2020/07/21 のログ
ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」に月神 詠さんが現れました。
月神 詠 > 夏休みに入り、学生達が羽を休める一方で、常世神社は忙しなさを増していた。
今日から休み明けまで、この神社では毎日「夏祭り」が開催されるからである。
参道から境内にかけて幾つもの屋台や見世物が立ち並び、日によっては神事も執り行われる。
祭祀局員として神社で巫女勤めをしている詠もまた、夏祭りのスタッフに駆り出されていた。

「お暑い中ようこそいらっしゃいました。
 どうぞ、お祭りを楽しんでいってくださいませ」

巫女装束を纏った詠は参拝客ひとりひとりに丁寧な言葉をかけながら会場を回り、
請われれば祈願・祈祷といった奉仕活動も受け付けている。
他の祭祀局員(モブ)や神社の人間(モブ)も離れたところで同様に奉仕活動を行っているだろう。

月神 詠 >  
「ふぅ……」

参拝客への対応が落ち着いたところで一息ついて、額の汗を拭う。
日が落ちれば涼しくなるだろうが、そのぶん客足も増してくるはず。
つまり、大変なのはここからだ。

「私(わたくし)……今日を無事に乗り切れるでしょうか」

言葉とは裏腹に、その表情は期待に満ち溢れていた。

ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」にアリソンさんが現れました。
アリソン > 気づいたら夏休みになっていました。神社という祈りの場所があるというので
地図ならぬ座標を頂きそちらへと移動を果たしたちびっこ。
ちびっこなりに参道に並ぶ屋台や見世物の誘惑に抗い耐えつつ
ちみちみと常世神社にやっとたどり着いたちびっこは参拝客の一人として拝殿へと移動をしていく。

見上げるようにしてじっと拝殿の垂れ下る紐、その根元にある大きな鈴
目の前に置かれた賽銭箱の高さが調度目線よりちょっとだけ上。
背伸びして届くかどうかのぎりぎり具合。お金を取り出して
『ふぬぬぬ』とつま先立ちを無理矢理して―ぷるぷると。

月神 詠 >  
「……あら? お賽銭箱の前に誰か───」

境内まで戻ってきたところで小さな人影を認めた。
賽銭箱に向かって必死に背伸びをしている様を見かねて、そちらへ歩み寄る。

「こんばんは。お参りですか?」

一目で神社の関係者と分かる巫女装束姿でアリソンに声をかけた。

アリソン > 手を伸ばしたところで届かない事件発生。
ぽっくり下駄のような履物を履いて微々たる高さを確保したのに
届いていないという痛い具合。そして手を伸ばし更に賽銭箱に入れようとしたのに届いていない。

ざりざりと玉砂利を踏み締める音が近づいてきたので背伸びをやめてゆるゆるとそちらへと体を向けて

「こんばんはです。おまいりしようとしてとどきません。
 ねがいがかなったのでおれいにおまりにきたのですが、
 おさいせんがとどきません。どうしましょう?」

異能で巫女さんのような恰好と視えた彼女を上目遣いに見詰める。
そっと手に握っていたお金を見せる様に手の内どころを見せ―数枚の硬貨。

月神 詠 > 洋風のアレンジが施された和装───いや、むしろ逆か。
和の要素を取り入れた洋装と言うべきかもしれない。
ともあれ、そんな姿の少女が硬貨を手に困っているようだ。

「まあ、お礼に……ご立派ですね。
 よろしければ私(わたくし)が手助けをいたしましょうか?」

普通は願いが叶う前に参拝にくるものの気はするが、そこはそれ。
柔和に微笑みながら、あなたを持ち上げて高さを補おうかという提案をする。

アリソン > 和風ゴシックという折衷案みたいな恰好を身に纏い、
露出度がかなり控えめになった―外見5歳児に色気も何もないと思う。
硬貨を握りしめて、届かないのでいっそのこと…
と考えていたら巫女さんの方から提案がなされた。それがありましたか!と目を輝かせて

「それで!もちあげてください。おねがいします」

神社の作法はよくわからない。普段は神道ではなくカトリック信者。
神社に来る前に簡単なお参りの仕方を本で眺めて来ただけなので
実際願いが叶う前に参拝に行くものだとは知っていなかった。
持ち上げやすい様にかるく脇を空ける様に両腕をあげて突っ立つ。

月神 詠 >  
「承知いたしました。それでは失礼して……」

両腕を上げた少女の脇に手を入れて持ち上げようとする。
和装のような振袖が付いていて少し苦労したが、しっかりと体の感触を確かめると力を入れ───
こう見えて鍛えているので、見た目より重くともひょいっと持ち上がるだろう。
見上げる高さだった賽銭箱を今度は見下ろす形となる。

アリソン > マテリアズライズされた体ではあったが、この島の住人は何らかの理の力を持つと知識が囁く。
見た目は5歳児であるが中身がもう少し成長している為、外は子供中身は大人というあべこべさが滲む。
口ぶりが舌足らずになりなてており喋る言葉はそれに準ずる事になったのは痛い。

果たして持ち上が…持ち上がってしまった。
見上げていた賽銭箱が巫女さんの力により見下ろす形となり、
掌に握りしめていたお賽銭をちゃりんちゃりりんと音を立てて箱の中へと吸い込まれていった。

「…ᛟᚠᚠᛖᚱ ᚨ ᛞᛟᚾᚨᛏᛁᛟᚾ 」

何か言葉を告げて手を合わせて持ち上げられたまま祈ったという。
それが終われば 小さくおろしていただけますか?とお願いをしたかも。

月神 詠 > 子供とはいえ人の体を両腕だけで持って支えるのは、かなりの負担を強いられる。
しかし、それは詠にとって悦ばしいことであった。

「んふぅ……お上手です、ね?」

賽銭が綺麗に吸い込まれていく様を見て終始にこにこしていた。
耳慣れない祈りの言葉に内心で首を傾げたが、深くは訊かずに頃合いを見てそっと下ろす。

「これで神様もあなた様の祈りを聞き届けてくださるでしょう。
 ちなみに、どのようなお願い事をなされたのですか?」

幼子の可愛い願い事だと思って、やや無遠慮にそんな質問を。

アリソン > 背中に目が付いているわけもなし、持ち上げられている間は
真面目にお祈りをしていたのもあり巫女さんの心境及び顔は下ろされるまで分らなかった。

「じょうずかどうかはわからないです」
「ありがとうございました。しんじるかみさまはちがいますが、
 ねがい…りょうりがうまくなりますように…です。」

ピーマンがちょっと苦手でそれらを使った料理が上手くなりたいという幼子ならではの願いだった。

月神 詠 >  
「神社で困っている方を助けるのが私どもの使命でございますから」

感謝の言葉をにこやかに受け止める。
それから、願い事を聞けばますます微笑ましげに。

「まあ……うふふっ、お料理を頑張っていらっしゃるのですね。
 きっと将来は良いお嫁さんになれますよ」

料理と言えば花嫁修業と教えられてきたためである。

アリソン > 「みこさんとはいかなるそんざいなのでしょうか。」

教会なら修道女修道士神父師父導師等呼び名は幾多在れ、
仏教ならお坊さん、ちょっと分からない。
神道なら確か神主、禰宜権禰宜、巫女さんというのがいるとかなんとか。
その中でも今目の前にいらっしゃるのは巫女さん。巫女さんに巫女とは何たるかを聞こうと質問を。

「にがいしょくざいがにがてです。たまねぎはめにしみます。
 ぴーまんやずっきーになどはにがみがまだだめです。
 およめさんになれるでしょうか?」

よくわかりません、とっても、と首を緩く傾げて瞬きをぱちくり。

月神 詠 >  
「巫女とは、巫(かんなぎ)───すなわち、神に仕えるもののことです。
 占いや祈祷、時には神託を人々に伝える役割も担うのだとか」

詠は厳密には巫女ではないため、やや伝聞調となる。
おおむね祭祀局と役どころを同じとしているので手伝いをしている、という現状だ。
もっと詳しく説明もできるが、専門用語ばかりで子供には退屈だろう。

「苦いものは人を選ぶといいますからね。
 好き嫌いをしないのが一番ではありますが、それでもきっと好い人は見つけられますよ」

アリソン > 「かんなぎ。かみにつかえししもべたち。
 かみのことばをけいゆしてつたえるそんなおやくめとりかいしました。」

5歳児にしては喋りは拙いが言っている言葉は幼女ではないそこそこ育った精神の持ち主の様な喋り。
巫女さんが真面目に説明をしていたのでこちらも真面目に子供なりに接する。

「ほんとうならすべてのしょくざいがつかいこなしてちょうり
 していけばいいのですがむずかしいようです。
 よいひとはうんめいのまじわりにあうでしょうか。
 こればかりはどりょくあるのみのようなきがしています」

なんともむずかしいのです、と言いつつも辺りの物音、主に参道だったりの音に気が散る。

月神 詠 >  
「ええ、概ねその通りでございます」

巫や神託も十分に難しい単語であったが、正しく理解している様子に目を見張った。
知識欲、というのだろうか。知らない事でも積極的に吸収していくらしい。
過度な子供扱いは逆に失礼だったかもしれない、と己を省みる。

「全てを使いこなすのは誰にでも難しいものです。
 得意なものがあれば、それを極めるのも一つの道ですね。
 あなた様なら、きっと良縁に恵まれると思いますよ」

ここまでの会話から相手の器量の良さは見えている。
大きくなったら誰もが振り向くような美麗な人物になりそうだ。
そんな風に思っていると、何やら落ち着かない様子。

「……どうかなさいましたか?
 先程から、しきりに周囲を気にしていらっしゃるようですが」

アリソン > そんなに驚く事でしょうか…あ、今の姿が幼女だった時に気づいた。
見た目は幼児なのに普通なら理解しがたい単語の数々。
今更なので引き続き外は子供 中は普通を続ける。

「わたしなりにできることはかぎられてますので、
 それらをきわめ、すきがないようにいたさねばなりません。
 えにしはつむぐもの つむぎたばねてきょうこにしなければ」

巫女さんと会話をして今日の収穫は巫(かんなぎ)について。
宗教は違えど神に仕える僕はいるのだと理解し学びとれた。
気に留めていなかったが参道の屋台の声とか匂いに惹かれ始めた。
徐々に、欲望に負けつつあるやはり幼女。

「ここにくるまでにあらがえたものを、
 はたしてしまったがためにおまつりでしょうがやたいのかけごえとにおいにまけそうです」

正直に巫女さんに欲望に負けそうです、と伝える。

月神 詠 >  
「ええ、その意気でございます。
 神様もきっと見守ってくださっていることでしょう」

神も仏も精霊も、等しく在るのがこの国でありこの島なのだから。
たとえ宗派が違っても神を信じる心は変わらない。

「ふふっ……つまり、屋台を見て回りたいと?」

再び微笑ましくなって、ついつい優しい目をしてしまう。

アリソン > 「はい」

返事はまともに発する。
等しく神は存在するか―するでしょうが神以外に精霊や怪異もいるこの国にして島。
色々とい過ぎて神様以外に縋っている人もいてもおかしくない。

「みたいです。おまつりとはなん…こくはくします。
 たべあるきというじゃあくなことをきょうだけきょうだけしたいです」

はい、と片手で挙手染みた事をして途中言いかけた言葉をやめて
告白をし巫女さんにお勧めの屋台を聞いてから回ってみる事を告げる。

月神 詠 >  
「屋台は食べ歩くのが基本ですから、お祭りの間だけは特別なのですよ」

邪悪なんて言い回しに小さく笑いつつ、おすすめの屋台を訊かれれば。
食べ物の屋台はもちろん、射的や金魚すくいなどの遊べる屋台も紹介していく。
型抜きなんてステレオタイプなものも出ているようだ。

「私の一推しは"じゃがバター"でございますね。
 ほどよい塩味とバターがほくほくのお芋によく合うのですよ」

屋台ならではの豪快な見た目もお祭り気分がして丁度よい。
カロリーに関しては目を瞑る必要もあるが……

アリソン > 「まつりのあいだだけがとくべつ。
 たべあるきがむしろすいしょうされているおそろしさ。」

そんな馬鹿な、と驚きつつよろめいたような幼女。
たべものの屋台の数々や射的や金魚すくい型抜き等等。
巫女さんお勧めの推しはじゃがバターなる物。
少し気になったのもあるので、其方に行ってみようと思ったとか。
あ、と口にして。

「わたしとしたことがわすれるとはなんたるぶれい。
 わたしは ありそん。ほまれ・ありそん。ではまたのきかいに。」

では!と深々とお辞儀をしてから参道の方へと走るというか早歩きにその場を去って行く。

ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」からアリソンさんが去りました。
月神 詠 > いけない事を教えてしまった気分。
それも祭りの雰囲気がそうさせる。皆やってるから怖くない。うふふ。

「これはどうも、ご丁寧に……アリソン様でございますね。
 私は詠、月神 詠(つきがみ ありあ)と申します。以後お見知りおきを。
 怪我のないよう、夏祭りをお楽しみくださいね」

お辞儀を返し、笑顔で去っていく背中を見送った。
それから自分もお役目に戻るだろう───

ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」から月神 詠さんが去りました。