2021/04/17 のログ
ご案内:「浜辺」に雨見風菜さんが現れました。
雨見風菜 > 浜辺に風菜がスイムスーツをまとって立っている。
エアースイムをするようだが、今の所S-Wingは付けていない。
集中した様子で……浮いた。
S-Wingの作用を自信の空間魔術を使って再現した状態だ。

「……消費魔力が段違いに多いですね。
 やはり、さすがはエアースイム用の魔道具と言ったところでしょうか」

S-Wingを付けたときと同じように『泳ぐ』……が。
動きが悪く、そして遅い。

「ううん、完全にS-Wingを付けてるときの下位互換ですねぇ」

常用しているS-Wing……フライングスターⅨはフリーポイントも含めて完全に平均的に割り振っている。
『泳いだ』感覚として、パラメータとしてはその半分より少し上といったところか。

雨見風菜 > 「……うん、凄く消耗が激しいですね。
 解除して、と……」

高度を上げていなかったからとはいえ、見事な着地。
まあ、普段から『糸』で飛び回っているので着地は慣れたものである。
そして、『物体収納』からフライングスターⅨを着用。

「うん、やっぱり段違いですね」

泳ぎ心地を確かめると、やはり自力よりも快適に泳げる。

ご案内:「浜辺」に黛 薫さんが現れました。
黛 薫 >  
人間社会に適応出来ない人間は基本的に居場所が
ない。人間である以上社会の世話にならなければ
生きられないのに社会の内側にいられないという
二律背反、兎角肩身が狭い。

人のいない空間はそんな人種にも寛容だ。

だからときどき、こんな場所にも足を伸ばす。
文明に慣れてしまった手前、結局は社会の片隅に
戻らないといけないとしても一時の安息くらいは
感じられるから。

岩陰でぼんやりと波を眺めていた少女はそろそろ
帰ろうと腰を上げて……浜辺に映る影に気付く。

「おぁ」

人が飛んでいた。異能と魔術の普及したこの島では
今更驚くことでもないが、虚を突かれて声を上げた。

雨見風菜 > そして、空を舞い泳ぐ。
パールホワイトのコントレールを残し、自由自在に泳ぎ回る。
その光景は、まるで人魚のように。

「……あ、いいことを思いつきました」

海面から、海水をある程度『液体収納』。
そして高所から放出してばらまいて、その中を舞い泳ぐ。
その様は、幻想的な光景。
煌めく水滴、かかる小さな虹、そしてその中を舞い泳ぐ人魚。
かかる水滴が風菜を彩る。

見られていることに、気付かないまま。
いや、誰かが見ていたところで気にしないが。

黛 薫 >  
エアースイムという競技は世界中規模で競技者及び
スポンサーが存在する。しかしメジャーな種目かと
問われるとそうとも言い切れず……少なくとも偶然
練習を目にした少女は、精々競技名を小耳に挟んだ
程度の知識しか持ち合わせていなかった。

けれど虹の雫を纏い優美に空を舞い泳ぐその姿が
単なる遊びの範疇に留まるものではなく、競技的
規則、或いは目標に基づいた研鑽の成果であると
いうのは何となく理解した。

思わず足を止め、その『泳ぎ』を見ている。

雨見風菜 > 舞い散る水滴が、全て風菜の体か海面に落ちる。
そこで、ようやく視線に気づいた。
すい、と事も無げに彼女の近くまで泳いで。
その間に、身体についた水滴を『液体収納』で回収する。

「こんにちわ。
 今の、どうでした?」

挨拶をして、今の空中遊泳の感想を訊いてみる。
いつからかは知らないが、海水を撒いた中を泳いだのは見ているはずだ。

黛 薫 >  
「どっ……」

気付かれていた、そして感想を求められている。

本来なら取り立てて驚くようなことでもないが、
面と向かって会話をするだけでもコミュ障には
結構難易度が高いのだ。初対面ならなおさら。

「ぇー、ぁー……どうって、キレイ?でした……?
あ、いぁ。そりゃ当たり前か……ちょっと待って
くださぃな、もっと気の利ぃたこと?ってか……
ちゃんとした感想?みたいな?考えるんで……」

固まりかけた思考をどうにか回転させる。
お世辞と受け取られても仕方ないありきたりな
感想で済ませるのは失礼に思えてしまったから。

「何だろ、キレイって感じたのは多分……動きが
洗練されてる?ってか魅せ方を知ってるみたいな、
そういう印象があったからなのかな、って……。

単に水がキラキラしてたとか、虹が見ぇてたとか
そういうんじゃなくて、あくまであーたの動きが
キレイで……演出?引き立て?としての使い方を
理解してんだろーな、みたいな、はぃ」

足りない知識、曖昧な語彙で感じた印象をどうにか
形にしようと頭を絞ってみる。うまく伝えられた
自信がないのか、うろうろと意味もなく手が動いて
不確かな内心を表現している。

雨見風菜 > 少々強引だったかな、と思いつつ。
綺麗だったと感想を返されれば、笑顔を綻ばせて。

「良かった。
 こうすると綺麗じゃないかな、って思いつきだったんですよ」

単に綺麗と言われるだけでも嬉しい。
だが、その理由を突っ込んで言われれば。

「動きが洗練されてる……魅せ方を知ってる。
 んー……そうかも知れませんね、ちょっと自覚はなかったんですけども。
 『こうすれば綺麗に見えるんじゃないか』って考えてはいましたしね」

なお、風菜自身はエアースイム歴はまだ浅い。
とはいえ、熟練者のような動きができている以上、それを言うのは度を越した謙遜だ。

黛 薫 >  
「何であれカタチにすんなら意識って大事ですし?
そういう、思いつき?を考えて動きに活かせるなら
イィんじゃねーかな、ってあーしは思いますけぉ。
あ、いぁ。素人目線なんで……実際にどうなのかは
自信ねーですが……」

だんだんと声が小さくなっていく。

フードの下、長い前髪に隠れた目は神経質そうに
動いていた。貴方の顔を見たと思えばすぐに目を
逸らし、かと思えば観察するように全身を眺めて
また行き場を無くした視線を彷徨わせる。

僅かな沈黙の後、またおずおずと口を開く。

「その……今更ですけぉ、こんにちわ、です。
最初、挨拶されたのに返せてなくて。いぁ、もう
遅いのはあーしも分かってますけどっ、それでも
返さねーとって……思ってた、ので……」

雨見風菜 > 「確かに、そうですね。
 思いつきを試してみて、うまく行かなかったら別のことをすればいいですし。
 素人目線とはいいますけど、私も素人ですしね」

自信なさげに声のトーンが小さくなる彼女を気遣い。
そもそも自分だって素人だ。
熟練者のような動きができているだけで、実際には体験会くらいしか他人と競技した経験はない。

チラチラと見られながら、改めて挨拶されて。

「律儀ですね、良いことだと思います。
 ふふ、見たいなら存分に見てもらっていいですよ」

どうにも、他人の視線が気になるらしい彼女。
こちらからは好意の視線を投げつつ自分を見ることを許す。
そもそも、見られるのは好きなのだし。