2019/04/27 のログ
ご案内:「浜辺」にジャムさんが現れました。
■ジャム > ゴールデンウィークである。
黄金週間である。
異邦人は始めこの期間を耳にした時に恐れおののいた。きっと黄金の災いが起きる時だと。
口から剣が生え、目が8つ、輝く白い衣を纏った、かのお方に黄金を捧げ物として捧げなければ大地はイナゴの群れに食い荒らされ、海は血に変わり、地上に一切の動く影は無くなるのだと。
「……すぴー……すぴー……」
しかしそんな事は全く無く、単なる長いお休みだと知るなり身体の力が抜けてしまった。
休める時に休んでおこうの省エネ動物である半獣人は過ごしやすい浜辺までやってくると、砂浜へ続く石階段の上で丸まって寝息を立てていた。
■ジャム > 丸まって眠る様子はもはや異邦人ではなく、動物園のカピバラだった。
何者も拒む事はない丸い動物に引き寄せられたか、雀が2、3羽飛んできて背中に止まり、毛づくろいを始める。
そこへ野良猫が現れる。テリトリーを邪魔されたと感じたぶち猫は不愉快そうに半獣人を睨んでいたが、ぐるぐるぐるぐると回りを何周もした後にふいっとどこかへ行ってしまった。
「んっふっふー……ぉらあぁぁ……どけどけぇ……ジャム様のお通りだぁ……!」
突然むにむにと楽しげに口元を動かすと寝言を吐き、肉と間違えて近づいてきたカラスがびくっと足を止める。
一体どんなヒャッハーな夢を見ているのか、何かぶんぶんと片腕を振り回している。
そんな感じにしばらく、浜辺で昼寝する異邦人の姿があったことと――
ご案内:「浜辺」からジャムさんが去りました。