2021/11/17 のログ
ご案内:「浜辺・防波堤」に虞淵さんが現れました。
虞淵 >  
休日の防波堤

家族や、個人
それぞれが釣りなどを楽しんでいる様子が見られる
そんな中に一際目立つでかいのがいた

「──どいつもこいつもなってねェな」

眼光鋭く辺りを見渡すと、男はそう吐き捨てるように言った

白スーツに紫のシャツ、同じく白のエナメルの靴にジャケットといった風貌はだいたい見てもカタギじゃない
ただしそれにフィッシングキャップと、大型のクーラーボックスにおそらくロッドの仕舞われたバッグを担いでいるとなれば話は別だ

虞淵 >  
まったくどいつもこいつもなってない
帽子も被らず釣り竿を振っているガキがいる
親もそれを注意すらしない、釣り針が万が一にでも頭にかかったら、病院にいかなければまず取れない
そんな基本的なことも知らんとは、嘆かわしい

カップルで釣っている連中もいる
好きにしたらいいとは思うが引いている釣り竿に気づかずイチャつくなら他所でやれ
お前らの針にかかってる魚の気持ちを多少は考えてやれといったとこだ

聞こえてくる喧騒は、賑やかと言えば聞こえがいいが忙しがない

釣り、というのは
古代中国の仙人すらも嗜んでいたように、ある種己を律し自身を自然と融合、調和する娯楽だ
そうでなくては、大物なんて釣れやしない

大物ってのは、弱肉強食の海の世界で生き続けてきた証拠だ
つまり大物であればあるほど、生き延びる力が強い
そんな連中を狙うには、家族で騒いでいたり、恋人同士でイチャついていたりじゃ到底針は届かない

此処は一つ"本物の釣り"ってヤツを見せてやろう

大男は防波堤の一角に位置取り、クーラーボックスを椅子に腰をどかりと降ろした

虞淵 >  
堤防釣りにはいくつか種類がある
とりあえずは一般的なウキ釣りでいい、まずは仕掛けを作る
初心者はまず意外に複雑なココで投げがちだが、これくらいスピーディーにこなせないようじゃ話にならん
特にガイドに道糸を通す手際なんざそれを見るだけで"プロ"かどうかがわかるくらいだ

まぁ細かいことはいい

狙いは初手から大物だ
文字通りの雑魚には用はない
大物<強敵>を求める性<サガ>が男の常

手首のスナップを効かせ、ロッドを撓らせ針を放り込む
[3d6→2+4+5=11]
虞淵 > [3d6→1+4+4=9]
虞淵 > [1d10→4=4]
虞淵 >  
早速のヒットだ
針を放り込んだ瞬間に、引きが来た

軽く片手でロッドを上げてやれば周りからの視線が集まっているのを感じる
そらみたことか
レジャー気分で洒落込んでるお前らとは違うってことが一目でわかろうってモノだろう

小さい ぬめぬめした カワハギ

「………」

まぁ、当たりだろう
大物ではないが
焼いて喰うと酒にも合う美味な魚だ
なんでぬめぬめしてんだって感じもするが、細かいことは気にするな

意外に小さかったな なんてぼそっと言ったヤツが近くにいる

初手で判断するとは気の早いヤツだ

カワハギをクーラーボックスに放り込み、次に行く

虞淵 > [3d6→3+3+6=12]
虞淵 >  
再びのヒット
それなりの手応えだ
大物、って感じではないだろう
しかし前の釣果が小ぶりだったことを考えれば順当なレベルアップだ

大きな余裕を持ってロッドを引き、釣り上げる

中くらいの ギラギラした ──冒涜的な
トプン

無言でリリース
まさか俺様がこの場で発狂して海を手刀で割る、などとでも思ったか?
生憎これでも中国拳法で理合を学ぶ時にそれなりの精神修行はやってるのさ
次釣れたら容赦しねえが

虞淵 >  
何だ?絶妙に調子が悪い
道具が悪いか?否
場所が悪いか?否
天候、時間、波の具合、どれも悪くない

自然に胸ポケットへの煙草に手が伸びるが、自制
それは多少なりのストレスから来る"逃げ"だ
何者にも背を向けずに生きると決めた男が、そう簡単に逃げを打つかよ

餌をかけ、再び針を放り込む

虞淵 >  
………

……



今度は来ねえ
いや…釣りには精神修行としての側面もある
腰掛けた岩にケツの痕跡が残るほど釣りに感けた野郎だっていたらしい
ある意味では無心の極地

波の音に耳を傾け、静けさに身を投じる
それはまるで大海と一体化するかの如く───

──かかった

虞淵 > [3d6→1+1+5=7]
虞淵 > [1d10→4=4]
虞淵 >  
小さい ツヤツヤした カワハギ

またカワハギかよ!!!
思わず立ち上がった
…まぁ、いい

針から外し、クーラーボックスにイン

「…ちっ、…気長にやるか」

意気込んだだけにバツが悪い
大物狙いは変わらず、続ける
まぁ、この時期のカワハギは美味い

釣れた分だけでも上等、帰ったらコイツをアテに一杯やるか、と
少し珍しい男の一日は過ぎてゆくのだった

ご案内:「浜辺・防波堤」から虞淵さんが去りました。