2021/02/13 のログ
ご案内:「浜辺」にシャンティさんが現れました。
シャンティ > むかし むかし あるところに
ごく ごく へいぼんな おとこのこが いました

かれは とても ふつうの おとこのこで
あたまも たいりょくも ほどほどに
けれど けっして なにも とがったものは ありませんでした

それでも それを うけいれれば
かれは へいぼんで ふつうの せいかつを
つづけられる

けれど
かれは それに まんぞく できませんでした

そんな かれに ひとつの てんきが おとずれます
それは


エアースイム


たいりょくも せいべつも ちからも しゅぞくさえも
それは さべつ しません

ただ ただ じつりょくの せかい

かれは それに みりょう されました


かれは どりょくを おしまず
そのみちを あゆみました


そして
ついに
かれは

えいこうを てにしました


けれど――

シャンティ > それでも
其の世界にさえ、壁はあったのです

彼は栄光からすぐに伸び悩み
あとは落ちる一方でした

そして何度も挫折を味わいます


ついには

彼の心も折れてしまいます


それでも
其の世界に、未練が在った彼は
未来の選手を導くのだと、自分に言い聞かせ
競技の道具を売る
お店の店員へと姿を変えました

シャンティ > ぱたり、と
女は本を閉じた

それは記録 それは記憶
何度か通い、接した男から貰い受けた物語


「あぁ……なん、て……希望、と……絶望、と……悲哀、と……未練、と……素、敵……に、いじ、まし、さが……満ち、た――人生、なの、かし、らぁ……あは……ふふ、ふふふ……」


女は、笑う
空の上に浮かびながら、笑う


「えぇ、えぇ……その、妄念……その、執着……その、努力……あなた、の……知識……ぜぇ、ん……ぶ、役、に……立つ、わぁ……あは、あははは……」


笑いながら、女は仰向けになって空をゆったりと泳ぐ


「ふふ……技術、理解……構造、理解……ただ、の……選手、では……こう、は……いか、な、い……わ、よぉ……ふふ、誇って、いい、わ、ねぇ……ねぇ、店員、さん?」


其処には居ない誰かに笑って呼びかける


「エアー、スイム……軍事、目的……で、作ら、れた、ものの……性能、と……コスト、が……見合わ、なく……て、民間、落ち、した……技術……あ、は……いい、わ、ねぇえ……堕ち、ぶれ、た……役者、を……ま、た……拾い、あげ、るのも、いい……か、しらぁ?」

シャンティ > 「さ、て……あと、は……これ、を……もう、すこぉ、し……理解、すれ、ば……ふふ。量産、くら、い……でき、る……かし、ら、ねぇ……羅刹、ちゃん、は……気に、いる……か、しらぁ……?」

空をゆったりと泳ぎながら、小さく小首をかしげる


「ま、ぁ……玩具、が……欲し、そう……だった、しぃ……これ、じゃ、なく……て、も……ナニカ、は……必要、そう……ね、ぇ……今、も……あは。あぁ……勤勉、な……風紀、委員……君、たち、が……働、いて……いる、みた、い……だ、し……?」


ぽんぽん、と
自分の手元の本を軽く叩き、そして優しく撫でる


「んー……退場、され、ちゃ、う……とぉ……つま、らない……の、だけ、れ、どぉ……どこ、まで……肩い、れ……する、かし、ら……ねぇ……?」


また、小さく首を傾げる


「ん……それ、に……して、も……空、を……泳ぐ、感覚、は……いい、わ、ねぇ……水、は……もう、久し、く……泳、いで……ない、も、の……ね」