のそれは尖っているし、補助系に特化している時点で目指す汎用性からは遠ざかる。

「…まぁ、こっちに来てからの3年間は怠惰に過ごしていた事が多かったし…。
その前、落第街時代も魔術の習得が一部盗んだり独学がメインだったからね。」

目指すのが汎用性、なのに真逆の特化型に落ち着いているのが何とも言えない。

「…そういう意味では、私と薫の理想は近しいけど、方向性が本当に”逆”なんだよなぁ。」

珈琲をまた一口飲みながら吐息。薄々自覚してはいたが、こうして話していて改めて思う。

黛 薫 >  
「そーな……日常で便利、戦闘で便利って話で
 済むなら、華奈のそれは十分便利だもんな……」

『収納』が日常に寄与する便利さは言うに及ばず、
戦闘に於いては見せ札であると同時に他の手札を
隠せる『偽装』『透過』がシンプルに強い。

しかし『収納』はともかく戦闘で便利な『偽装』
『透過』が日常で役に立つかと言えば難しい。
であれば『汎用性』に重きを置く場合、収納を
ベースに出来れば理想だろうか。

「んー……華奈の『収納』ってどーゆー感じ?
 収納物は有形無形に依るか、限界はどの程度か、
 収納物は互いに干渉するか、取り出す際に探す
 必要があるのか、とか。出来るだけ詳しく」

鞘師華奈 > 「…むしろ普段から『収納』に関しては使ってるから尚更ね…。」

一番多用している、というか日常使いがそれなのでそれをベースにする、という薫の意見は最もだ。
少し考えるように間を置きつつ、一つ懸念が生まれた。この流れには関係ないが。

(…これ、私と薫にそもそも知識量の差が有り過ぎて、私は兎も角として薫が得るものは殆ど無いんじゃ…。)

それはマズい。魔術談義に付き合って貰っている以上、友人としても魔術使いとしても。
何かしら、薫に有意義なものを得て貰わないといけない。どうしたものか…。

「んーー…基本的に出し入れ可能なのは『物体』限定だね。
魔術や異能、形の無い物は論外。あくまできちんと物体としてそこに存在してる物のみ。
武器とか道具とか、一部携帯していたら便利な日用品とかそういうのがメインかな。
限界としては、収納スペースが5メートル四方の立方体イメージ。
重量限界が1トン前後だね。それ以上の大きさ・重量物は収納がそもそも出来ない。
”立方体”に詰め込んでいる形だから、乱雑に詰め込んでいると干渉してスペースオーバーで弾き出される。
取り出す際は、予め出す物を想像しておけばタイムラグほぼ無しで出せるよ。」

纏めると、出し入れは『物体限定』。
『5メートル四方の立方体』が収納スペースで限界容量。
重量物は最大で『1トン』。
無作為に収納スペースに詰め込むと、干渉して『弾き出される』。
取り出す場合、予め出す物を想定しておけば『タイムラグはほぼゼロ』。

と、こんな所だろう。個人が持つ収納スペースとしては十分といえば十分だ。