2021/11/26 のログ
■園刃華霧 >
そういえば、あのときはなんと答えたのだったか――
ああ
『ご忠告どーモ。よク言わレる。
でモこっちをキメるのは、アタシさ。
それこそ、無駄ダろーとサ。』
まったく、よくもまあ言い切ったものだ。
……いや、でも。
言い切ったのだ。それは、約束みたいなもので。
そして、それは――裏切りたくはない、ものだ。
だから。
『てめぇ自身の為に風紀してるって訳だろ』
それは、とても心地のいい言葉だった。
まだ、自分は曲げずにいられている、のだろうか。
「ひひ。給料ドロボー、なンて言う奴も居ルけどナ?
まー……色ンなやツがいンのは確かダわな」
今まであってきた風紀委員の顔を思い浮かべる。
いやほんと、それだけで愉快になってくる。
本当、面白い奴らばっかだ
「幸せ、幸せ……ネぇ。
そレこそ、ソのつモりもナいから、ピンとこナいけド。」
うーん
考えてはみたが、やはり、しっくりこない
「デも、ソーだネ。
そレで、誰かガ幸せッテんなラ。
ま、悪くナい」
不幸よりは、幸福のほうがいいだろう。
なんにしても、だ。
「ソっか。あンがトさん」
自分のせいで幸せになれない、なんてことはない。
それは全くありがたいことだ。
ただ、一つ
「わーッタ。たダ、アー……なンてーんダろな。
うン。」
言うべきことを探ってみる
うまい言葉を考える。
そう、これだ
「アタシに遠慮シて、ヤりたイこと、逃スなヨ?
幸せダろート、なンだろート。そレはナんか、違う」
■園刃華霧 >
「……マ、そンだケ。
正直、幸せダなンだッテのはヨくわかンないカらさ。
問題ナきゃ、良いンだ……うん。」
なんとなく、手持ち無沙汰で。
ついつい竿をぶらぶら動かしてしまう。
■レイチェル >
「はは、給料ドロボーね。まー、そういう風に言う奴が居るのも分かるけどな~」
愉快そうに笑う華霧。一緒に、こちらも冗談っぽく笑いながら、そう口にした。
「まー、幸せだのがピンと来ねぇのは当然だぜ。オレだって……そう、分かんねぇことあるし。
分かんねぇから、華霧に島の外の話だってしちまったわけだからな。
ったく、お互いに大切な筈なのに……馬鹿みてぇだよな。
……不安にさせたのはすまなかったよ、マジで。
でも、少なくとも……
オレや英治、そして真琴だって……感じてる筈だ。お前と居ることで、幸せをさ。
きっと他にも、沢山の奴らが。だから、その分……胸張って我儘、言えばいいさ。
一緒に居たいってんならそう言えばいいし、
面白いことしてぇってんならそいつも言えばいい。みんなにな。
もっともっと、『貰っていい』んだよお前は。それだけの価値があんだよ」
そこまで口にする。
これで、親友として伝えたいことは一つ、ここで終わり。
「へ~、言うじゃねぇか。じゃ……もう遠慮、しねーからな」
華霧の方へすっと、身を寄せる。
釣り糸が絡まないように、ちょっと背中合わせの形だ。
どうしてもぎこちなかった空気感。
気付けば、自分が……あるいは向こうも。
距離を空けていたみたいだ。
その間を、そっとあたたかさで埋めた。
暖かな陽の下に、横並びの影が2つ。
■レイチェル >
「せっかくだ、もうちょっとだけ話したいことがあってな――」
もう少しだけ、そう。話しておきたいんだ。
―
――
―――
先ほどよりも少しだけ暖かくなった浜辺。
緩やかな時が過ぎていく――。
ご案内:「浜辺」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「浜辺」から園刃華霧さんが去りました。