2020/09/01 のログ
■園刃 華霧 >
「アー……そっカ。そノ辺のあったリ前のトコから適当ダったヨな……
ァ―……」
そういえば、本当に上っ面しか言ってなかった。
そりゃ、感情的でもあったし、初めて言うんだから……少しは勘弁してほしい。
「まァ……言葉通り、なンだけど……ピンと、コないヨな。
知ってルかもダけど、アタシは落第街出身ネ。」
話すと長いし、どこからどこまで話すかなあ、と思いながら。
それでも、半端に教えた分はちゃんとしないとな、という気もある。
だから、だいたい中間くらいを上手く狙って……
「ンで。アタシは、親のコトは知らナい。記憶ノある頃にハ、もう一人ダった。
兄弟も、居たノかわかラん。家も、ナかッタ。
名前も、知らナかッタ。まァ……とにカく、一人で、何もナかったノさ」
生まれた時、というのであれば。知らない、としかいえない。
この辺をまず知らないと、意味もわからないだろう。
「で。ガキん時は……まあ、そンなだカらサ。盗みトか、ゴミ漁りとカ。
だいタい、そんな毎日だっタよ。」
生きるために子どもが出来ることはだいたいやった。
人殺しに手を染めなかったのが奇跡なくらいだ。
「普通かラ、攻めテいくノな……
ま、エイジがいいト思うのデいいンじゃナい?
アフロはアフロで悪くナいよ。」
にしし、と笑う。
大事なのは『選択』だ。
満足行くのを選ぶのが一番いい。
「マジ、オマエでっかイよナー」
遠慮なくペタペタさわる。
「ん、んん~」
上半身に集中し。足だけバタバタ。
バランスは上手く保っているが、なんだか別のことが色々危うい
■山本 英治 >
「……そう、ですか………」
相手が語った過去は、やっぱり子供が生きるのには過酷すぎて。
何も持っていないから。何かを得ようとして行動を起こそうとしたのも。
納得がいくものだった。
自分が同じ状況だったら生きられたか?
自分が同じ状況だったら殺さなかったか?
仮定は無意味とわかっていても、どうしても考えてしまう。
「……子供の頃の園刃先輩の心はもう、誰も触れられないけど」
「今の園刃先輩には、いろんな人が触れようとしていて」
「それを素直に受け取れるくらい、今の園刃先輩は素敵なヒトで……」
「空っぽだったけど、今は空っぽじゃない」
「それがとても素敵です」
髪に触れていたけど、すぐに手を下ろして。
「それじゃ、自分で選んでいきますかね」
「現状維持もいい、現状打破もいい」
「選ぶのは自分自身だ……ははは」
そういう自由があるのも。悪くないのかも知れない。
「でっかいでーす」
触られながら、ちょっとだけ照れた。
「そ、園刃先輩……色々と着崩れているので!」
「早めに撃って姿勢を正してくださいっ!」
体を使って周囲の視線から遮る。
お母さん! 大きく産んでくれてありがとう!!
■園刃 華霧 >
やっぱりしっかり言うとすっきりする。
最近、あちこちに言い回る羽目になったが……まあ、悪い気分ではない。
ごめんな、エイジ。オマエだけ妙に遠回りになっちまった。
でも
「あンがと、そイつは素直に嬉しい……って言いタいとこ、だけド。」
――それを素直に受け取れるくらい、今の園刃先輩は素敵なヒトで
ずきり、と何処かが痛む
「エイジの。あと他にもいくらか。
多分、大事な気持ちは……素直に受け取れてナいかンなぁ……」
自分でも割と不思議ではあるのだけれど。
自分への好意、となるとどうにも鈍い。
トモダチの好き、とそうでない好き、に区別がつかない。
だから、思わずため息のように口にしていた。
「ま、顔は変ワらンしね。
何にしタって困るこトはナいさ。
せいぜい自由に選ぼうゼ?」
アフロ以外になったとしたら、それはそれでネタにされるんだろうなあ、とはちょっと思う。
まあ、それを込みの『選択』だから好きにすればいいと思う。
「ンぁ?」
ぽこん
見事に弾はあたったが、結局ネコマニャンは落下しなかった。
■山本 英治 >
「……素直に受け取ってるから、悩んでるんでしょう?」
目を細めて言う。
自分に誤魔化しができないのは、しんどいね。先輩。
「斜に構えて、何もかも嘘をついている人は好意に悩んだりしません」
へへ、と笑って。
「先輩を足止めする意図はなかったんですが」
「結果として先輩を悩ませてるのは、心苦しい」
鼻の頭を掻いて。
彼女は色んな人の“特別”なんだ。
そんな彼女に“特別”を向けられることを嬉しく思う。
「あー、惜しいですね。それじゃ選手交代で」
先輩を宥めすかして立たせて。
再び食べ物と銃を交換して構える。
「乱れた裾を直しておいてくださいね」
苦笑しながら、ネコマニャンの頭に銃口を向ける。
ポコン、と気の抜ける音を立てて揺れるぬいぐるみ。
手早く次弾を装填し再度同じ箇所を撃つ。
揺れていたぬいぐるみは、後方にズレて倒れた。
とまぁ、連射が肝なんですね。
「おっと、上手いこと成功しちゃったかな?」
「ま、射撃訓練よりは簡単だったということで」
ぬいぐるみを袋に入れてもらって持つ。
「真琴さんとこに送るついでに荷物持ちするんで、レイチェル先輩に渡してあげてください」
空を見上げると。そろそろ花火の頃合いだ……
■園刃 華霧 >
「ン、いヤ……そレは……別に……気にスんなって。
たぶン、大しタことじゃ……なイ。」
悩むのは、しょうがない。性分もある。
別に嫌でもない。ちょっと疲れないこともないけれど。
まだ、立てるのだから平気だ。
それよりも――
「ァー……エイジには、言ってオいた方が、良いカ。」
少し考えて、口に出す。
"特別"……なんて、そんな御大層なものじゃない……はず、だったんだ
「アタシに、好き……って言ったヤツは前に二人ほど、いてナ。
まあ、返事はエイジにいっタのと同じヨーなモン。
で、まァ……ドッチもアタシの前から居なクなってナ。」
一人は、何もわからないまま。
命に関わるような事情を抱えていたし、それが理由で消え去ってしまったのかもしれない。
もう一人は、正しく理由を知らないまま。
行った先はなんとなく知ったし、それは相手の"選択"だったのもわかってる。まだマシだ。
「で、最近また一人増えタけど……そいツはソいつで、問題かかエてルし。
……疫病神かモしンないゾ?」
自分を下げるな、と言われたけれど。ついつい言いたくなってしまう。
そもそも、相手を解せないようなヤツなのだ。
そういう余計な属性もあるかもしれない。
だから、それだけは言っておく。
「はは、上手いナ。そダな。
……いや、うン。せっかくダしアタシが貰ってオくよ」
相手が落としたちょっと大きな人形。
微妙なブサカワ、と人気だが自分にはその辺の感覚はよくわからない。
しかしまあ、貰ったものを横流し、というのもなんだか寝覚めが悪い。
どうせバック一つに入る程度しか私物なんてないのだから、人形一つくらい増えても困らないだろう。
■山本 英治 > 夏の終りは、花火で締めくくられるだろう。
ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」から山本 英治さんが去りました。
ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」から園刃 華霧さんが去りました。