2020/07/30 のログ
■水無月 斬鬼丸 > 「アッハイ。それくらいなら、大丈夫っす
多少会話くらいしてたほうが、変に浮かなくていいとも思うんで…
すでに手遅れかもしれねっすけど」
はははーっと乾いた笑い継続。
こちらとしても、話せる相手がいるというのはそれなりに気楽。
つらいーとかきついーとか、そういう些細なことでも共有できる相手というのは大事だ。
まわりがウェイ系だらけであるなかで
陽キャではあるものの比較的マシである…阿須賀の存在はこれからの助けとなるだろう。
「それは助かるっす。
つか、あれは流石に話すのに気合いるんっすね…
たしかにあのノリは気合い入れないと乗り切れなさそうっす…」
自分では気合い入れても無理。
そうこうしているうちに声がかかれば、彼に習ってアザースとここ数日で何度言ったかわからない挨拶をする。
ようやく自由だ。
「そっすね…んじゃ、また明日…っすかね?
シフトはいってるんっすか?」
■阿須賀 冬織 > 「いやまー大丈夫じゃねーの? 多分そこまで気にしている奴はそんないねーだろうし。
ま、オッケーもらえたから適当に行かせてもらうけどな。」
わーい、すこし苦労が減ったぞー なんて喜ぶ。
なお、大抵ああいうやつらはあんまり周りのことを気にしていない。
でも時々なんか言われたら非常に面倒ではあるのだ。
「おう、俺は自分の勝手で話しかけてるわけだし、そっちも都合のいいようにつかってくれたらいいぞ。
……いや流石にあれとおんなじ感性はしてねーよ。てかぶっちゃけそれなら多分水無月にも声かけてねーっつの。
てか、なんなら話しかけてしばらくしたら理由つけて避けてただろ。」
そりゃ流石にあいつらと素ではきつい。
なんていうか同じ分類にされていたような気がしたのでちょっと失礼かもしれないが言い返す。
まあ、ちょっとの間話した印象でしかないから合ってるかはわからないけど。
「おうじゃあまた明日。……んー、流石に毎日じゃねーけど少しだけってのも入れたらそれなりにはいれてるよ。
明日は普通に午前入れてるな。」
シフトについて聞かれたので答える。明日からはもうちょっと楽しめそうだなと上機嫌で帰る準備を進めるだろう。
■水無月 斬鬼丸 > 「だといいんっすけどね。
割と陰キャに対してあたり厳しいんで、ああいう人らって」
特にウェイ系は軽率にコミュ力低い連中をバカにしてくる。
そういう奴らはいいように使ってくるし、色々なすりつけてくる。
これもレッテル貼りでしかないのだろうが…正直そういうところは何度かみてきた。
「あの輪の中にはいってないんで同じじゃねえってのはわかるっす。
ウェイ系っつーか…そういう人たちにも優しい人達はいるのは分かってるんっすけどね…
どうもこう、コミュ力高い人達ってグイグイ来るんで苦手というか…」
わかってほしいとは思わないが、こちらにもそういうのが怖いというところはある。
彼の言葉にうなずくと、椅子をあげて
片付けの準備を始める。
「そっすか。んじゃまた同じっすね。よろしくっす
えーと…阿須賀…さん?クンのほうがいいっすかね…」
呼び方に少し悩みつつも、帰り支度をすすめるのであった。
ご案内:「【イベント】海水浴場 海の家「海神の宮」」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。
ご案内:「【イベント】海水浴場 海の家「海神の宮」」から阿須賀 冬織さんが去りました。
ご案内:「【イベント】海水浴場 岩場」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
■水無月 斬鬼丸 > 今日のバイトは午前まで。
ということでお昼。
せっかくの夏で、そして海だ。
暇であればとフェイを誘ってみたのだが……
浜辺から少し離れた岩場でスマホを何度も確認して
返事を待つ少年の姿があった。
非常に落ち着かない。様子でソワソワしている。
ご案内:「【イベント】海水浴場 岩場」に妃淵さんが現れました。
■妃淵 >
『~♪』
海辺でそわそわしている少年へと着信
発信相手の名前は、少年の待ち望む相手の名前が表示されているだろうか
そして、少年がそれに応答するよりもはやく、その呼出音は切れて
「あっつー… おーい、来てやったけど?」
相変わらずのパーカー姿、足元だけはサンダルに変えて、見慣れた?姿の少女が立っていた
■水無月 斬鬼丸 > 「来っ!」
軽やかな着信音思わず肩が跳ねる。
思わずスマホを取り落しそうになってワタワタ。
それで手間取ったせいか、電話を取る前に音は途切れて
一瞬目に見えて眉を斜めに下げてしまう。
だがその直後かかった声。
その方向に顔を向ければ
ぺかーと、表情的な変化は乏しいがあからさまに嬉しそうで
「あ、っあ!フェイっ!!」
足元以外はいつもどおりのすがた。
まぁ、水着は…期待していなかったわけではないが、来てくれただけでも嬉しい。
少女にブンブンと手を振って。
■妃淵 >
「おー」
やや気の抜けた返事で小さく手をあげて、ブンブンと振られる手へと応える
ややかったるそうな歩き方…はまぁいつもどおり
あたりを見回しながら、近寄って
「海はこの島に来てから初めてだな……あづー……」
ぱたぱた、と手団扇
■水無月 斬鬼丸 > 「あ、あついっすね。……ぇぇっと!
あー。こっちの岩陰だとそれなりにましっつーか
スペースとってあるんで」
暑そうな少女に歩み寄れば…
少しだけ自分の手を見て、意を決したように少女の手を引く。
日を遮る大きな岩陰。
そこにレジャーシートが敷かれており
飲み物がいくつかはいった保冷バッグと荷物が置かれている。
「せっかくの夏だし…海開きもしたし…
ずっとスラムってのもあれなんで…こう…
海でおよぐってのもどうかなー…なんて…」
■妃淵 >
「ん」
簡単な返事…だったのは直後にこう、手を掴まえられたからかもしれない
あれ、こんなにぐいぐい来るやつだったっけ?なんて思ってちょっとだけ目を丸くする
とはいえ手を引かれてついていけば、すでに準備が整えられていて…
ちょうど岩陰にになって、海風も手伝いそこは結構涼しかった
「急にこんなとこに呼び出されたからなにかなと思ったらそーゆーコトか。
ふーん、海開きね」
海自体はいつでも誰でも来れるのだろうけど、浜辺なんかを遠目に見てみると多くの人がいて賑わっている
それに合わせて商売なんかをしている連中も大勢いるのだろう、海の幸の香ばしい匂いすら漂ってきそうだ
「ちょうど、タイクツしてたとこだヨ」
そう言って、笑いかける
■水無月 斬鬼丸 > 驚かせてしまったか。
無理もない。自分でも割と頑張ったと思う。
手も震えてない。
自分から誘った手前、さあどうしましょうじゃカッコがつかないというのもあって
自分から手を引いてみたが…うん、最初から心臓が潰れそうになった。
「バイトの合間っていうか…
ちょうど自分もフェイも空いてる時間だったもんでつい…
えー、何飲みます?ここまで歩いてきたんだったら少し休んでも…」
彼女を促すようにしつつ手を離して
シートに座り込む。
日陰なので薄暗く感じるが、真夏の日差しとの差もあるだろう。
フェイはいつものパーカーだが…大丈夫なのだろうか?
■妃淵 >
「へー、何、海でバイトしてんの?」
ガクセーらしいことしてるじゃん、と素直な感想
なにか飲む?という問いかけに何でもいいヨーと返しつつ
「まーせっかくだしのんびりすっかー」
言いつつ、おもむろにだぼついたパーカーの裾をたくし上げて、そのまま脱ぎ去る
パーカーの下にはきっちり水着を装備していた様子
白のビキニ、布地が妙に小さく、華奢ながらそれなりの実りを持つフェイエンの肢体にフィットしている
結構ギリギリだ、見えそうで見えない
■水無月 斬鬼丸 > 「海の家で。
これから…その、フェイと遊ぶーってときにお金ないのもかっこ悪いんで。
あと、フェイ金持ってるバカが好きって言ってたし…」
バカであることはまぁ、条件として満たしている。
あとは金だけ。
学生のワンシーズンのバイトの稼ぎなんて大したものじゃないかも知れないけど
金のないバカよりはましだろう。
バイト先から割引で譲ってもらったラムネをフェイに差し出して。
「そっすねー。
海でガチ目に泳ぐってのもあまりないし…っっっ!?」
自分もコーラのペットボトルをぷしりと開けて、口をつけようとしたところ
フェイの方をみて動きが固まる。
いや、呼吸が止まりそうになった。
え?あれ、下…?水……?ぇ……?
「フェ、フェイっ!?えーと…ァー……すごい、水着っす、ネ…」
少年は正直だった。
■妃淵 >
「ぷ。金持ってるバカになるためにバイトしてるってコト?」
思わず噴き出す。素直にも程があろうという少年にさすがに我慢できなかったらしい
「でもまー嬉しいヨ。退屈してたからな。
最近はスラムも…あー、まぁいいかこんなハナシ」
炭酸の蓋が空く小気味良い音
なんだかそれだけで涼しくなる気がする
清涼飲料水とはよく言ったものだ
「ん。海に来るなら水着じゃん?仕事用のこんなんしかなかったけど。
──じゅーぶん似合ってると思うし、人に見せて恥ずかしいカラダはしてるつもりないけど」
言いつつシートに腰を下ろす
背を屈めても全く無駄な贅肉が見えず、むしろ靭やかさすら感じさせるボデぇー
■水無月 斬鬼丸 > 「もともと頭はいいほうじゃないんで…
稼いだら自動的にそうなるかなぁって」
バカなのは勉強をしていないだけなのでなんとも仕方のないことなのだが
そこには理由がある。しかし、それは今はどうでもいいことだ。
「…スラム、退屈なんっすか?」
フェイはスラムに住んでいるが
羽振りがいい時は繁華街にいると聞いた。
やはり生活の場とはいえ、スラムを抜け出したい気持ちはあるのだろうか?
フェイが言葉を切ったので、何があったかはきかないが。
「シゴ…いや、ぇあ…は、はい…すげえ似合ってて…
なんつーか…こう…えr…かわいいっす!」
少年は素直だった。
恥ずかしいなんてとんでもない。
痩せて、小さい体なのに一部だけはとても目立つ。
一度みたことのあるそれだが、浜辺で見るそれもまた目に焼き付く。
これで一週間はフェイの水着姿のことで頭が一杯になるだろう。
■妃淵 >
「まーね。毎日必死に生きてるってほどでもなくなったし。
そうなると時間が余るあまる。娯楽なんてなーんもねーしな、あそこ」
暴力、ドラッグ…そんなものが娯楽になるほど、程度の低い場所だ
最近はそういったものから遠ざかっているのもあって、日々そこまでやることがない
「へー、かわいい?そっかそっか。
せっかくの海だし肌焼くのもありかもなー。跡ついちゃうだろうけど」
いいつつぴら、と肩紐をズラして見せる
どう考えても相手の反応を楽しむ行為だ。にんまりした表情もそれを物語っている
■水無月 斬鬼丸 > 「そ、っすか…
じゃ、その…俺がバイトしてる意味もでてくるっつーか…
これからもその…色んなとこ、誘ってもいいっすかね?」
フェイの言葉にどきりとする。
顔を真赤にしたままに、少女をまっすぐ見て
もっと少女とその暇をしている日々を一緒に過ごしたいと言っているのだから…
まぁ、緊張もする。それに…
「そ、そりゃもうすげぇかわいいです!!
日、日焼けもにあって…るっともうっすけどっ!!
……フェ、フェいいっ!」
非常に困った顔で座ったまま。
座ったままである理由は少女も分かっているだろう。その笑顔の様子では。
対象的に真っ赤に染まった顔。
その目はフェイの肌や水着…肩紐のずれた部分に釘付けだ。
■妃淵 >
顔が真っ赤だ
何一つ、隠そうとも隠せてもいない、わかりやすいやつ
こんなやつ、スラムにいたら一発で喰い物にされてる
「いーヨ。どーせヒマだし。
スラムでだらだら過ごしてるヨリよっぽどお前といるほーが楽しいしな」
実際空虚で怠惰な生活だ
必要な金さえあれば、の話だが
二級学生である…という理由以外にあそこに留まる理由など別にない
「ふーン…♪」
あまりにも予想通りの反応を返す少年にやや小悪魔フェイス
すすす…と更に紐をズラしてゆき、いけないものが見え…見え……といったところで、スッと戻した
「ほら、いつまでも固まってねーでジュースくれよジュース」
自分がそうさせたのだが、そんなことは置いといてその斬鬼丸の顎先をつん、と指先でつついた
■水無月 斬鬼丸 > 「あっ!えっと!リョ、寮の方も…
帰省してるやつとか多いんで!!
あの、今なら遊びに来ていただいでもなんの問題もないっつーか…
お、俺もフェイと一緒にいるの…たの、しいんで!!」
フェイの言葉に嬉しそうに笑う。
スラムで過ごすよりも楽しいと
そういってくれるのだ。
今はそれでも十分嬉しい。
でもそのうち…どこに居ても自分と一緒であれば楽しいとか…
言ってもらえたらいいなあなんて。
いや、今はそんな事を夢想しているひまはない。
み…みえ…みえ………
少女の挑発は見事に功をなしている。
視線に敏感な少女であればヒモを追い、小さな布地に突き刺さる視線を感じることができるだろう。
そして、それが分かってるからこそからかうのだろう。
ヒモを戻され突かれるとハッとした様子で
「あっ、はい、うっす!」
真っ赤な顔、ややぎくしゃくとした動きのままに
少女にラムネの瓶を差し出す。
■妃淵 >
「ん?寮?…あー、家に来いって?」
そうか、こいつ寮に住んでるのか。とふむふむ納得
帰省してるやつとか多い、なんてわざわざ言ったってことは、そういうこと
「いいヨ。二人きりでも、なんでも。
…あーでも俺アレだな…むかつくやつがいたら殴っちゃうかもしれないから二人のがいいな」
ははン、となぜか得意げな笑い。なんでだ
「へー、色々あんね?全部斬鬼丸の自腹?なんか悪いじゃん」
ラムネを受け取って早速蓋をあけると唇をつけてゴクゴクと飲む
雫が顎先をつたって首元を流れて、胸元に落ちていく
なんかそういう様子までも、さすが夏だな…と思わせる姿だ
■水無月 斬鬼丸 > 「ぁ………えぇっと…、はい…」
まるで見透かされているようで恥ずかしい。
家で、フェイと、二人。
フェイとの間でそうなるということは、まぁ、そうだ。
自分も照れるし恥ずかしいしいろいろはあるが……
フェイとそういう色々なあれははっきりといってしまえば したい。
もつものであればずっとしていたい。
「だ、大丈夫っす…えっと、ルームメイトとかいないんで…
つか、えっと…」
一旦言葉をとぎる。
「フェ、フェイが…その……良ければ、ずっとでも…って…」
フェイの方に顔を向けると
ラムネの雫が彼女の胸元を濡らしていた。
水着だから事なきを得たが、水着だからこそ危険だ。
顔の赤みが取れない。日焼けしたわけでもあるまいし。
「そ、そのためのバイト…でも、あるんで……大したことじゃねっす」
コーラを一口飲んでクールダウン。
よし、まだ大丈夫。
「その、俺、頑張るんで…フェイが、…スラムから出られるように」
■妃淵 >
ぴた、とラムネ瓶を呷る手が止まって
唇から瓶を離すと、じーっと紅い瞳がそちらを見ていた
「それ、一緒に住もう…ってコト?」
ずっと、スラムから出れるように
そんな、わかりやすい言葉
「あー……まぁ、焚き付けたトコもあったかナ……」
自分は二級学生だからと、それでいいのかと詰めたことがあった
それに対して少年、斬鬼丸が出した結論がそれだったんだろう
「別に、無理しなくたっていーんだけどなあ…俺、別にスラムに不満はねーし。こうやってこっちにも遊び相手出来たしさ」
■水無月 斬鬼丸 > 一緒に住もう。
端的に言えばそうなのかも知れない。
だが、フェイがスラムを出て、二級学生の立場から脱却できるのであれば
済むところが男子と女子の寮でわかれていても別に問題はない。だが…
「え、あぁえっと…い、嫌じゃなければ…はい…」
耳とは言わず、首まで真っ赤だ。
まぁ、自分みたいなガキの言うこと
きっと本気にはしないだろう。
笑うだろう。でも…
「む、無理じゃ!…無理じゃねーっす!!
俺が好きだから!やるんっす!!スラムとか、あぶないし!
その、そういう水着着てやる仕事とかもしなくていいようにっつーか…」
■妃淵 >
ふっ、と
微笑みにも似た笑み
少女が見せる笑い方の中でも珍しいもの、かもしれない
「別にスラムも退屈なだけで居心地悪くはねーよ。
あと、こういうカッコでする仕事だって別に嫌々やってるわけでもないし。
でもまぁ、そーだな……」
ラムネの瓶を手元でくるくると弄びながら、視線はまっすぐに
「斬鬼丸といるほうが断然楽しそうなら、そうしてもいーな」
スラムで生活する以上の刺激
カラダを売って生活する以上の裕福さ
そんなものを確約しろ、なんて一男子学生には随分と重いものだ
そのうち耳から煙でも出てくるんじゃないかという様子の斬鬼丸、熱射病で倒れられでもしたら面倒だな、と
先ほどとは逆にこちらから手をとって、立ち上がり海へと引っ張ってゆく
「おりゃっ!」
そして投げ込んだ すごい膂力
■水無月 斬鬼丸 > 微笑むフェイ。
可愛らしくもあるが少しきつくも見える少女の顔立ちだが
その険しさの一つも見えない柔らかい微笑み。
思わず見惚れてしまった。
見つめたままにこくりとうなずいて
「…え、えっと…俺が!!
俺が…その、なんつーか…えーと、うざいかも知んないっすけど!!
その…いやっつーか…俺のほうが客の奴らより!
その!!フェイのこと、好きだから!なんか!…えーっと!!」
独占欲と言ってはなんともお粗末。
それが彼女を縛りそうで遠慮も混じっているかも知れない。
そのため言葉はまとまらないままで。
「……退屈…かもしんねぇっす。
スラムとかの刺激に比べりゃ…俺の生活ってのは…
いわゆる、ふつーってやつ。
暴力とか危険とか、そういうのはあまりねーけど…
それでも、そのふつーを、俺とフェイで過ごすのはたぶん、きっと…
それよりも…!たのし……うぇ?」
喋ってる途中だ。だというのになんか引っ張られてる。
ちなみにまだ色々とあって中腰状態だ。
砂に轍を刻みながらズリズリと………
「はがっ………………」
そして、投げられた。高く、高く、遠く遠く…25mは飛んだか?
どぼーーーーん!!と水柱がたった。
■妃淵 >
たくさん考えて、言葉を選んでるんだろーな、なんてことは他人の心の機微に疎いフェイエンでもわかる
それぐらいにこの斬鬼丸という少年は裏表がなく、わかりやすいヤツだった
つまりこの少年は、こちらの考えを、意思を阻害したくないのだ
己の『好き』を押し通すにはあまりにも甘い、ぬるい、遠慮した考え
相手の自由を束縛したくない、という思いだ
「斬鬼丸ー」
海の中に放り込んだ彼へと、大声を張り上げる
「この勝負、たぶん最初っから『俺がお前に縛られても良い』って思えたらお前の勝ち、なんだよ」
『好き』という感覚のわからない少女
それを教えろ、と彼に言った
だから彼がそれを少女に教えるということは、少女が変わるということ、変化させるということ
最初から遠慮する必要はないのだと、少女は言った
その直後、海の中の斬鬼丸、その真横へと少女が飛び込み、大きな飛沫をあげる
■水無月 斬鬼丸 > 何が起こったのかは…
空を舞っている最中に思い至った。ぶん投げられたのだ。
ってか、人間ってこんな簡単に空とぶんだなとかおもった。
「だおっ!!」
思いっきり背中を打って着水
苦痛に悶つつ、ゆっくりと浮かび上がり顔を上げる。
いったいなにを…なんで。
それは、遠くから響くフェイの声が教えてくれた。
『お前に縛られても良い』
そう思わせろと。
といっている…そういうことだ。
「フェイ…」
小さく名前を…まるでそれに答えるように
少女が側に飛んできた。だからこそその水しぶきのなか目も閉じず
「フェイっ!!!俺と…俺と一緒に!!俺と一緒の…こっちに!!来て、く…れっ!
おれが、ぜんぶ、おしえるっ! こっちだって、楽しいぞって…!
俺のそばが良いって…!だから!側に来て、くだ・・・さい」
目、超痛い。
というか、超大口叩いてない?大丈夫?
だけど、することは、そういうことだ。
つまらないかも退屈かも…そんなことじゃない。
呼ぶなら、来るなら…今いる場所よりもいい場所だぞと。いうべきだろう。
そして、それは…自分の側だと俺が言わないで誰が言うのか。
「二級生徒より…楽しいことある、から…フェイっ…!!」
■妃淵 >
「どーすっかなー?」
クスクス、水しぶきに髪を濡らした少女がほくそ笑む
少年の真摯な、本気な思いのたけ、それをぶつけられて、少女はとぼけてみせた
見る人が見たら、脈アリなのでは?なんて思われるのだろうか
「よし、じゃあまずは捕まえてみろー」
とぷん、と少女が頭まで海に沈む
そのまますいすいと背面泳ぎで泳ぎ始める
豪快な泳ぎでもないのに、なんかすごくはやい
■水無月 斬鬼丸 > 「…んっう…」
どうだ?どうなんだ…?
それらしーくとぼけてみせる少女の様子にやきもき。
はたから見れば脈アリに思われていたとしても
こちらはそんな余裕はなかった。
少し悩み、こちらが言葉を発するまえに
少女は泳ぎだした。
背面泳ぎ…こう、色々と目立つ泳ぎ方だが…
まるで人魚かと言わんばかりの速さ
「え。捕まえ…えぇ…」
流石にあのスピード、追いつけない。
追いつけない。泳ぎなら。
あの時みたいに、やれるだろうか?
少女とは逆に、こちらは潜水しながら追う。
スピードじゃかなわない。だから海底についたところで彼女までの直線…
海を断ち切る!ちょうど体一個分、海水が分断される
■妃淵 >
「…あれ?どこいった?」
視線を下…というか自分の身体に対して下向き、要するに斬鬼丸のほうに向ける
泳いでいる飛沫もなし、一瞬で諦めたか?と思った矢先、海が割れた
「ッ!?」
沖のほうではなく浜の方泳いでいたため水深は然程でもない
まぁ、言ってみればギリギリ足が届くかなぐらいから、2メートルちょっとぐらい
水が分断されれば当然泳いでいられるわけもないので、ストンと落ちる
まあ下は砂なわけで、お尻を打っても全然痛いということもない、が…
「な、なんだなんだ…何した…?」
割れた海面の先には少年の顔があるのだろう、視線を向ける
■水無月 斬鬼丸 > ストンと落ちた彼女の顔。
驚いてるようでかわいい。
背面泳ぎだったため、砂の上に寝るような体勢だろうか。
ちょっとずるしてしまったようで、少しバツが悪そうに駆け寄れば
少女の手を取る。
「捕まえた…っ!
…次は…?」
びっくりしたままの少女。
そういえば、異能を見せるのは初めてだった。
あまり使わないし。
「あぁっ!?えっ、っと…その、俺の異能っす…
触ってるもん何でも斬るっていう。
泳ぎじゃちょっとかないそうになかったもんで…」
■妃淵 >
なんだっけ、なんか昔聞いたことがある神話でこういう真似したやつがいたような…
なんて思ったりもしたけど、少年の言葉を聞いて納得、なるほど異能だった
「今のはズルだなー、ズル。ノーカンだよ」
逃げ回ってからかってやろー、なんて思っていたらこの結果である
それだけ少年が本気を見せていた、ということかもしれないが
手をとって立ち上がりつつ、やや罰が悪そうに口を尖らせていた
「次?うーん次は……」
くぅ、とお腹が鳴る…タイミング的には最悪だ
「……なんか喰わね?」
照れ隠しのように頬を指先でかいていた
■水無月 斬鬼丸 > 「あはは…じゃあ、ノーカンっすか…なら…ぁ」
お腹が空いたらしく彼女としては珍しく照れている。
空腹のときは腹減ったーと普通に言いそうなものなのに。
そういうところが胸に来る。
かわいい…。
だが、そうだ。
所詮断ち切っただけの海。
両脇の海壁が崩れ、そのまま割れた隙間に流れ込んでくる。
当然二人を巻き込んで。
浅いところで良かった。波に遊ばれつつも砂浜に打ち上げられた二人は
互いの顔を見て笑い合うなどしただろうか。
それはまた別の夏の小話。
ご案内:「【イベント】海水浴場 岩場」から妃淵さんが去りました。
ご案内:「【イベント】海水浴場 岩場」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。