2020/09/11 のログ
■クロロ >
「カカッ、やッぱオレ様のが強ェーンだな!」
間違いなく勝った。この勝負はオレ様の勝ちだ。
そしてこのドヤ顔である。親指で自信を指し
これでもかと言わんばかりに腹立つ顔を向けてくる。
大人げない?そんなこと知った覚えは無い。
勝ちは勝ち。此れで(ホテル以外は)10:0付けた。
「さぁて、何してもらうか……」
と、言いかけた最中爆音と共に夜空が照らされる。
夜を照らす、眩い花火。祭りの光が人々を照らし出す。
「……なンだありゃ?やたら光るけどウルセェな……」
■アストロ >
「あは、すごいすごーい」
ぱちぱちと雑な歓声と雑な拍手で相手の勝利を祝う。
普通の男なら大人げないと煽っていけるのだが、
クロロに関してはそれは当てはまらない。
それに、負けは負けだが、ホテルを含めれば余裕のリード。
「お手柔らかに……お、花火」
すでにシーズンは過ぎている気もするが……悪くないものだ。
■クロロ >
「"ハナビ"か……」
宵闇を彩る無数の輝き。
それこそ名前通りの火の瞬きか。
……どこかで見た事あるような。思い出せはしない。
ただ、"悪くはない"。
「イイモンだな、ハナビ」
こう言うのなら、夏祭りも悪くないかもしれない。
辺りに響く音が鼓膜を揺らす。何気なく、少女の横顔を一瞥した。
「お前は…………」
■クロロ >
「…………まぁいいや」
ため息交じりに、後頭部を掻いた。
「行こうぜ、どーせ夜も長ェしよ」
また無意識に、手を差し伸べた。
まだ夜は長い。お互いの時間が、気が済むまで。
ちょっとしたこの夏のひと時を楽しむのも悪くない。
■アストロ >
「たまに見る分にはね」
空を見上げる少女。金の瞳に映るは、星ではなく火薬の光。
見たことがないわけではないが、じっくりと見たことはなかった。
炸裂音に紛れて聞こえた音に少しだけ視線を落としたが……何も言わなかった。
それに対して悪い気はしないが、まだ、受け入れられない。
今の自分のあり方を、まだ否定できない。
「ん、そうだね。
あ、あっちのリンゴみたいなの食べてみたいなー」
負けたのに調子のいいことを言う。
差し伸べられた手を、魔術を調整してから、そっと握った。
■クロロ >
「…………」
思えばお互いの事どころか、自分は自分の事さえ知らない。
よくもまぁ、此処まで妙な事になったものだと思う。
如何にも調子が狂うというか、でもまぁ、いいか。
クロロは今の状況が嫌いじゃない。
だからこそ、視線を落とした事に、何も言わなかった。
自分の事もわからない男だ。方向性は違えど、今の自分が変わってしまう事に、恐れはある。
「ア?アレか?……本当に美味いのか?」
なんやかんや今日ばかりは素直に聞いてくれるらしい。
握った手を優しく握り返し、再び人込みへと紛れていった…。
ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」からアストロさんが去りました。
ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」からクロロさんが去りました。