2020/08/04 のログ
■マルレーネ > 「………ああー、そういう。 なんか一気に親近感が。」
遠い目をした。なんか覚えがあるわそれ。
どこそこで何かを探してほしい、の、町の中でやるパターンですね。
「そう、ですね。 強いのは分かってますけど。
夢の中で能力がはっきり使えてよかったですね?」
首を傾げながら、思うことを口にする。
そういえば夢の中である。 思い通りに能力が使えたことも、ある意味不思議と言える。
「あ、そうなんです?
いえ、絶対勝ちたいなと思って、ついつい。
あはは……大げさに書かれてるだけですよ。 ちょっと飛びついたり蹴ったりしただけです。」
ビーチフラッグと言うには物騒な単語を持ち出しながら、美人、なんて言われて頬を赤くして照れる。えへへ。
「浴衣は……まだですね。 友達に改めて着方も聞いたので、準備はバッチリです。
夏祭りですか、行きましょうか。 いつ頃なら大丈夫です?」
あっさり食いつくシスター。
こちらの世界の文化に思いを馳せながら、逡巡も何もない。
■日月 輝 > 「そう?探偵に向いてるんじゃないかーって言われちゃったんだけど」
親近感、余計に感じてくれるかしら?と意地の悪い魔女のように口元を歪める。
夢の中で能力を、と問う声にも同じ。でも
「……ああ、いえ。夢の中のようで夢じゃなかったというか……とにかく無事だったから、それでいいのよ」
あれは夢じゃない。西塔繁という生徒の学生証は確かに手にあって、墓地に収めた。
彼がどういう状態で、どういうことになったか。
それをこの穏やかな友人に語るのは気が引けて口を濁す。
濁した直後に穏やかならざる言葉が聴こえた。
「……マリーってもしかして結構ワイルド?そういえば初対面の時も、異能は無いと言ってたけど……」
格闘の心得が無いとは言っていない。
見目不相応に稚気を感じさせる様子からは、そうとは思えないけれど、彼女の口から否定は出なかった。
──路地裏でシスターにノックダウンされる自分の姿を想起して、頭を振る。
ツインテールが潮風に揺れた。
「む、ちゃあんと準備出来ているじゃない。バッチリなら良かった。あたしの方は暇だし、何時でも結構よ」
考えないでおこう。そういうことにして意識を夏祭りへと向ける。
■マルレーネ > 「私は………輝さんはもっと目立つ仕事の方がいいんじゃないかと思いますけど。」
性格的に、とは言わなかった。
考えていることが間違っていなければ、どぶ攫いまで当然のようにやる仕事のはずだ。
「そうですね、無事ならばそれが一番です。」
「………ああ、そういえば言ってませんでしたっけ。
元々、生きるか死ぬかみたいな世界だったので。 一人で歩いていたらすぐにナイフをちらつかされるみたいな。
そこでまあ、それなりに長く旅をしていたんですから、それなりにですけどね。
お嬢様、みたいなものとは真逆ですよ。
それこそ数年前まで、文字もかけないくらいだったんですから。」
ワイルドに関しては間違いない、と頷きながらも、今はそんな風には見えないかもしれない。
麦わら帽子を押さえて、のんびり空と海を見つめる。
「あ、そうです? じゃあこの後、夜にでも行ってみますか?」
思い立ったら即行動。
■日月 輝 > 「あたしがやるからにはなんだって素敵で綺麗で可愛いのよ」
「あたしは輝。日月輝。輝ける日と月であるのだから、ね?」
優雅に示して澄まし顔。得意気に鼻だって笑おうものなのに
マリーが何でもない事のように語る話に言葉が詰まる。
「……そうしましょっか。ええ。こっちの世界は楽しい事が一杯だもの」
「夏休み、きっと素敵な思い出になるわ。今日みたいに」
水面に垂れる糸は動かない。
でもいいの。あれだけの大物を釣り上げたのだから、きっと良い思い出になる。
これからの夜もそう。生きるか死ぬかの世界は遠い話。
『預かった魚、色々やっておきましたよー!』
そうこうしていると係の人が朗らかな顔で声をかけてきた。
さっき魚を任せた人で、ああ魚拓の準備とか色々してくれたのねと得心し立ち上がる。
リールを巻いて竿を片付け、彼の差し出すクーラーボックスを受け取る。
……ん?なんでクーラーボックス?
『捌いておいたので後は切り分けるだけで食べられます!』
親指を立ててこれ以上は無い程の笑顔を見せる係員の彼。
クーラーボックスを開けると、なんということでしょう。
プロ宛らに捌かれた美味しそうな白身がごきげんよう。
「………………………」
ヴィヴィッドな魚拓を飾る計画が音を立てて崩れて行く。
多分、些細な手違いが招いたこと。誰が悪いわけでも無い話。
「ねえマリー。貴方ってお魚は好き?」
だから、自分でも思った以上に悪くないなって思えて、友人に好みを訊ねる。
「こんなに沢山はあたし食べきれないわ」
呆れたように笑いながら。
■マルレーネ > 「お魚ですか? もちろん好きですよ。」
相手の言葉に少しだけ微笑んで、わー、っと目を輝かせてクーラーボックスを肩越しに眺め。
その笑顔を受けて、その手を握る。
「"今日みたいに素敵な思い出"って、まだまだ今日は終わらないですよ。
お魚、せっかくですからどっちかの家で料理とかどうです?」
提案しながら、その手を引く。
「それが終わったら、夏祭りも行ってみたいですし。」
「いつか渋谷って場所にも行ってみたいですしね。」
その腕を引きながら、ウィンク一つ。
「素敵な思い出にしてくれるんですよね?」
にひ、と振り向いて笑いかけ。
ご案内:「浜辺」から日月 輝さんが去りました。
ご案内:「浜辺」からマルレーネさんが去りました。
ご案内:「【イベント】海水浴場 浜辺」に御堂京一さんが現れました。
ご案内:「【イベント】海水浴場 浜辺」から御堂京一さんが去りました。
ご案内:「浜辺」に御堂京一さんが現れました。
■御堂京一 > 「……うし、やるか」
先日あった変な女に教えられた釣り大会。
はじめは興味が無かった、釣りなんてやった事がない。
セオリーも判らず釣りの楽しみ方というのもイマイチわからない。
大会と言ってもレクリエーション的な色が強くて勝負に熱くなるタイプでもない。
だから良いかと思っていたのだが……昨日の夜ふと思ったのだ。
あ……魚食いてえ、と。
きっと自分で釣った魚は美味かろう。
熟成?締め?気分ってのはそいつらを凌駕するんだよ。
そんなわけでちょいと入り江に折りたたみ式の椅子を設置しそいやと竿を振り仕掛けをキャストするのだった。
■御堂京一 > 御堂京一には釣りががわからぬ。
京一は常世渋谷のロクデナシである。
ロクデナシをぶん殴り、猫を探して暮して来た。
けれども趣味に対しては人一倍に入れ込むタチであった。
「海と……風を、読む」
呼吸を繰り返す。
鼻からゆっくりと吸い込み腹の奥に溜め、丹田から脊柱を通し身体の中を循環させる。
そうしてゆっくりと吐き出しまた息を吸う。
呼吸の流れを、身体のリズムを自然と一体化させ溶け込んでいく。
これで魚からすれば人の形をした木石にしか感じられないだろう。
魚の警戒心を避ける、その点に関してはこれ以上なく成功していた。
そしてルアーフィッシングか何かと勘違いしてるのかってド素人は雑に竿をしゃくり誘いをかけて台無しにしていた。
プラマイ0というやつですな。
■御堂京一 > 釣り判定 素人 [1D6→4=4]
■御堂京一 > 「フィッシュ!」
やたらと良い声であった。
胸ポケットから紙巻のタバコを取り出し、学生時代にアホみたいに練習してきた手馴れた仕草でジッポライターを片手で扱い火をつける。
辺りに漂うのは甘い紅茶のような香り、ハーブを調合してつくられたウィッチクラフトによるものである。
口の端にタバコを咥え煙を吹かしながらいい笑顔で竿を立て、糸が左右に振られるのをたくみにいなしてリールを巻く。
相手の動きを読むという事に関してはまさに熟練といった手つきで糸がたわまないよう、張り過ぎないように受け流し。
そして経験者が見ればあっあっ!馬鹿!今リール巻くんじゃねえよ!というタイミングでガリガリと巻いていく。
「なんだよ、釣りってわりかし楽しいじゃねえか……」
■御堂京一 > 「獲った!」
手応え自体はそこそこといったものでファイトにはあっさりと決着がつく。
フィッシュグリップもなければタモさえ使わず一本釣りかよといった勢いで引き上げると空中を飛んで来た魚をバシ!っと掴んで確保する。
経験者ならオイ待てェ!と言いたくなる様な行為だが手のひらには青い燐光が灯り練り上げられたプラーナの壁がヒレのトゲをしっかりと食い止めていた。
「ん!魚!」
種類がわからなかった結構大きめのアジをバケツに放り込み。
興が乗ってきた。もういっちょ行くか!と釣り竿をフルスイングしてもうワンチャレンジ。
■御堂京一 > (30分後)
■御堂京一 > 「すんませーん、これ釣れましたー」
大会受付にやってきた青年の顔は真っ黒に汚れていた。
だがこれは戦った男の勲章、ファイトの証であった。
『ふぐっ……アジと、タコですねー。おめ、おめでとうございます…こちらで計量しますね』
「いや、フグは釣ってねぇです」
ボバフェット!みたいな妙な息を吹き出す審査員に首をかしげながら計量を済ませ。
参加賞的な感じで記念撮影を済ませる。
持って帰るかと聞かれたのでここで食べていきたいと伝えると下拵えだけするか料理にしてもらうかと聞かれたので下拵えを頼み、BBQや浜焼きを楽しむコーナーに足を運び、ぼんやりとタバコを揺らす。
渋谷と違ってこっちはなんか明るいなあと…。
■御堂京一 > 「うっし、やるか」
そんなわけで貰ってきた三枚に開かれたアジとぬめりを獲られて軽くボイルされたタコを手に簡易キッチンコーナーで包丁を手にとる。
これでも一人暮らしは長い、あとしばらく弟子入りしてたジジイがやたらと飯にうるさかったのと凝り性なのもあって料理スキルはそこそこにある方だ。
レシピをちゃんと守る程度には。
アジは塩を振って水分を出しておいたのを拭き取って網焼きで火を通していく。
その間にスキレットにバターを溶かし刻んだニンニクと唐辛子を炒め、しっかり香りが出たらオリーブオイルをちょい足ししてマッシュルームに油を絡めながら炒めぶわっと匂いが周囲に広がり始め。
軽く表面に色がついたらタコ、アジを中にぽいぽと、ハーブソルトをそれ大丈夫?というくらいにかけて追いオリーブ。
あとはしばらく待てば海鮮アヒージョの完成である。
いやもともと海鮮系の具が多いな。
■御堂京一 > 「あ、うま」
ビーチチェアに背を預け、脚を組み思いっきりエンジョイスタイルでサイドテーブルに置いたアヒージョにフォークを突き刺し口に運ぶ。
自分で作った料理と言うのはある程度完成した味を想定しながら作るので感動に乏しい。
むしろ理想系に足りていない場合はそれだけでイマイチと判定してしまう。
だというのに今日のはなかなかの出来である。
アウトドア補正というやつだろか。
タコを噛み締めれば一瞬の弾力のあとにニンニクバターをたっぷりと含ませたタコ味が染みだしハーブソルトのぴりっとした味が心地よい。
アジは炭火で焼かれた皮の香りが香ばしく、パンチの効いたオイルの味に負けず、そしてその身にたっぷりと海鮮の出汁が効いたオイルを含ませこれもまた美味い。
ちょっとこってりとした口の中にキンキンに冷えた炭酸を流し込めば火照った身体にも心地良く、はぁっと吐息をこぼす。
まあ酒はあんまり飲まないのでサイダーだったりするが。
■御堂京一 > 「この島、そんなに広くないんだよな……」
判っている。街が……区画がいくつもあって、山があって荒野があって、そんな島が狭いはずがない。
今も自分が根城にしている雑多な街にある澱みのようなものがここには感じられない。
少し足を伸ばせば色を変え顔を変え、この島は本当に大きい。
自分はこの島しか知らない。
そしてこの島の全てを知っているかと問われれば一割も把握出来ていないはずだ。
なのに、世界はもっと広い。
自分の知らない世界がこの海の向こうに広がっている。
自分の最初の記憶はもうこの島の中、外に居たのは本当に幼い頃で記憶の欠片さえもなくて。
スキレットの中が空になる頃には日も傾いていて。
とりあえず、いつもと同じように、昨日と同じく今日も境界の街へと足を向ける。
ご案内:「浜辺」から御堂京一さんが去りました。