2021/11/21 のログ
狭間在処 > 取り敢えず、2匹魚を釣り上げたからいいか、と釣りは一旦止めて小休止。
先ほどまで溺死しかけていたので、少し気分を落ち着けたいのもある…思ったほど動じてはいないが。

(――何時死んでもいいと、何処かで思っているんだろうな。)

どんな場所で、どんな経緯で、どんな死に方をするかなんて分かりはしない。
けれど、ロクな死に方はしないだろう…溺死なんて生易し過ぎるのかもしれない。

でも――生きる事を諦めたつもりもなくて。人間…ではもうないけれど、人の心というものは複雑だな、と改めて思う。
岩場の一角に腰を下ろす――シャツやズボンがぐっしょりと湿って重いが仕方ない。

流石にここで全裸になる訳にもいかないし――ボロボロの体はあまり人目に晒したいものでもない。

(…まぁ、でも…落第街に居たままでは経験出来なかったから、その点では有り難いな…。)

狭間在処 > せめてコートを含めてある程度乾くまでは時間を潰していくしかない。
帰りがけにあの老人に釣具とクーラーボックスの貸与のお礼もしなければ。
魚については、まぁご老人に提供する形でいいだろう。

(…こうしてゆっくりと海を眺めて過ごすのも悪くは無い、か)

もしかしたらもう二度と海を見ない事も有り得る。
自分から表側に出ようとしない以上、こういう時くらいしか見れない景色や世界ばかりだ。

それがとても新鮮で眩くて――だから、同時に自分がそちらに歩み寄れない現実を直視する事になる。
傍から見たらつまらない悩みや葛藤かもしれないが、当人にっては行動指針の一つになる程度には重大な事だ。

(…俺にはやっぱりあの街しか馴染めないのかもしれないな…)

おそらく、そちらが落第街があるであろう方角へと一度視線を向けつつ心中で呟いて。

狭間在処 > 落第街の”外”をあちこち見て回れるのは良い機会だろう…それでも、己の居場所は矢張りあの街で。
きっと、表側のこちらも住めば良い所なんだろう…そう思ってしまうくらい眩しい景色もあって。

(…けど、ただでさえこんな身だから――まぁ、無理な話だ。)

諦観に沈みがちになるのは改めたい所だけれど。
何かに、誰かに期待したり希望を持つ事はしないようにしている。
そのしっぺ返しが己は怖くてたまらない。…そう、怖いのだ。情け無い話だが。

(…服は…多少乾いてきたか。もうちょっとしたら引き上げるべきだな。)

その前に老人に釣具を返したりしないといけないけれど。
…さて、服はまだ我慢するとしてもメモ帳とペンは何処かで手に入れたいものだが。

狭間在処 > それから小一時間程度経過して。
服もある程度乾いたのもあり、釣具とクーラーボックスを手にその場を静かに引き上げるのだった。

ご案内:「浜辺」から狭間在処さんが去りました。
ご案内:「浜辺」に修世 光奈さんが現れました。
修世 光奈 > 「うーん。どうしてこんなことになったんだろう」

海を目の前に、釣竿を垂らしながら私は自問する

そこを通りかかったのは偶然
たまたま、依頼のさがしものが終わって
その帰り道に偶然海があったから
ちょっと寄って行ったら、なんだか勢いのいい売り子さんに釣りを熱心に進められ

何もかもレンタルできるようだったから、釣竿、餌、クーラーボックス、ライフジャケットなどなど
必要な物を借りてこうして佇んでいる
まあ、決めては売り子さんの

『カレに美味しい魚料理でも!』

という言葉だったのだが
なぜ、売り子さんは私に男が居ると気づいたのだろう…
そういう異能だろうか

肉を好む彼だが、しっかり濃いめに味付けしてあげれば喜んでくれるだろうし
煮つけとか挑戦しても良いなー、とのんびり竿を垂らす

とは言っても、売り子さんも気長に…といっていたから
すぐにかかるとは思えないけれど―――?

修世 光奈 > [3d6→4+5+6=15]
修世 光奈 > 「ん?、わ!」

釣りを始めてしばらく
超初心者用!と言われて渡された竿がくいくい、と反応する
ウキがちゃぽん、と沈み…明らかにヒットしたことを告げる!

「ととと、危ない。落とすとこだった。えーっと、んんん…!」

確か、リールをゆっくり巻いていけばいいとのことだったから
一度離しかけた釣竿をしっかり持って…引っ張りながらリールをくるくる回す
小気味よい音と、段々増していく重み
やっぱり釣られるのは嫌なのか、抵抗が強まっている気がする

だが、せっかくここまで装備を整えてもらったのだ
何も釣れずに終わってもいいとは、私も思わない

「よっ!」

何かが水面に現れた瞬間、ぐい、と竿を引いて
リールも絶好調に巻かれ―――


『それ』が姿を現した

修世 光奈 > 「え、なにこれ…」

釣りスポット…海に設置されたコンクリートの島にべちゃ、と落ちたのは
丁度、私の両手をグーにして縦に並べたくらいの大きさの…………貝?

ごつごつした殻を背負い、暗褐色の触手をその殻から覗かせて
何故か殻の奥からは視線を感じる
知らない種類だからだろうか、妙に不安になる視線だ
戸惑っているのか、うねうねと触手でコンクリートを撫でている

「……うーん。お店だと見たこと無いなあ…。食べれるのかな…」

まあ、不安にはなるものの
この程度なら、トラウマ級の※※※※を見た私にとっては可愛いモノ
大きさ的に襲っても来ないだろうし

とりあえず釣竿を置いて、落ちていた木の棒で突いてみる
…反応はない。相変わらず、コンクリートを撫でている

「どうしよっかな…。」

きょろきょろと見回すが、お店の人が今は席を外しているようだ
周りには他の釣り人はちらほら居るが
アウェーであるから、これについて聞いていいのかどうか…。

修世 光奈 > そして結局―――

「あ、そうなんですか…。」

帰ってきたお店の人に聞いてみると
最近この辺りで釣れる貝らしい
何だか見ていると急に暴れたくなったりするらしく

何かの異能を持っている貝である可能性が高いため
見つけ次第隔離しているらしい

それなら、と貝を預け
再び釣り糸を垂らしてのんびり

結局、今日は数匹釣れて
楽しかったし、献立もできたから、これはこれでいいイベントだったーー

ご案内:「浜辺」から修世 光奈さんが去りました。