2020/06/21 のログ
ご案内:「常世神社」に月神 詠さんが現れました。
ご案内:「常世神社」に彩紀 心湊さんが現れました。
■月神 詠 > 佐田 晶と名乗った少女との出会いから数日後。
今日も今日とて常世神社の手伝いに勤しむ詠の姿があった。
「今日も良い天気ですねぇ……」
時期的には梅雨になるが、幸運にも晴れた日が続いている。
境内の掃除を終えて一息つきながら、雲一つない晴天を見上げた。
■彩紀 心湊 > トントンと一定のリズムで石段を上る音。
それは先日できた友人の元へ、なんとなしに尋ねる女学生の姿。
「月神さん?いるかしら……っと、いた。」
あの時のように、相変わらず神社の手伝いをしている少女の姿を認めれば控えめに手を振った。
■月神 詠 > 足音に気付いて鳥居の方へ振り向けば、友人の姿にふわりと表情を綻ばせた。
「まあ、心湊さん! こんにちはっ」
近くにあった木に竹箒を立てかけて、あなたの下へ歩み寄る。
学校でも顔を合わせてはいるが、ここへ来たということは自分に用があるのだと思い、それが嬉しく思えた。
■彩紀 心湊 > 「ええ、こんにちは。」
何も仕事の手を止めなくても良かったのに、とは苦笑するものの、自分を見て表情を崩す友人の姿を見て悪い気分などするはずもなく。
「遊びに来たのだけど…構わなかったかしら。」
楽しげに微笑みながら、一応そう尋ねる。
もっとも、仕事をしながらでも付き合ってもらえるのなら付き合ってもらう魂胆だったのだが。
■月神 詠 > 「遊びに……ええ、ええ! 心湊さんでしたら、いつでも歓迎いたします!」
遊びに来た、という言葉に一瞬だけ呆気に取られたような表情をする。
しかし、それはすぐに笑顔に変わり、両手を合わせて嬉しそうに頷いた。
「誰かと遊ぶなど、いつ以来でしょうか……何をしますか?
おはじき? それともお手玉なんてどうでしょう?」
───そして、彼女の中の「遊び」の認識は途轍もなく古かった。
■彩紀 心湊 > 「ふふ…そこまで歓迎されると流石に気恥ずかしいわね。」
こんなにも嬉しそうにされるのならば、もう少し積極的に誘ってみてもいいかなとか思ってみなくはない。
照れくさそうに頬を軽く掻けば。
「随分と古風な遊びね…。
おはじきは…たしか、小指を通らせて弾く、だったかしら。
動画で見たことあるくらいで実際にやるなら初めてかも…。」
現代っ子。存在こそ、本で読んで知ってはいるものの、おはじき自体を実際には見たことがなかった。
故にこそ、それなりに興味は惹かれるわけで。
■月神 詠 > 「も、申し訳ございません。なにぶん、今時の遊びには疎くて」
古風と言われ、照れ臭そうに苦笑しながら頬に手を当てる。
幼少期の最も多感な時期を遊ぶ暇もないまま過ごしてきたせいで、娯楽という娯楽に全く触れてこなかった詠。
今は昔と比べれば自由な時間も増えたが、暇の過ごし方など分からず、誘ってくれる相手もいなかったため、こうして神社の手伝いなどをしていたのである。
「心湊さんも、やはり今時の遊びの方がお好きですよね……?」
■彩紀 心湊 > 「…いえ、やったこと無いもの。なら…やってみないと好きか嫌いかだなんて決めれないでしょう…?」
素直に、そう思った。
やらずして評価を下すのは愚者のすることなのだと、そう思うのが心湊という女性の感性だった。
「…それに、ゆっくりとお話もできそうだし。他愛のない話から、少し真面目なお話まで。」
■月神 詠 > あなたの返答に再びきょとんとした顔をして、次いで頷く。
「そうですね……心湊さんの仰る通りでございます。
今のは少々偏った見方でございました……私(わたくし)も精進が足りませんね」
小さく頭を振ってから───
「それでは、社務所の方に移動いたしましょう。お茶もお出ししなくては」
そう言って境内の脇にある社務所へとあなたを案内するだろう。
中は休憩室のようになっており、ちゃぶ台と座布団のほか、仮眠用の布団が敷いてある。
窓際に置かれた小さな宝石だけが僅かに異彩を放っていた。
■彩紀 心湊 > 「ふふ、いいのよ。
きっと、変わり者と言われても仕方はないもの…。」
別に構わないと、小さく笑った。
正直、格好つけ過ぎだとか言われても仕方はなかったのだが…こうも真摯に受け止めてくれるのなら、彼女は信頼できる。
「…ありがとう、月神さん。」
そう、呟きながらその後ろをついていく。
社務室にたどり着けば、思ったよりも休むことに適したような場所で目を丸くする。
こんな場所に入れる機会など、実際に働いてみなければ無いだろう。
■月神 詠 > 「けれど私、一つだけ不満がございます」
座って楽にしているよう言ってから、自身は流し台へ。
冷蔵庫から麦茶の入った容器を取り出し、グラスに注ぎながら徐にそう切り出す。
その声音は怒っている、というより拗ねているような感じに聞こえた。
■彩紀 心湊 > 「……?」
きょとんと、なにかおかしかっただろうかと首をかしげる。
先の流れからして、不満を感じることなどあっただろうか、と。
「…理由を、聞いても?」
いくら考えても皆目検討もつかないものだから、呆気なくギブアップと言わんばかりに理由を尋ねてみる。
■月神 詠 > 麦茶を注ぐ音が止み、あなたの方へと振り向けば───
「名前……私は、きちんとさん付けでお呼びしておりますのに。
あの日のように"詠さん"とお呼びになってはくださらないのですか?」
二つのグラスを手に、ぷくぅ……と頬を膨らませていた。
どうやら呼び名が前のものに戻っていることが不満だったらしい。
(※過去ログ参照)
■彩紀 心湊 > 「ぁ。」
そうだった。とポンと手を打つ。
あの時は勢いに任せた言葉であるが故に、大丈夫かと様子をうかがっていたものだが。
「……ふふ、ごめんなさい。
貴方の様付けのほうが印象深くて。
……気をつけるわ、ありがとう。詠。」
拗ねている貴方が、どうにも愛おしく見えて、いたずらっぽく呼び捨てでそう返すのだ。
■月神 詠 > 「か、かと言って一足飛びに呼び捨てにするのは如何なものかと……!」
呼ばれ慣れていないのか、拗ねた顔から一瞬で照れ顔に変わる。
こちらも本気で怒っていたわけではないので、もうっ……なんて言いながら冷えた麦茶をちゃぶ台に置いた。
それから、まだ腰は下ろさずに、雑多に物が置かれた戸棚の方へ向かう。
「おはじきは……ええと、確かこの辺りに……あっ、ありました!」
誰の持ち物かは分からないが、かちゃかちゃと音を立てる小さな布袋を取り出して戻ってきた。
■彩紀 心湊 > 「あら…そういうものかしら。それなら、しばらく詠さん、がいいかしら…ね?」
そんな貴方の様子を、微笑ましそうに、楽しそうに笑う。
本当に、色とりどりと言わんばかりに変わる表情に、どこか惹かれる感情を覚えるのだ。
「…それじゃあ、のんびりとお茶をしながらおはじきでもしましょうか。」
待っていたとばかりに微笑んで、相対する側の場所に腰を落ち着けた。
■月神 詠 > 「ええ、はい……それでお願いいたします」
まだ少し赤い頬をぺちぺちと叩いて、あなたの向かいに座る。
そして袋の中身───色とりどりの平たいガラスをちゃぶ台の上に広げた。
「これが"おはじき"でございます。見た事はおありなのでしたね。
遊び方の説明は必要でしょうか?」
動画で見たとは言っていたが、不安なら実演も交えて教えてくれるだろう。
(参考サイト:https://nanapi.jp/ja/62009)
■彩紀 心湊 > 「可愛いわね、貴方ったら…。
彼氏とか出来た日には教えてもらいたいものだわ…もういるかも知れないけれど。」
なんて、面白半分に告げる。
実際、これだけ整った容姿なのだ。放っておく男子など居まいと言った考えなのだろう。
「と、ええ。ルール自体は知ってるので多分問題ないわ。
とはいえ、確認のためにも先行お願いしてもいい…?」
と、先手を何気なく譲る。
■月神 詠 > 「先行は構いませんが……照れさせて手元を乱そうとしても、そうは行きませんよ。
彼───お付き合いを申し出て来られた方など、今まで一人もいらっしゃいませんので」
恐らくそんな意図はないだろうが、いじられの気配を感じて釘を刺した。
これまで友人がいなかったのと同じ理由で、やはり高嶺の花。
あるいは彼女自身が好意的なアプローチに気付いていないだけかもしれない。
そんな話をしながら、散りばめた中から二つを指差し、その間に小指を潜らせていく。
そうしたら次は、一方を指で弾いてもう一方に当て、再びその間に指を通す。
指を触れさせずに通すことができれば、当てられた方を獲得できる。その繰り返しだ。
「……とまぁ、このような感じでございます。お次は心湊さんの番ですよ」
■彩紀 心湊 > 「そうなの…?…意外ね。
貴方ほどの快活な美人…放っておくなど周りの見る目は案外ないものね。いえ、それとも…美人すぎて、というやつなのかしら。」
なんて、褒めちぎりながらもその顔は真面目なもの。
微塵もそんな意図よりもこのゲームを楽しむことに神経を注ぎ込んでいる…。
同じく、2つを指差し、その間に指を通して…といった事をしつつも、そういえばと別の話を切り出す。
「…そういえば、最近は落第街も結構危ないのね。この前襲われかけたもの。」
なんて、軽い口調で告げる。実際には、かなり襲われていたといえる部類なのだが…彼女的には未遂判定のようであった。
■月神 詠 > 「わ、私はそのような……他にもっと見目麗しい方はいらっしゃいますから。
心湊さんこそ、容姿端麗で博識となれば引く手あまたではございませんか?」
おまけに自分のような人間とも態度を変えずに接してくれる人の良さ。
私よりよっぽど素敵な方ですよ、と謙遜も兼ねた褒め殺しをしてくる。
一方で小指の動きは正確無比。針の穴に糸を通すような繊細さでクリアしていく。
……が、その後のあなたの言葉に動揺し、指がおはじきに触れてしまった。
「あっ……いえ、それよりも! 襲われかけたとは、大丈夫なのですか……!?」
今ここにいることが無事である何よりの証明だが、心配なものは心配だ。
■彩紀 心湊 > 「んん…実際はそういう事無いのよ。
案外、学校でも美人の人が多いものだったし…。」
と、今までを思い返す。
実際、いままで、モテた経験といったものないあたり、周りのレベルが高かったというのはあながち間違ってはいないだろう。
「ええ、この通り。五体満足だし、ちゃんと気絶はさせたもの…運は良かったのかもしれないけれど。」
■月神 詠 > 「そうですか……良かった」
初めてできた友人に万が一の事があったら、と思うと気が気ではない。
安堵の表情を浮かべてはいるが、心配は拭えないようだった。
「ただでさえ、近頃は『門』の活性化などで治安も不安定ですから。
我々祭祀局も水面下で動いてはいるのですが……十分お気を付けくださいね」
■彩紀 心湊 > 「…いえ、心配させすぎたかしら。
でも、本当に大丈夫よ。ありがとう。」
そこまで、動揺するとは思っていなかった辺り、自分の感性もだいぶ歪んでいるなと苦笑した。
彼女は、優しいのだ。
「祭祀局、ね…。
そうは言うけど、私としては貴方のほうが心配よ。
…『門』での仕事、楽なものではないのでしょう?…手伝えるのなら、手伝ってはあげたいもの。」
そう、呟くように応える。
こちらが命が脅かされる機会というのは、ちゃんとまっとうな学校生活を送っていれば少ないと言えるものだが…彼女はそうはいかない。
■月神 詠 > ある程度落ち着いたところで、おはじきを再開する。
またしても繊細な指さばきで難なくゲットしていくだろう。
「確かに一筋縄ではいきませんが、今は人手不足の方が深刻でございます。
元が他の委員会から独立したものですから、そもそもの局員がまだ少なく……
そういう意味では、手伝っていただけるというのはとても心強いお言葉ですね」
心湊の持つ知識は祭祀局の活動においても大いに役立つ可能性を秘めている。
危険と分かっているものに誘うのは気が引けるが、行動を共にした方が守りやすいのも確かだ。
「心湊さんにその気がおありなのでしたら、上にかけ合うこともできますが……如何なさいますか?」
とはいえ、決めるのは彼女自身。必要以上に頼み込んだりはしない。
■彩紀 心湊 > 時折、パチンとおはじき同士が小さく音を立てる。
このゲーム、案外難しい。勢いよく飛ばそうと思えば狙いが逸れ、控えめな力で弾こうとすれば今度は指を通すスペースがない。
じわじわと、経験者と初心者では差が開かれていくことだろう。
「そうだったわね。
祭祀局って委員とはまた少し外れたものだったはずだし…。」
そんなことを考えていれば、まさか、そんな提案を告げられ、机を見ていた視線は詠へと上がる。
「…私が?
……考えたことなかったわね。
でも…そうねぇ……。もし、貴女になにかあったとして…側に居たおかげでなんとかなることがあったのなら…それは一生後悔しそうだもの…。」
色々、考えるところはある。
だけども、最初に思ったのはそんな感情。友人が、自分の見えない場所でなにかあるのは嫌なのだと、彼女自身もそう思ったのだ。
■月神 詠 > 「……私の事であれば心配は不要です。
月神の一族ならば強くあれ、と幼き頃から教え込まれてきましたから」
部活でやっている弓道の他にも、武道や陰陽道など様々な術を体得している。
そこに異能も加わり、並大抵の事態では命まで脅かされることはない。
そうあるべきと、そうあらねばと今日まで努力を重ねてきたのだ。
しかし、それでも───
「ですが、そのお気持ちはとても嬉しいです。
私も心湊さんに対して、同じことを考えておりましたので……」
お互いに考えることは同じだった、と己の心中を吐露した。
そうしている内に、おはじきは最後の一個を───詠の得点で終えるだろう。
やはりというか、点差は歴然。これでも加減はした方である。
■彩紀 心湊 > 「…。なら、決まり。
…私も、祭祀局の方に入らせてもらってもいいかしら。
詠さんと比べれば、未熟なところは遥かに多いかもしれないけれど。」
苦笑、というよりは不安を交えての笑みだった。
けれども、笑み足り得たのは友人が向けてくれている好意故か。
これほどに、想われたのも初めてであれば、応えたいと思う感情もまた当然のものであった。
「正直、簡単そうだと思っていたのだけど。
…案外上手くいかないものね…。完敗だもの。」
取ったおはじきの数を見比べて、感心したように息をつく。
けれど、彼女の顔は満足そうに微笑んでいた。
■月神 詠 > あなたの言葉と、手元のおはじきを見て、微笑みながら目を伏せる。
結果だけ見れば詠の圧勝だが、心湊の打ち筋は決していい加減なものではなかった。
初心者なりに取りやすい箇所を見極める能力は備わっており、足りないのは経験。
「何事も、初めの内は誰しも未熟なものでございますから。
祭祀局の御勤めも、おはじきも、これから共に精進してゆけばよいのです。
貴女と一緒に活動できるよう、しっかりと手続きをさせていただきますね」
まだ加入を許可されたわけではないが、歓迎の意を込めて笑顔を向けるのだった。
■彩紀 心湊 > 「…それじゃあ、申請が通れば、詠先輩、という感じになるのかしら。
ふふ、まだ決まったわけじゃないけれど、ソレはソレで楽しみね。」
にこりと、気を緩めたように笑いながらそんな事を言う。
気を抜けばからかってしまう。そんな性なのだろう。
「…しかし、たっぷり時間取ってもらったわね。
流石に、そろそろ貴方も仕事に戻らないとまずそうなものだし…そろそろ退散しようかしら。」
おはじきを一緒に片付けながら、ゆっくりと…ほんの少し、名残惜しそうに席を立つ。
■月神 詠 > 「せ、先輩だなんて……今まで通りで良いですからっ!」
からかわれているのはなんとなく察せているが、それでも反応してしまうのは気を許している証左。
友人同士の気安いやりとりだと思えば、不思議と悪い気はしないものだ。
「まあ、もうこんな……楽しい時はあっという間でございますね」
若干の名残惜しさもあるが、これからの楽しみに比べれば些細なこと。
「またいつでも遊びにいらしてください。おはじきを用意して、お待ちしておりますから」
境内まで見送りに出て、去りゆくあなたにそう微笑むだろう。
■彩紀 心湊 > 「ふふ、それじゃあ詠さん。またあした、学校で。」
軽い足取りの中、軽く振り返れば優しく微笑んで。
こんな軽い気持ちになったのは一体何時ぶりだろうか。
来たときと同じく、控えめに手を振れば、軽く飛び降りるようにして階段を下っていくのだった。
ご案内:「常世神社」から彩紀 心湊さんが去りました。
ご案内:「常世神社」から月神 詠さんが去りました。