2023/07/17 のログ
■杉本久遠 >
「いやっ、次はない、ないからな?
いやその、うっかりなにか聞く事はないとは言えんが」
まあ、一緒に過ごす時間が出来れば、その時間が増えるほど、偶然の確率だってあがるだろう。
とはいえ、今回盗み聞きをしたのは事実のため、苦笑いを浮かべるしかないのだが。
「――言いたくもなるさ。
君は本当に素敵な女性だと、思っているからな」
女性として意識するのがどういう事なのか、少しずつわかってきたとも言えるのだろうか。
ただ、自分が想うだけでなく、自分の事も想ってほしい、とまで強欲にならないのは、まだまだ恋愛に未熟な証拠かもしれない。
「ん?
ああ――」
小さな、零れ出た言葉。
「――変わるさ。
君と一緒に居たいからな」
そう、はっきりと言葉にして。
「成長のない人間に、君は興味を持ってはくれないだろう?」
なんて、どこか確信がありそうに訊き返した。
■シャンティ > 「あ、らぁ……遠慮、しな、くて、も……いい、の、よぉ……? ひょっと、した、ら……す、ごぉ、い……もの、聞け、ちゃう、か、も……?」
顔をわずか寄せ、元々大きくはない声を潜め囁くように唆すように言葉を紡ぐ。その対象が自分であろうとも、気にしないかのように。
「す、てき――そ、う」
男の飾らない素直な言葉に、ほんのすこし言葉を飲む。まるで意外なものを聞いたかのように。やや、思案するように動きを止め……
「……そ、う。私、に……興味、を……持って、ほしい、か、ら……?」
続いた言葉を、反芻するように繰り返す。
「そ、う……そう、いう……」
頃合い、なのだろうか。女の頭に、そんな言葉がよぎる。自分が思い描いた、ある種の企み。それを紐解くときは――
「……いい、ぇ……」
ぽつ、と言葉が漏れ。何事もなかったかのように男に向き直る。
「……ふふ。そう、ね……たし、か……に。興味、深い……人、は……好き、よ。」
眼の前の男の抱く、”それ”は。一時的に噴き上げる火山のような激情とは異なるが。確かに存在感のある気持ち。読んでいて、女がどこか不思議な面白さを感じるのは確かであった。
「で、も……空、を……泳ぐ、のは……かわら、ず……ね?」
くすり、と笑った
■杉本久遠 >
「いやいやいや」
一体何が聞けてしまうのかと、気にならないわけではないが。
そんな、想う相手のプライバシーにまで干渉しようとまでは考えられない。
出来てしまう異能があるからこそ、余計にだ。
「――たはは、その『好き』に愛情を持ってもらえるように頑張らないとだなあ」
彼女の口から零れる、思案するような声を聴き流しつつ。
そんな、ちょっとした目標を持って答える。
「それは、な。
――けど、今日はこれくらいだな」
よ、っと立ち上がり、彼女に手を差し出す。
「さすがにここは日差しが強い。
どこかで、ティータイムにでもしないか?」
そういって、何気なく、一緒に過ごす時間に誘うのだった。
■シャンティ > 「ふふ……聞く、より……見る、方が……お好み、だった、り……? なん、て」
女はくすくすと笑いながら本気で思ってはいなさそうに、言葉を継いだ。仮に、本当にされたとして……別段、気にすることもないのだが。
「ふふ――がん、ばって……ね?」
愛情
男はそういった。その感情は……
「The uncertain glory of an April Day。ふふ……さき、は……長い、かも……しれ、ない……わ、ねぇ……」
それを口にして――ほんの一瞬、同じものを語った別の言葉が浮かび……小さく首を振った。
「そう、ねぇ……私、は……暑さ、は……平気、だけ、れど……で、も……時間、とし、ては……頃合い、かも……しれ、ない、わ……ね?」
差し出された手を取る。
「さ、て……どこ、へ……エスコート、して……もら、える、の……かし、らぁ……?」
女性を誘うようなお店なのか、それともファミリー向けの当たり障りのないお店か。はたまた別の選択か。何をどう選ばれるのか。あえて、聞かず、読まず。引かれるままに行くのも面白いだろう。何を選ぶにしても、過程や意図を考えるだけで楽しめそうだ。
「……求め、ず……して、えられ、る……ね。さて、どう、かし……ら」
小さく呟き引かれるままに女は歩みを進めた
ご案内:「浜辺」から杉本久遠さんが去りました。
ご案内:「浜辺」からシャンティさんが去りました。