2020/07/06 のログ
ご案内:「常世神社」に東雲 七生さんが現れました。
■東雲 七生 > 「えっほ、えっほ。」
石段を一段飛ばしで駆け上がりながら、東雲七生は青竹を運んでいた。
雨で濡れて滑りそうな足元に気を付けつつ、両脇には左右併せて10本ほどの青竹。
伸ばして三つ編みにした真っ赤な髪を揺らしながら、軽々と上って行く。
「いやー、七夕前だからって余った竹こんなに貰えちゃった。儲けたなー♪」
鼻歌混じりにそう呟いて、残り10段、一気に跳び越える。
■東雲 七生 > 「ほいさ、とーうちゃーくぅ。
うーん、何度上ってもきっつい!」
少しだけ上がった呼吸を整えつつ、今まさに上って来た石段を振り返る。
それからその先の浜辺と、遠く水平線を眺めてから満足げに頷いた。
「継続は力なり、成長するもんだなー」
鼻歌を継続しながら青竹を抱え直し、鳥居をくぐって。
おじゃましまーす、と暢気な口調で告げると参道を反れて敷地の端っこへと向かう。
■東雲 七生 > 「この辺でいっか。」
あまり人の邪魔にならなそうな場所を見繕って、抱えていた青竹を立てていく。
40cmほどずつに綺麗に切り揃えられているそれを、等間隔、円を描くように並べて立てていって。
「おっけー、かんせーい!
じゃ、今日も特訓がんばろー。おー。」
出来栄えを眺め、満足げに肯いてからガッツポーズ。
そして拳を高々と天に掲げ、近くの青竹に飛び乗った。
■東雲 七生 > 「おわ、ととと。
こんな不安定か……おっと。」
カタカタと揺れる竹の上に片足立ちでバランスを取る。
竹が立てられているのは玉砂利の上なので本人が言う様に不安定極まりない。
「……気を抜いたら、竹諸共素っ転ぶなー、なるほどなるほど。」
器用にバランスを保ちつつ、思案気に腕組みなんてしてみたり。
しかしすぐにバランスが崩れ、慌てて腕を振り回して体勢を整える。
■東雲 七生 > 「うわっ、と、た……いつまでもじっと立ってたら落ち着かないなこれ……
じゃあ……よっと!」
ぐらぐらと不安定な竹から、円の反対側の竹へと跳び移る。
軽業師めいた跳躍力で無事に反対側の竹に着地すれば。
着地の衝撃で足元の竹が大きく揺らぐ。
「うわわわ!?
ふっ……よっ、ほっ……くぅ……っとぃー。」
あわわわわ、と様々なポーズを取りながらどうにかこうにかバランスを掴んで。
すん、と竹が静かに直立すれば、盛大に溜息を零した。
「ふぅー……おっかねえこれ……おっかねえ……
でも……めっちゃ楽しい!」
ぺかー、と満面の笑みを浮かべている。
■東雲 七生 > そしてそのままひょい、ひょい、と次々と竹を跳び渡っていく。
ときおり大きく揺らいでは慌てて体勢を立て直して、また次の竹へ。
それを繰り返して、環状に並んだ青竹の上をぐるりと一周して……
「楽しい!!!!」
めちゃくちゃぺかーってしていた。
新しいおもちゃを発見した園児並の笑顔が浮かんでいた。
■東雲 七生 > 暫しの間きゃっきゃ燥ぎながら青竹の上を飛び移っていたが、はたと我に返り。
徐に竹から飛び降りると、通信端末を取り出して、
「……ああ、やっべ。そろそろバイト行かなきゃじゃん!」
あたふたとしながらも青竹を十本、丁寧に回収する。
そして来た時同様、両脇に抱えると、
「場所貸してくれてありがとーございました!」
と、本殿の奥にそびえる大岩へと一礼。
■東雲 七生 > 「いっそげ急げーっと。」
小走りで参道へ戻り、鳥居をくぐって石段へ。
一段飛ばしで上がって来たところを、三段、四段と飛ばしてほぼ落ちるように下って行く。
あれよあれよという間に石段のふもとに到達すれば、石段を振り仰いでもう一度、礼。
「ええと、こっちが近道!」
そして青竹を抱えたまま、長い後ろ髪をたなびかせ走り去っていったのだった。
ご案内:「常世神社」から東雲 七生さんが去りました。