2021/02/08 のログ
ご案内:「浜辺」に杉本久遠さんが現れました。
ご案内:「浜辺」から杉本久遠さんが去りました。
ご案内:「浜辺」に杉本久遠さんが現れました。
杉本久遠 >  
 真冬、というには盛りを過ぎたとはいえ、寒い事には変わりない。
 テントの設営をしていても、じわりと掻いた汗が冷えると体が震える。
 何棟かのテントを立て終えた久遠も、少し冷えた身体を温めるよう熱いお茶の缶を握っていた。

「だはー、やっと一段落かー」

 解説実況席、選手控室、運営委員本部、応急施設と用意する事が出来た。
 これで一先ず、会場の形は作れただろう。
 

杉本久遠 >  
 とはいえ、これから観客席に、観戦用モニターの設置も必要だ。
 その後は、フィールドやレンタル品の搬入もある。
 開催には間に合うが、スケジュールに余裕があるわけではない。

「やっぱり人手が足りんなぁ。
 まあ何とかなってるうちは問題ないんだが」

 むしろ、何とかしてしまっているのが問題なのかもしれないが。
 お金も人も足りないのだから仕方ない。
 この大会も、参加費すら取っていないのだから当然赤字なのだ。
 

杉本久遠 >  
 それでも、支援してくれるスポンサーが居るのには理由がある。
 当然スポンサーたちも、エアースイムの認知度が上がって欲しいのだ。
 だからこそ、間口の広いアマチュア大会として、こういった催しをするわけだ。

「一人でも二人でも、興味を持ってくれれば御の字だしな、うむ」

 お茶を飲むと、体の中からじわじわと熱が広がる。
 久遠は休憩を取らせてもらっているが、まだ設営は続いている。
 白い息を吐きながら、堤防の上から海岸をぼんやりと見下ろした。