2021/02/06 のログ
ご案内:「浜辺」に迦具楽さんが現れました。
迦具楽 >  
 居住区南の海岸。
 本来ならこの季節にはヒトが少ないこの場所で、作業にいそしむ人たちがいる。
 近日開催される、『エアースイム常世島冬季大会』の設営というやつだ。

 そんな浜辺を動き回る人の様子を眺めるように。
 堤防に腰掛けた迦具楽は、ぼんやりと海岸の様子を見下ろしていた。

「常世島大会かぁ」

 ぽつりと、呟き声が零れる。
 この大会は迦具楽にとっても想うところのある大会だった。
 

迦具楽 >  
 四年前、初めて迦具楽が参加した大会。
 そして、三年前に初めて優勝した大会だ。
 それ以来は、参加する事もなくなったが。

「なんか、少し大きくなったかな」

 以前よりも準備に関わる、運営側の人間が多い気がする。
 昔は迦具楽もボランティアで手伝ったものだ。
 今年はその必要もなさそうだが。

「大会、かぁ」

 再び呟きながら、仰向けに倒れ込む。
 空を見上げながら、大きなため息が零れた。
 

迦具楽 >  
 『今度の大会に参加する』
 親友から届いたメッセージを思い出す。
 返信は、まだしていない。

 親友がその気になったことを喜べばいいのか。
 それとも――。

 いずれにしても、返事を書こうとした指は、文字を打つ前に止まってしまった。
 以来、一言だってメッセージを送れていない。

「――はぁ」

 ため息があふれる。
 ぼんやりと空を見上げながら。
 寒空の下、寝転がる。