2020/09/17 のログ
ご案内:「浜辺」に雨見風菜さんが現れました。
雨見風菜 > 残暑厳しいとはいえ、空に雲も出てきた季節柄。
そんな日の夕刻、風菜は浜辺に足を運んでいた。

「今日もいい潮風ですねぇ……」

そのまま直帰する気になれず、ふらりと足が向いたのがこの浜辺。
そして以前釣りをしていた桟橋のポイント。
そこに座り込んで、『糸』を使い釣りを開始する。

雨見風菜 > いつものようにのんびりまったりアタリが来るまで待つ。
その間、『物体収納』しておいた、冷やした麦茶を飲みながら。

「~♪」

のんびりまったり歌を歌う。

雨見風菜 > そしてしばらく時間が経って。

「ふぃーっしゅ!!」

そんな声を上げて何かを釣り上げる。
釣り上がった獲物は……

「……本?」

海中から釣り上げたにもかかわらず、水一滴たりと滴っていない本。
思わず『物体収納』していた魔紡ぎの針を使って魔力の流れを見れば、この本自体に魔力が込められている。

「どなたかの落とし物でしょうか。
 触っただけで怪我するようなものじゃなさそうですし、落とし物として……」

そう言って、右手で掴んだ瞬間。
シュワシュワと、泡になって風菜の手に入り込んでいくように、消えていった。

「……はい?」

魔紡ぎの針を持ったままだったので、魔力の流れは見えていた。
本、に見えたそれは穏やかな魔力の塊だったようで。
それが、風菜の触れた手から体内に流れ込んでいった。

「……な、なんだか、狐に包まれたような。
 まあ、気を取り直して釣りの続きを……?」

正しくは狐につままれる、である。
ふと、時計を見れば、釣りを始めた時刻からそう経っていない。
体感では一時間ほど待っていたはず。
そして、次のひと口を飲もうとした麦茶は全く減っていなかった。
そんな状況に、風菜はクエスチョンマークを浮かべながら、引き続き釣りに興じる。

雨見風菜 > 「……何だったんでしょうねぇ、一体」

のんびりまったり、釣り糸を垂らしながらひとりごちる。
今の所の釣果は、あの本だけ。
確かにあったのは間違いないはずだが……